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スピードセンサー、前輪・後輪どちらに付ける?
スピードセンサーネタ、第三段。
ハブに付けるタイプのスピードセンサーは回転数を拾っているだけなので、前輪と後輪、どちらにも付けることが可能です。
調べてみると、前輪派と後輪派に分かれている模様。どちらが適切なのかを調査してみました。
経緯

Edge530をスピードセンサーなしで使うと、トンネル分の距離が加算されないことが分かり、私は手持ちのロードバイク3台にスピードセンサーを付けることにしました。
リムブレーキの場合
Garminの日本語マニュアルには「リアハブに」付けるように指定があったので、とりあえずリムブレーキの2台には後輪にスピードセンサーを取り付けました。
ディスクブレーキの場合
ディスクブレーキの後輪にスピードセンサーを取り付けようとした時に、はたと困りました。
この手のハブに巻くスピードセンサー、ディスクロードだと取り付け難しすぎませんかね…。スポーク多いしローターあるし。 pic.twitter.com/0IlKO30qRJ
— ばる (@barubaru24) April 14, 2021
ディスクブレーキの場合、後輪は片側にスプロケット、片側にはディスクローターが付いています。正直、その隙間を縫ってスピードセンサーを取り付けることは不可能です。
このツイートに対して、こんなリプライを頂きました。
前輪に付けてみては?
確かに、回転数を検出するセンサーなので前輪・後輪のどちらに付けても問題はありません。ディスクロードの場合、前輪の片側にはディスクローターが付いていますが、もう片側は何も付いていないのでスピードセンサーも取り付けやすいはず。
以前買ったこちらのスピードセンサーは後輪に付けると調子が悪く、よりサイクルコンピューターとの距離が近い前輪に付けた場合はそれなりにまともな数値を出してくれたことを思い出しました。
ということで、ディスクロードには前輪にスピードセンサーを取り付けることにしました。精度はさておき、一応スピードは表示されるようになりました。
前輪・後輪、どちらが適切?
そんなことをツイートしていたら、リプライで「後輪に付ける派」「前輪に付ける派」に分かれて議論が発生。こんな所にも派閥があったとは。
こんな時はアンケートです。どちらが多いのか、Twitterのアンケート機能を使って調べることにしました。
アンケート結果
Twitterで「スピードセンサーを前輪・後輪どちらに付けるか?」のアンケートを実施しました。
結果
【アンケート】ハブに巻くタイプのスピードセンサー、前輪と後輪のどちらに付けていますか?
— ばる (@barubaru24) April 14, 2021
投票数: 519と多くの方にご協力をいただき、「前輪: 45.9%」「後輪: 54.1%」という結果になりました。ほぼ半々ですね。
アンケートに際して、「なぜ、前輪(後輪)のハブに付けるのか」という理由を聞けたので、ここからはそちらの紹介をしていきます。
前輪派の理由
まずは「前輪派」の方の理由を紹介します。
ひであさん
前輪のほうがサイコンに近いから。スピードんセンサー導入当初はPowerTapのホイールを使っており、ハブの形状で後輪に付かなかったことも理由。
オクノさん
チェーンオイルの汚れを避けたいから前輪です。
INABA THAIさん
重量バランス的に前輪に付けてます。
すくみずさん
後輪はチェーンオイルで汚れるのと、スピードセンサーの電池が減ると後輪に付けた時に通信が途切れやすくなるので前輪に付けます。
ぐっしーさん
ロードバイクに付けているZIPP NSWだとハブ形状的に後輪には付かないため前輪に付けるように。電波到達・洗車や電池交換時の脱着のしやすさも理由。
RX79AKKaiさん
後輪ハブが太すぎてスピードセンサーが付かないため、前輪。
「汚れを避けたい」「センサーとサイコンの距離が近づくので通信が安定する」「後輪のハブ形状の問題で付かない」という意見が多かったです。
ネット上の意見を検索すると、「後輪は体重が掛かりやすく変形しやすいので、自動周長が不正確になる可能性がある。前輪のほうが変形しにくいから前輪に付けるべき」というものもありました。
