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「怪異と乙女と神隠し」舞台巡りライド
漫画「怪異と乙女と神隠し」の舞台巡りライドをしてきました。
まえがき
まずは作品の説明などを。
「怪異と乙女と神隠し」について
「怪異と乙女と神隠し」は、ぬじま先生による漫画作品です。小学館のウェブコミックサイト「やわらかスピリッツ」にて連載中。
漫画のテーマは「怪異」。妖怪や都市伝説を題材にした作品です。
小説家志望の書店員・緒川菫子はある日勤務先の書店で「逆万引き」の本を手にしたことから同僚の不思議な少年、化野蓮とともに様々な怪異な事件と関わることとなる。
Wikipediaより
少し例えが古いですが、「アウターゾーン」とか「地獄先生ぬ~べ~」に近い雰囲気を持っています。
2024年4月からはアニメ放送も始まり、人気が高まっています。主人公の一人、化野(糸目の青年)の声優は弱虫ペダルの坂道君と同じ人。
作品愛称は、「とと神」。「怪異と乙女と神隠し」ということみたいですね。
読み始めたきっかけ
私がこの作品を読み始めたのは2023年の1月から。
確か、Twitterでサンプル漫画がリツイートされてきたのを読んで「面白そう」だと思ったのがきっかけだったはず。その日のうちに5巻まで購入。
昔から「少年誌でやってる都市伝説や妖怪をテーマにした漫画」が好きでした。先述の「アウターゾーン」や「ぬ~べ~」はもちろんですが、ガンガンでやっていた「夢幻街」「浪漫倶楽部」とか、マガジンの「妖怪のお医者さん」も好きな作品です。最近だと「虚構推理」も好きでした。
こうした漫画と似た雰囲気を感じたこともあり、すっかりハマってしまいました。
アニメももちろん視聴。原作に沿った内容で、毎週楽しんで見ています。
なお、本作品は所々に筋肉少女帯(というか大槻ケンヂ)ネタが出てくる所も個人的に気に入っています。
「とと神」の舞台は川崎だった?
作者の「ぬじま」先生もアニメを楽しんでおられるようで、毎週Twitterでリアルタイム実況をしています。
そこで「おや?」と思ったのがこのツイートです。
二人の会議場。川崎の端っこです #怪異と乙女と神隠し #totokami #とと神8話
— ぬじま (@NJ_Kilroy) May 29, 2024
えっ、川崎……?
このブログの記事でも何度か書いていますが、私は川崎市民です。2008年に就職を期に引っ越して以来、16年間川崎市に住んでいます。
ぬじま先生がツイートした時刻から察すると、「海を挟んだ工場夜景を見下ろす東屋」のシーン(第8話 17分50秒あたり)での発言のはず。
この場所が川崎だとすれば、恐らく工業地帯の海沿い。具体的には東扇島周辺ということになります。
該当する場所を探した所、東扇島に渡る人道のある「ちどり公園」であることが分かりました。
単にそのシーンだけが川崎なのかと思ったのですが、こちらの作者インタビュー記事を見ると「とと神」という作品の舞台が川崎周辺であるようでした。
舞台となった場所に行ってみよう
それを踏まえて1話から読み直してみると、知っている風景ばかりであることが判明。1話の3ページから「ラゾーナ川崎」が出てきてましたし。何故気づかなかったのか……。
最近はこうしたアニメ・漫画の作品の舞台を特定しているサイトが多いものですが、何故か「とと神」にはそういったサイトはありませんでした。同じく川崎を舞台にした「ガールズバンドクライ」はその手の情報が充実しているのに……。
まぁ、川崎市と公式にコラボしている「ガルクラ」と違って、「とと神」はそういったコラボがあるわけでもないので川崎舞台の作品だと気づいている方が少ないのだと思いますが(私も気づいてなかったし)。
「誰もやってないのなら自分がやろう」ということで、分かる限りの舞台となった場所を探してみることに。そして、調べた場所を自転車で巡ってきました。これは川崎市民の役得ですね。
次章以降では、作中のモデルとなったと思われる場所を紹介していきます。
「とと神」舞台モデルマップ
モデルとなったスポットのマップを作成しました。
- こちらにプロットしたスポットは私が独自に調べたもので、誤っている場合があります。
- 原作の1~7巻までに出てきたスポットを対象としています。
- 基本的には公共的なスポットのみをプロットしており、個人宅等は対象としていません。
- 聖地巡礼の際は地元の方の迷惑とならないようご注意ください。
スポット紹介
サイクリングしつつ巡ってきた各スポットの様子を紹介します。
まだ全ては回れていませんので、回った所のみを紹介。行った場所は後々追記していきます。
あおい書店 川崎駅前店(閉店)
- 1巻 第1話
など多数登場
菫子と化野が働く「みどり書店」のモデルは、かつて川崎DICEの4階にあった「あおい書店 川崎駅前店」だったようです。
2018年3月末で閉店しており、既に行くことが出来ない場所となっています。
東田公園
- 1巻 第2話
変若人(おちびと)となった菫子が化野と共に月光を浴びるために訪れた公園です。
川崎の繁華街の中にある公園ですが、敷地内に神社があって不思議な雰囲気の場所です。
