Redshift「ShockStop Pro Stem」ファーストインプレッション

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Redshiftのサスペンションステム「ShockStop Pro Stem」を購入しました。通常バージョンよりも40-50g軽量な上位モデルです。

目次

購入まで

まずは購入までの流れを書いていきます。

以前使ったShockStopステム

今から9年ほど前、私はRedshiftのShockStopステムのレビューを依頼されました。

サスペンションステム自体は割と昔からあるんですが、大体がかなり重いものでした。400gなら軽い方、500gを超えるものも珍しくありません。

そんな中、「グラベル/舗装路向け」の製品として登場したのがShockStopステムです。本格的なトレイルを走る時のような大きな衝撃は想定しない代わりに、280g(100mmの場合)という軽量性を実現しています。

ノーマルShockStopステム。効果はあったが重かった

実際使ってみると、手のひらや肩、肩甲骨に対する衝撃が緩和されて疲労軽減に繋がることは実感できました。効果は十分にあります。

ただし……重かった。サスペンションステムとしては軽量とはいえ、普通のステムよりは150gくらい重いわけで。ハンドル周りの重量増はダンシングやコーナーリング時のハンドリングに大きく影響します。特に私はフロントバッグも使うので、それ以外の所はなるべく軽くしたいところ。

衝撃緩和と重量増を天秤に掛け、結局普通のステムに戻してしまいました。

落合さんの記事で存在を思い出す

サイクルスポーツ2026年7月号の特集は「最強自転車図鑑」でした。

各界の猛者たちの「最強自転車」を紹介するという特集です。実は私も載っているんですが、「車体ではなく機材でも良いですよ」と言われてフロントバッグの記事を書いたら、車体以外を書いたのは私だけでした。かなり浮いてます。

そんな特集に、今月RAAMに再挑戦する落合さんの自転車も紹介されていました。

落合さんの機材が余すこと無く紹介されていたわけですが、そこで久々に思い出したのが「ShockStopステム」の存在でした。落合さんは普段から愛用しているようで、必須装備の一つに挙げられていたのです。

そこで検索してみると、どうやらこの9年の間に「ShockStop Pro」なる軽量モデルが出た様子。

通常モデルで私が唯一不満だったのが「重量」です。通常モデルよりも40-50gほど軽いとなると、普通のステムとの重量差は100gちょっとに抑えられる計算。これならアリなのでは……?

詳しいスペックを見ようと公式サイトにアクセスすると、ちょうどサマーセール中で2割引。それでも35000円とかなり高かったのですが……好奇心に勝てずに注文してしまいました。

Redshift「ShockStop Pro Stem」

Redshift「ShockStop Pro Stem」のファーストインプレッションです。

購入サイズは110mmで、GE-110用。角度は+6°と-6°を選択可能。主な想定用途はブルベ・ロングライドです。

パッケージ

簡素な紙製のパッケージですが、印刷には高級感があります。裏面には製品説明。

中身。本製品は、内部のエラストマーを入れ替えることで、動き具合を変えられるのが特徴。

エラストマーはステム内に2個、別添で3個の計5個が付属。これらの組み合わせを変えることで、体重の軽い人から重い人まで最適な設定をすることが可能となっています。

重量

公称243gで、実測248g。ちょっと重い個体が来たようです。ノーマルのShockStopステムは110mmで公称290gなので、公称値ベースだと47g軽いことになります。

軽さに寄与しているのが、こちらのボルト。黒いですがチタン製です。「Titanium Hardware」とスペック表に書かれていますが、メーカーに問い合わせた所「Hardware=ボルト」だということが判明。ステム本体は6063アルミ製。ボルトだけで削れるのはせいぜい10g。残りの37gはステム自体の軽量化だと思われます。

