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私のスポーツ自転車購入歴(2007-2025)
私がこれまで購入してきたスポーツ自転車を紹介する記事です。
まえがき
一つ前に書いた「輪郭」の話題。
その輪郭の1本目の記事は、メインライターお二人のスポーツ自転車歴について語る内容でした。


私はお二人の記事は数限りなく読んでいて、大体の好みなどは把握しているつもりでした。ただ、こちらの記事を読んで、「どんな経験をしてきたのか」「何が転機となったのか」を知ることで、更にお二人の好みの理解が深まった気がしました。こうした記事をメディア開設と同時に公開することで、その後に追加されていく記事もより理解しやすくなるはずです。
輪郭の記事を見て、「そういえばうちのサイトにはそういう記事がないな」と思ったので、この記事を書き始めました。輪郭の記事の冒頭でも、安井さんがこのようにコメントしています。
自転車乗りとしての人格は、これまで乗ってきた自転車に大きく左右されますから。
確かにその通り。
本記事では、私が「こういう理由でスポーツ自転車を始めた」「こんな失敗をしてきた」「こんな自転車が好みである」ということを書いていきます。記事を読む参考にしていただければ幸いです。
私のスポーツ自転車歴(2007-2025)
私がこれまでに買ったスポーツ自転車をリストアップしてみた所、全部で15台ありました。
全てについて語るのはあまりにも長くなりすぎるので、「輪郭」に倣って思い出深い自転車だけをピックアップして書いていきます。
2007年: GIANT「ROCK4500」
私が最初に手にしたスポーツ自転車は、GIANT「ROCK4500」。MTBの超入門モデルです。2007年当時で大体40000円くらいだったと思います。
ダイエット目的で購入

なぜこれを買ったかと言えば、これに乗り始めた当時の体重が130kgあり、ショップで「君が乗れるロードバイクはうちにはないよ」と言われたから。そこで、耐荷重の高いMTBにまずは乗ってみることにしたのでした。
ROCK4500を買ったのは大学四年生の夏の終わり頃。その年の夏休み、「調布のアパートから群馬の実家までママチャリで帰る(約100km)」という130kgの人間には分不相応なチャレンジを実施。往路は息も絶え絶えになりながら10時間以上を掛けて走破しました。ただ、往路で少しコツを掴んだのか、復路は7時間で帰宅に成功。「あれ、割と自転車に向いてるんじゃね?」と勘違いするには十分な出来事でした。
半年後には就職。しかし、130kgの体重ではまともに動くことは難しい。良い機会なので、スポーツ自転車で半年間のダイエットを行おうと考えました。
そして意気揚々と国領のセオサイクルに行って言われたのが冒頭の台詞。店員さんによれば、ロードバイクの耐荷重は大体90kgであり、それを切らない人には乗車を勧められないとのこと。「まずはMTBで体重を落として、90kgを切ったらロードバイクを買ったらどうか」と提案され、それに乗ることにしました。

買ったのはMTBとは言え、走るのは舗装路のみ。元々付いていたブロックタイヤを、iRCのスリックタイヤ「スムーシー」に履き替えて、多摩近郊を走り回りました。
54kgの減量に成功
ひたすらMTBに乗り続けること半年。就職の段階で30kgの減量に成功しました。そこから更に半年乗り続け、130→76kgまで落としました。ようやく、ロードバイクに乗ることを許される体重になったわけです。
この頃には、すっかり自転車にハマり込んでいました。
2008年: GHISALLO「GC-3」
ついにロードバイクが買える体重になった。
就職して、家は調布から川崎へ。会社には社内SNSがあり、自転車コミュニティもありました。
会社の先輩に連れられロード専門店へ
自転車コミュニティの掲示板に「新入社員です! MTBに乗ってますが、そろそろロードバイクを買おうと思っています!」的なことを書いた所、声を掛けてきたのが一人の先輩社員でした。この出会いが後々の私のライドスタイルを決定づけることになります。
そして、彼に連れて行かれたのが「アトリエフルーブ」。矢野口にあるロード専門店で、実業団チームも持つショップです。
25万円のカーボンロード
そこで店長に予算を伝えてご提案頂いたのが、フカヤのプライベートブランド「GHISALLO」のGC-3でした。
アルミラグでカーボンパイプを繋いだ、ラグドカーボンフレーム。アルテグラSL搭載で、完成車価格25万円。新入社員でも何とか買える価格で、これだけのスペックを備えていたのがありがたかったことを覚えています。

