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iGPSPORT「SR mini」ファーストインプレッション
iGPSPORTが新しく発売したレーダーテールライト「SR mini」を購入しました。
購入まで
まずは購入までの経緯を書いていきます。
SR mini、発表
3/26、iGPSPORTが新たなレーダーテールライト「SR mini」を発表しました。
SR mini スマートレーダーリアライト
— iGPSPORT Japan (@iGPSPORT_JP) March 26, 2025
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これは中々良さそう。
iGPSPORTは2023年に1作目となるレーダーテールライト「SR30」を販売。「SR mini」は同社として2作目のレーダーテールライトということになります。

製品スペックを見ると、レーダー使用時で最大20時間使えるとのこと(ライトを消灯した場合)。これは、現状日本で手に入るレーダーテールライトではもっとも長い部類に入ります。
価格も13750円と、レーダーテールライトの相場(15000円)よりも少し安めの設定で出してきました。
購入を迷う
スペックを見て気になりはしましたが、即購入には至りませんでした。「既に持っているレーダーよりも優れている部分があるのか?」が気になったからです。

私は既にレーダーテールライトを1つ持っています。Magene「L508」です。
使用開始直後は中々好印象だったものの、数カ月後のファームウェアのアップデートでレーダー探知の精度がガタ落ち。そこから数カ月後のアップデートでレーダー探知精度が実用レベルとなり、その後は安定しています。レーダー探知の精度は結局ソフトウェア次第なので、アップデートによって良くなったり悪くなったりするんですよね。
テールライトとしての性能はそれほど良いとは思えませんでしたが(側方視認性が低い)、レーダーとしてはまずまずの満足度でした。
せっかくレーダーテールライトを増設するのならば、L508を上回る利点が欲しいところです。
iGPSPORTのレーダーテールライト『SR mini』が着弾。 pic.twitter.com/yj6qAMVc7L
— モロ子2.0 (@morou2) April 11, 2025
先行して購入していたmorouさんのツイートを見ると、レーダーとライト、両方とも申し分のない性能であることが伺えました。
また、個別にmorouさんに確認したところ、SR miniには点灯モードを自分でカスタムできる「カスタマイズモード」が存在することも分かりました。いわゆる「調光機能」です。

これは、同社のフロントライト「VSシリーズ」にも搭載されている機能ですね。自分で明るさを指定できるので、「少し暗めにして点灯時間を長くする」という事が可能になります。このカスタマイズモードは前作「SR30」には無い機能で、SR miniの新機能と思われます。
SR miniは「ライトを消灯すればレーダー機能を20時間使える」とされています。ただ、せっかくテールライトとしての機能もあるのだから、消灯ではなく点灯・点滅で使いたいところ。そこでカスタマイズモードの出番です。
実のところ、市場に存在しているレーダーテールライトの多くはバッテリーの持ちがブルベの走行時間に対して短すぎて、「結局使わない」判断になることが多かったのですが。カスタマイズモードで、バッテリーが長持ちする設定を選べば、レーダーとライトを両立しつつ、ブルベのような長時間の使用も可能になるかもしれないと考えました。
現物を見て購入を決定
そこから数日後のライドで、コンビニ休憩をしている際にSR miniを装備している新しもの好きな人を見かけました。
その人は上下逆向きに付けてしまっていたので果たしてちゃんとレーダー機能が動いているのかは不明でしたが、ライトとしての視認性が良いことに魅力を感じました。ちゃんと横からも光が見えますし、LEDが12個も付いているので1つ1つの光は「眩しい」ということもなく。レーダーテールライトの多くはやたら明るい1LEDの機種が多いんですが、あれはかなり後続車の目に刺さる光だと思ってます。前走者がその手のライトを付けていると前を向けないことがあったので、それは避けたかったのでした。
そして実物は思ったよりもコンパクト。上下に長いことが多いレーダーテールライトですが、そうなるとシートポストに取り付けることがなかなか難しい。特に私のようにブルベで使いたいとなると、サドルバッグと共存出来る必要があります。SR miniくらいの短さであれば、サドルバッグとギリギリ共存できそうに思えました。
そんな検討の末、SR miniを購入しました。
iGPSRORT「SR mini」
iGPSPORT「SR mini」のファーストインプレッションです。ファームウェアバージョンv1.03で確認しています。

