Clik「Mechanical Tire Pressure Gauge(gen 2)」ファーストインプレッション

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クリックバルブの本家・Clik社によるアナログ空気圧計。クリックバルブ専用品であり、「真のクリック接続」を実現した初の空気圧計です。

・本記事でレビューする製品は、Clikの国内代理店・ダイアテックからレビュー用に提供頂いたものです。

目次

まえがき

まずはレビュー依頼を頂いた経緯について書きます。

クリックバルブの「弱点」

登場から約1年が経ち、浸透してきた感のあるクリックバルブ。

私もすっかり便利さに魅せられてしまい、手持ちのロードバイクは全てクリックバルブに。フロアポンプもクリックバルブ用の口金に変えてしまいました

しかしながら、クリックバルブにも一つだけ大きな問題点がありました。専用の空気圧計が存在しないことです。

一部の空気圧計の仏式側でも空気圧を測ることは可能ですが、クリックバルブの最大の魅力である「クリック感」がありません。また、あのクリック感はバルブをロックする際に生まれるものなので、クリック感がなければロックもしっかりされないということ。着脱時に空気が漏れてしまうこともありました。

なかなか出ない「専用」空気圧計

この1年の間に、各社からクリックバルブ「対応」を謳う空気圧計は発売されました。

まずはシュワルベ。こちらは実際に買ってみたのですが……

「クリックバルブ用口金」がただの筒でした。

本来、クリックバルブというのは、口金内の4つの鋼球がバルブ先端の窪みに食い込むことでロックされるもの。ただの筒ではロックされません。

案の定、盛大に空気漏れをしてしまい、まともに空気圧を測ることが出来ませんでした。

続いて発売されたのが、ドイツ・SKSの「AIR CHECKER 2.0」。

こちらは私は購入していませんが、公式サイトを見る限りでは「仏式・クリックバルブの口金は兼用」となっています。これは、従来の仏式用口金をクリックバルブにも使えるように微調整したものだと思われ、やはりクリック感もロック機構もなさそうでした。


シュワルベもSKSも「一応、クリックバルブの空気圧も測れますよ」という程度の対応であり、クリックバルブの美点である「確実かつ空気漏れの少ない接続(=真のクリック接続)」を実現できていませんでした。

真のクリック接続を実現するには、仏式と兼用ではなくクリックバルブ専用の口金を用意する必要があります。しかし、どこの会社も「仏式・クリック兼用」口金を出すに留まっていました。「クリックバルブ専用にしてしまうと売れない」と考えたのかもしれません。

結局私は、3Dプリンタを使って無理やり解決することにしました。3Dプリンタで出力した中継ぎパーツを使って、Clik社の口金を既存の空気圧計と繋げたのです。

こちらは公式の口金を使っているので「確実かつ空気漏れの少ない接続」を実現できています。

ただ、見た目がちょっと野暮ったい。中継ぎパーツと本体の間で空気漏れが起きるので、コーキング剤(写真の白い部分)を入れていたりと不格好です。

「早く公式から”真のクリック接続”が可能な空気圧計が出てくれ!」と思っていました。

サイクルモードでは……

2026年4月のサイクルモードには、クリックバルブの開発元であるClik社も出展していました。

そのブースには、まだ発売されていないClik社製の空気圧計が展示されていました。本国では発売されているようですが、まだ日本には入ってきていなかったものです。

待望のデジタル版空気圧計は良い感じでした。口金はClik社の純正品。「真のクリック接続」が実現できており、発売が楽しみになりました。

……しかし、アナログ版は、シュワルベやSKSと同じく「一応、クリックバルブの空気圧も測れますよ」くらいのもの。元祖であるブランドがこれはダメだろうと思ってしまいました。

アナログ版のレビュー依頼を頂く

それから2か月。6月初旬に、Clik社の日本代理店であるダイアテックさんから「Clik社のアナログ版空気圧計が入ってきたので、レビューをお願いしたい」というご依頼を頂きました。

正直、迷いました。サイクルモードの時にガッカリした記憶が蘇ったからです。

そこで、ダイアテックの方に、口金部分はどうなっているのかを質問しました。その返信に添付されていた写真が以下です。

上がGen1、下がGen2。口金の形状が異なっている

写真に映っていたのは、2つの空気圧計。上はサイクルモードで私が試したバージョン。下は「Gen2」と呼ばれる新バージョンでした。このGen2の口金は、紛れもなく「真のクリック接続」が可能な口金でした

この画像を見て、二つ返事でレビューを受諾。空気圧計を送って頂きました。

ひと足早く送って頂きましたが、一般発売は本日(6/18)。お店に並び始めているはずです。

Clik「Mechanical Tire Pressure Gauge(gen 2)」

Clik「Mechanical Tire Pressure Gauge(gen 2)」のファーストインプレッションです。

比較対象は、シュワルベ「AirMax Pro(クリックバルブ対応版)」と、3Dプリンタで私が改造したシュワルベ「AirMax Pro(旧版)」です。

ラインナップ

本製品には2つのバージョンがあります。

バージョン対応空気圧
低圧版0-60PSI
(0-4bar)
高圧版0-120PSI
(0-8bar)

