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FULCRUM「SONIQ CARBON」ファーストインプレッション
FULCRUMのカーボンホイール「SONIQ CARBON」を1ヶ月間レンタルし、レビューすることになりました。SONIQは完成車のみに付属するモデルです。位置付け的には、SHARQの弟分的なモデルということになります。
本記事では開封~少し乗った時点でのファーストインプレッションを書いていきます。
レビューの経緯
まずはこのホイールをレビューすることになった経緯から。
メールにてレビュー依頼をいただく
某所から「SONIQ CARBONをレビューして頂けませんか?」とのご依頼メールを頂きました。
SONIQ CARBONについて全く知らないホイールだったので検索してみると、以下のページがヒットしました。
ウネウネのウェーブリム。見た目的には、昨年発売になった同社のオールロード用ホイール「SHARQ」によく似ています。ただ、2025年8月現在では完成車用のみに採用されており、単体販売はされていません。

こちらの記事を見ると、PINARELLO「DOGMA GR」の完成車サンプルに付いていたようですね(日本ではフレーム販売のみ)。

メールを頂いた某所の担当者の方に聞いてみると、SONIQはSHARQの弟分であるとのこと。各パーツのグレードを下げ、価格も下げたモデル。Fulcrumのエアロホイール「SPEED」と「WIND」の関係とほぼ同じであるようでした。
少々迷って依頼をお受けすることに
SONIQのASTMカテゴリーは2。舗装路に加えて、グラベルもターゲットにするホイールということになります。内幅は25mm、タイヤも最低29Cからと、かなり太めのタイヤを前提にした仕様です。
私が走るのは、もっぱら舗装路のみ。やむを得ず未舗装路を行く場合もありますが、一年間で10kmも走りません。
そんな自分の用途とSONIQは少々ミスマッチであるような気もしましたが、ウェーブリムのホイールを試してみたかったこともあってご依頼をお受けすることにしました。
Fulcrum「SONIQ CARBON」

Fulcrum「SONIQ CARBON」のファーストインプレッションです。
本記事執筆時点での使用距離は約100km。主な用途は舗装路におけるロングライドです。
パッケージ内容
宅配便にて、ダンボールで送られてきました。

付属品はチューブレスバルブのみ。フルクラムの場合、通常はタイヤレバー等も付属することが多いですが、こちらは完成車向けのモデルであるためか付属しないようです。

付属するチューブレスバルブ。シャマルカーボンと同じものでした。
また、貸出元のご好意で試乗用のタイヤも送られてきましたが、PIRELLI「CINTURATO GRAVEL RC 40C」は私のフレームには付きませんでした……(上限32C)。
ホイール各部
ホイールの各部を見ていきます。
リム面


マットな質感のリム面です。ロゴはデカールではなく、レーザーエッチング。触っても段差が全くありません。中華ホイールでは最近採用する所が増えていますが、フルクラムはこういう技術の採用も早いんですね。

最大の特徴は、やはりこの「2-Wave Rim」。42mmから47mmまで断続的にリムハイトが変化する、最近流行りのウェーブリムです。空力性能を向上し、横風に強くなる効果があるとのことですが、果たして。

バルブホール周辺は盛り上げられており、バルブナットの座りが良くなるように調整されています。チューブレス運用のしやすさに関わる所なので重要です。
ハブ

ローフランジのアルミ製ハブを採用。フリーボディーは昨今のフルクラム・カンパに付属する白いものではなく黒いもの。試してみたら磁石が付いたので、スチール製のフリーボディーのようです。

ベアリングは、フルクラム・カンパお得意のカップアンドコーンではなく、シールド(Sealed)ベアリング。アップグレードが難しそうなのは残念。シール部分が完全に外に出ているのかと思いましたが、赤い部分はベアリングの更に上を覆う追加シールのようです。
スターラチェット全盛の現代、カンパ・フルクラムは昔ながらの構造のフリーボディを採用している点を私は評価しています。雨天走行を伴うブルベでは、防水性能が高くないとライド続行が不可能になることがあるので。
スポーク

ステンレス製のバテッドスポーク。兄貴分のSHARQはエアロスポークなので、ここでも差を付けられています。


スポークパターンは結構特殊。前輪は24本で、反ドライブ側が16本・ドライブ側が8本の2:1ですが、組み方があまり見たことがないものになっています。SHARQとも違う組み方ですね。


後輪も、左右が逆なだけで組み方は前輪とほぼ同じ。
リムベッド
公式のスペックでは「内幅: 25mm」「外幅: 28mm」となっています。昨今のロード用ホイールは内幅23mmが主流ですが、SONIQはオールロード用ということで少し内幅も太めに設定されているということでしょう。

内幅25mmで外幅28mmだと恐ろしくリムが薄いことになってしまうので、これは誤記だろうと考えていました。SHARQと同じく、「外幅: 29.8mm」なのだろうなと。


しかし実測してみると、内幅はともかくとして外幅が31.3mmもありました。公称スペックとぜんぜん違う。
このホイールに取り付け可能なタイヤ幅が「29-71mm」らしいので、30C前後のタイヤを付けた時に最適化されていると考えれば外幅31mmは納得はできるのですが……それにしても公称と3mm違うのは流石にちょっと。さっさと公式サイトの表記を直して欲しいですね。

