COOSPO「CS600」 ファーストインプレッション

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COOSPOから2025年10月に発売されたGPSサイクルコンピューター「CS600」のファーストインプレッションです。

同ブランドはこれまでもGPSサイコンを販売していましたが、マップ付きは今作が初。価格は20000円を切っていますが、カラー液晶・タッチパネル採用です。

・本記事でレビューする製品は、COOSPOからレビュー用に提供頂いたものです。
・本記事は、CS600のファームウェアV1.2.71段階での内容となります。

目次

まえがき

まずはレビュー依頼をいただいた経緯について書きます。

メールでレビュー依頼が届く

9月下旬、COOSPOから「新しいサイコンが出るのですが、テストをして頂けませんか?」というメールが届きました。COOSPOがサイコンを出しているのは知っていましたが、どれもマップは持たない「軌跡を記録するだけ」のものだったはず。それなら興味はないなぁ……と思ったのですが。

しかし、貼られていたAmazonの商品ページURLを開いてみると、製品画面にはマップが表示されています。おや、ついにマップ付きサイコンを出したのかな? そう思ってメールの返信で「マップが出るということで間違いないですか?」という質問を送った所、「出ます」とのこと。

ランタイムを確認すると「36時間」。ちょうど同時期に発表されたG社の最新機種のランタイムが12時間でゲンナリしていた所だったので、このランタイムには心動かされました。「ランタイムの長さ」は、「充電頻度の低さ」につながり、最終的には「バッテリーが劣化するまでの時間の長さ」に至ります。充電しないで使える時間は長い方が良いというのが私の結論。36時間持てば十分なレベルです。

興味が湧いてきたので、「お受けします」と返事を送りました。

CS600の位置づけ

COOSPO初のマップ付きGPSサイコンである「CS600」。

他社の代表機種と比べて、スペック的にどんなものなのかを表に表しました。

スクロールできます
COOSPO
CS600
iGPSPORT
BSC300T
Bryton
Rider 650
Garmin
EDGE850
価格Amazon: 19999円
JROAD: 18000円
17270円24750円85800円
重量69g66g92g113g
本体サイズ縦:84.0
横:53.0
厚:18.0
縦:82.0
横:53.0
厚:14.5
縦:84.5
横:56.8
厚:16.0
縦:92.2
横:54.6
厚:16.8
画面サイズ2.4インチ カラー2.4インチ カラー2.8インチ カラー2.7インチ カラー
解像度240 x 320px240 x 320px不明600 x 420px
防水等級IPX7IPX7IPX7IPX7
照度センサー×
バッテリー容量1090mAh600mAh1200mAh1490mAh
充電端子Type-CType-CType-CType-C
稼働時間(公称)36時間20時間33時間12時間
内蔵ストレージ8GB8GB不明64GB
タッチパネル
シングルタッチ

シングルタッチ

シングルタッチ

マルチタッチ
物理ボタンボタン: 6個ボタン: 6個ボタン: 5個ボタン: 7個
対応衛星GPS
GLONASS
Galileo
Beidou
みちびき
GPS
GLONASS
Galileo
Beidou
みちびき
GPS
GLONASS
Galileo
Beidou
みちびき
GPS
GLONASS
Galileo
Beidou
みちびき
GPSモードGPS+BD
GPS+GAL+BD
GPS+GAL+BD+QZSS
GPS+GAL+GLO+QZSS
不明不明GPS
GNSS
マルチGNSS
マップ表示
文字表示あり

文字表示あり

文字表示あり?

文字表示あり
心拍センサー接続
パワーメーター接続
レーダー接続
CS600と他社競合製品の比較

価格にしては大きめのバッテリーを積んでおり、現在求められる機能も大体は網羅しています。

日本国内では、YOELEOの代理店を務める「J.ROAD」がCOOSPOの代理店も務めており、CS600は税込定価18000円で販売されています

当サイトでは単なる宣伝依頼はお受けしていません。ユーザー目線の本音の情報を書きたいと思っているからです。このため、短所も含めて正直なレビューを書いて良いことを承諾頂けない場合は、レビュー依頼はお断りすることにしています。

レビュー内容については、以前お受けした電動ポンプと同様に率直に書いてもらって構わないということでしたので、自費購入の場合と同じように短所も含めて書いていきます。

COOSPO「CS600」

COOSPO「CS600」のファーストインプレッションです。

主な想定用途はブルベ・ロングライド。あとは、普段の夜練や週末のライドでも使用しました。

パッケージ

箱はそんなに豪華ではありませんが、技適番号がしっかり印刷されているあたり、日本市場への意識がはっきりしていて素晴らしいです。

これはブランドのキャッチフレーズでしょうか?

