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knog「COBBER REFLEX REAR」ファーストインプレッション
2026年1月、knogから発売されたテールライト「COBBER REFLEX REAR」のファーストインプレッションです。
まえがき
まずはレビュー依頼を頂いた経緯について書きます。
ダイアテックからの依頼
ある日、ダイアテックの担当の方から「KNOG新型リアライトの件」というメールが届きました。
この担当の方は、以前LEZYNEのフロントライトのレビュー依頼を下さった方。knogとLEZYNEは、どちらも国内ではダイアテックが代理店を務めています。

LEZYNEのライトにはかなり低めの評価を付けることになってしまったのですが、それでも依頼をいただけることにちょっと驚きました。
お話を聞いてみると、「COB方式のテールライト」のリニューアル版とのこと。ほほう、それは気になる。
COB方式とは
COBとは「Chip on Board」の略で、LEDの実装方式の一つです。

上の記事に書かれている通り、「小さなLEDを基板上に直接かつ多数乗せる」方式をCOBと言います。別名で「面発光」とも呼ばれ、その名の通り「面が光る」ような配光になるのが特徴。あまりメジャーではありませんが、自転車用としてはテールライトによく使われます。
これに対し、「基板の表面にパッケージングされた個々のLED素子を直接実装する」方式がSMD(Surface Mounted Device)です。フロントライトの大半と、テールライトの半分程度はこのSMDを採用しています。SMDは一つ一つのLEDが高輝度であることが多いため、レンズの設計を間違えると「とにかく眩しくて直視できない」テールライトが出来上がります。
COBは小さなLEDを碁盤の目のように並べます。一つ一つのLEDはそこまで明るくありません。なので、直視してもSMDほど眩しくは感じらないという特徴があります。同じ100ルーメンを出すにしても、「10ルーメン×10LEDで実現するのがCOB」「100ルーメン×1LEDで実現するのがSMD」と考えると分かりやすいと思います。

昨今は「SMD方式+集光レンズ」という、フロントライト用の実装をしているテールライトが増えてきています。個人的にはGarminのレーダーテールライトがそういう実装だったので、各メーカーが真似した流れ……と思われます。このような方式のテールライトは光が目に刺さり、後ろを走っているとまともに顔を上げられないんですよね。
フロントライトならすれ違うまでの我慢で済みますが、テールライトの場合は走る方向が同じならずっと目潰しを喰らい続ける格好になります。
また、「SMD方式+集光レンズ」のテールライトは、真後ろには1km単位で光が届きますが、少しでも角度がズレると光が見えなくなります。特定の方向に光を集めているので、それ以外の方向にはほとんど光が届かないわけですね。被視認性を上げることが主目的であるテールライトとしては、疑問を感じる設計です。
レビューを受諾することに
そういった「目に刺さる」テールライトが増えている中で、面発光のCOB方式の新テールライトを出す。これはなかなか面白い試みです。

より様々な方向からの被視認性を稼ぐという意味では、COB方式は理想的です。それでいて、後ろを走る人に対しても眩しくない。
それに加えて、knogのCOBBERは「曲面の基盤上にCOBを実装する」という離れ業を行っています、これはknogの特許らしく、他社は基本的に真似ができません。この特許技術により、ただでさえ被視認性の高いCOBがより広範囲から確認可能になっています。
「これは面白い」と感じ、レビューをお受けすることにしました。
knog「COBBER REFLEX REAR」

knog「COBBER REFLEX REAR」のファーストインプレッションです。
届いたのはフロント用も含めた前後セットだったのですが、当初の約束通りテールライト部分だけをレビューしていきます。
比較対象は、普段使っているCATEYE「OMNI 5」、最近テストしているiGPSPORT「TL50」です。
製品の位置づけ
knogは以前からCOB方式のテールライトを販売していました。というか、テールライト製品の大半がCOBを採用している珍しいメーカーです。お国柄(オーストラリア企業)を考えると、COBよりもSMDの方を作りそうな気はするのですが。
直接的な前モデルと言えるのは「MID COBBER REAR」だと思われます。旧COBBERには「LITTLE」「MID」「BIG」と3種類あり、その真中のサイズがMID COBBER。新COBBER REFLEXは、今のところこのMIDサイズ相当のものだけが販売されています。
製品名について
本製品、「Reflex」という名前が付いていたので、「反射板を兼ねたレンズになっているのかな?」と思い込んでいました。

ただ、実物を見ると反射する感じはありません。
どうやら調べてみると、反射は反射でも「反射神経」の方の反射を意味しているようです。日本語的に言うと「反応」と言ったほうが分かりやすいでしょうか。
COBBER REFLEXは、旧COBBERには搭載されていなかった「加速度センサーによるブレーキランプ機能」「曲がる方向に光が移動するチルトリアクション機能」を備えています。「ライダーの動作に反応する」という意味でReflexと名付けられたようですね。ちょっとややこしいですが。
パッケージ

