クリックバルブ 非公式FAQ集
4560view
いちユーザーによる、クリックバルブの非公式FAQ集です。あくまで非公式なので、内容の保証は出来ないことにご注意ください。正式な問い合わせは、Clik社へどうぞ。
最終更新日: 2025/12/22
目次
全体的な質問
クリックバルブはどこの会社が作りましたか?
クリックバルブを開発したのはアメリカのClik社(Clik Corporation)です。特許等の権利についてもClik社が保有しています。
発売当初は「Schwalbe クリックバルブ」とSchwalbeの製品であるような扱いをされていましたが、SchwalbeはClik社から権利の供与を受けているパートナーという立ち位置です(→参考)。自転車業界において世界的に知名度のあるSchwalbeのブランド力で一気に拡販する狙いがあったものと思われます。
クリックバルブの権利を公式に利用しているブランドは以下のとおりです。
- Clik
- Schwalbe
- SKS
- Wolf Tooth
- LEZYNE
クリックバルブはどこで製造されていますか?
イタリアのRecord SpAというバルブ専業の企業が一手に製造しているようです。少なくとも上記のブランドから発売されているバルブコアについては、全て出元は同じということになります(=製造元の違いによる形状の差がない)。
クリックバルブ用のポンプヘッドについては、おそらく各ブランドが独自に生産しているようです。Clik社のポンプヘッドは台湾で生産されているとの記載があります。
クリックバルブの口金はどういう仕組みでバルブをロックしているのですか?
こちらの記事で構造を解説しています。
簡単に説明すると、バルブ先端の窪みに鋼球(2mmくらいの金属球×4個)が食い込んでロックしています。球が飛び出さないように、シリコン製のバンドで球を抑えているわけですね。
このバルブ先端の窪みに鋼球が食い込む時の感触が「クリック感」として手に伝わります。
クリックバルブはチューブレスバルブ専用ですか?
いえ、通常のクリンチャータイヤ用インナーチューブであっても、バルブコアが取り外し可能なチューブであればクリックバルブに交換可能です。
もちろんチューブレスバルブでも使用可能です。最初からクリックバルブのコアが付いたチューブレスバルブも販売されていますが、お手持ちのチューブレスバルブのバルブコアを交換することも出来ます(普通、チューブレスバルブはバルブコアが外れます)。
互換性に関する質問
クリックバルブが付いたチューブに、仏式ポンプヘッドで空気を入れられますか?
基本的には入れられます。みんな大好きHIRAMEポンプヘッドでも、クリックバルブに空気を入れることは可能です。
ただし、対応しない仏式ポンプヘッドも存在します(ネジ込み式は使用不可)。
仏式バルブが付いたチューブに、クリックバルブ用ポンプヘッドで空気を入れられますか?
クリックバルブが付いたチューブは、ポータブル空気圧計で空気圧を測れますか?
測れる空気圧計と、測れない空気圧計があるようです。
少なくとも、クリックバルブ専用の空気圧計であれば計測可能です。
仏式/米式に対応した空気圧計の場合、仏式側で測れる場合があります。Panaracerの空気圧計は仏式側で計測可能でした。
クリックバルブが付いたチューブに、電動ポンプで空気を入れられますか?
基本的には入れられます。ただし、延長ホースを使う必要がある場合がほとんどです。
延長ホースの先端が米式バルブに対応していれば、そこにクリックバルブ口金を取り付けることで対応可能となります。
クリックバルブ口金には樹脂製のもの(Schwalbe/SKS)と、アルミ製のもの(Clik/LEZYNE)がありますが、電動ポンプに使う場合はアルミ製のものがオススメです。樹脂製は電動ポンプの熱で溶ける可能性があります。
クリックバルブが付いたチューブに、手動の携帯ポンプで空気を入れられますか?
携帯ポンプの口金が差込式や、レバーによるロック式であれば、仏式用のもので空気を入れられるはずです。
ネジ込み式の携帯ポンプの場合は、米式口金+クリックバルブ用アダプタで対応できます。
クリックバルブが付いたチューブに、CO2インフレーターで空気を入れられますか?
