超小型の電動携帯ポンプ CYCPLUS「CUBE」をテスト

クラファンのリターン品である、CYCPLUS「CUBE」が届きました。

nano Fumpaと並び、現時点で世界最小クラスの電動携帯ポンプです。

購入まで

今回は、Indiegogoのクラウドファンディングで出資したリターン品として「CUBE」を受け取りました。

出資までの流れ

出資までの流れについては↓の記事にまとめています。

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私はクラファンへの出資はなるべく行わないことにしているんですが(怪しい製品が多いから)。

今回は「CYCPLUSはそれなりに実績のあるメーカーである」ことと、「既に動くプロトタイプの動画があり、公称スペックを満たせていそうだった」ということで、出資を決めました。

実は出資した数カ月後に、日本でCUBEのクラファンを担当している会社からレビュー依頼は頂いたんですが、既に出資していたのでそちらは断りました。良い品だったら2つあると嬉しいですが、ダメな品だったら2つ持ってても困るだけなので。

出資~リターン品が届くまで

出資したのは昨年12月ですが、届いたのは本日・3/16。大体3ヶ月は待ちました。

配送はクロネコヤマト。

松戸の会社が国内の配送を担当しているようで、一旦各国で一つの会社が受け取って発送を担当しているのかもしれません。

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待っている3ヶ月の間に、スペック的に近い「nano Fumpa」を発見し、使ってみたりもしました。

今回の記事では、nano Fumpaとも比較しつつ、ファーストインプレッションを書いていきます。

CYCPLUS「CUBE」

nano Fumpaの概要について見ていきます。

価格

Indiegogoでのクラファンで、9500円(当時のレート)ほどでリターン品を得る権利を購入しました。

CYCPLUS

The tinest electric bike pump in the world. Weighs only 97g.…

現在はCYCPLUSの直販でも販売されており、こちらは89ドル。

日本への発送にも対応しており、現在のレートで12000円ほどで購入可能です。

スペック

CUBEの公称スペックを、事実上のライバル機器とも言えるnano Fumpaと比較してみます。

 

nano Fumpa CUBE
重量 100g 97g
電池容量 7.4V/250mAh
リチウムポリマー
7.4V/300mAh
リチウムポリマー
充電端子 USB Type-C USB Type-C
充電時間 45分 20分
本体サイズ 57.0*47.0*26.0mm 65.0*46.5*28.0mm
対応するバルブ 米式、仏式 米式、仏式
最大気圧 110PSI
(7.6気圧)
100PSI
(6.9気圧)
充填速度 700x23Cタイヤを、100秒で6.2気圧 700x25Cタイヤを、90秒で5.4気圧

サイズも能力も大きな差はありません。

大きく違うのは充電速度で、CUBEの充電時間は半分です。その分だけ、バッテリーの劣化は早くなる可能性があります。

ファーストインプレッション

とりあえず家で使ってみてのファーストインプレッションです。

パッケージ

パッケージの裏側には説明が書かれています。

nano Fumpaはサイトの説明とパッケージの説明が不一致でしたが、こちらは一致していますね。

パッケージの中身はこちら。

  • 説明書(7か国語)
  • 本体
  • シリコンケース
  • Type-Cケーブル
  • 予備パッキン
  • 米式バルブ用ノズルピン

予備のパッキンが付いてるのは良心的。どうやってもここは使っていくと劣化する消耗品なので。

重量

公称97gで実測97g。偽りなし。大抵の手動携帯ポンプより軽いです。

専用のシリコンケースはやや重く、セットにすると116g。ただ、このシリコンケースは付けておいたほうが良いと思います。理由は後述。

大きさ

nano Fumpaと並べて大きさを確認。

CUBEのほうがやや大きいですが、nano Fumpaは口金の出っ張りが大きく、収まりは良くありません。それに比べるとCUBEは出っ張りが少なく、色々なところに収納できそうです。

厚みは両者同じくらいです。

ソフトなツールケースにもすんなり入ります。

充電

Type-C端子を採用しています。

どうやらこの充電用の端子が外部の空気を取り入れる吸気口を兼ねている様子。このため、充電をしながらの使用はできません

もっとも、充電時間より使用可能時間のほうが短いので、充電しながら使っても多少稼働時間が増えるだけでしょうが。

公称充電時間は20分。1.5Aでの充電となっていましたが……

実際に充電してみると、17分半で満充電となりました。大半の時間は1.5Aどころか2Aを超えており、かなりの高速充電です。

ただ、充電が早いとバッテリーの劣化も早いので、少し心配ではあります。

CYCPLUS公式アカウントから連絡があり、「200回の充放電の後でも問題なく使用できることは確認している」とのことでした。

空気充填

使用方法ですが、ちょっと複雑です。

  1. スイッチをシングルクリックすると、インジケータが点灯する。
  2. インジケータが点灯して3秒いないに、スイッチをダブルクリックする。

連続でトリプルクリックをしても起動せず、シングルクリックから一呼吸置いてダブルクリックする必要があります。

使用の様子を動画に撮ってみました。うるさいので音量は絞ってください。

恐らくこの複雑な操作は誤動作の防止を狙っていると思われます。

nano Fumpaは「スイッチ長押しで起動」でしたが、ツール缶などに入れれば長押しされる状況は普通に起こるものです。

一方、CUBEの起動方法は意図しないと中々再現できない動きです。誤動作はしにくいでしょう。

nano Fumpaは50秒で停止しますが、本製品は自動停止しません。スイッチを再度シングルクリックするか、電池が切れるまで動作し続けます。

充填能力

内幅15mmのナローリムに、前提内幅17mmの25Cタイヤを取り付けた状態でテストしました。

90秒の充填で、5.48気圧まで充填できました。

公称スペックが「25Cタイヤを90秒で5.4気圧」なので、ほぼ目標の性能を達成しています。

試しに150秒の充填も行ってみましたが、6.51気圧まで入りました。恐らくこの辺りで頭打ちのようです。

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ただし、同じだけの空気を入れても、空気圧はタイヤ幅やリム内幅で変化します。