2008年9月末、GC-3納車。今に至るまで私の自転車が「黒ベース」「赤が差し色」になっているのは、これが一台目だったことが理由です。ウェア類を全部赤と黒で揃えてしまったので、自然とその後もすべて赤と黒になりました。
納車2週間で破損→休眠
……が、しかし。納車から2週間、フロントフォークが破損。乗ることが出来なくなってしまいました。
フレーム自体は無事そうでしたが、替えのフォークのみは手に入りそうになく。結局、後述するSPECIALIZED「ROUBAIX」をフレーム購入し、コンポを移し替えました。
フォークもコンポも取り払われたGC-3は2年間ほど押し入れで休眠することになりました。
2010年、復活
2010年初め頃、Wiggleで3Tのカーボンフォーク「FUNDA PRO」がセールになっていました。……これがあればGC-3を復活できるのでは? そう思って初の海外通販に手を出しました。

2010年夏、余っていたパーツでGC-3を復活させました。フォークの見た目も違和感なく、純正品のよう。

2010年10月、初めて24時間切りを達成した時に乗っていたのが、この仕様のGC-3でした。当時のメイン機であったROUBAIXもエンデュランスロードではあったのですが、それよりもGC-3の方が乗り心地が良かったことが理由。
正直言ってGC-3の乗り味は「ボヨンボヨン」で、バネのよう。剛性は低く反応性は全く良くなかったのですが、その分だけ体への反動も少なく、キャノボのような長距離を一定出力で走るようなライドには向いていたのでしょう。
キャノボ終了後、コンポ類は後述するLAPIERRE「XELIUS」に載せ替え。稼働期間は僅かでしたが、思い出深い一台です。
2008年: SPECIALIZED「ROUBAIX COMP」
わずか2週間で休眠となったGC-3に代わって購入したのが、スペシャのROUBAIXです。
レースにはあまり興味がなくロングライド志向だった私が、乗り心地に優れるとされたエンデュランスロードに惹かれたのは自然な流れだったと言えます。ちなみに、2008年当時はエンデュランスロードというとROUBAIXくらいだったはず。元祖エンデュランスロードですね。
2008年12月、納車

GC-3破損から2ヶ月、2008年12月に早くも2台目のロード「ROUBAIX COMP」が納車。パーツはほとんどGC-3からの載せ替えです。
現在のROUBAIXは「フューチャーショック」というヘッドパーツ部分のサスペンションによって衝撃を吸収していますが、当時のROUBAIXは「ゼルツ」と呼ばれる振動吸収素材がフォークとシートステーとシートポストに仕込まれていました。どれだけ効果があったのかは分かりませんが、乗り心地は良かった記憶があります。元々はクラシックレース「パリ~ルーベ」を目標に作られたフレームだけあり、剛性もしっかりしていました。
東京~糸魚川に初参加
私にとって最大の転機と言えるのが、2009年5月に参加した「東京~糸魚川ファストラン」です。例のアトリエフルーブに連れて行ってくれた会社の先輩がこの大会の常連で、誘われるがままに参加しました。

初の「東京~糸魚川」にはROUBAIXで参加。「東京~糸魚川」の距離は291kmで、普通に考えればロード歴半年の人間が参加する類のイベントではありません。一応、半月前のGWには「川崎→大阪」ツーリングを走っていたものの、4日間を掛けていました。1日あたりの最高距離は140kmほどで、「東京~糸魚川」の半分ほど。
しかし、当時24歳の若さが成せる業だったのか、普通に完走。11時間半で291kmを走れてしまいました。「自分、長距離向いてるんじゃね?」という二度目の勘違い。
ここから一気にロングファストライドへと傾倒していくことになったのです。
2011年: LAPIERRE「XELIUS Web Series」
2011年、ワイズロード環八店(閉店)の「わいわいセール」に出向いた所、目を引いたのがLAPIERREという聞いたことのないメーカーでした。どうやらフランスブランドのようです。
マイナーだったラピエール
現在ではすっかり名前も知られたラピエールですが、国内代理店の東商会はCerveloの営業ばかり熱心に行っていました。当時からラピエールはツールを走っていたにもかかわらず日本国内ではマイナーな存在に留まっていたのです。
「XELIUS Web Series」は、当時のラピエールが本国のみで展開していたWebでのカスタム完成車モデル用のフレーム。TREKで言う所の「Project ONE」的なものとお考え下さい。なぜそのフレームが日本のワイズロードの入荷していたのかは不明ですが、全く売れずに埃を被っていました。