最近、自転車業界でも流行りっぽい再生材料を使ったパッケージ。

裏面にはモードとランタイムの記載。

内容物は、ライト本体とゴムバンド3種。以上です。ケーブルなどは同梱されていません。
各部詳細

レンズ内に見える粒の一つ一つがLEDです。数えてみた所、横13列、縦16行ありました。合計208個ものLEDで構成されていることになります。
最大250ルーメンらしいので、1つあたりは1.2ルーメン程度の光しか出さないことになります。ゆえに、眩しくない。

旧COBBERはグリップがマグネットで着脱可能になっていたようですが、今作は本体に両面テープで接着されています。剥がせません。

スイッチ。実は購入状態ではスイッチを押してもデモモードになってしまいます。ケーブルを一度でも繋ぐとデモモードが解除され、普通に使えるようになります。

充電端子はType-C。旧COBBERはライト本体からType-A端子のオス側が生えているという特殊構造でしたが、一般的なライトっぽい充電端子となりました。

こちらが旧COBBERの写真ですが、ユーザーの声を見ると充電端子を折ってしまうケースが良くあったようです。ケーブル不要を目指したようですが、さすがにちょっとトリッキー過ぎましたね。
重量
本体のみで実測46g、ゴムバンドを入れると50gでした。公称39gなので、それよりはちょっと重め。テールライトとしてはボリュームゾーンの重量だと思います。
取り付け
小さいゴムバンドを用いればシートステーへの取り付けも可能ですが、今回は中サイズのゴムバンドでシートチューブに取り付けてみました。

GE-110はスローピングが小さい&ドロップドシートステーなので、この空間に付けるのが良さそう。

点灯するとこんな感じです。横までしっかり均等に光っていることが分かりますね。
配光
本製品の売りの一つは、「視認できる角度の広さ」。なんと330°を公称しています。死角が30°しかないということですね。一般的なテールライトの視認角度が220°前後であることが多いので、それよりも更に1.5倍の角度から視認可能であるということになります。

試しに、壁を照らしてみた図。確かに、ライト本体の影になる部分を除き、全体が均等に照らされていることがわかります。

なお、こちらはGarmin RTL515とVOLT800の配光を比較した図です。12時方向の光だけが異様に強く、その他の角度の光はかなり弱い事がわかります。
モード&ランタイム
COBBER REFLEX REARのモード&ランタイムを以下に示します。
| モード | 明るさ[lm] | ランタイム |
|---|---|---|
| HIGH(点灯) | 75 | 2時間00分 |
| LOW(点灯) | 20 | 8時間00分 |
| HYPE(点滅) | 250 | 8時間00分 |
| ECO(点滅) | 20 | 70時間00分 |
ただし、これは「工場出荷時にセットされているデフォルトモード」のランタイムです。
knogの一部ライトは「MODEMAKER」という仕組みを採用しており、パソコンにインストールしたソフト上からモードの設定を自分好みに選ぶことが出来ました。
つい先月、「MODEMAKER 2.0」というブラウザ上からモード設定が出来る仕組みがリリース。COBBER REFLEXは、こちらからの設定にのみ対応しています。
MODEMAKER 2.0による設定
せっかくなので、MODEMAKER 2.0での設定を行っていきます。
ユーザー登録
まずはユーザー登録が必要です。名前とメールアドレスとパスワードを入力して会員登録する一般的な方式。
デバイス登録
ユーザー登録が終わり、ログインすると以下の画面が表示されます。

ここで「ADD NEW PRODUCT」の+ボタンを押します。

今回はCOBBER REFLEX REARを登録するので、選択。

すると、ブラウザ上にデバイスの接続要求を表すダイアログが表示されます。
ここでPCとCOBBERをUSBケーブルで接続。その後、COBBERのスイッチを長押しします。

するとCOBBERが認識されます。接続ボタンを押します。

デバイスのニックネーム?を入力して「Add Product」ボタンを押します。

これで製品の登録は完了です。
モードを削除・追加する
さて、モードをカスタマイズしていきます。
とりあえず私は点滅モードを使わないので、点滅系のモードをすべて消します。

各モードを選んで「REMOVE」ボタンを押すことでそのモードを削除できます。

とりあえず消せるモードを全部消してみました。M1 HIGHとM2 LOWだけは削除不可のようです。
次に、必要なモードを追加していきます。

下に表示されているモード一覧を「DRAG A MODE HERE」と書かれている部分にドラッグ&ドロップすると、モードが追加されます。

私は消せない2モードに加えて、暗めの点灯モードである「STEADY COBBER」と、TILT(自転車を傾けると光が動く)機能を持つ「M5 S2S V2」をチョイス。この4モードとしました。
各モード設定変更
各モードをクリックすると、モード設定を変更することが出来ます。


私はとにかくバッテリー寿命を長くしたいので、明るさを「HIGH」から「LOW」に変更しました。また、「BRAKE REFLEX MODE」もDISABLEDにしておきます。ブレーキに反応して明るくなると、その分だけバッテリーが減りますからね。