購入からの期間は2週間で500kmあまり。主な用途は、昼練・夜練・週末ライド。そして「川越~直江津ロングファストラン」でも使用しました。
スペック
SR miniの全体的なスペックについて紹介します。
比較対象として、このジャンルの祖であるGarmin「RTL515」、同じく中国メーカーで価格帯的にも近いMagene「L508」、SR miniの前モデルであるiGPSPORT「SR30」を並べました。
Garmin RTL515 | Magene L508 | iGPSPORT SR30 | iGPSPORT SR mini |
|
---|---|---|---|---|
発売 | 2020年6月 | 2022年11月 | 2023年7月 | 2025年4月 |
定価(税込) | 34800円 | 17490円 | 16830円 | 13750円 |
サイズ | 縦: 98.6mm 厚: 39.6mm 横: 19.7mm | 縦: 94.0mm 横: 38.0mm 厚: 25.0mm | 縦: 99.0mm 横: 39.7mm 厚: 20.3mm | 縦: 77.0mm 横: 37.0mm 厚: 19.0mm |
重量 | 71g | 65g | 68g | 50g |
バッテリー | 3.8V 1400mAh | 3.7V 1500mAh | 3.7V 1400mAh | 3.7V 1100mAh |
充電時間 | 3時間 | 3時間 | 3時間 | 2時間 |
充電端子 | microUSB | USB-C | USB-C | USB-C |
レーダー機能の 最大ランタイム | 16時間 (デイフラッシュ) | 16時間 (ライトOFF) | 25時間 (ライトOFF) | 20時間 (ライトOFF) |
レーダー検知距離 | 140m | 140m | 150m | 160m |
レーダー探知角 | (水平) 40° (垂直) 20° | (水平) 40° (垂直) 20° | (水平) 40° (垂直) 20° | (水平) 45° (垂直) 35° |
検出可能な 後方車両の相対速度 | 10-160km/h | 10-120km/h | 10-120km/h | 4-110km/h |
一度に検知可能な 車両数 | 8台 | 8台 | 8台 | 8台 |
SR miniの価格はかなり安めの設定です。L508やSR30は発売から時間が経っているので少し値下げされており、実売価格はSR miniに近くなってはいます。
本体サイズは小さめで、重量も軽い。明らかに他機種よりコンパクトで、縦横ともに小さい事がわかります。取り付け場所の制約が減るというのは嬉しいところ。一方、コンパクトになったことでバッテリー容量も他機種より小さめです。
バッテリーが小さくなっているので、同じ明るさならばランタイムは短くなります。ただ、SR miniにはカスタマイズモードがあるため、明るさをある程度絞ったり、点滅の間隔を長くすればランタイムを延長することは可能です。
面白いのが、レーダー探知距離や角度を広げてきていること。水平方向は他機種より5°広く、垂直方向は15°も広くなっています。垂直方向をそこまで広くする意味がどこにあるかは分かりませんが、水平方向が広がったことでカーブでの検知能力が上がっているようです。
後続車両との相対速度についても他機種とは少し異なっています。他機種は相対速度が10-120km/h(Garminのみ160km/h)までの物体を検知するのに対し、SR miniは4-110km/hとやや遅めの設定。自転車や原付など、これまでレーダーで捉えにくかった物体を表示させよう、ということかもしれません。
続いて、テールライトとしてのスペック比較もしてみます。
Garmin RTL515 | Magene L508 | iGPSPORT SR30 | iGPSPORT SR mini |
|
---|---|---|---|---|
点灯(ハイ) | 20lm/6時間 | 20lm/6時間 | 20lm/?時間 | 12lm/5時間 |
点灯(ロー) | – | 6lm/8時間 | 6lm/?時間 | 6lm/8時間 |
プロトン | 8lm/8時間 | 6lm/8時間 | – | – |
点滅 | 昼用: 0-65lm/16時間 夜用: 0-29lm/16時間 | 0-20lm/10時間 | 昼用: 0-65lm/20時間 夜用: 0-20lm/?時間 | 昼用: 0-25lm/7時間 夜用: 2-12lm/7時間 |
消灯 (レーダーのみ) | (不明) | 16時間 | 25時間 | 20時間 |
明るさ カスタム機能 | × | ◯ | × | ◯ |
ブレーキ時の 点滅 | × | ◯ | ◯ | ◯ |
車両検知時の 点滅 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
レーダーとライトを併用したときのランタイムはちょっと短め。ただ、前述の通りカスタマイズモードを使えば、ライト消灯時のランタイム・20時間に近づけることは可能なはず。
複数日に渡るブルベであっても、毎日ホテルで充電出来る環境があるなら、20時間もランタイムがあれば十分です。ブルベ中に常用可能なレーダーテールライトというのは中々無かったのでありがたい。知人はレーダーの予備を1個持って、バッテリーが切れたら予備レーダーに交換、それまで使っていたレーダーはモバイルバッテリーで充電……というサイクルで運用をしていましたが、そういった手間もなくなるわけです。
加速度センサーによるブレーキ探知と、レーダーによる車両探知時には、後方への警告のために強点滅する機能を備えています。バッテリーを多く消費して残量が読めなくなるため、個人的にはこの機能はOFFにしたいのところですが現時点ではOFFにすることは出来ません(L508はON/OFFを選択可能)。ファームウェアのアップデートで対応可能なはずなので、将来的にON/OFF切り替えが可能になってほしいものです。
パッケージ