一応のフラグシップモデルにもかかわらず、フレーム単体30万円が35%オフで17万円と破格の値段に。マイナーゆえの大幅値引きということでしょう。良い買い物をしました。
初の本格レーシングモデル

2011年9月、納車。コンポは、GHISALLO GC-3からの載せ替えです。
GC-3、ROUBAIXと、それまで反応が穏やかなロングライド向けモデルに乗ってきた私にとって、初めてのレーシングモデルにして、フラグシップモデル。軽さも反応性もそれまでの2台とは段違いで、「これがツールドフランスを走るレーシングフレームか!」と感動した覚えがあります。それでいて乗り心地も良く、フラグシップの凄さを体感させてくれたモデルでした。
それまではあまりレースには熱心ではありませんでしたが、XELIUSを手に入れてからはヒルクライムレースにも熱心に出ていました。乗鞍・赤城・富士ヒルクラと一通り有名な大会には参加したと思います。新東名高速開通記念のレースに出た時に乗っていたのもXELIUSでしたね。
PBPで里帰り
その後、SCOTT FOILを購入し、レース用の役目はそちらに譲りました。XELIUSはブルベ用マシンに変身。
2013年の「青森→東京」でロングファストライドには一区切りをつけ、そこからはブルベに参加するようになりました。初期のブルベはXELIUSで参加していたはず。

2015年、初めてのPBPもXELIUSで参加しました。当時のラピエールのフレームの大半は台湾生産だったはずですが、フラグシップのXELIUSはフランス本国生産。5年ぶりの里帰りを果たしたことになります。

さすがフランス生まれのフレームというべきか、フランスの地形に合ったフレーム特性で、PBPの完走に大いに貢献してくれました。フランス産フレームに乗っていたということで、現地の人との会話のきっかけになったのも良かったですね。

機会があればまたラピエールには乗りたいのですが、XELIUSは2015年ごろから形状が一新。シートステーがトップチューブに繋がるデザインを一貫して採用するようになりました。このシートステーが横への張り出しが大きく、ペダリング時に太ももに当たるようになってしまい……この特徴がなくなったらまたXELIUSを買うかもしれません。
2015年: SCOTT「SOLACE 15 DISC」
私が初めて購入した「ディスクブレーキのロードバイク」がSOLACE 15 DISCです。
ディスクブレーキを試してみたい
2015年のPBPを走り終えた私はしばらく機材方面に関心が向いていました。中でも気になっていたのは「ディスクロード」です。

今ではすっかり一般化したディスクロードですが、2015年段階ではようやく大手メーカーが参入し始めて、UCIがレースでのテスト使用を認可した頃。まだまだ「よく分からない新しいもの」という扱いでした。

そんなディスクロード黎明期にSCOTTが発売したのが「SOLACE 15 DISC」。リムブレーキのエンデュランスモデル「SOLACE」をディスク化したモデルです。この頃は各社「まずはエンデュランスモデルからディスクにしよう」という雰囲気で、スペシャならROUBAIX、TREKならDOMANEがディスク化されていました。SCOTTではそれに当たるモデルがSOLACEだったということです。
セール品を購入
SOLACE 15 DISCの発売から1年ほど経過した2015年の年末。Twitterを眺めていると、錦糸町のフォーチュンバイクにてSOLACE 15 DISCが半額で販売されるとの情報が。定価432000円が216000円。当時、シマノのロード用ディスクコンポはまだグレードの概念がなく、価格的にアルテグラと105の中間くらいのコンポが付いていました。これで216000円は安い。

