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【レビュー】FLR「エリートパフォーマンスインソール(ミディアム)」
評価:4.5
FLRのインソール。アーチの高さに応じて3種類のモデルがあり、私が購入したのは中間のミディアム(青色)です。
購入動機
2023年11月にFLRのインソールを購入しました。
普通、インソールを変えるのは「パワー伝達効率の向上」というケースが多いと思いますが、私は「痛み・痺れの解消」が目的です。
PBPで発生した足裏の痛み
2023年のPBPは時間内に完走することが出来ましたが、過去2回と同様に終盤(1000km以降)は足裏の痛みと痺れに悩まされました。

私の場合、ペダルを踏むラインよりも少し前側に痛みや痺れが発生します。これを防止するには恐らく体重を減らすのが一番効果的なはず。ただ、私よりも体重が重くても足裏が痺れないという人もいるわけで、何らかの解決手段があるのではないかと模索していました。
そこで試してみようと思ったのが、別売りのインソールです。
過去に色々インソールは試したが…
とはいえ、私も過去にインソールは試した経験はあります。
足裏の障害に強い整形外科にかかったことがありますが、そちらでは「アーチが潰れていて、足先に負荷が掛かりやすくなっている」と言われた覚えがあります。そこの整形外科では「アーチにも縦アーチと横アーチがあり、あなたの場合は横アーチの潰れが強い」と言われました。
そこでアーチサポート効果のあるインソールをいくつか買ってみたのですが。どのインソールも効果より違和感が勝ってしまい、結局シューズ付属のペラペラインソールに戻す……ということを繰り返していました。
ちなみに、過去に買って使わなくなったインソールは以下の通り。
- currexSole「BIKE PRO」
厚すぎて圧迫を感じた&カカトの固定がゆるくなったため使用中止。重い(82g)。 - COLMO「衝撃吸収インソール」
衝撃吸収はしてくれたが、いかんせん柔らかすぎた。 - Superfeet「trimfit CARBON」
こちらは逆に底のカーボンプレートが硬すぎ。カーボンプレートの分の厚みで靴の中が窮屈に。そして重い(82g)。 - 松本義肢製作所「FUSION-FLEXI CORE
かかと部分のフィット感が強すぎて痺れが。あと重い(75g)。
とりあえず、私は「圧迫感が強まる(≒厚みのある)」「重い」インソールが苦手であることが分かります。シューズ付属のペラペラインソールは薄いので圧迫感はありませんし、重量も10-20gと軽量です。その分、何の機能性もありませんが。
これらの他にReve「メルトインソール」も買いましたが、手に持ったときのあまりの重さ(120g)に驚いて以降、箱から出していません。
FLRのインソールが気になる
これまで買ったインソールにことごとく満足できなかった私。何か良いものはないかなーと思っていたところ、S.Kさんのブログ記事が目に留まりました。
まず安い。これまで買ったインソールは安くても4000円前後。FLRは2000円台前半です。ちょっと心配になるくらいの安さ。
「硬いので潰れにくく、その分厚みを感じやすい」という点は気になりましたが、この値段なら「とりあえず試してみて駄目なら仕方ない」と諦められるレベルです。

このインソールは土踏まずの高さに応じて3パターンが用意されています。書いてある方法で自分のアーチ高を確かめてみると「アーチ中くらい」っぽい。

ということで、青色のインソールを注文しました。
(参考) FLR側によるインソールの効果説明
サイスポの記事を見ると、「このインソールがどのような効果を生むか」の説明が書かれています。
- アーチサポートでフィット感を最適化
個々の足のアーチに合わせてインソールを選べるため、どんな足型にも対応。ペダルへの力の伝達効率を向上させます。- 足の負担を軽減
足裏の圧力を均等に分散し、ライディング時の疲労を軽減。長距離ライドにも対応可能です。- 通気性と耐久性に優れた設計
ベンチレーションホールが通気性を改善し、汗や湿気を逃がすため、シューズ内を快適に保ちます。
私が今回期待しているのは、「2. 足の負担を軽減」です。
製品概要
実測重量は左右セットで67g(42-43サイズ)。
製品バリエーションは以下の通り。
モデル | 片足重量 | サイズ展開 | 用途 |
---|---|---|---|
イエロー (ロー) | 24g | 38-39 40-41 42-43 44-45 | 最小限のサポートが欲しい人向け |
ブルー (ミディアム) | 30g | アーチが平ら~中程度の人向け | |
レッド (ハイ) | 30g | アーチが中程度~高い人向け |
今回はブルー(ミディアム)の42-43サイズを購入しました。
使用感