実戦投入する前に、「自分が使っているタイヤではどの程度の空気圧まで上げられるか」をあらかじめテストしておくべきでしょう。

あと、CUBEのパッキンの出来はnano Fumpaよりも良いです。確実にバルブをホールドしてくれますし、既に空気の入っているタイヤに取り付ける時も空気の抜けが少ないです。

この手の携帯ポンプの宿命ですが、内部にコンプレッサーを内蔵しているため、動作音が爆音です。

ただ、CUBEは事前に想像していたよりはうるさくありませんでした。

いつもならここで騒音計を買ってくる所ですが、調べてみるとスマホに「騒音計アプリ」なるものを発見したので、こちらで計測を行うことにしました。

騒音テストの内容は以下のとおりです。

  • 騒音アプリで計測を実施
  • 測定対象は、「CUBE」と「nanoFumpa」
  • 1m離れた距離で騒音を計測
  • 5秒間の平均値を音量として記録

結果は以下のとおりです。

nano Fumpa CUBE
重量 68.5dB 65.0dB

3.5dBというと小さな差に見えますが、音量にして1.5倍ほどの差があります。

CUBEよりも、nano Fumpaの音量のほうが1.5倍うるさいということです。

また、CUBEの動作音には高音成分が少ないですが、nano Fumpaの動作音には高音成分が多いため、体感的にも後者が耳障りに感じます。

nano Fumpaもそうでしたが、CUBEも動作時はかなり熱くなります。

そこで大事なのが、このシリコンケース。

これを付けた状態であれば、素手で握れる程度の温度に収まってくれます。

ただ、動作時の熱に加えて圧力が高まることで高温になる(断熱圧縮)、こちらの口金部分はかなり熱くなります。シリコンにも覆われていない部分なので火傷に注意してください。

nano Fumpaのマニュアルには「樹脂バルブのTPUチューブには使わないように」と言う注意書きがありましたが、CUBEのマニュアルにはそういった記載はありません。

ただ、どちらも口金部分がかなりの熱を持つことは確かなので、樹脂バルブに使うことはあまりオススメできないと思います。どうしてもという方は家で一度テストして問題がないことを確認したほうが良いでしょう。

CYCPLUS公式アカウントから連絡があり、「樹脂バルブのTPUチューブは溶ける可能性があるので非推奨」とのことでした。
金属バルブのTPUチューブであれば問題ありません。
振動

振動も機械的な計測を行いたかったのですが、やり方が不明なので主観で。

振動はnano FumpaよりもCUBEのほうがマイルドです。

充填時の動画を見てもらえればわかりますが、バルブナットの動きはnano Fumpaのほうが大きかったですし。

電池の持ち

1回の充電で270秒間使うことが出来ました。

公称動作時間は200秒ですが、実測はそれより1分ほど長かったです。

25Cのタイヤを2本、5.4気圧くらいまで持っていく能力はありそうでした。

なお、nano Fumpaは400秒ほど使えました。

その他

本製品は恐らく安全装置が付いているのか、空気の入っているタイヤに「追い充填」をしようとしても起動しないようになっています。

こちらの注意書きがそうですね。

「空気の入っているタイヤに使う場合には、口金をバルブに接続する前に起動してください」

という感じでしょうか。起動後にバルブに接続すれば、「追い充填」は可能でした。

補助チューブ

本製品は口金にネジが切られていないため、補助チューブの類いが非常に使いにくいです。

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一応これは仏式の口金に使える補助チューブなので、使えなくはないです。

口金がねじ切り対応だったら良かったんですけどね。口金の中身をひっくり返して米式にした上で、ねじ切りがあれば色々な補助チューブが使えたんですが。

まとめ

正直、ライバルのnano Fumpaよりも出来が良かったです。

空気の充填能力こそ大きく変わりませんが、下記の点でCUBEのほうが優れています。

  • 誤動作の可能性を下げる起動方法
  • 高温になることを見越して、素手でも扱えるように専用シリコンケースが付属
  • 振動と騒音もライバルより控えめ
  • 充電が早い

最後は電池の劣化が早まるので弱点でもありますが、頻繁に使用するものではないはずなので、そこまで気にしなくても良さそうです。

後発の強みを生かして、既存製品の問題点を良い具合に対策してきたな、という印象。……クラファンでこんなまともなモノが来ることがあるんですね。

ちょっとnano Fumpaは実用には厳しいと思う点が多かったのですが、CUBEは「次のブルベに持っていっても良いかな」と思える水準には達していました。

もう少し使い込んでから詳しくレビューを書こうと思います。

著者情報

年齢: 38歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。


この記事を書いた人
ばる
ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)