私が普段使う空気圧は6bar前後なので、高圧版を送って頂きました。チューブレスタイヤを中心に使う方であれば、低圧版の方が正確な空気圧測定ができると思います。

パッケージ

パッケージの表裏。注目すべきは裏面の以下の文字列です。

PATENTED CLIK™ QUICK CONNECTION
(特許取得済み CLIK™ クイック接続)
Clik on. Pull off. The easiest tire gauge you’ll ever use.
(カチッとはめて、引き抜くだけ。これまでで最も簡単に使えるタイヤゲージです。)

MINIMAL AIR LOSS
(空気漏れを最小限に抑制)
Precise pressure readings with virtually no air loss.
(ほとんど空気を漏らさず、正確に空気圧を測定できます。)

これまでの「クリックバルブ対応」を謳う空気圧計の課題だった部分が解決されていることになります。

空気圧計は、丈夫なケースに入っています。工具箱に入れても傷がつかないようにという配慮のようです。

互換性

クリックバルブ専用です。

仏式バルブ・米式バルブ・英式バルブには使用できません。

重量

実測は108gでした。真鍮製のボディということで、結構重量はあります。ライド中に持ち運ぶにはちょっと重い気はしますが、家で使う分には関係ありません。

本体仕様

黒みがかった銀色にメッキされたボディ。クリックバルブの色と合わせてきましたかね。

こちらは減圧ボタン。

クリックバルブ専用の口金。こちらもメッキされていて、デザインに統一感があります。

計測部。barのメモリは8barまで、PSIのメモリは120PSIまで刻まれています。

口金部分の確認です。中に除いている4つの鋼球は、クリックバルブ専用口金の証。

本体は、ラバーケースによって保護されています。落としてしまった場合でも、フレームやホイールを傷つけないためだそうですが、空気圧計自身を落としてもある程度の衝撃には耐えてくれそうです。

なお、このラバーは初期状態ではかなりゴムのニオイが強いです。しばらくケースから出してニオイを拡散させたほうが良いでしょう。

空気圧の測定

まずは動画で計測の様子をご覧ください。

「ポスッ」という小さな音がすると同時に、空気圧計のメモリが動いていることがご確認頂けると思います。かなり軽い力で差し込んでいますが、しっかりとロックされました。そして、バルブから空気圧計を外しても、メモリの位置が保持されています。

上部のボタンを押すと、空気圧をリセットすることが出来ます。

そして、接続後は手を離しても大丈夫。しっかりロックされています。これぞ、「真のクリック接続」。素晴らしいです。

なお、シュワルベのAirMax Pro(クリックバルブ対応版)は手を離すと空気圧計が内圧で飛んでいってしまいました。

減圧機能

こちらも動画で見ていただきましょう。

入れすぎた空気を少しずつ抜いて、空気圧の調整をすることが出来ます。

クリックバルブ用でこういった減圧が出来る口金って、従来はLEZYNEのポンプでしか行えなかったんですよね。この減圧機能は正確な空気圧設定をする上でかなり有難いです。

精度

製品説明によると、「ANSI B40.1規格に準拠して校正済み」とされています。ANSIというのはアメリカの工業規格です。

私の手元の3Dプリンタ空気圧計より少し低い値が出るのですが、恐らくしっかり校正されているClik社の空気圧計のほうが正しいと思われます。

計測によるロス

空気圧計は、チューブ内部の空気を漏らすことで空気圧を計測しています。全く空気圧のロスなしに測定することは出来ません。ただし、出来る限りロスを少なくすることは出来ます。

(空気圧計のロスを空気圧計で測定するのも変な話ですが)3Dプリンタで改造した私の空気圧計の測定では、1度の測定あたり0.01barくらいのロスがありそうでした。シュワルベのAirMax Pro(クリックバルブ対応版)は、毎回0.05~0.10barずつロスしていたので、その1/5~1/10。かなりロスが少ないと言えます。

まとめ

Clik「Mechanical Tire Pressure Gauge(gen 2)」のファーストインプレッションでした。

いやー、ついに「真のクリック接続」を実現した空気圧計が出てきてくれて大変嬉しいです。

「従来の空気圧計の口金部分をクリックバルブ用の口金に変えるだけだろう」と思ってたんですが、そういう製品が中々出てきませんでした。ようやくクリックバルブの本家たるClik社から出てきてくれて良かったです。

本製品は「クリックバルブ専用」です。仏式にも米式にも英式にも使えません。だからこそ、クリックバルブとの相性は100%。クリックバルブに対して使うには最上の状態になっています。この割り切りは本家だからこそ出来ることなのでしょう。


これでクリックバルブの最大のネックとも言えた「空気圧計が無い」という問題がひとまず解決したことになります。個人的には読み間違えないデジタル式の方が好きなんですが、アナログ式の方を好む人も多いはず。

クリックバルブに乗り換えた人で、空気圧計を探している方。この「Gen2」は自信を持って「良い」と言えるできに仕上がっていると思います。是非使ってみて下さい。

著者情報

年齢: 41歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。
# これまでに著者が乗ってきたスポーツ自転車の履歴はこちらの記事にまとめています。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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