ブルベ用のシューズ、SHIMANO「XC1」に取り付けて使用しています。1年ほど使用し、現在も使用し続けています。
ロングライドという意味では、最長で600kmブルベにまで投入しました。
重量


XC1付属のインソールは22g。FLRのインソールは67gです。片足にして23gの増加。
しっかりしたアーチサポートが入っている分だけ重量はそれなりにあります。ただ、この手のインソールでは軽い方。私の足のサイズでは70-80gが相場です。
各部詳細

全体像。青いです。


裏面。先端は通気性を考慮してか、穴開き。土踏まず~カカトに渡っては硬質なプレート(青い部分)が入っており、これが足裏のアーチを支えます。

アーチ部分を横から見た図。
厚みは以下の通り。
XC1付属インソール | 3.6mm |
---|---|
FLRインソール | 4.4mm |
着用感

SHIMANO「XC1」の43サイズに入れて使用しています。特にカットなどはしていません。
縦・横の感触変化
シマノの純正インソールと、FLRのインソールの厚みの差は0.8mm程度。ただ、「XC1付属のペラペラインソールは柔らかく凹みやすい」「FLRのインソールは固くて凹みにくい」ということで、実際に履いた際の厚みの差は1mmを超えるはず。
これにより、靴は縦方向には少し狭くなったように感じました。一方、アーチが底上げされて足の幅は少し狭くなるので、横方向には余裕が出来たように感じられました。
ペダリング時の感触変化
シューズが従来よりも足裏にフィットする感じがあります。足裏全体に圧力が掛かるようになったことで荷重の分散が図れているためか、足裏の痺れも出にくくなりました。
これまで使った交換用インソールで起こった「厚みが増えたことによる圧迫感の増加→痺れ」を懸念していましたが、FLRのインソールでは靴内の圧迫感が増えた感触はありません。適切なアーチサポートによって横方向の余裕が出来たことが大きかったのだと推測しています。
ペダリング効率の向上など、「速度が上がるような変化」は体感できていません。元々そちらが目的ではないので。
耐久性
SPDシューズに入れて1年以上使用していますが、未だにアーチサポートはしっかりしています。耐久性もかなりのものです。
自転車以外の用途
本製品は自転車用ですが、私はもう1セット購入して普段履きの靴にも使用しています。これだけしっかりアーチサポートがあって、更に長いこと使ってもヘタらないものは珍しいので。
価格
本製品の定価は2420円です。自転車用のインソールとしては破格に安いです。以下に、代表的なブランドのインソールと価格を示します。
製品名 | 価格 |
---|---|
SHIMANO「カスタムフィットインソール」 | 5500円 |
SOLESTAR「KONTROL2」 | 16720円 |
SIDAS「BIKE+」 | 11000円 |
TREK「BioDynamic」 | 5900円 |
私は10000円以上のインソールは試したことはないので比較はできないのですが、2420円で得られる費用対効果としてはかなり大きいと思っています。
まとめ
費用対効果に優れたインソール。
重量もそこそこ軽く、アーチサポートはシンプルな構造ながら効果的。熱成形のインソールも使ったことがあるんですが、いずれも厚みがかなりあることが多く、それに比べると比較的薄いFLRのインソールが私には合うようです。
今回の私の目的は「足裏の荷重分散による痛み/痺れの軽減」だったので、それについては望んだ通りの効果が得られたと思っています。まだ600kmまでしか走れていないので、1200km走ったときにどうなるかは未知数ですが、なんとなく従来よりは痛み/痺れが軽減されるのではないかという感触はあります。

こちらの記事ではFLRのインソールを黄・青・赤と全て試されてるんですが、黄のみ中央部分に盛り上がりがあることが分かります(赤・青は土踏まず部分のみ盛り上がっている)。これの感触が気になるので、黄色も追加で買ってみようかと思っています。
評価
対象モデル: FLR「エリートパフォーマンスインソール(ミディアム)」
年式: 2023年
定価: 2420円
購入価格: 2273円
公称重量: 60g
実測重量: 67g
価格への満足度
機能と耐久性の割には非常に安い。
総合評価
目覚ましい効果があるわけではないが、マイナスは少なくプラスの効果が多い。
著者情報
年齢: 40歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。