エラストマーの調整

エラストマーは5個付属。これらの組み合わせで動きを変えられるのが本製品の特徴です。

本ステムをドロップハンドルに使う場合は、ステム内に2個のエラストマーを入れます。

マニュアルでは、体重ごとに推奨するエラストマーの組み合わせが書かれています。デフォルトでは、「Elastomer1: 70(青)」「Elastomer2: 60(オレンジ)」の組み合わせとなっています。体重61~70kgの人向けの設定ですね。

私の体重だと「Elastomer1: 80」「Elastomer2: 50」でも良さそうですが、段差以外で動いてほしくないので一つ重めの「Elastomer1: 80」「Elastomer2: 70」の設定で行くことにしました。

このようにステム内にエラストマーを入れます。少々厄介なのは、初期設定が「+6°(上向き)」用であることです。私は「-6°(下向き)」に設定したいので、エラストマーと抑えの金具の上下をひっくり返す必要があります。

また、この抑えの金具を止めるためのネジは、ステムを外した状態で回すと曲がってしまう可能性があります。このため、ステムを自転車に取り付けた上で、ステムに体重を掛けて押し下げた状態でネジを回す必要があります。ちょっと面倒くさい。

取り付けられました。良く考えたら、ケーブル完全内装のフレームではこのステムは使えませんね。ご注意下さい。

見た目

通常のShockStopステムよりも、Proは凝った塗装が施されています。グロスとマットの塗り分けがかっこいい。

最近のフレーム(といっても最近のフレームのほとんどは完全内装ですが)に入れてもあまり浮かない見た目にはなっていますね。

実走

100kmほど実走テスト。走ったのは100%舗装路です。

自宅を出るときに自転車を持ち上げると、明らかにいつもよりハンドル近辺の重さを感じました。普段使っているステムが140gくらいなので108gの重量化ではあるのですが、案外分かるものですね。

肝心のサスペンションですが、体重とエラストマーの設定が合っていれば「綺麗な路面では動かず、荒れた路面や段差でのみ動く」という挙動になります。ブラケットを持った状態でのダンシングでは「引く」挙動にすればサスペンションが起動することはありませんが、「休むダンシング」のようにハンドルに体重を掛けてしまうと少し動きます。スペシャのFutureShockのようにロック機構があればよいのですが、このステムにはそういった機能はありません。

ハンドルの横方向の振りに関しては、通常のShockStopほどの重さは感じませんでした。50g分軽いというのは案外大きいのかもしれません。

通常のShockStopステムのレビューでも書いたことですが、手のひら・肩・肩甲骨に伝わるダメージは減ります。距離が伸びるほど効果はあるでしょう。

一点注意が必要なのが、「ステムが下に平行に動く」わけではなく、「ヒンジの部分を中心に2°回転する」挙動である点。つまり、ハンドル全体が「送る」方向に動くことになります。ブラケットを握っている場合には手首に少し負担が掛かるかもしれないので注意して下さい。

まとめ

ShockStop Proステムのファーストインプレッションでした。

通常版より50g軽くなっていますが、機能的には通常版と差はないように思います。体重・乗り方によって稼働具合を変更できる拡張性もそのまま。それでいて、軽量化によってハンドリングに与える影響は確実に減っています。

値段は相当高いですが、軽量サスペンションステムとしての完成度は高いと思います。

ただ、現在腰を痛めてあまり距離を乗れない私にはオーバースペックなパーツという気もしました。多分、このステムによるダメージ軽減が聞いてくるのは四桁距離(=1000km以上)からで、600km以下のブルベであればそこまで効果を感じられない気はします。落合さんのようにRAAMで5000kmを走るとか、日本縦断ブルベで2500kmを走る場合には、日が経つほどに差が現れそうです。

とはいえ、私はしばらくそれくらいの距離を走る予定もありません。もう少し使ってみる予定ですが、通常のステムに戻す可能性は高いです。

著者情報

年齢: 41歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。
# これまでに著者が乗ってきたスポーツ自転車の履歴はこちらの記事にまとめています。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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