TILT系のモードは、傾きに対する敏感さを設定する項目があります。左にするほど敏感になります。HIGHとLOWが逆な気がするのですが……ちなみにリリース直後はBRIGHTNESSのLONGERとSHORTERも逆になってました。そちらは直ってますね。

ここで「UPLOAD TO LIGHT」ボタンを押すと、カスタマイズした設定がライトにアップロードされます。

アップロード成功。ライトを外すと、設定したとおりにライトのモードが変更されているはずです。
なぜアプリじゃないのか
モード変更が出来るライトを出し始めたのは多分knogですが、昨今はそういったライトも増えました。iGPSPORTはほとんどのライトがモード変更できますし、CYCPLUSやMageneのレーダーテールライトにもそういう機能があります。ついにはCATEYEもNETWORKシリーズでモード変更に対応しました。
これらのライトは設定をアプリから行います。そんな時代に、パソコンとUSB接続してWebサービスから設定を編集するという形式を2026年に出してくるのは少々古くさい感じはあります。
ただ、アプリから設定する方式にすると、通信モジュールが必要です。そうなれば、技適やFCC認証の取得という手数料が必要になります。有線にすればそういったものは必要ないわけで、そこを気にした結果なのかもしれませんね。また、アプリとOSのバージョン差異も考える必要がありますから、Webサービスにするというのは理にかなっている気もします。

なお、Anrdoid環境でType-C to Cのケーブルでスマホと接続してみた所、ちゃんとモード編集が出来ました。iPhoneで出来るかは不明ですが、Androidでは可能であるようです。
照度の時間変化
いつも通り、照度計を使って照度の時間変化を見ました。
今回は、「STEADY COBBER」というモードで、一番暗い設定に変えています。恐らく明るさは10~15ルーメン程度と思われます。

完全な一定照度とは行きませんでしたが、10時間経過まではほぼ一定の明るさを維持し、最終的には13時間12分で消灯。200kmブルベなら常時点灯でギリギリですが、夜間だけ使うなら300kmブルベまでは充電なしで行けそうです。
実走テスト
200kmブルベで、実際にCOBBER REFLEXを付けて走ってみました。

この日はクロモリのリムブレーキロードだったので、取り付け場所をシートポストに変更。
200kmブルベの制限時間は13時間30分なので、残念ながら最初から最後までは持ちません。今回は、50km地点のコンビニで点灯し、以後ゴールまで10時間ほど一番暗い点灯モードで使っていました。
夜間は妻がずっと後ろを走っていましたが、COBBER REFLEXは「眩しくない」との感想。なお、この日一緒に使っていたCATEYE「NETWORK KINETIC AUTO」は「眩しい」という感想でした(途中で消しました)。KINETIC AUTOはSMDなのでそう感じられるのかもしれません。
1時間ほどはTILTモードをテストしていましたが、自転車を傾けた方向に光が流れることが確認できたようでした。
ブルベは12時間30分ほどでゴール。10時間ほど点灯していましたが、最後まで持ちました。テストの結果通りです。
COBBER REFLEX FRONTについて
今回はあえてレビューしませんでしたが、一応COBBER REFLEX FRONTについても触れておきます。
これはフロント用ライトではありますが、日本の法律で言う所の「前照灯」とは言えない点に注意が必要です。あくまでも「周囲から認識される」ことが目的の製品であり、「自分が路面を見る」ためのライトではありません。
つまり、このCOBBER REFLEX FRONTだけで夜間走行をすることは出来ません。JIS規格の定める所の最低照度(800カンデラ)に届いていないからです。私の計測結果だと50カンデラ前後でした。全く足りておりません。
COBという方式は広い範囲に光を拡散するための方式であり、光を集めて路面を照らすのには向かない方式です。ルーメンの値は大きいですが、それを広範囲に拡散しているので、カンデラの値はかなり低くなるわけです。
あくまでもCOBBER REFLEX FRONTは「前向きに取り付ける、自分の存在を知らせるためのライト」です。夜間走行時には、それとは別に前照灯を付ける必要があります。
まとめ
knog「COBBER REFLEX REAR」のファーストインプレッションでした。
失礼ながらknogのライトは「見た目重視」のイメージがあって実は一度も使ったことがありませんでした。少なくとも「COBBER REFLEX REAR」は真面目に作られた良いテールライトだと思います。
「遠くからでも、横からでも目立つ」「眩しくない」「設定次第では一晩分は持つ」など、実用性の高いテールライトだと感じました。値段はちょっと高い(11990円税込)ですが、この辺りの性能が響く方にはリーズナブルだと感じられるのではないかと思います。
引き続き、 主にロングライド中心にテストを進めていく予定です。
著者情報
年齢: 41歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。
# これまでに著者が乗ってきたスポーツ自転車の履歴はこちらの記事にまとめています。