そんなこんなで初のディスクロードを購入したのでした。「これで雨のブルベでも制動力を気にせず走れる!」とワクワクしていたのですが……。
恐ろしく走らないフレーム
しかしこのSOLACE 15 DISCというフレーム、恐ろしく走らなかったのです。
踏んでも踏んでも力を吸われているようにスピードが出ない。それなのに乗り心地は悪く、路面からの振動をガツガツと伝えてくる。ダンシングでの振りは重く、本当にストレスが溜まりました。
このSOLACE 15 DISCを買う2年くらい前に、リムブレーキ版のSOLACEに乗る機会がありました。そちらは正しく「コンフォート」で、乗り心地はとても良かった。進みはそこまで良くなかったものの、ストレスを感じるレベルではありませんでした。
恐らく当時のSCOTTにはディスクブレーキ用ロードの設計ノウハウが無く、カーボン積層のバランスが滅茶苦茶だったのでしょう。だからこそ売れなくて半額で販売されていたのだと思われます。リムブレーキ版とジオメトリの数値は全く一緒なのに、「カーボン積層の違いだけでこんなにも乗り味に差が出る」ということを、身を持って知る機会となりました。
購入からちょうど一年経過した2016年12月、SOLACE 15 DISCを売却。私にとって、初めて明確に気に入らずに手放した一台となりました。

この出来事でディスクロードへの不安が植え付けられてしまい、それから数年はディスクロードの試乗に明け暮れました。
満足の行く一台が現れたのは4年後の2020年。試乗したディスクロードの台数は50台を超えていました。
2017年: QUARK「オーダーフレーム(1台目)」
2015年のPBPを完走したXELIUSですが、約5年で50000kmを走行して寿命が迫っていました。それに代わる次期ブルべ機として購入したSOLACE 15 DISCは全く好みに合わず売却。
さて、次はどうするかと考えた時、選択肢に浮かんだのが「オーダーフレーム」でした。カーボンフレームは5年もしっかり乗るとどこかしらにガタが来てしまう。ならば、もっと長く使えるスチールフレームのほうが良いのではないか、と。
自分の使い方に合うフレームビルダー
フレームビルダーにも専門分野があります。競輪が得意なビルダー、キャンプツーリング車が得意なビルダー。私の用途を考えると、ロングファストライドが得意なビルダーに頼みたいもの。

その条件にぴったりハマるビルダーさんが相模原「細山製作所」です。細山さんはホビーレーサーとして有名ですが、その一方で「東京~糸魚川ファストラン」に長年出続けている方でもあります。2017年時点で私も「東京~糸魚川」を9回完走しており、もはや常連。
ロングファストライドの大先輩であり、そこで求められる性能を知り尽くした細山さんこそ、ブルベ向きのフレームをお願いするのに最も適した方だと考えました。
XELIUSのジオメトリを踏襲

フレーム製作をお願いするにあたり、色々と指定をさせていただきましたが、その中で一番優先したのが「XELIUSと同じジオメトリにしてほしい」という点。PBPまで完走を果たせたということで、このジオメトリこそが私の体には合っていると思っていたからです。
ただ、後から考えるとこれは悪手。フレームビルダーさんには長年の経験から来る方程式のようなものがあるはずで、それこそがビルダーさんなりの個性と言える部分のはず。なのに初手からジオメトリ指定をしてしまうとは、フレームオーダー初心者が陥りがちな罠にハマっていました。

さらに、割と重要なクロモリフォークの肩部分(クラウン)についても、細山さんオススメの右側ではなく、シュッとした左側を選択。また、フォークの曲げについても、「クラシカルな曲げ方ではなく、ストレートフォークに近い形に」という指定をしてしまいました。
フレーム完成

完成図がこちら。ノーマルサイズのパイプを使ったのでかなり細身です。ヘッドも1インチ。
よく走るフレームではあったのですが、正直な話をすると1本目のオーダーフレームは「微妙」と感じる部分も結構ありました。とりわけ気になったのがフォークの剛性の低さ。ダンシングはぎこちなく、その割に振動も割とガツガツ来る感じ。
色々考えていくと、その原因は恐らく私の指定。剛性の低いフォーククラウンを選択し、曲げの少ないフォーク形状を要望した結果としてこのようになったのでは?と思い至りました。
2本目のフォーク注文
そこで、細山さんに2本目のクロモリフォークをオーダーしました。今回は剛性の高いフォーククラウンを使い、あとは細山さんにお任せ。