フルクラム自慢のMoMagテクノロジーにより、ニップルホールレスを実現しています。チューブレス運用がしやすいので好印象。
フックも小さめながら付いており、フックレスではありません。
重量
SONIQの公称重量は1595gです。兄貴分のSHARQは1440gなので、155g重いことになります。


しかし、実測重量は前輪778g+後輪887g=1665gと、70gも超過。4%も上振れているのはさすがに頂けません。
もしかすると、カンパ・スラム用のフリーボディだともう少し軽いのかもしれません。シマノ用のフリーボディは廉価なスチール製のものを使っているので、かなり重くなっている可能性はあります。
一応、以前計測した時には、カンパのシマノ用フリーボディについて、アルミとスチールの重量差は40gくらいだったはずです。
とはいえ、シャマルカーボンも実測で1600g近くあるにもかかわらず、走りは良かったので重量だけでは何も判断できません。
組み合わせるパーツ

当初は家にあった「CORSA N.EXT 30C」を取り付けていましたが、走りがイマイチに感じられたので急遽Panaracer「AGILEST 30C」を購入しました。チューブは、同じくPanaracer「Purple Lite」です。特に意味はありませんが、バルブコアはクリックバルブに交換しています。
タイヤの取付は結構キツめで、手だけでは入りませんでした。タイヤレバーを使って取り付け完了。

取り付け後のタイヤ幅は32.2mm。現代の30Cタイヤは「内幅21mmに付けた時に30mm幅になる」ように設計されているので、内幅25mmのリムに取り付けると2mmほど太くなります。その計算通りの幅になりました。
レンタル期間の前半はクリンチャー、後半はチューブレスレディでテストする予定です。
ディスクローターは、RT-CL900を取り付けました。
走行前の点検
いつも通り、サイクルキューブさんに持ち込んで、工賃を払ってスポークテンションと振れの確認を行って頂きました。
スポークテンションは正常、振れも縦横どちらもなし。特に何も手を加えずに問題がないという診断でした。さすがフルクラムです。シャマルカーボンもそうでしたが、カンパ・フルクラム系は出荷時にかなり精密に組み立てられている印象があります。
実走の感想

100kmほど走行した時点での感想です。
空気圧は、前4.5気圧/後5.0気圧に設定しました。30Cタイヤなので低めです。
重さ
ホイールが1600g代中盤、タイヤも30Cということで全体的に重めです。自転車を持ちあげた時に重さを感じます。
漕ぎ出し・加速
重量から想像される通り、漕ぎ出しはモッサリ感があります。普段私は28Cタイヤを履いているので30Cタイヤによる影響はありそうですが、このホイールには28Cタイヤは付けられません。オールロード用ホイールということで、オンロードでの性能は専門家(ロード用ホイール)に少し譲るといった所でしょうか。
SHARQのように片側がラジアル組だったらもう少し加速が鋭くなるように予想しますが……機会があればSHARQも乗り比べてみたいですね。
巡航
ウェーブリムの特徴の一つは「空力の良さ」と言われています。

ただ、平地巡航が特別速いとは感じられませんでした。というより、いつもの「シャマルカーボン+AGILEST FAST 28C」に比べて練習コースで遅くなっています。具体的には同程度のパワーで巡航している時のスピードが30km/h→28km/hに落ちている感じ。
リムハイト的には前35mm/後40mmのシャマルカーボンよりも、前後とも42-47mmのSHARQの方が空力的に有利なはずなのですが、遅いです。シャマルカーボンもバテッドスポークなので、差が出るとすればスポークパターンでしょうか。
乗り心地
乗り心地は良かったです。これも30Cタイヤで低圧にしている影響はあるかもしれません。内幅も25mmあり、エアボリュームも稼げる点も影響しているでしょう。
ただ、カンパ・フルクラムのカーボンリムはそれ自体の振動減衰性が高いような感触があるので、今回も同様なのではないかと考えています。
横風耐性
ウェーブリムのもう一つの特徴は「横風耐性の高さ」と言われています。
SONIQのリムハイトは42-47mm。平均すると44mmのリムハイトとなりますが、過去に使用したHUNTの44mmハイトのホイールに比べると横風に強い印象がありました。内幅が増えていることによる安定感もあるのでしょうが、こちらの効果は実際に感じ取れました。
まとめ
Fulcrum「SONIQ CARBON」のファーストインプレッションでした。

残念ながら、今のところは通常のロード用ホイールと比べてあまり良い印象がありません。安定性の高さと乗り心地の良さはメリットがあるものの、反応性やスピードに関して今ひとつというか。
元々オールロード用の設計なので、グラベルを含むようなルートでこそ輝くホイールなのかもしれませんが、今のところそういった所を走る予定もありませんし、そういった路面での特性を評価できるだけの経験も私にはありません。事前に予想した通り、少し私の用途とはズレたホイールだったかもしれないと思っています。今のところ、私のようにロングライド用途ならばシャマルカーボンの方をオススメしたいですね。
残りのレンタル期間は3週間ほど。もう少し長い距離を一気乗りしてみる&チューブレスレディでのテストをしてみる予定です。せっかくのウェーブリムを試せる機会ということで、色々なシチュエーションで試してみる予定です。
著者情報
年齢: 41歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。
# これまでに著者が乗ってきたスポーツ自転車の履歴はこちらの記事にまとめています。



