【レビュー】ENVE「Compact Road Bar」

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評価:4.5

ENVEのカーボンドロップハンドル。ショートリーチで、ドロップも小さめです。

目次

購入動機

新車のSOLACE DISCには某ショップのカーボンハンドルを付けていたのですが、どうも路面の悪い場所で振動が残る感じがありました。ショップで相談してみたところ、

「カーボンの積層にも左右されるが、他よりも剛性が低い場所に振動が出ることは多い」

とのこと。SOLACE DISCはディスクブレーキ採用のため、普通のロードフレームよりも要所要所が固めに作られています。その皺寄せがハンドルに来ているのではないか?ということでした。

私の用途を考えると、次に使うハンドルは以下の条件を満たす必要がありました。

①現状のハンドルより剛性が高い
 →振動を防ぐ
②カーボン製
 →軽量性と振動吸収性
③ケーブルは外通し
 →油圧なので、ケーブルを中通しするのはかなり面倒
④上ハンドルがフラット
 →ロングライドではここを握ることが多いので

この条件を満たすハンドルは意外に多くありませんでした。特に、カーボンハンドルはエアロ化の煽りでケーブルを中通しするものが多かったのです。LAPIERREで使っていて上の条件を満たす、3T ERGONOVAを追加で買おうかと思っていたのですが、いつの間にかケーブルが中通しになっていました。

・ENVE COMPACT
・SPECIALIZED S-WORKS SHALLOW
・FSA K-FORCE COMPACT

条件を満たしたハンドルはこれくらい。迷いましたが、一番信頼性が高そう&見た目の気に入ったENVEを選んだのでした。値段も一番高かったのですが……。

製品概要

実測重量は205g(400mm)。

若干ハの字にドロップ部分が開いた形状をしています。ブラケット部分の芯-芯が400mm、ドロップ部分の芯-芯が420mm。リーチは79mm、ドロップは127mmです。

バーエンドの形状が他のハンドルとは異なり、銃弾のような形状をしています。小さな穴しか開いていないので、汎用のバーエンドキャップは付けられません。

使用感

SCOTT SOLACE DISCに取り付けて使用しています。

取り付け

エンド~ブラケット取り付け部が若干太いのか、STIを取り付けるための金具を通すのに苦労しました。

ケーブルを這わすための溝が彫られており、スッキリと取り回すことが出来ます。ただし、油圧コンポだとケーブルの出方が若干異なるため、普通のワイヤー式よりはハンドルが太くなりました。

重量

206gと、カーボンハンドルとして特別軽いわけではありません。軽量を売りにするENVEですが、ハンドルに関しては堅実さを優先しているようで好印象。

形状

愛用している3T ERGONOVAと形状が近く、違和感はありません。

唯一異なるのはドロップ部(下ハンドル)を持ったときの印象。numero_neroさんも指摘していますが、ドロップ部分の形状の違いからなのか、若干ENVEの方が近く感じます。下ハンドルが持ちやすくて有りがたい。

特徴的なのは、先述のバーエンドの形状。購入前は、変った形のバーエンドキャップが付属しているのだと思っていましたが、実はカーボンで独特な成型をしていたのでした。

私は、ロングライド時にはバーエンドミラーを常用しています。このミラーは、バーエンドキャップの代わりにミラー取り付け用のアダプタを取り付けるタイプ。本製品の場合はこのミラーを取り付けることが出来ません。仕方なくゴムバンドで取り付けるミラーを使用していますが、未だ満足するミラーに出会えていません。

正直、このバーエンド形状は見た目以外に大した意味も無いと思うので、本製品に感じている唯一の不満です。企業側としては、コピー防止の意匠という意味もありそうですが、ユーザにとっては不便ではないかと。

振動吸収性

このハンドルに変えてから、前のハンドルで出ていた振動は収まりました。やはり、ハンドルの適切な部分に適切な積層が成されていなかったので起こっていた現象だったのだと思います。

カーボンハンドルとしての振動吸収性は並。特別快適ということはありません。

剛性

3T ERGONOVAと同程度に感じます。アルミのVibe7sと比べるとガチガチというほどでもなく。ロングライドで使うなら丁度良いです。

見た目

マット塗装で、ENVEのロゴが格好良いです。他のパーツもENVEで揃えれば統一感が出るのでしょうが、それをやるほどお金がありませんw

その他

破損時の保障が付いています。

最初の購入者に限り、自責による破損であっても、次に同じ製品を購入する場合には半額で購入できる制度です。割とハンドルは落車で壊れてしまう部分なので嬉しい制度ですね。

保証を受けるには登録が必要なので、購入日に登録しました。

まとめ

普通に良いハンドル。

剛性も快適性も必要な水準を満たし、かつENVEがこれだけ普通の重量で作っているので強度も確保されているはず。40000円超という値段がネックですが、今やカーボンハンドルの相場も上がっているので、品質と保証を考えると特別高くないと思います。

今後ハンドルを買う場合にはENVEが選択肢の上位に来そうです。3TのカーボンハンドルはErgosum以外は全てケーブルを中通しするようになってしまいましたので……。

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評価

対象モデル:  ENVE「Compact Road Bar」
年式: 2016年
定価: 43200円(税込)
購入価格: 40000円(税込)
公称重量: 不明
実測重量: 205g(420mm)

価格への満足度

4/10

安くはない。

総合評価

9/10

良いハンドル。バーエンドの形状だけ不満。

レビュアー情報

年齢: 31歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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