外箱は、いつも通りの紙箱です。

日本国内で使用するために必要な「技適」の認証を取得していることを表すマーク(〒に似たもの)が付いています。

パッケージ内容は以下の通り。
- ライト本体
- サドルレール用マウント
- ストラップ
- 六角レンチ(3mm)
- Type-Cケーブル
- 説明書
L508にもストラップが付いていましたが、レーダーはやっぱり落下しやすいということでしょうか。
私はサドルバッグを使うので、サドルレール用マウントはあまり有り難くありません。SR30と同じく、シートポスト用マウントが欲しかったところ。そしてシートポスト用マウントは単体で購入ができないようです。
重量

公称50gで、実測48gでした。レーダーテールライトの中では現状で最軽量のはず。
各部詳細


正面と背面。LEDは12個が外周に配置されています。レーダーテールライトは1LEDだったり、1箇所にLEDを集中させるような構造のものが多いのですが、テールライトの本分(より広範囲に視認されること)を考えると不適切ではないかと考えていました。SR miniはLEDの数を増やしてライト外周に配置、さらに拡散系のレンズを採用していてよく考えられていると思います。

上から見た図。ストラップホールとスイッチがあります。長押しで起動/終了です。

横から見た図。赤い部分は透明になっていて光が漏れるようになっています。側方視認性もしっかり配慮していて好印象。

充電端子はType-C。防水カバーもしっかりしてそうです。

Magene「L508」と大きさを比較。縦方向の大きさは17mm差のはずですが、数字以上にSR miniが小さく見えます。
取付
付属のサドルレールマウントは私の用途とは合わないので、L508に付いてきたシートポストマウントを流用することにしました。実はレーダー用のシートポストマウントは選択肢が少ないので、持っていない方はGrowtacの通販からL508用のマウントを購入されると良いでしょう。競合製品の取り付けのために紹介するのは何か申し訳ないですが。

Garmin規格のマウントです。本来、レーダーは「なるべく上」に付けたほうが精度が良くなるんですが、サドルバッグとの共存という事情もあって「なるべく下」に取り付けました。

取り付けられました。

サドルバッグを取り付けるとライトの上部に少し掛かってしまいますが、レーダーは正常動作。テールライトも視認可能でした。
アプリからの設定変更
本製品の特徴の一つが、スマホアプリから設定変更が出来ることです。iGPSPORTはフロントライトもいくつか販売していますが、それらもスマホアプリから様々な設定ができることを売りにしています。その技術をテールライトにも適用した形です。
デバイス登録
iGPSPORTアプリをインストールして起動します。


SR miniのスイッチを入れ、アプリから「デバイス追加」ボタンを押すと、SR miniがデバイス一覧に登録されます。
ファームウェア更新

とりあえず使う前にファームウェアをアップデート。後から機能の更新ができるのがこの手の機器の良いところです。普通、ライト類って発売されたら後からユーザーが手を入れられませんからね。
設定の変更
さて、自分好みの設定に変えていきます。

メニューは、「レーダ検出」「ライトモード」「インテリジェントな関数構成」「ユーザー警告」となっています。


「レーダ検出」は、スマホ上で検知した車の情報を見られる画面です。レーダー対応のサイコンを持っていなくても、スマホをハンドルにマウントすればレーダー画面として使えるということです。


