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クリックバルブのバルブコア 3ブランド比較
現在、クリックバルブのバルブコアは3社が販売しています。その違いについての話です。
まえがき
まずはこの記事を書くことになった経緯から。
クリックバルブについて
クリックバルブは、今年になって発売されたスポーツバイク用のバルブシステムです。

仏式バルブのバルブコアを、クリックバルブのバルブコアに交換し、専用の口金を使うとポンプヘッドの脱着がワンタッチで行えるようになることが特徴。また、仏式との互換性も残っており、仏式ポンプヘッドでクリックバルブに空気を入れることも可能です。

個人的には電動ポンプとの相性の良さからすっかり気に入ってしまい、家にあるスポーツ自転車のクリックバルブへの移行を進めているところです。
3ブランドから発売されているクリックバルブ
クリックバルブは、「専用のバルブコア」と「専用の口金」によって成り立つシステムです。
そしてこのクリックバルブ用のバルブコア、実は日本国内では3つのブランドから販売されています。
- Schwalbe
- Clik
- Wolf Tooth

メディア等では「シュワルベ クリックバルブ」という組み合わせで紹介されることが多かったので、「クリックバルブはシュワルベが作ったもの」と私も思い込んでいたのですが、実はそれは間違い。クリックバルブを作ったのは、そのものズバリ「Clik社」です。
こちらのページに記載がありますが、企画元はClik社。それを世に広げるためのパートナーがシュワルベ社。ちなみに製造はRecord SpAという会社がやっているそうです。

Clik社とシュワルベ社が中心的な役割を果たしていますが、同じくクリックバルブに賛同したWolf Tooth社からもクリックバルブのバルブコアは販売されています。
この他にもLEZYNEやSKSがクリックバルブ陣営に参加しています。本国ではバルブコアをこれらのブランドからも購入できるようですが、日本では購入できません。
3ブランドのバルブコア比較
今、日本でクリックバルブのバルブコアを販売している3ブランドについて、何か違いはあるのかを調べてみました。
以下は3ブランドの比較表です。いずれも、1セット2個入り(1台分)での販売となります。
| ブランド名 | 製品名 | 税込価格 | 国内代理店 |
|---|---|---|---|
| Schwalbe | クリックバルブ 仏式変換用バルブ | 1320円 | PRインターナショナル |
| Clik | バルブコアセット | 1496円 | ダイアテック |
| Wolf Tooth | クリックバルブ ハイフローバルブコア | 2200円 | フカヤ / Alternative Bicycles |
恐らく、「バルブコア」本体は各ブランド共通ですが、パッケージの付属品と価格が異なります。
Schwalbe
クリックバルブとして一番最初に露出したのが、SCHWALBEです。バルブコアに関しても、日本に最初に入ってきたのはSCHWALBEのものでした。私もSCHWALBEのバルブコアを2セット購入しています。
価格は税込1320円と、3ブランドの中で一番安価に入手できます。
パッケージ内容は以下の通り。
- バルブコア × 2
- ソフトダストキャップ × 2
- バルブコアツール(樹脂製)

こちらの写真はバルブコア+ポンプヘッドのセットのもの。バルブコアセットを買うと、この写真からポンプヘッドを除いたものがパッケージに入っています。
バルブコアツールは付いてくるのですが、樹脂製であることがネック。仏式のバルブコアを外す時には特に問題が起きないんですが、クリックバルブのコアを取り付ける際に上手く回せないのです。空回りしたり、逆に食い込んで外れなくなったりします。

パッケージの裏側を見ると、バルブコアツールを使うのは「仏式バルブコアを外す時」だけで、「クリックバルブのコアを付ける時」は手で回すように書かれています。ただ、バルブステムによっては手だけでは最後まで締め込むことが出来ません。
結局、私はこの付属の樹脂製バルブコアツールは使わず、TNIのアルミ製バルブコアツールを使って締め込んでいます。
Clik
クリックバルブの本家本元がClik社です。クリックバルブの特許を持っているのはClik社であり、規格を広めるためにSchwalbeやWolf Toothに使用を許可しているという形だと思います。私はこちらを1セット購入しました。
価格は税込1496円と、Schwalbeよりは176円高い設定になっています。
パッケージ内容は以下の通り。
- バルブコア × 2
- ソフトダストキャップ × 2
- バルブコアツール(アルミ製)

基本的に入っているもののバリエーションはSchwalbe版と一緒ですが、もっとも違うのは「バルブコアツールがアルミ製である」という点です。

左がClik版のパッケージに入っているアルミ製のバルブコアツール。右がSchwalbe版のパッケージに入っている樹脂製のバルブコアツールです。
アルミ製のバルブコアツールを試してみると、「仏式バルブコアを外す」「クリックバルブコアを取り付ける」という両方の作業を行えるだけの精度が出ていました。アルミ製のバルブコアツールは購入すると300円くらいするものなので、付いてくるのは嬉しいですね。Schwalbe版との価格差を補って余りある長所です。

またよく見ると、ダストキャップの頭に刻まれているロゴマークが異なります。Schwalbe版はSchwalbeのロゴ、Clik版はClikのロゴが入っていますね。モノは同じだと思います。

なお、他社のバルブコアのカラーはブラックしかありませんが、Clik社だけはシルバーカラーを販売しています。
Wolf Tooth
比較的早い段階でクリックバルブ陣営に加わったWolf Tooth。国内では2つの代理店があり、その両方でクリックバルブを扱っているようです。こちらのバルブコアは購入したことがありません。
価格は税込2200円と、3ブランドの中でもっとも高価。Wolf Toothはハイブランドのイメージが強いので、それに見合った値付けということでしょうか。
パッケージ内容は以下の通り。
- バルブコア × 2

なんと付属品はなく、バルブコアだけのようです。ダストキャップも付いてこないのはちょっと悲しい。Amazonのレビューコメントを見ても、やはり何も付いてこないようでした。
Wolf Toothはオリジナルのクリックバルブ用のチューブレスバルブを販売しているので、これ用の「補修部品として販売しているだけ」というスタンスなのかもしれません。
ただ、私が良く行くショップ「サイクルキューブ」にWolf Toothブランドとして入荷していたパッケージは、Clik社のものと同じでした。恐らく中にはバルブコアツールもキャップも入っていそう。入荷のタイミングでパッケージが異なるのかもしれませんね。
まとめ
クリックバルブのバルブコアについて、3ブランドのパッケージでどのような違いがあるのかを調べました。
案外、3ブランドで違いがありました。個人的にはClik社のものが良い気がします。アルミのバルブコアツールが付いてくるのは嬉しい。と言っても、何個もバルブコアツールを持っている必要もないのですが。
それよりも、何台も自転車を持っている人間としては「5台分」くらいのバルクパッケージを出してほしさはあります。それで単価が1個500円くらいに落ちれば普及も早そうですし。

なお、発表されたばかりで発売はされていませんが、バルブコアツール機能が付いたカラーダストキャップが出てくるようです。こちらがあればバルブコアツールも必要なくなりそうですね。
著者情報
年齢: 41歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。
# これまでに著者が乗ってきたスポーツ自転車の履歴はこちらの記事にまとめています。