パッケージ内容は以下の通り。

CS600 内容物
  • 本体
  • 標準マウント(Garmin互換)
  • Type-A to Type-Cケーブル
  • 説明書
  • ストラップ
  • 画面保護フィルム
  • COOSPOステッカー

この価格で画面保護フィルムが付いてくるのは嬉しいですね。

重量

公称69gで、実測70g。ほぼピタリ賞。最近のサイコンの中では軽い部類ですね。

本体仕様

本体仕様について見ていきます。

等高線のようなパターンが画面の周囲に描かれています。ボタンの説明も描かれていて分かりやすいですね。

物理ボタンは全部で6個。電源ボタンにだけCOOSPOのマークがコーポレートカラーで刻まれているのにこだわりを感じます。

裏面。技適番号がしっかり本体にも刻まれています。

充電端子は本体裏側。「走りながら充電する」となった場合、マウント形状によっては難しい位置です。GarminやiGPのように、本体の底面に端子は移してほしいですね。

Edge840、BiNaviと並べた際のサイズ感はこんな感じです。文字は大きめでくっきりしています。

セットアップ

初期セットアップの模様について書いていきます。

まずは言語選択。とりあえず日本語を選びます。

……いきなりのセットアップ終了。大抵はここからアプリに接続するような誘導画面が出ることが多いんですが、そういったこともなく。一応、アプリとしては「COOSPO RIDE」というものがあり、それをダウンロードすると各種設定がアプリ上で行えます。

とりあえず本体から一通りの設定を実施。iGPと画面構成は似てますが、iGPのように「昼と夜でバックライトの明るさを分ける」設定はありませんでした。

アプリからの設定

とりあえず、COOSPO RIDEアプリをダウンロードしてユーザー登録。

CS600と接続し、ファームウェアのバージョンアップを実施。既に最新版のようでした。

こちらがCS600の設定画面。さまざまな設定をここから行うことが出来ます。

データ項目ページの編集もアプリから出来ます。1ページに最大で設定できる項目数は8個まで。地図ページのデータ項目数は最大2個までとなっています。

ページの順番の入れ替えも可能など、基本的なことは大体出来ました。

基本操作

サイコンの本分は「走行データを記録する」ことです。操作方法は大体Garminと同じ。

特にナビをしないで走行を始める場合は「サイクリング」を選択。そのあと、データ項目画面が表示されたら、物理ボタンの「▶」を押して記録開始です。

謎のカウントダウンが3秒入ったあとに記録が開始されます。即時開始してくれても良いのですが。

データを保存する際は、本体右上の物理ボタンを押して「保存」を選ぶと保存されます。データはアプリに転送され、アプリがStrava等と連携していれば自動的にそちらにもアップロードされます。

最大でも100km程度しか走っていませんが、保存からアップロードはなかなかスムーズだったと思います。

ルートデータの転送

CS600にもルートナビゲーション機能が付いています。ルートの取込は、COOSPO RIDEアプリから行います。

アプリ上でルートを作成する機能は、現状ありません。過去のライドデータを取り込むか、ルートデータのファイルを読むことで取込を行います。

アプリのメニューから「コースのインポート」を選択し、右上の「+」ボタンで「ファイルインポート」を選択します。

Ride with GPS等であらかじめルートデータを作成しておき、スマホにダウンロードしておく必要があります。

GPXファイル・FITファイルを選ぶと、このようにルートデータがアップロードされるわけですが……毎回ルート名を手動で打ち込むのがだるいですね。ファイル名をデフォルトで指定しておいて欲しいです。

そして取り込まれたルートデータを「バイクコンピュータに同期」すると、データがCS600に転送されるのですが……

この転送速度がとんでもなく遅いです。50kmのデータで10分くらい掛かります。ブルベのルートデータを転送したら日が暮れても終わらなそうです。ファームウェアのアップデートもとんでもなく遅いので、データの転送周りのプログラムにバグが有るのではないでしょうか?

なお、知人のiPhoneユーザー(CS600を所有)に聞いた所、特に転送速度が遅いと感じたことはないそうです。彼にAndroidアプリからの転送を実験してもらった所、「遅かった」とのこと。Androidアプリのバグだと思われますので、こちらは早急に改善を願いたいです。

転送したデータを、CS600側でロードすると、上の写真のように地図上に軌跡が表示されます。ちゃんと進行方向に「<<」という表示が出るのが良いですね。逆に走ってしまうことを防げます。

一点、イマイチなのは「地図をノースアップにした際に、現在地を表す矢印が常に上を向いてしまう」ことです。この現在地を表す矢印は、「進行方向」も表しています。上の写真で言うと、実際には画面の左方向に向かって進んでいるはずですが、矢印は常に上方向を向いたまま動きません。恐らく、矢印を回転させるプログラムが実装漏れになっているのでしょう。ノースアップで使う人は少ないと思われているのか、多分テストしていないのでしょうね。

まぁ、COOSPOにしてみれば初のマップ付きサイコン。これくらいは仕方ない気がしました。回転するように変更はしてほしいですが。一方、CS600の後にテストした、Bryton「Rider S810」はノースアップにすると現在地アイコンがBrytonマークに変わるという酷いサボり方をしていて呆れました。「各社ノースアップを軽く見すぎなのでは……?」と、ノースアップ党としては悲しく思いました。

一方、ヘディングアップで使う分には多分違和感がありません。

交差点に差し掛かると、200mほど手前から案内が出ます。Garmin・iGP・Brytonは交差点形状を把握して矢印を出してくれますが、COOSPOはまだそこまでは出来ていません。「左右どちらに曲がるか」くらいまでです。この価格では十分なナビですが。

実走

実際に、CS600を使用して走行してみました。これまでの走行距離は200kmほどです。

画面の見やすさ

なかなか地図は見やすいです。夜になると、ちゃんと地図もダークモードになるのが嬉しい。Brytonはなりませんでしたし。ただ、切り替えが「日没30分前」と、ちょっと早い。個人的には日没ジャストで切り替わってほしいのですが、中華サイコンは大体30分前に切り替えてきます。フレームワークの仕様なんでしょうか?