「ライトモード」は、その名の通りライトの点灯モードを変更できる画面です。ここで切り替えると、SR mini本体のモードが切り替わります。
「カスタマイズ」モードだけはタップすることで設定の変更が可能です。このモードは、ユーザー側で自由に明るさや点滅パターンを指定できます。


選べる照明モードは「点灯」か「ちらつき」。ちらつき=点滅です。
「メインライトの明るさ」は、100%=30ルーメンとして、0~100%(1%刻み)の範囲で設定可能です。デフォルトでは20%=6ルーメンに設定されており、「中輝度ステディ」と同じ明るさになっています。
「ちらつき」モードを選択した場合、点滅の周期なども自分で設定可能です。

「インテリジェントな関数構成」は、いわゆる「スマートライト」的な動作の設定をする画面です。現在、「オートスリープ」「チーム同頻度」「レーダー」の設定項目があります。
「オートスリープ」は、停車時などに勝手にライトが消えるまでの時間を設定する項目です。振動を与えると、スリープから復帰します。
「チーム同頻度」は良く分かりませんが、近くにSR miniの使用者が他にもいる場合に、同期して同じパターンで点灯するように出来るらしいです。
「レーダー」は、その名の通りレーダー機能をON/OFF出来る設定項目です。OFFにすると、ただのテールライトになります。テールライトとしてみるとかなりバッテリーが大きいので、レーダーをOFFにすると「やたら長持ちするテールライト」としても使えるわけです。
サイコンとのペアリング

対応しているサイコンであれば、ペアリングするとセンサー一覧にSR miniが表示されます。


設定項目はこんな感じです。
レーダーとして

さて、実使用での感想です。まずはレーダーとしての感想。これまで使っていた「L508」との比較で書いていきます。
ペアリングしたサイコンは、Garmin「EDGE530」です。
ここ数年で発売されたiGPSPORTのサイコン(BiNavi/iGS800/iGS630S/BSC300T/BSC300/BSC200S)とペアリングするとライトの操作をサイコンの画面から行えるようですが、私の手元にあるiGS630(Sではない方)は対象外でした。
サイコンでの表示

レーダーが後ろから迫る車両(車・バイクなど)を探知すると、アラート音が鳴り、画面の端にアニメーションが表示されます。「◯」が1台の車やバイクを表現しています。
検出精度
後続車の検出精度はなかなか正確だと思います。明確な誤検出と言えるものは今のところありません。
この手のレーダーでは一口に「誤検出」と言っても2種類に分けられます。
誤検出の種類 | 個人的な呼び方 |
---|---|
いるはずの車両が表示されない | 偽陰性 |
いないはずの車両が表示される | 偽陽性 |
SR miniは、偽陰性・偽陽性ともに今のところ確認していません。ただ、「1台の車を2台と間違う」「2台の車を1台と間違う」ようなミスは何度か確認しました。ただ、「迫ってきている車両がいる」ことは検出できているので、あまり大きな問題とは考えていません。
等速車両の扱い
この手のレーダーでメーカーごとにかなり動きが異なるのが、「追いついてきて等速になった車両の扱い」です。
例えば、細い道で車が3台追いついてきて、道幅的に追い抜きが難しい場合、自転車と後続車はしばらく等速で走ることになります。追いついてきた瞬間は速度差があるので車が3台表示されるはずですが、追いつかれて等速になると速度差が無くなるわけです。この時にどう処理されるか?
この手のレーダーの御本尊とも言えるGarminの場合、「等速になってもレーダーは捕捉し続ける」動作をするらしいです。実際に使ったことがないので伝聞でしか無いのですが、一度捕捉した車両はなかなか見逃さないのは確かなようでした。
一方、Magene「L508」は速度差が10km/h以下になった時点でレーダーは捕捉しなくなり、画面から消えます。
ではSR miniはどうだったか。L508よりは粘るものの、完全に等速になるとやはり捕捉が外れて画面から消えてしまいました。L508よりも粘るのは、「速度差4km/hでも検知」というあたりが効いているのかもしれません。出来れば追い抜きが終わるまでずっと捕捉を続けてほしいですが、なかなかそれは技術的に難しいのでしょうか。
トンネル内での動作
L508のレビューでも書きましたが、レーダーがもっとも嬉しいのはトンネルの中です。
トンネルの中は音が反響していて、車がどの程度の速さで、どの位置まで迫ってきているのか正しく認識するのが難しい場所です。SR miniは、トンネル内でもしっかり車を捕捉していました。
「川越~直江津ロングファストラン」では何箇所かトンネルの中を通るのですが、迫ってくる車の位置を正確にサイコン上で視認でき、回避動作を取ることが出来て安心感がありました。
テールライトとして

