軽量SPDシューズの重量調査(2021年4月版)

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個人的に調べている「軽量SPDシューズ」のリストの2021年4月版を記事にしておきます。

目次

軽量SPDシューズについて

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↑の記事に詳しく書いていますが、私はブルベやロングライドでは基本的にSPDシューズを使っています。

昔はSPD-SLのロードシューズでロングライドをしていましたが、雨の日にコンビニで転びかけたり、輪行で大変だったりということもあって、SPDシューズ派に転向しました。レースのときにはSPD-SLを使うこともありますが、最近はほぼSPDです。

SPDシューズの特徴

レースで早く走るために作られたSPD-SL等のオンロード用ビンディングシステムに対し、SPDは「歩く」ことを念頭に入れて作られたシステムです。元々の出自がオフロード用のビンディングシステムですからね。

 

アウトソールは歩きやすいようにゴムの滑り止めが付いており、クリートも靴底から出っ張らないような形状になっていることが多いです(例外あり)。

SPDシューズの長所・短所

SPDシューズの長所は以下のようなものが挙げられると思います。

・歩きやすい(適度にしなるソール)
・滑りにくい(靴底の滑り止め)
・両面SPDペダルが使える
前述の通り、足場が悪くても歩きやすいのが最大の特徴。
また、オンロード用ビンディングシステムの場合は通常ペダルが片面でしかキャッチできませんが(スピードプレイは例外)、SPDペダルには両面タイプがあります。ロングライド後半、クリートをキャッチ出来なくてイライラするストレスを減らせるので重宝しています。
そんなSPDにも、もちろん短所があります。
・シューズ、ペダルともに重い
・クリートが小さく、人によっては点で足裏を押されるように感じる
SPDはオフロード用に作られたビンディングシステムということもあり、シューズもペダルも耐久性の高い構造になっていることが多く、重量はかさみます。
組み合わせにもよりますが、ペダル+シューズで、片足あたり150g程度は重くなるはず。
「重量増」 VS 「歩きやすさ・キャッチしやすさ」を天秤に掛けて、私はメリットのほうが勝ると思っているのでSPDを使っています。

軽量SPDシューズ

クランクは1分間に80~90回転。一時間に換算すれば約5000回上下することになります。少しでも軽くなると、数百kmを走ったときの足の疲労度は変わってくるはずです。

そんな理由から、私は「軽量SPDシューズ」を探して使ってきました。

「SPD」と「軽量」は相反するものです。実際、つい最近まではMTB用の頑丈なシューズがメインで、「SPD=MTB」でした。

しかし、そこまでヘビーデューティーさを求めないロードツーリング向けのモデルなどが徐々にラインナップされ始め、近年ではグラベルレース用途として軽量なSPDシューズがラインナップされるようになりました。

本記事では、現状のSPDシューズの中で、各メーカーの軽量モデルをリスト化し、比較してみたいと思います。

 

ちなみに、現状シマノ製で一番軽いSPDペダルはコレです。片面ですが。

重量比較表

2021年4月現在、日本国内で手に入るSPDシューズの中で、軽量(公称重量が概ね片足350g以下のもの)をメーカーごとにまとめました。

Bontrager・GIANT・SIDI・Northwave・Patrickは、公称重量の記載が無いため、今回は対象外としています。グレーアウトされているのは現行品ではないモデルです。

 