他には、やはり私のようにディスクロードだとそもそも後輪のハブに手が届かないので、そちらの理由で前輪に付けている人も多いんじゃないかと思います。
後輪派の理由
次に後輪派の方々の理由を紹介します。
ぽんすさん
固定ローラーでも使うので後輪に付けています。
330kさん
前輪に付けたいけど、前輪ハブが細すぎて付けられないので後輪に。
ひらまつさん
前輪ハブダイナモで付かないから後輪に付けています。
けーぢさん
マニュアルだと後輪に付けろとなっています。
Chillさん
固定ローラーを使っていた名残で。前輪に付けていたこともありますが、見える所で回っているとかっこ悪くて嫌。
夢の吹く頃さん
ショップの方が後輪に付けてくれたのでそのままです。
「固定ローラー用に」「前輪ハブが形状の問題で付かない」「マニュアルでそうなっているから」といった理由の方が多そうですね。
マニュアルについては、確かにGarminのスピードセンサーの日本語マニュアルを見ると「リヤハブに」となっています。この件については次の章で説明します。
しかし、前輪・後輪ともに「ハブの形状の問題で付かない」って理由があるのは驚きでしたね。前後輪ともに付かない形状だったら旧式のスピードセンサーを使うしか無いということでしょうか。
メーカー側の姿勢
では、スピードセンサーを販売しているメーカー側としては、前輪・後輪どちらが適切だと考えているのか? 調べてみました。
CATEYEの場合
CATEYEが昨年から販売しているスピードセンサー「SPD-30」の説明書には以下のように書かれています。
前輪・後輪どちらに装着してもかまいません。
サンプル写真では前輪に取り付けられていますね。
Wahooの場合
Wahooの販売しているスピードセンサー「Wahoo RPMスピードセンサー」の説明書には以下のように書かれています。
ご希望の片方のタイヤのハブにWahoo RPM スピードを装着できます。
やはり、どちらに付けても良い様子(……タイヤ??)。
こちらもサンプル写真は前輪に取り付けています。
Brytonの場合
Brytonの販売しているスピードセンサー「Smart Speed Sensor」の説明書には、特に前輪・後輪のどちらに付けるかの指定は書かれていませんでした。ただ、サンプル写真は前輪に付けていますね。
Garminの場合
GarminのEdge830の説明書を見ると、日本語版とインターナショナル版では別のことが書かれています。
まずはインターナショナル版マニュアル。
Place and hold the speed sensor on top of the wheel hub.
特に、どちらのホイールに付けるようには書かれていません。
次に日本語版マニュアル。
スピードセンサーDualをリアハブの上に置きます。
後輪を意味する「リアハブ」の文字があります。写真では前輪に付けているように見えますが。
日本語マニュアルよりもインターナショナル版マニュアルの方が先に書かれているはず。となると、「リアハブ」という文字は日本語版で追加された文言であるということになります。
なぜわざわざ追加したのかは不明ですが、固定ローラーのユーザーが多いと見ているんですかね。最近はスマートローラーのほうが多いので後輪は外してしまう気もしますが……。
まとめ
結論としては、「前輪・後輪、どちらにつけても良い」ということになりそうです。
代表的な4メーカーのうち3メーカーが「どちらでも良い」としている上に、Garminもインターナショナル版ではどちらに付けるかを言及していません。
前輪・後輪のハブ形状的に付けにくい場合にはもう片側に付ける、どちらにも付く場合には「お好みで」ということになるんじゃないでしょうか。
通信距離や周長の変化を考えると前輪に付けたほうが正確な気はしますが、前側が重くなるのは嫌だしなぁ……と私はどっちに付けるかの結論は出せていません。今の所、リムブレーキ車は後輪、ディスクブレーキ車は前輪に付けています。
著者情報
年齢: 36歳 (執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。