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本州一周TT 5日目(新潟県・糸魚川~石川県・金沢)
4/30 8:00、起床。起きると、部屋に乾いた洗濯物が置いてあった。チャリモさんが置いていったらしい。礼を言いにチャリモさんの部屋に行くと、既に出発の準備中。外は雨だが、構わず出発するようだ。
「布団で寝たらかなり回復した!!
今日はこのまま敦賀まで行く!」
とかなりやる気の様子。一方こちらは、雨でかなりやる気が萎えていた。とりあえず雨が弱まることを信じて、優雅にホテルの朝食を食べることに。チャリモさんは雨の中を出発していった。
ホテルの食堂に行くと、おっちゃんが朝食を食べていた。同じテーブルに座り、話をする。
「どうするの?まだ続ける?」
「うーん、やろうとは思いますけど……正直、かなり辛いですね。」
ここまでの四日間は運よく雨に降られなかったが、ここから数日は雨予報が続く。雨の中の走行経験が少ない自分には、この先が不安で仕方なかった。そして、未だに全体の4割しか走っていないのである。ここまで体が悲鳴を上げているのに、あとの6割を走れるのか……。
ここまで述べていなかったが、今回の本州一周ではどうしてもやっておきたかった目標があった。「日本縦断組とのすれ違い」である。このGW、我々本州一周組みと同じく11連休をフルに使って壮大なブルベが企画された。200~1000kmまでのブルベを繋げて、鹿児島から北海道までを縦断すると言うもの。
日本縦断組のルートは日本海側を走っている。つまり、どこかですれ違うことになる。そこでエールを交換するのが今回の自分の最低限の目標だった。
そして、すれ違うとすれば今日のどこかになるはずなのだ。範囲で言うと、敦賀から金沢の間。せめてそこまでは走りたい。雨の中を走るのは気が重いが、今日だけは頑張ろう。そう思い、出発の準備を始めた。
4/30 9:10、糸魚川を出発。雨はガッツリ振っており、雨具完全装備で走り出した。走り始めてすぐ、靴は浸水。ここに来てレインシューズカバーを持って来なかった事を後悔した。なぜレイングローブを持ってきて、シューズカバーを持ってこなかったのだろう……。
直江津~糸魚川のR8は「東京糸魚川ファストラン」で走りなれた区間だ。糸魚川~魚津までの区間も昨年の「群馬600安房峠」で走っている。しかし、今回は雨。前日から降り続いた雨を大型トラックのタイヤが跳ね上げる。難所として知られる親不知はトンネルが多く、路肩も狭い。かなりストレスの溜まる区間だった。
4/30 10:25、富山県入り。同時に雨も上がってきた。レインウェアはかなり暑苦しかったので、脱いでサドルバッグへ。
黒部の山を左手に、海沿いの道を走る。先ほどまでの雨の中とは打って変わって爽やかな快走区間。このまま天気が持てばよいが……。滑川まで来ると晴れて暑いくらいに。そしてここで、Twitterに告知を入れる。
「金沢あたりでR8近くの自転車屋があれば教えてください。
チューブを補充したく。」
昨日の夜に糸魚川でパンクした分のチューブを補充しておきたい。もう1本予備チューブはあるが、常に2本の予備チューブをもっておくのがロングライドの定石。そろそろ都市部に入るため、金沢までに仕入れておこうというわけだ。
有難いごとに、すぐに情報が多数寄せらる。しかし走行予定のルート上には自転車屋は無さそうだ。そんなことを考えながら高岡の郊外を走っていると、対向車線に「MERIDA」の幟を発見!少なくともメリダを扱う店ならチューブくらいあるはず!と思って入店。店員さんが慣れていない人で時間は掛かったが、700C用のチューブをゲットすることが出来た。
自転車屋からすぐの場所で、今度はアルペンスポーツを発見。ここではテーピング用のテープを購入した。手首とアキレス腱の痛みがまた現れてきたので、手首と足首をテープで固める。ついでに、やたら揺れるサドルバッグもテープで固定。これで一つ気になることが減った。
チャリモさんが使ってたことで導入したテーピングだが、後から考えると結構これが効果的だったと思う。600kmを超えるようなライドのときには、テーピングを施していくと故障を予防できるかもしれない。
4/30 16:05、石川県入り。金沢へ向かって走っていると、不意に広がる黒雲。そして前に進めないほどの雨。ゲリラ豪雨である。もはや焦る気持ちは失せていたので、近くのコンビ二でTwitterを眺めつつ待機。雨が弱まったら出発。降ったり止んだりが続いたので、しばらくはこのプロセスを繰り返した。
コンビ二でTwitterを眺めていると、いよいよ日本縦断組との距離が近づいてきたことがわかる。すれ違うとしたら敦賀あたりだと呼んでいたが、こちらの進みが遅いこともあって、どうやら金沢から加賀の間ですれ違うことになりそうだ。金沢では「金沢カレー」を食べようかと目論んでいたが、食べている間にすれ違ってしまっては悔やんでも悔やみきれない。金沢カレーは諦めて、すれ違いのために全神経を集中することにした。
(つづく)