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各社デュアルコントロールレバーの重量比較
各社のドロップハンドル用デュアルコントロールレバー(以下、レバー)の重量データのまとめ記事です。
(2024/4/26追記)
GROWTACとWheelTopのレバーが発表されたので一覧に追加しました。シマノ・カンパの新レバーも追加。
導入
下記の記事を書くにあたり、私は各社のレバー重量を調査しました。

レバー重量を調査
知りたかったのは、「リムブレーキ用(ワイヤーでブレーキを動かす)」と「ディスクブレーキ用(油圧でブレーキを動かす)」のレバー重量の差。
私はディスクロードにモッサリ感を感じる理由を探っており、その理由として着目したのがレバー重量でした。
「これは結構大差があるのでは?」と仮定して調べ始めましたが、予想通り。同グレード同士ならば、リムブレーキ用レバーの方が下記に示すだけ軽いことが分かりました。
電動変速の場合: 約60~100gほどリムブレーキ用レバーのほうが軽い
謎の表を頂く
そんなことをツイートした所、とある方から下記画像をリプライで頂きました。
出典は不明ですが、中国サイトの調査データのようです。一番左の「手変」という列がレバーのことですね。
かなり網羅はされているのですが、パっと見で理解しにくいと感じたので、各メーカー・方式ごとに整理してみることにしました。
重量比較表【2024/04/26版】
そして、メーカー・方式ごとにまとめた結果が以下です。
主要メーカーとして、シマノ・カンパ・スラム、そして最近トライスポーツが扱い始めたSENSAHを加えてみました。
重量データは基本的に先述の中国語の表を元にしていますが、足りない部分はメーカー公式サイトから公称値を調べて掲載しています。
そして、このあとは各メーカーごとに気づいた点を書いてみようと思います。
SHIMANO
一番沢山の種類のレバーを作っているのがシマノです。上の表だけでも19種類もあります。さすが世界一のメーカー。
同グレードにおけるリムブレーキ用レバーとディスクブレーキ用レバーとの重量差もかなり大きく設定されています。
一番差が大きいのは、DURA-ACE R9100世代の機械式変速レバー。なんと173gの差があります。ST-R9120は最上級グレードなのに堂々の500g超え。一度は導入を検討しましたが、アルテグレード(ST-R8020)とほとんど重量が変わらないので諦めた記憶があります。
あと面白いのは、無線化したレバーが少し重くなっていること。なんとなく無線化すると軽くなりそうなイメージがありますが、ST-R9270はST-R9170に比べて30g程度重量化しています。通信用のモジュールと電池重量ですかね。そもそもの設計思想が少し変わっている気はしますが。

今回の表を作るに当たって存在を初めて知ったのが、初代ロード用のディスク用電動レバーである「ST-R785」。2013年発表です。
こちらのレバー、形状が最新のST-R9270によく似ているんですよね。レバーの根本が頭の部分までつながっておらず、レバーの頭が握りやすい形状になっています。ある意味、ST-R9270の直系の先祖はST-R785なのかもしれません。
Campagnolo
カンパもシマノからは遅れたものの、かなり前から電動変速に対応してきました。
同グレードにおけるリムブレーキ用レバーとディスクブレーキ用レバーとの重量差はシマノよりはやや小さく、100~120gと言った所。
電動変速ではシマノよりも重いですが、機械式変速ではシマノを上回る軽さを持つカンパ。エルゴパワーは握りやすさでも定評があり、ファンも多いです(私の妻もその一人)。
スラム、シマノと変速が無線化しましたが、そろそろカンパも無線化するのでしょうか?
SRAM
電動化は遅れたスラムですが、いきなり「無線」という武器で市場にインパクトを与えました。eTapは無線変速の代名詞とも言えるでしょう。
シンプルな構造であるダブルタップレバーは重量も軽く、機械式変速ではシマノやカンパよりも軽量となっています。
ただ、ちょっと謎なのがディスク用レバーの公称重量。何故か前後のブレーキキャリパー・ホース・フルードを含んだ重量が掲載されており、パーツごとの重量が不明なのです。
他のメーカーのパーツ重量から類推すると、ブレーキキャリパー・ホース・フルードの合計重量は300~350g程度と想定されます。全体的にライバルメーカーよりは重めに見えますね。
SENSAH
新興メーカーのSENSAH。数年前はAmazonで売っている怪しい中華ブランドでしたが、最近はトライスポーツが国内代理店に就いて見かける機会も増えました。
本国には油圧ディスブレーキ向けレバーもありそうですが、未だに国内で流通しているのはリムブレーキ用レバーのみ。
大手3社に比べると重いですが、そこそこの重量には収まっています。今後供給が減りそうなリムブレーキ用レバーの救世主となるか注目です。
GROWTAC
2024年5月に、「EQUALコントロールレバー」が発売されます。

曰く、「何でも引けるレバー」。ケーブルを引っ張る形式のものであれば何でも引けるレバーです。
左右合わせて415gと、機械式としては軽く仕上がっています。
WheelTop
2024年4月に、電動無線変速「EDS」がデリバリー開始されました。
安価に電動・無線化が出来る手段として注目を集めています。ものすごく軽いわけではないですが、105Di2と張れるくらいの重量に仕上がっています。
凄いのは、リムブレーキ用も用意されていること。メカニカルディスクを引きたい人もリムブレーキ用のレバーを使うことが出来ます。
まとめ
各社のレバー重量のまとめでした。
とりあえず改めて思ったのは、「ディスクブレーキ用(油圧)の機械式変速レバーは重すぎる」ということ。
一番買う人が多いと思われるアルテグラグレードで500g超えはちょっとキツイです。リムブレーキ用のレバーに比べて135g重いわけですからね。そこそこ立派なライト1個分ハンドルが重くなります。
ディスクブレーキで油圧が当たり前の時代となると、変速は電動が必須になるのかなーというのが現在感じていること。
値段は高いですが、性能を重視する人は「ディスクロードには電動変速」をオススメしておきます。後から組み替えるとえらく高くなるので、新車を完成車で買う時に電動変速の完成車を買うのが良いでしょう。

「電動ディスクは高すぎて無理!」という方には、こういう手段もあります。リムブレーキ用レバーで引く機械式変速。相当マニアックなやり方ではありますが……。
著者情報
年齢: 37歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。