次にテールライトとしての感想です。
被視認性
前述の通り、12個のLEDをライト外周部に配置し、拡散系のレンズを使うことで後方からの視認性は高いと思います。

光の広がり方を撮影してみました。

側方にもしっかり光が漏れており、横からの被視認性も確保しています。ちなみに上の写真はカスタマイズモードで「明るさ7%=2.1ルーメン」に設定した状態です。拡散系のレンズなので照度は測れないのですが、目視ではOMNI5の電池満タン時と変わらないくらいの明るさに見えました。
明るさの時間変化
これはまだテストできていません。VS1200の結果を考えると、おそらくは一定光量になっているんじゃないかと思います。そのうちテストします。
OFFに出来ない2つの機能
本ライトにはOFFに出来ない機能が2つ存在します。「ブレーキを掛けた時に強点滅する」機能と、「車を探知した時に強点滅する」機能です。要は後ろの車両に対して警告を送る機能なのですが、こちらはアプリからもON/OFFが出来ません。
これをOFFに出来ないと何が困るか? 電池の減りが早くなることです。
信号が多い道ではブレーキのたびに強点滅。一時的に30ルーメンを照射するので、その分だけ電池が減ります。車が多い道を走った時も同様に電池が減ります。

アプリ上では「あと何時間使えるか」の見積もり時間を確認できるのですが(上の画像だと「7h50min」)、ブレーキ連動点滅と車探知点滅によって、この見積もりがまるで当てにならなくなるのです。

「川越~直江津ロングファストラン」では、18時間は持つように設定して走行しました。ただ、12時間30分でゴールした時、残りの電池残量はわずか3%。もうすぐ電池切れになる状態だったわけです。2つの自動機能による強点滅でバッテリーを消費し、5時間半も早く電池切れを迎えてしまったわけですね。
前述の通り、Magene「L508」にも、このブレーキ連動&車探知で強点滅する機能はあります。ただ、L508はアプリ側でON/OFFを選べます。SR miniでも当然そのような制御は可能なはずなので、今後のアップデートで是非対応して欲しいところです。
あと、現状のブレーキ連動の検知はかなり過敏です。ペダリングをして足を止めただけで「ブレーキを握った」と判断されてしまうほど。だから、実際にはブレーキを掛けていないにもかかわらず強点滅している時間が長く、結果として電池がモリモリ減っていくということですね。これもアップデートで改善されることを期待します。
まとめ
安価ながら、十分な性能と精度を持つレーダーテールライト。
レーダーとしての性能もさることながら、テールライトとしての性能を妥協していない所が良いと思います。
これまでレーダーテールライトを販売してきたブランドを考えると、ほとんどは「GPSサイコン屋さん」でした。通信や制御といったことを考えるとそうなるのは当然なのですが、どうも「テールライト」部分がイマイチすぎないか?と考えていました。専門外だから仕方ないのですが、機能を持つ以上はしっかりと「テールライト」としても仕事をして欲しい。
その点、SR miniはテールライトとして見てもなかなか良く出来ていると思います。発光面積を大きく取って、拡散系のレンズを採用。広範囲への被視認性をしっかりと獲得し、サドルバッグと併用してもライト部分が隠れにくくなっています。
カスタマイズモードを搭載したことによって、「明るさを下げてランタイムを伸ばす」選択肢があるのもブルベ用途の人間にはありがたいです。

iGPSPORTも元々は「GPSサイコン屋さん」ではあるのですが、近年はライト分野にも積極的に取り組んでいます。フロントライトの性能はまだまだ専門メーカーには及んでいませんが、ライトに手を出していないメーカーと比べたら工学系の見識が深いことは伺えます。この路線でライト方面でもしっかりとした製品を出すメーカーになってくれることを期待します。
なお、今度知人からGarminのレーダーテールライト「RTL515」をしばらくお借りできることになりました。SR miniやL508と比べて検知精度はどうなのか、色々実験してみたいと思っています。
著者情報
年齢: 40歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。