こちらが差し替え後。クラウンが変わり、フォークの曲げもより深くなりました。パイプも肉厚のある部分を使ったようで、フォーク全体で10gほど重くなりました。
新フォークに差し替えた結果、剛性は向上し、突き上げは減少。見違えるように走りが良くなりました。
この出来事から、「腕の良いビルダーさんには、あれこれ要望するよりもお任せしたほうが良いものを作ってもらえる」ということを学びました。
2019年: QUARK「オーダーフレーム(2台目)」
フォークを差し替えて走りが良くなった1台目のオーダーフレーム。ただ、2019年に控えた大一番「PBP」にはちょっと厳しいかなと感じる部分が出てきました。
1台目の不満点
一つ目は前側の乗り心地。フォークを変えて乗り心地は良くなったとは言え、やはり1200kmを走るとなるともう少し乗り心地を向上させたい。
二つ目は泥除けの対応。1台目のオーダーフレームは25Cタイヤを前提に作ったため、全体的にタイヤクリアランスが小さく、泥除けを付けた時にタイヤと触れてしまうようなシーンが多かったのでした。
そこで、細山さんには失礼を承知で、RITCHEYのカーボンフォークを前提としたフレームを作っていただくことにしました。また、泥除け+26Cタイヤを付けても余裕のあるクリアランスの確保を依頼。
それ以外はほとんど細山さんにお任せで作ってもらうことにしました。やはりビルダーさんに任せるべき所は任せるべきだと思いまして。
2台目が完成

そして出来上がったのがこちらのフレーム。ヘッドも各パイプもオーバーサイズ。1台目より大幅に剛性はアップしましたが、カーボンフォークによって乗り心地も向上。クリアランスは増えて、泥除けを付ける余裕も出来ました。
「オーダーフレームで満足するには3台作る必要がある」とよく言われますが、私は2台目で大いに満足しました。
2回のPBP参加

このフレームで2回のPBP(2019年/2023年)に参加。2019年はタイムオーバーでしたが、2023年は見事時間内に完走することが出来ました。
2025年現在、ブルベ用マシンの座はGE-110に譲りましたが、今でもこのフレームは週末のライドのお供として現役稼働中です。
2020年: BIANCHI「INFINITO CV DISC」
2016年、あまりに走らないSOLACE 15 DISCに絶望し、売却。そこからはリムブレーキのロードバイクに乗りつつ、ディスクロードの試乗を続けました。
「これは!」と思う一台
2018年末、とある試乗イベントに参加し、7台のディスクロードに試乗しました。

その中で最も印象が良かったのがBIANCHI「INFINITO CV」でした。エンデュランスロードという位置付けながら、反応性が素晴らしい。CounerVeilという特別なカーボンを使うことで乗り心地も抜群。ハンドリングの不自然さも無し。
ついに「これは!」と思えるディスクロードに出会えたのですが……1つ問題がありました。チェレステカラーのみの展開だったことです。ここまで読んで頂いた方には分かる通り、私は黒系のフレームの赤の差し色にこだわってきました。性能がいくら良くても、ちょっとチェレステカラーでは「自分の一台」になる気がしない。そんな理由でこの時は購入を見送りました。
ブラックカラーの追加で購入を決意

しかし、翌年発表されたINFINITO CVの2020年モデルにはブラックカラーが追加されたのです。これはもう逃げられない。ついに2台目のディスクロードを買う決意を固めました。
納車……だがしかし

2020年3月、コロナ禍スタート直後に納車となりました。ディスクブレーキ用コンポは持っていなかったので、久々の完成車購入です。機械式変速アルテグラの油圧ブレーキ完成車になります。

ただ、いざ乗ってみると、試乗の時のあの輝きがありません。乗り心地も軽快感も、試乗の時より低下している印象。
油圧STIの重さに気づく
何故だろう?といろいろパーツを交換しながら考えること約1年半。試乗時の写真を見ていて気づいたことがありました。「この試乗車、DuraAce Di2で組まれてるじゃないか」と。
同じアルテグラの油圧STIでも、機械式とDi2では重量が200gも異なります。ハンドルの最外周にして自転車の一番高いところにある物体が200gも重いというのは無視できない差になるのではないか? そう考えて、「脱・油圧ブレーキ」を測りました。軽いリムブレーキ用のSTIを使うためです。

