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富士3PEAKS 1st Peak: あざみライン
6:43、スタート地点である「仁杉」交差点を出発。北西に進路をとる。
7kmも走れば、1つ目のピークへ向かう「ふじあざみライン」の入口に辿り着く。あざみラインは「激坂」として有名だ。
平均斜度: 10%、
最大斜度: 22%
と、国内でも最上位クラスの厳しいコースである。過去に一度、あざみラインを走る「富士国際ヒルクライム」に出場したことがあるが、苦しかった記憶しかない。ここを後に残すと間違いなく登れないため、一本目にあざみラインを選んだのであった。
少しでも荷物を減らすため、ウインドブレイカーや輪行袋を入れてきたリュックを草むらに隠す。いつもであればオルトリーブのサドルバッグに入れてくるのだが、今回はあえてリュックを選択した。大きいサドルバッグを付けると、どうもヒルクライム時のバランスが崩れる気がする。今回は登りばかりということで、リュックの方が良いと判断した。
相変わらず天気は良く、富士山の頂上が綺麗に見えている。始まって暫くは8%程度の登り。直登であるため、先が見えて辛い。
徐々に斜度は上がり、通称「鳥の壁」付近では斜度が10%を超える。ここからはつづら折り区間。斜度は一旦緩くなり、レースであれば重いギヤで踏んでいく区間だ。今日は足を残すため、ギヤは軽いままでゆっくりとクランクを回す。
斜度が0%になる「馬返し」を越えると、あざみラインの本番である激坂区間の始まり。それまでは良かった舗装も一気に悪くなり、斜度も15%超が当たり前となる。
そして迎えた22%ゾーン。カーブではなく、直線部分で出現する22%なので逃げようがない。大会では蛇行者が大発生するポイントだが、蛇行はしないのがポリシー。インナーローに落としてダンシングで一気に突破!やはり27Tを入れてきたのは正解だった。……が、欲を言えばもう少し軽いギヤが欲しくなる、それほどの斜度である。22%を抜けると一旦斜度は緩むものの、相変わらず10%超の斜度が続く。カーブのイン側は20%近い斜度であり、とても内側を登ることは出来ない。早朝で車が居ないのを良いことに、センターラインギリギリまで膨らんで登った。
息を切らせながら登っていると、背後から変速音。いつの間にかキャノンデール乗りの方に追いつかれており、一気にパスされた。付いて行く気も起きないほどのスピード差があったため、背中を見送る。あの感じだと、6月中旬に開かれる富士国際ヒルクライムの練習だろうか。
頂上が近づくと、再び斜度のキツイ区間。ダンシングをメインに登って行くが、スピードは時速5kmを切っている。うちのGarminは時速5km以下で計測を止める設定にしているため、しばらく計測は停まったままだった。それにしても、この斜度、いつまで続くのだろう。あと何個くらいカーブがあったか……とうなだれながらカーブを曲がると、ようやく頂上の茶屋が見えた。
麓から1時間19分で、1st Peak:標高2000mの須走口5合目に到着!何とか脚を付かずに登れたことにホっとする。タイムは大会で登った時より10分以上遅いが、脚の残り具合を考えればこんなもんだろう。むしろちょっと頑張りすぎたかもしれない。
大会で登った際は、ゴール地点は濃霧に覆われていた。今回は頂上がクッキリと見える。つい1時間前まで、あれだけ遠くにあった頂上が目の前にあるのは不思議な気がした。
記念写真を撮っていると、「大変だったでしょう」と茶屋のおばちゃんが椎茸茶を出してくれた。美味い……かなり汗をかいたので、この塩分が嬉しい。ついでに名物の「こけももソフト」も食べたかったが、先を急ぐ身なので、さっさとダウンヒル開始。何も買わずに御免なさい。
あざみラインのヒルクライムと言えば、ダウンヒルも厄介なことで有名である。あまりにも斜度が急すぎるため、ブレーキの掛け過ぎでリムが剥離したり焼き切れたりしたという話もあるほどだ。事実、大会では馬返しで、リムを冷却するための休憩が入る。今回も自主的に何度か休憩を入れ、比較的ゆっくりと下りきった。
下りきって草むらからリュックを回収。回復のためにアミノバイタルを飲んでいると、法政大学ジャージの人達があざみラインを登り始めようとしていた。人数は7~8人。これまた富士国際ヒルクライムの練習だろうか。軽く挨拶をしてスタートを見送った。
後で分かったことだが、彼らもサークルのイベントで3Peaksに挑戦中だったらしい。しかし、結局アタック合戦になり、体力を消耗。全員2本目のスバルラインでリタイヤとなったとのこと。やはりイベントにしてしまうと、他人に対向して頑張ってしまうもの。それによって実力以上の力が出ることも有るが、200kmの長丁場となれば厳しい。今回は一人で挑戦して正解だったかもしれない。
次の登りであるスバルラインの入口までは約25km。平坦かと思えば、そうでもない。あざみラインを降りたと思ったら、すぐに登りが始まる。Garminに寄ると、6kmの登り。こんな長い登りあったっけ?と思いつつ登り切った所で理解した。
「籠坂峠」の標識。なるほど、ブルベでよく聞く名前はここだったのか。
籠坂峠を下りきると、山中湖。ここで一度目の休憩を入れる。次の登りに備えて、ガッツリとパンなどを補給。ポケットにも大量の補給食を確保した。
山中湖畔の道は道中唯一といっても良い平坦路。登りも下りも苦手な自分、唯一の快走区間を楽しんだ。