ブランド 製品名 公称値 実測値 クロージャ 備考
重量[g] サイズ 重量[g] サイズ
SHIMANO RX8(SH-RX800) 265 42 298 43 BOA 当サイト実測重量
309 45 BOA Road.cc実測重量
XC1(SH-XC100) 334 42 306 43 ベルクロ 当サイト実測重量
322 44 ベルクロ くろみつさん実測重量
XC3(SH-XC300) 332 42 BOA
XC5(SH-XC500) 301 42 308 43 当サイト実測重量
XC5(SH-XC501) 298 42 313 43 BOA 当サイト実測重量
XC7(SH-XC701) 326 42 355 44 BOA r2bike実測
XC9(SH-XC901) 330 42 387 44 BOA r2bike実測
RT4(SH-RT400) 287 42
RT5(SH-RT400) 317 42 339 43 ベルクロ 当サイト実測重量
GIRO SECTOR 342 42 BOA
RINCON 340 42 BOA
RANGER 335 42 ベルクロ
EMPIRE VR90 325 42.5 388 45 GearLab実測重量
REPUBLIC LXR 310 42
fizik TERRA ERGO LACE X2 329 42
TERRA POWERSTRAP X4 292 42 376 44 ベルクロ Road.cc実測重量
316 40 ベルクロ ADVNTR.cc実測重量
TERRA X5 288 42 304 41 BOA Jimmyさん実測重量
DMT M1 310 41 381 43 BOA 当サイト実測重量
MH1 300 42 BOA
KM1 295 42 BOA
KM3 285 42 BOA
Rapha Explore Powerweave ? ? 357 43 BOA Bikeradar実測重量
386 45 BOA Road.cc実測重量
Explore 300 42 340 42 CyclingWeekly実測重量
MAVIC COSMIC BOA SPD 270 ? 325 45 BOA Road.cc実測重量
ALLROAD ELITE 295 ?
SPECIALIZED S-WORKS RECON 301 42 332 44 BOA Bikeradar実測重量
RECON 3.0 355 42 422 46 BOA Road.cc実測重量
RECON 2.0 357 42 BOA
RECON 1.0 331 42 ベルクロ
Suplest CROSSCOUNTRY PRO 329 ? BOA インソール無し重量
CROSSCOUNTRY PERFORMANCE 308 ? BOA インソール無し重量
XC/GRAVEL PERFORMANCE 308 ? BOA インソール無し重量
LAKE MX332 SUPERCROSS 330 42 BOA
MX332 340 42 BOA
GAERNE G_KOBRA 341 43 BOA
G_HURRICANE 321 43 BOA
CARBON G_SINCRO 348 43 BOA
TRIBAN RC 500 306 42 342 45 Road.cc実測重量
dhb dorica MTB 335 42 282 39 ObbHTさん実測重量

 

注目のモデル

上記の表の中で、個人的に注目と感じているモデルを紹介します。

SHIMANO 「RX8」

この表で一番軽いモデルが、シマノのグラベル用シューズ「RX8」です。現在、手に入るSPDシューズでは最軽量だと思います。

2019年末に限定モデルとして発売されましたが、現在ではレギュラーモデルとなっています。

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私もあまりの軽さに驚いて速攻で購入しました。

確かに軽かったのですが、カーボン製ミッドソールがあまりにも硬くて歩きにくく、私のようなロングライド用途には向きませんでした。ガチガチのグラベルレース向けシューズだと思います。

 

SHIMANO 「XC1」

シマノのクロスカントリー用エントリーシューズ。街乗り用途も兼ねている用に思えます。

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定価9350円と安い割に、RX8に匹敵するほどの軽量性を誇ります。公称値より実測値のほうが全然軽いという、不思議。コストパフォーマンスでは最強モデルです。

適度に柔らかいナイロン製のミッドソールが歩きやすく、個人的にはお気に入りのモデルです。二足買いました。

 

MAVIC 「COSMIC BOA SPD」

ホイールで有名なMAVICが出しているSPDシューズなのですが、実測重量が異様に軽くて驚きました。

road.cc
Mavic Cosmic Boa SPD shoe Excellent touring or commuting shoe with stiffness, comfort and off-bike grip, just be aware they're on the wide side

Road.ccでレビューされていますが、45サイズと大きめなのに片足実測325gというのはかなり軽いですね。RX8の308gとそう変わらない数値です。

ミッドソールがかなり硬そうなので私の用途には向かなそうですが、軽量なSPDシューズを探している方には選択肢に入るのではないでしょうか。

 

TRIBAN 「RC 500」

TRIBANは、世界的なスポーツショップ「デカトロン」のプライベートブランドです。

road.cc
Triban RC 500 SPD Road Cycling Shoes Well-priced and competent choice for commuting and touring rather than more spirited riding

Road.ccのレビューによれば、45サイズで片足342g。42サイズで公称重量が306gとかなり軽量です。

これで税込9900円。XC1と並ぶコスパの高さです。まさかのダークホース。

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ただ、先日デカトロンでRC500とは別のロードシューズを試しましたが、シマノに比べると横幅が若干狭めでした。購入する前に、ためし履きをしたほうが良いと思います。

 

TRIBAN ロードバイク サイクリングシューズ 靴ひもタイプ RC500

まとめ

現時点で軽量なSPDシューズの情報を調査しました。

SPDシューズでは「300g」が一つの壁でしたが、ポツポツと公称重量が300gを切るモデルが出てきましたね。

ただ、結構、実測値が公称値より大幅に重いモデルも多く、本当に300gを切っているシューズは現状ほとんどありません。その点、シマノは公称値が正確ですね。なぜかXC1だけは逆サバを読んでいますが。

調べている中で驚いたのは、MAVICとTRIBAN。特にTRIBANは全く意識していませんでした。デカトロン幕張に次に行く機会があれば必ずためし履きをしてこようと思っています。

私と同じように、「軽量なSPDシューズ」を探している人のお役に立てば幸いです。

 

著者情報

年齢: 36歳 (執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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