ブレーキは、グロータックのEQUALブレーキを採用。機械式ディスクブレーキでは最上級の制動性能を持ちます。

STIが油圧→機械式に変化したことで、ハンドル周りは200g以上の軽量化。結果、感じていた重ったるさは解消しました。試乗の時に感じたあの輝きが帰ってきたのです。
この出来事から「機械式変速の油圧STIを使うと自転車全体の印象が悪くなる」という学びを得ました。
2021年: BIANCHI「OLTRE XR4」
2020年。ショップに置かれるフレームの大半はディスクブレーキのものばかりになってきました。
「最後のリムブレーキ」
そこで私が考えたのは、「今のフラグシップフレームこそ、リムブレーキ120年の歴史で最上級の性能を持っているのでは?」ということ。この後、各メーカーはリムブレーキフレームの開発をやめてしまうはず。そうなる直前こそリムブレーキフレームの性能の絶頂、ということになります。
そしてこの時、リムブレーキフレームとして世界最強の実績を出していたのがBIANCHI「OLTRE XR4」でした。既にプロトンの半分以上がディスクブレーキを使う中、リムブレーキを駆るJUMBO VISMAが大活躍。

2019年のツール・ド・フランスでは区間4勝。ブエルタではログリッチが総合優勝とポイント賞を獲得。
2020年のツール・ド・フランスでもログリッチが最終のタイムトライアルまでマイヨジョーヌを着続けました。このタイムトライアルがバッド・デイとなってツールの優勝こそ逃しますが、ブエルタはログリッチがこの年も優勝。連覇を成し遂げます。
2021年からVISMAはCerveloのバイクに乗り換えることが発表されていましたが、私は「最後のリムブレーキフレームとして、Oltre XR4を買おう」と心に決めたのでした。
納車
2021年3月、ワイズロード川崎店でOltre XR4が納車となりました。

コンポは電動アルテグラ。ハンドルはVision Metron 6D。ホイールは52mmハイトのKONAX PROです。このバイクはブルベで使う気もなかったので、「レース仕様」というテーマでパーツを選びました。結局、これを買ってからレースには出てないのですが。
走行性能は極上の一言。加速、巡航、登坂、全てが素晴らしい。まさにフラグシップのオールラウンドモデルです。乗り心地は無視したパーツ構成なので突き上げはキツいですが、フレームに使用されたCounterVeilが振動は緩和してくれます。
まさに「最後のリムブレーキ」にふさわしい一台で、今でもたまに乗っては走行性能に顔をほころばせています。
2024年: GHISALLO「GE-110」
初ロードGHISALLO「GC-3」購入から16年。ついにGHISALLOに戻ってきました。
積載性に不満のあったINFINITO CV
リムブレーキ用STIとEQUALブレーキによって、走行性能については満足行くようになったINFINITO CV。ですが、ブルベ機として使用するには問題がありました。それは、「荷物の積載が全く考慮されていない」点。

こちらの記事で書いた話ですが、一口に「エンデュランスロード」と言っても、メーカーが思い描いている用途が異なる場合があります。アマチュアサイクリストの週末ライド用を想定している場合もあれば、ブルベ的な使い方を想定している場合もあります。そして、「パリ~ルーベ」のような路面の悪いコースでレースをすることを目標としたエンデュランスロードも存在します。
INFINITO CVはまさに「路面の悪いコースでレースをするため」に開発されたフレーム。ワウト・ファンアールトがクラシックレースで勝つために作られたフレームです。長い距離を快適に走れるようには作られていますが、荷物を積むことや、泥除けを付けることは全く考慮されていません。
ぼんやりと、「積載可能なエンデュランスロードが欲しいなぁ」と考えていました。
ブルベ向きエンデュランスロードの登場
そんな時に登場したのが、ブルベ向きエンデュランスロードを標榜する「GE-110」です。

正直この「ブルベ向き」というワードに対して最初は警戒していました。メーカー側から「ブルベ向き」というワードが出る場合、大抵はどこかズレたものであるケースがそれまで多かったからです。ただ、今回はブルベに出続けている三船雅彦さんが監修しているということで、「変なものにはなっていないであろう」ということは伺えました。

試乗してみると、エンデュランスロードにありがちな重ったるい印象はなし。トップチューブ上とダウンチューブ下にダボ穴が設けられ、荷物の積載もしやすい。
試乗会に来ていたGE-110の設計者に話を聞くと、積載することによって安定感が増す設計が施されているとのこと。荷物を積むと走りが重くなるロードフレームは多いものですが、このフレームは力強く進んでくれました。むしろ荷物を積んだほうが印象が良いレベル。これには驚きました。
納車
2024年2月、GE-110が納車となりました。パーツ類はINFINITO CVからの乗せ替えです。