CO2インフレーターにネジ切り式の米式口金が付いていれば、クリックバルブ用の口金を付けることで空気を入れることが可能です。
CO2インフレーターの口金が仏式かつ差し込み式(not ネジ込み式)であれば、そのままクリックバルブに空気を入れることも可能です。
フロアポンプや電動ポンプで空気を入れている際に、ポンプ側の空気圧計で空気圧は確認できますか?
確認できます。
なぜかSchwalbeのサイトでは、「通常のSV(仏式)ポンプでは、空気圧を確認することはできません。」と書かれていますが、実際には一般的な仏式ポンプでクリックバルブに空気を入れている際に空気圧を確認可能です。
TPUチューブにクリックバルブを取り付けられますか?
バルブコアが交換できるタイプのバルブを採用しているチューブであれば、取り付けが可能です。
ただし、TPUチューブの大半で採用されている樹脂バルブは、仏式バルブコアを接着剤で固定しているため、バルブコアの交換は出来ません。例外として、Revoloop/Vittoria/Continental/BARBIERIの樹脂バルブはコア交換可能な構造となっています。
金属バルブを採用しているTPUチューブ(Panaracer/Guee/Eclipse等)であれば、大抵はバルブコアを交換してクリックバルブにすることが可能です。
ラテックスチューブにクリックバルブを取り付けられますか?
バルブコアが交換できるタイプのバルブを採用しているチューブであれば、取り付けが可能です。
米式バルブや英式バルブをクリックバルブに変換することは出来ますか?
バルブコアが交換できるタイプのバルブを採用しているチューブであれば、取り付けが可能です。
米式バルブ用はこちら、英式バルブ用はこちらです。
LEZYNEのクリックバルブ用アダプタは他社製のポンプと互換性がありますか?
ありません。LEZYNEのクリックバルブ用アダプタは、LEZYNEのABS PROポンプヘッド専用です。
それ以外のポンプに使う場合は、SchwalbeかClik社のクリックバルブ用アダプタを買う必要があります。
クリックバルブが最初から搭載されたチューブは販売されていますか?
Schwalbeからは、クリックバルブ標準搭載のブチルチューブ&TPUチューブが販売されていますが、2025年12月時点では日本に輸入されていません。
Clik社からは、AeroBlueというTPUチューブが販売される予定があるようです。
「クリックバルブをメインに使い、たまに仏式バルブも使う」ようなケースを1本のフロアポンプで実現できないでしょうか?
仏式の場合は、ポンプヘッドとバルブで相性があるケースがありました。クリックバルブでもそういった相性はありますか?
基本的には無いはずです。
仏式で相性問題が出るのは、ポンプヘッドがバルブステム(棒の部分)を含めて保持するからです。この棒の部分は太さや形状が様々で、ロック状態が安定せず、空気が漏れたりするケースがありました。
クリックバルブの場合、ポンプヘッドが保持するのは「バルブコア」部分だけです。このため、バルブステムの形状に左右されることがありません。また、バルブコアもRecord SpAの一社製造なので、個体差以上の誤差が出ることもありません。
ポンプヘッドの製造は各ブランドで行っていると思われますが、非常に単純な構造で相性問題は出にくいはず。ただ、シリコンバンドの硬さによって、着脱時の硬さが変わってくるようではあります。一説によるとLEZYNEが一番硬めなんだとか。
使い勝手に関する質問
仏式バルブからクリックバルブに変更すると、空気を入れる際の手間は減りますか?
仏式バルブであれば、空気を入れる前に「ピンを緩める」「ピンを一押しする」、空気を入れた後に「ピンを締める」、計3ステップの工程が必要です。
クリックバルブではそれらの工程が無くなる分だけ、手間は減ります。
仏式バルブからクリックバルブに変更すると、空気を入れる作業の確実性は上がりますか?
