国内で使用可能なレーダーテールライト一覧

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日本国内で使用可能なレーダーテールライトを一覧化しました。

目次

まえがき

まずはこの記事を作ろうと思った経緯から。

ここ数年で普及したレーダーテールライト

ここ数年で一気に普及した感のある「レーダーテールライト」。

後方100~200mの車をミリ波レーダーで探知し、サイクルコンピューター上で車の場所を通知してくれるアイテム。後ろを振り向かなくても後方から迫る車との距離や台数を把握することが出来ます。

自転車用レーダー製品はテールライトを兼用していることが多く、車を探知すると警告のために点滅をする機能を持つものも。路上において安全を確保する手段として近年普及しています。

私もMagene「L508」と、iGPSPORT「SR mini」という2つのレーダーテールライトを所有。普段のライドに加えてブルベやファストランでも活用しています。

レーダーテールライトの歴史

レーダーテールライトの元祖と言えば「Garmin」を連想する方が多いと思いますが、正確には違います

自転車用のレーダーテールライトを初めて製品化したのは南アフリカの「iKubu」という会社。製品名は「Backtracker」でした。

クラウドファンディングで一般販売を目指しましたが、資金は集まらずに頓挫。しかし、その製品に目をつけたGarminがiKubuを会社ごと買収。2015年にGarminから「Varia」として発売されました。

この自転車用レーダーは元々2001年に個人が取得した特許に基づいているらしいのですが、20年経過した2021年には失効。それまではGarminしか自転車用レーダーを販売していませんでしたが、2022年頃から他ブランドも自転車用レーダーを発売し始めました。

国内で使用可能な製品を抽出

レーダーテールライトは世界各国のブランドから発売されていますが、日本で使用可能な製品は限られます。具体的には、技適の認証を取得している必要があります

日本国内において無線通信を行う機器は総務省による認証(技適)を受けている必要があります。レーダーテールライトの場合、「車を探知するためのミリ波照射」「サイコンやスマホとのBluetooth通信」という2系統の電波を発する機器であり、技適の対象です。

認証を受けていないレーダーテールライトを日本国内で使用した場合、電波法違反に問われる場合があるのでご注意ください。特に海外通販での購入品は技適を取得していない可能性が高いです。

本記事では、技適を取得しており、日本国内で使用可能なレーダーテールライトを一覧化して紹介します。

国内で使用可能なレーダーテールライト一覧

国内で使用可能なレーダーテールライトの一覧です。

リストアップした条件は以下です。

  • レーダー機能とテールライト機能を兼ね備えた機種であること。
  • 技適認証を取得していること。

最終更新日: 2025年5月27日

国内発売技適番号定価(税込)サイズ重量バッテリー充電時間充電端子特殊機能レーダー機能の
最大ランタイム
レーダー検知距離レーダー探知角検出可能な
後方車両の相対速度
一度に検知可能な
車両数
ライト視認角度点灯(ハイ)点灯(ロー)プロトン点滅消灯
(レーダーのみ)
明るさ
カスタム機能
ブレーキ時の
点滅
車両検知時の
点滅
Garmin
RTL515
2020年6月201-20015734800円縦: 98.6mm
厚: 39.6mm
横: 19.7mm
71g3.8V
1400mAh
3hmicroUSB-16h
(デイフラッシュ)
140m(水平) 40°
(垂直) 20°
10-160km/h8台220°20lm/6h-8lm/8h昼用: 0-65lm/16h
夜用: 0-29lm/16h
(不明)
サイコンからのみ
消灯可能
××
Garmin
RCT715
2022年6月201-22000762800円縦: 106.5mm
厚: 42.0mm
横: 31.9mm
147g3.8V
2800mAh
5hUSB-Cビデオ録画
対応
10h
(デイフラッシュ)
140m(水平) 40°
(垂直) 20°
10-160km/h8台220°20lm/6h-8lm/?h昼用: 0-65lm/10h
夜用: 0-21lm/?h
(不明)
サイコンからのみ
消灯可能
××
Magene
L508
2022年11月210-19822717490円縦: 94.0mm
横: 38.0mm
厚: 25.0mm
65g3.7V
1500mAh
3hUSB-C-16h
(ライトOFF)
140m(水平) 40°
(垂直) 20°
10-120km/h8台220°20lm/6h6lm/8h6lm/8h0-20lm/10h16h
iGPSPORT
SR30
2023年7月220-JP637616830円縦: 99.0mm
横: 39.7mm
厚: 20.3mm
68g3.7V
1400mAh
3hUSB-C-25h
(ライトOFF)
150m(水平) 40°
(垂直) 20°
10-120km/h8台220°20lm/?h6lm/?h-昼用: 0-65lm/20h
夜用: 0-20lm/?h
25h×
iGPSPORT
SR mini
2025年4月217-25211813750円縦: 77.0mm
横: 37.0mm
厚: 19.0mm
50g3.7V
1100mAh
2hUSB-C-20h
(ライトOFF)
160m(水平) 45°
(垂直) 35°
4-110km/h8台220°12lm/5h6lm/8h-昼用: 0-25lm/7h
夜用: 2-12lm/7h
20h
Bryton
Gardia R300L
2023年3月201-22046418480円縦: 97.0mm
横: 40.0mm
厚: 20.9mm
66g3.7V
1000mAh
(不明)USB-C-24h
(ライトOFF)
190m(不明)(不明)(不明)220°20lm/8h5lm/12h12lm/11h昼用: 0-73lm/17h
夜用: 0-12lm/12h
24h×
TREK
CarBack Radar
2024年4月217-23116225900円縦: 70.0mm
横: 50.0mm
厚: 25.0mm
87g3.7V
2000mAh
4hUSB-C-7h
(全モード)
240m(不明)(不明)7台(不明)25lm/7h5lm/7h-昼用: 0-90lm/7h
夜用: 0-5lm/7h
(不明)
サイコンからのみ
消灯可能
×××
CYCPLUS
L7
2025年4月219-25910917299円縦: 76.5mm
横: 37.0mm
厚: 25.0mm
67g3.7V
2000mAh
(不明)USB-C-36h
(ライトOFF)
160m(水平) 40°
(垂直) 10°
6-160km/h8台270°(不明)(不明)(不明)(不明)36h
GIANT
RECON+ TL300R
2025年5月219-24720619800円縦: 95.0mm
横: 30.0mm
厚: 40.0mm
95g3.7V
1500mAh
(不明)USB-CApple「探す」
対応
(不明)140m(水平) 35°
(垂直) ? °
10-120km/h8台(不明)150lm/9h10lm/22h10lm/22hハイ: 30-300lm/11h
ロー: 0-10lm/30h
消灯は可能
時間は不明
(不明)(不明)(不明)
Wahoo
TRACKR RADAR
2025年5月218-25056835200円縦: 90.0mm
横: 42.0mm
厚: 82.0mm
99g(不明)(不明)USB-C-(不明)150m(水平) 35°
(垂直) ? °
(不明)(不明)(不明)21lm/10h10lm/15h-ハイ: 0-53lm/15h
ロー: 0-18lm/20h
(不明)(不明)