加速感こそINFINITO CVに一歩譲る感じはあるものの、どっしりとした安定感と軽快な走りを両立させています。高負荷は得意ではないようです、ブルベで一番使う30-35km/hを良い意味で「ボーっと出せる」フレームだと感じました。

2024年のブルベは全てGE-110で走り、SRを取得。今年も全てのブルベとファストランをGE-110で走っています。
歴代フレーム一覧
歴代フレームを一覧表で示します。全部で15本でした。
| # | 購入年 | ブランド | 車名 | ブレーキ | 車種 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2007 | GIANT | ROCK4500 | リム | MTB |
| 2 | 2008 | YEAH | YR-206 | リム | 折りたたみ小径車 |
| 3 | 2008 | GHISALLO | GC-3 | リム | ROAD |
| 4 | 2008 | SPECIALIZED | ROUBAIX COMP | リム | ROAD |
| 5 | 2011 | LAPIERRE | XELIUS WEB SERIES | リム | ROAD |
| 6 | 2012 | GIANT | ESCAPE RX | リム | CROSS |
| 7 | 2013 | SCOTT | FOIL 20 | リム | ROAD |
| 8 | 2015 | FUJI | TRACK | リム | PISTE |
| 9 | 2015 | SCOTT | SOLACE 15 DISC | ディスク | ROAD |
| 10 | 2017 | QUARK | オーダーフレーム① | リム | ROAD |
| 11 | 2017 | BOTTECCHIA | T1 Tourmalet | リム | ROAD |
| 12 | 2019 | QUARK | オーダーフレーム② | リム | ROAD |
| 13 | 2020 | BIANCHI | INFINITO CV DISC | ディスク | ROAD |
| 14 | 2021 | BIANCHI | OLTRE XR4 | リム | ROAD |
| 15 | 2024 | GHISALLO | GE-110 | ディスク | ROAD |
1と2は廃棄、9は売却、11は譲渡しましたが、その他はまだ家にあります。家が狭くなるはずです。
まとめ
私の購入してきたスポーツ自転車の紹介でした。
18年で15台。多いような少ないような。元ネタとなった「輪郭」のお二人(80台&90台)には遠く及びませんが、この記事を書くことで自分の自転車の好みを改めて見直す良い機会となりました。
下記は、この記事から私のロードバイク選びの傾向をChatGPTにまとめてもらったもの(+不自然な部分は手修正)です。
ひとことで:
長距離(ブルベ)で一定出力を“ラクに維持”できる安定性と快適性を最優先。ただし反応性も適度に欲しい。実用面(積載・泥除け)とフロント周りの軽さに強いこだわり。カラーは黒ベース+赤差し色。傾向まとめ:
- 用途優先:レースよりロング/ブルベ中心。巡航30–35km/hを“ボーッと維持”できる走り味を高評価。
- 乗り味:過度な剛性よりしなり・快適性・直進安定性重視。ただし「反応の鈍さ」は嫌い。
- ジオメトリ:XELIUS基準が身体に合う。オーダーフレームは最終的にビルダー任せを信頼。
- ブレーキ/操作系:
- ディスクは慎重導入→納得モデルを選択。
- 機械式変速×油圧STIは前重でNG傾向。EQUAL等の機械式ディスク+軽いSTIやDi2でハンドル周りの軽量性を重視。
- 実用性:積載ダボ/泥除けクリアランスを重視(“レース用エンデュランス”は用途ズレだと低評価)。
- 検証姿勢:試乗・パーツ入替で原因を切り分ける実験型。体感差をロングライドで評価。
- デザイン嗜好:黒×赤固定。色で購入可否が変わる。
- 現行の使い分け:
- ブルベ=GHISALLO GE-110(安定・積載・長距離適性)
- 週末ロング=QUARK 2nd(快適&信頼)
- 走りの楽しさ=Bianchi OLTRE XR4(「最後のリムブレーキ」で極上の加速・巡航)
- NG要素:ハンドル周りが重くなる構成/高負荷前提でガツガツしか走れない設計/積載・泥除けに弱いレース偏重型。
ほぼ言うことがないくらい的確なまとめだと思います。こんな好みの人間が記事を書いています。
レビューの前提とする用途も大体ここに書いてある通り、「ロングライド・ブルベでどうなのか?」という視点がメインです。今後も多分同じような感じで書いていくと思います。
著者情報
年齢: 41歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。
# これまでに著者が乗ってきたスポーツ自転車の履歴はこちらの記事にまとめています。