作中では公園入口に「宝塚」という建物がありますが、かつてこの公園の向かいにはそういう名前のキャバクラがあったようです。Googleストリートビューを見ると、2022年以降は駐車場に変わっています。
千鳥橋
- 1巻 第2話
東田公園で化野を出し抜いた菫子が走って逃げていく途中で通った橋です。
夜は工場夜景が綺麗に見える場所でもあります。
なお、東田公園から千鳥橋までは約5kmとかなり離れています。縮んだ体で5kmを走って逃げた菫子は中々の元気さですね。化野が息を切らせていたのも納得です。
ちどり公園
- 1巻 第2話
- 4巻 第13話
逃げた菫子が最終的に追い詰められた臨海公園です。千鳥橋を渡った先にあります。
化野が「ここで捕まえないと」と言っているシーンで描かれている展望台。
菫子が最終的に追い詰められた海辺の広場。夜間は釣人が多いです。
1巻で登場する場所ですが、その後も何度かこの場所は作中に登場します。
まえがきで書いた、ぬじま先生が実況で書いていた「2人の会議場」もここです。見える風景は作中の風景と実際ではちょっと違います。
この公園の敷地内には東扇島に渡る人道入口があります。ここは個人的に川崎でも「怪異」を感じる場所なので、ぜひ今後登場してほしいものですが……。
富士見湯
- 2巻 幕間その1
菫子・乙・畦目先生が3人で訪れた銭湯「富湯」のモデルと思われるのが、川崎駅近くにある銭湯「富士見湯」です。
昔ながらの銭湯といった雰囲気。作中では大きな煙突が描かれていますが、現在は煙突はありません。こちらのサイトを見ると、過去には大きな煙突があったようですね。
(追記・2024/7/8)
銭湯の風呂に浸かってきました。
内部の様子も作品に出てきたそのままでした。本当に絵に描いたような「昔ながらの銭湯」です。
煙突について聞いてみると、「昔は薪でお湯を沸かしていたが、今は違う方式になったので3年前に撤去した」そうです。
銀柳街
- 2巻 幕間その1
化野が、「時空のおっさん」を訪ねて歩く中で通った商店街です。
川崎駅前で一番大きな商店街です。
中華料理 天龍 銀座街店
- 3巻 8話
- 5巻 幕間②
シズクが菫子と乙を連れて行ったラーメン屋「龍田」のモデルと思われる場所が「天龍」。銀柳街の向かい、銀座街にある中華料理屋です。
見ての通り、かなりの人気店です。今度、実際に食べてみようと思っています。
(追記・2024/7/8)
入店してラーメンを食べてきました。
作品内に出てくるラーメンとは全く異なるルックスです。
店の内装も作品とは大きく違っていたので、「天龍」がモデルとなったのは外観だけなのでしょう。内装とラーメンは別の店がモデルである可能性が高そうです。
赤い浮き II
- 3巻 8話
- アニメのオープニング
乙と菫子が「きさらぎ駅」に入る際に合言葉を唱えるオブジェのモデルが、ルフロン川崎前にある「赤い浮きII」です。
「都市の活力と復興を表現した」というアルミニウム合金の彫刻だそうで。まさか異世界の入口にされてしまうとは。
ちなみにすぐ隣には、川崎地下街アゼリアの入口がありますが……なんとなく「きさらぎ駅」の造形モデルはこれっぽい気がしますね。都市伝説上の「きさらぎ駅」は遠州鉄道がモデルと言われていますが。
ガス橋
- 3巻 9話
菫子が失踪したトモコさんについて化野と電話する際に歩いている橋のモデルが「ガス橋」です。
多摩川に掛かる橋で、平間と下丸子の間にあります。
作中では市の図書館にいった菫子が歩いている設定ですが、周囲には川崎市の図書館はありません。
川崎ハローブリッジ
- 5巻 幕間②
猫の王に追いかけられた菫子たちが辿り着く、時空のおっさんのテリトリーとなっている場所のモデルが、「川崎ハローブリッジ」です。
キャノボルートでもある国道15号の上に掛かった大きな歩道橋。私は、ラーメン屋「川崎家」に行くときに良く通ります。
菫子と乙が腰掛けているベンチ的な場所。
上空から見ると、かなり独特な形をした歩道橋です。
川崎区総合庁舎
- 6巻 20話
猫の王の出自を調べるため、菫子が調査に行った役所のモデルが川崎区総合庁舎です。
川崎ハローブリッジのすぐ脇にあります。
番外: OPテーマのPVに出てくる「!」標識
アニメのオープニングテーマ「ハザードシンボル」も、作品と同様に「!」標識をモチーフとしたミュージックビデオとなっています。
ビデオのラスト30秒くらいに実写の「!」標識が映る場面があるのですが、それがどこなのかを探してみました。
場所は、笹塚駅そばの玉川上水沿い。この標識自体がかなりレアなので、現地に行って確認してみました。
まとめ
「怪異と乙女と神隠し」のモデルとなった場所の紹介でした。
調べてみると思った以上に「川崎市」が舞台でしたね。1箇所だけ江の島がありますが、その他のスポットは川崎東部に集中しています。
ちどり公園は是非夜に行きたかったので日を分けましたが、回ろうと思えば自転車で1日あれば回りきれるでしょう。ただし、川崎駅周辺は非常に自転車で走りにくい(車も人も多く、一方通行も多い)のでご注意を。
「とと神」ファンで神奈川周辺の方、興味があればマップを参考にモデルとなった場所を巡ってみてください。
なお、本記事を公開した6月11日は、「怪異と乙女と神隠し」8巻の発売日です!
著者情報
年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。