上がると思います。
仏式バルブは製造元による個体差が大きいことに加え、各社のポンプヘッドのロック方式が異なります。ポンプヘッドの会社が想定しているバルブ寸法と実際のバルブ寸法が異なると上手くロックできなかったり、少しでも斜めになると空気が漏れてしまうことがあります。
一方、クリックバルブはポンプヘッド側とバルブ側での相性問題が起きにくい構造になっています。
クリックバルブでは、上の画像で示したバルブ先端の窪みに、ポンプヘッド内部の鋼球が食い込むことでロックする仕組みになっています。ロックする瞬間に空気弁が開く構造になっているため、ポンプヘッド着脱の際にズレて空気だけが抜けるということが起こらないわけですね。斜めに差し込もうとしても差し込めない構造になっているのも大きいです。
ロックレバーに指を挟むことはありませんし、勢い良く引き抜いてスポークに指をぶつけることもありません。ポンプヘッドを取り外す際も回転せず引き抜くだけなので、バルブコアが外れて悲しい思いをすることも無くなります。
仏式バルブからクリックバルブに変更すると、ポンピングは軽くなりますか?
体感的には、少しだけポンピング時の抵抗が減ります。「クリックバルブコアの流量は、仏式バルブコアの流量の1.5倍である」ことが理由です。
ただし、抵抗が減るだけで、ポンピング回数は減りません(1回のポンピングでチューブに入る空気量は決まっているため)。
クリックバルブに、バルブキャップは必要ですか?
必要だと思います。
クリックバルブは上部が開放されているため、水や砂利がバルブコア内に入り込む可能性があります。こうした異物の侵入を防ぐため、バルブキャップは付けたほうが良いでしょう。
クリックバルブに交換後、空気圧の自然低下具合はどうですか?
仏式バルブと大差ないと思います(ブチルチューブ・24時間で0.2気圧程度)。
ただし、チューブ側のバルブステムとの相性が悪いと十分に気密されず、空気圧低下が早まるケースがありました。
クリックバルブで、入れすぎた空気を効率良く抜く方法は?
バルブ内部のピンを押すことで空気は抜けますが、素手では中々難しいです。爪の先でなんとか、と言った所。2.5mmの六角レンチを使うと割と良い感じに抜けます。
Clik社から販売されているアルミ製バルブキャップの頭側を使うのが一番良く空気が抜けると思います。
チューブレスレディバルブにクリックバルブを使用すると、シーラントが詰まりませんか?
試していないので想像ですが、恐らくはしばらく運用していると詰まる可能性が高いと思います。それは仏式バルブコアでも一緒なので、時々バルブコアだけを取り出してシーラントを除去する必要は出てくるでしょう。
クリックバルブにすると、チューブレスタイヤのビード上げが楽になりますか?
多少は上がりやすくなると思います。
前述の通り「クリックバルブコアの流量は、仏式バルブコアの流量の1.5倍である」とされていますので、通常の仏式バルブコアを通す場合よりも空気が勢いよく流れ、ビードが上がりやすくなる可能性はあります。
ただ、「ビードを上げるだけ」が目的ならば、バルブコアを付けず、バルブステムに直接仏式ポンプヘッドを取り付けて空気を送り込むのが一番効率が良いです。一度ビードが上がれば空気が抜けてもそうそうビードが落ちることはないですし。
パンク用に持ち歩く予備チューブもクリックバルブ化してるんですか?
持ち歩いているのは普通の仏式バルブが付いたチューブであることが多いです。ただし、バルブコアが交換できるタイプのものにしています。バルブコアツールを持ち歩き、元々自転車に付いていたクリックバルブのコアを外して予備チューブに付け替える想定です。
また、米式 to 仏式のアダプタを持ち歩いてれば、クリックバルブ用口金を外して取り付けることで仏式バルブにも空気を入れることは可能です。
クリックバルブの口金のパッキンは劣化しますか?