気になる製品

個人的に気になる製品をピックアップしました。

Garmin「RTL515」

事実上のレーダーの「御本尊」とも言えるGarmin。レーダー探知のソフトウェアのノウハウも一番多く持っているはずで、探知精度の高さには定評があります。

私もお借りして使用しましたが、レーダー検知精度はさすがの一言。誤検知はほとんどなく、後方の車両を正確に探知します。その一方、2020年発売と少し古いため、充電端子はレーダーで唯一のmicroUSBです。

車両探知時の強点滅はOFFに出来ませんでしたが、2025年になってアプリからのON/OFF切り替えに対応。フランスの道交法改正の影響のようです。

Magene「L508」

Garmin以外で最初にレーダーテールライトを発売したのが恐らくMageneです。L508は現在も販売継続中。

発売より少し前に、グロータックさんからレビュー依頼を受けてテストしました。

ファームウェアのメジャーバージョンアップで探知精度が著しく低下するというトラブルはありましたが、その後のバージョンアップで解消。探知精度はGarminには劣るものの、高いレベルにあります。

このレーダーテールライトが凄かったのは、アプリから点灯モードの設定を細かく制御出来た点です。明るさも1%単位で設定でき、ブレーキ連動・車両探知時の強点滅のON/OFFも選ぶことが出来ました。こうしたアプリからの制御は後発のレーダーでは可能になっていることが多いですが、先駆者として実装した点は非常に評価できると思っています。

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Magene
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iGPSPORT「SR mini」

2025年4月に発売された、iGPSPORTの2作目。miniという名前ですが、全体的に前作よりパワーアップしています。

レーダー検知精度は上々。大量の車が後ろから迫ってくるようなケースではGarminを上回る分解能を発揮します。

テールライトとしての視認性も高く、アプリから明るさも設定可能。価格も最安クラスです。

イマイチなのは、ブレーキ連動&車両探知時の強点滅をOFFに出来ないこと。これさえ出来れば最強なのですが……今後のバージョンアップに期待します。

CYCPLUS「L7」

電動ポンプで有名なCYCPLUSもレーダーテールライトを開発しています。

以前から本国の直販では購入可能でしたが、技適未取得のため日本国内では使用不可能でした。2025年3月に技適を取得し、日本国内でも使用可能となりました。

レーダーテールライトで最大クラスのバッテリー容量(2000mAh)を持ち、使用可能時間は長め。アプリからの点灯モードの設定も細かく出来て、ブレーキ連動&車両探知時の強点滅のON/OFFも選択可能。

スペックだけ見れば現状最強なのですが、残念ながら「探知精度はまだまだ」という評価を周囲のユーザーからは聞きます。今後のアップデートに期待。

Wahoo「TRACKR RADAR」

2025年5月に発売と予告されているWahooのレーダーテールライト。本稿執筆時点ではまだショップなどに入荷したという報告は見ていません。

他社のものよりもかなり厚みがあるのが特徴で、LEDは上下に2つ。恐らくバッテリーはかなり大きいと推測されますが、容量は公開されていません。

この手のガジェットレビューでは有名なDCR先生も中々悪くないと評価しているので、どんなものか気になります。

まとめ

日本国内で使用可能なレーダーテールライトの紹介でした。

とりあえず現在まで3製品をテストしました。まだまだ新しいジャンルの製品であり、私も評価軸を決めかねています。レーダーとしての性能とテールライトとしての性能を両立している製品もまだ少なく、今後の成長が楽しみなジャンルでもありますね。

最後に一つ。「レーダーとしての探知精度」は各社かなり異なります。ここは各社のソフトウェアの作り込み・テスト具合が反映される部分なので、老舗ブランドのほうがノウハウがある分だけ強いはずです。参入間もないブランドは探知精度が低い可能性が高いので、βテスターになるつもりで買った方が良いでしょう。レーダー精度の間違いなさを求めるならばGarminを買っておくのが無難です。

著者情報

年齢: 40歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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