文字も大きく、フォントも見やすい部類だと思います。文字が中央寄せなのも個人的には◎。左寄せは気持ち悪いので……。

日本語訳も時々おかしい点はありますが、結構頑張ってローカライズされている感じ。

操作性・レスポンス

なんとなく、iGPと同じファームウェアのフレームワークを使って作られている感じはありますが、iGPよりは画面構成はシンプル。悪く言えば殺風景です。この価格でUIにかっこよさを求めるのは酷ですが。

レスポンスは良いと思います。操作に引っかかりを感じることはほぼありません。マップの縮小速度はちょっと遅いかな、という所。

地図・ナビゲーション

前述の通り、地図やナビゲーションの表示は割としっかりしています。

気になる点は2つ。「地図の現在地移動が出来ない」ことと、「縮尺のバリエーションが少ない」ことです。

地図を見ている時に、「もう少し先を見たいな」と思うことがあります。タッチパネル対応なので、スワイプで現在地を移動できるかと思ったのですが、出来ませんでした。現在地移動のためのメニューも現在はないので、将来的には移動できるようにしてほしいものです。

縮尺のバリエーションは、「800/400/200/100/50m」の5種類。ルートナビゲーションをしている最中は「ルート全体表示」も加わります。800mの縮尺が最大だと、ちょっと狭い気がしますね。「1.6km/3.2km」あたりの縮尺まであれば十分かと思いますので、是非追加して欲しいです。

あと、POI(目印のポイント)を転送したり表示する手段がないのは残念。ブルベなどでチェックポイントをマップ上で目立つようにするのに重宝する機能ですが、現在のCS600には機能が存在しません。将来的な実装を検討して欲しいです。

データ値の妥当性

ちょっと使った限りでは、表示されるデータ値には違和感がありませんでした。「現在時刻」の表示で秒数まで出るのが珍しいな、と思ったくらいでしょうか。

レーダーとの接続

この価格で、CS600はレーダーとの接続にも対応しています。ただ、レーダーに関してユーザーが弄れる設定項目は現在の所はゼロ。クルマの車列は画面左側固定での表示となります。左右を選べると嬉しいですね。

レーダーの車線の左右切り替え、出来るっぽいです。有識者から情報をもらいました。

アプリの「レーダー専用ページ」で車列の左右を切り替えると、連動して他のページでもレーダーの車線が切り替わります。

システムの安定性

最長で100km程度のライドしかしていませんが、今のところフリーズなどは起きていません。

バッテリー消費

・バックライト10%(常時on)
・衛星数は最小(GPS+BD)

上記の条件で使用して、6時間で18%消費。1時間3%とすると、33時間持つ計算です。バックライトを消していれば、恐らく公称の36時間は十分に持つはず。

このグレードにしては大きめのバッテリー(1090mAh)を積んでいるので、中々の数値です。機能的にもシンプルなので、余計なバッテリー消費がないのも良いのでしょうね。

まとめ

COOSPO「CS600」のファーストインプレッションでした。

「イマイチだなぁ」と感じる点はあれど、「この値段で良くぞここまで」という印象のほうが勝ります。「Androidでルートの転送が遅い」のは個人的に致命的と感じますが、それ以外で指摘した部分は気にならない人の方が多いかもしれません。つまり、「普通に使えてしまう」可能性が高い。

先日行った「第2回 GPSサイコンアンケート」では、並み居る競合を抑えてCOOSPOが5位にランクイン。前回のアンケートよりも6ランクアップ。今後のCS600のアップデートや、新製品のサイコンの出来次第では、更に上位に食い込んでくる可能性もあります。

多分、現状の総合的な完成度では同価格帯のiGPSPORT「BSC300T」の方が上だろうとは思います(使ったことはないので勘で言ってます)。ただ、iGPには「マップ付きサイコン」を長きに渡って出している経験があるわけで、一作目のCOOSPOと比較するのは酷ではありましょう。

恐らく、CS600は、この価格帯では最上クラスのハードを使っているように思えるので、ソフトウェアの改善でかなり良くなる可能性を秘めています。

今回の記事で書いた指摘内容は、10月末段階でCOOSPO側に伝達済み。今後の改修を期待しています。

著者情報

年齢: 41歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。
# これまでに著者が乗ってきたスポーツ自転車の履歴はこちらの記事にまとめています。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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