仏式バルブの場合、口金内部のパッキンは数年で劣化して交換が必要になります。
一方、クリックバルブのパッキンは口金側には無く、バルブコア側にあります。このため、基本的には口金側はシリコンバンド部分が劣化するまで(10年くらい?)は問題なく使えそうです。
バルブに付属のゴムのバルブキャップ?がユルユルです。
画像右下のゴム製のフタ的なものは、クリックバルブ専用のバルブキャップです。ユルユルなのは、ちゃんと押し込まれていないからです。しっかり押し込むと、かすかなクリック感と共にバルブに固定されます。
キャップ内側を覗くと3つの突起があります。これがバルブ先端の溝にハマってバルブキャップが保持されます。このキャップで600kmブルベにも参加しましたが、外れることはありませんでした。
その他の質問
なぜ代理店でもない1ユーザーが、こんなFAQページを作っているんですか?
最近、クリックバルブの運用について色々と聞かれる機会が増えたためです。その時に「こちらをどうぞ」と見せられるものを用意しようと思いました。
もうひとつの理由は、クリックバルブがある程度普及しないと、バルブの単価も下がらないし、周辺グッズも充実していかないからです。
個人的には便利なものなので使い続けたいですが、ユーザーが少なければ撤退するブランドも出てくるでしょう。クリックバルブの耐用年数は高そうですが、いつかは消耗します。その時に各パーツが手に入る状況がなければ手詰まりになります。
そうならないよう、一旦は定番化してもらうために自主的な普及活動をしています。
関連製品
クリックバルブの関連製品へのリンク集です。
クリックバルブ バルブコア
どれを買っても来るコアは同じですが、付属品と価格が異なります。
CLIK VALVE(クリック バルブ)
¥1,496
(2026/01/16 19:12:55時点 Amazon調べ-詳細)
シュワルベ(SCHWALBE)
¥1,420
(2026/01/16 19:12:56時点 Amazon調べ-詳細)
ウルフトゥース(Wolf Tooth)
¥2,100
(2026/01/16 19:12:56時点 Amazon調べ-詳細)
クリックバルブ アダプター
米式口金をクリックバルブ口金に変換するアダプターです。Clik社のものはアルミ製、Schwalbeのものは樹脂製です。
CLIK VALVE(クリック バルブ)
¥1,980
(2026/01/16 19:12:57時点 Amazon調べ-詳細)
シュワルベ(SCHWALBE)
¥2,860
(2026/01/16 19:12:57時点 Amazon調べ-詳細)
クリックバルブ ポンプヘッド
フロアポンプのホースに取り付け可能なポンプヘッドです。LEZYNEのポンプヘッドに限り、LEZYNEのフロアポンプ専用です。
CLIK VALVE(クリック バルブ)
¥3,476
(2026/01/16 19:12:58時点 Amazon調べ-詳細)
シュワルベ(SCHWALBE)
¥3,819
(2026/01/16 19:12:58時点 Amazon調べ-詳細)
LEZYNE
¥2,970
(2026/01/16 19:12:59時点 Amazon調べ-詳細)
クリックバルブ バルブキャップ
クリックバルブ専用のバルブキャップです。
CLIK VALVE(クリック バルブ)
¥1,980
(2026/01/16 19:12:59時点 Amazon調べ-詳細)
クリックバルブ チューブレスバルブ
クリックバルブを標準搭載したチューブレスバルブです。
DIATECH
¥4,950
(2026/01/16 19:13:00時点 Amazon調べ-詳細)
シュワルベ(SCHWALBE)
¥4,232
(2026/01/16 19:13:00時点 Amazon調べ-詳細)
ウルフトゥース(Wolf Tooth)
¥5,820
(2026/01/16 19:13:01時点 Amazon調べ-詳細)
著者情報
年齢: 41歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。
# これまでに著者が乗ってきたスポーツ自転車の履歴はこちらの記事にまとめています。
記事のシェアはこちらから
この記事を書いた人
ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。
趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。
【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)