Panaracer「AGXERO」ファーストインプレッション

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Panaracerが3/1に発売した新ロードタイヤ「AGXERO」を購入しました。クリンチャー/ブラック/28Cのファーストインプレッションを書いていきます。

目次

購入まで

まずは購入までの流れを書いていきます。

4年ぶりの完全新作

2/15、Panaracerの公式アカウントに以下の投稿がありました。

新作ロードタイヤ「AGXERO(エージーゼロ)」。公式の説明は以下。

前作Panaracer AGILESTの走行性能はそのままに、耐パンク性やロングライフ性能、扱いやすさを向上させるというために、すべてをゼロベースで再検証し、設計しました。
大きな特徴として、AGXEROには前作にはなかったトレッドパターンが刻まれています。

位置付けとしては、「無印AGILESTの後継」。無印AGILESTが今後も販売されるかは不明ですが、少なくともDUROやFASTは継続になるっぽいですね。

Panaracer公式Twitterより引用

公式のモデル位置付け図にもまだ無印AGILESTは登場しているので、しばらくは併売されそうに見えます。でも「AGILEST TLR」は見当たらないので消えちゃうのかも?

いつものPanaracerだと告知されてすぐにAmazonで買えることが多かったのですが、今回は半月後の3/1に発売になるとのことでした。

とりあえず買ってみよう

つい先日、AGILEST FAST(クリンチャー/28C)が寿命を迎え、GOODYEARのF1R(クリンチャー/ブラック/28C)に変えたばかりではあったのですが、FASTに比べるとF1Rは転がりが重く感じられて「なんか気持ちよくないな」と思っていた所でした。

そんなタイミングでのAGXEROの発売。「これはちょっと試してみるか」と思えました。近頃は定価10000円を超えることが当たり前になったロードタイヤにあって、そこまで高くはないですし。

発売日の3/1にサイクルキューブさんに行くと早速入荷されていました。クリンチャーの28Cを2本セットで購入。試してみることにしました。

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Panaracer「AGXERO (CL/28C)」

Panaracer「AGXERO (CL/28C)」のファーストインプレッションです。使用期間は5日で60kmの段階での感想になります。この期間での用途は、ほぼ夜練のみでロングライドにはまだ使用していません。

ホイールはReserve「34|37」、チューブはGuee「AeroLite」を合わせました。

ラインナップ

AGXEROのラインナップは以下の通りです。

製品名太さ(重量)カラー税込価格
AGXERO TUBED25C (220g)
28C (230g)
30C (260g)

アンバー
7920円
AGXERO TLR25C (250g)
28C (270g)
30C (300g)

アンバー
9020円

TUBEDは耐パンクベルトあり、TLRは耐パンクベルトなし。無印AGILESTと一緒ですね。

今回購入したのは、「TUBED」「28C」「黒」です。

パッケージ

紙箱です。いつものようにタイヤ幅の参考値の表が書かれているのはありがたい。

キャッチフレーズでしょうか。日本語に訳すと「フラッグシップモデルを次のレベルに引き上げる比類のない耐パンク性」ということになります。耐パンクベルトの強さを指しているのかと思ったのですが、ベルトを持たないTLRの箱にも同じ言葉が書いてありました。コンパウンドが強くなったということなんでしょうかね?

重量

実測重量は225g/230g。公称230gなので、ほぼピタリ賞。

昨今のロード用28Cタイヤとしては「普通~やや軽め」の部類に入ると思います。

各部詳細

ここ最近のPanaracerのロードタイヤと言えば、トレッド面は完全にスリックであることが普通。AGXEROは随分久しぶりにトレッドパターンを持つタイヤとなっています。テストした選手たちからの要望が多かったので取り入れたんだとか。

現在のパナレーサーのコーポレートカラーである紫のロゴ。

裏面はいつものパナレーサーっぽい感じ。ケーシング幅は69.5mmと、無印AGILESTの28C(71.0mm)よりやや細い。AGILEST FASTの28C(69.1mm)と同じくらいです。

トレッド部の厚みは2.6mm、サイドの厚みは0.46mm。無印AGILESTは0.43mmだったので、やや厚くなっていますが、ロードタイヤとしては薄い部類。F1Rのサイドは0.66mmありました。

耐パンクベルトは「PR BELT」を採用。「耐貫通パンク強度を高めるナイロンタフタによるベルト構造」とのことです。

組付け

タイヤレバーは使いましたが、あまり苦労せずに取り付け完了しました。

完全スリックのAGILESTには回転方向の指定はありませんでしたが、トレッドパターンのあるAGXEROには回転方向の指定があります。組み付け時には逆に付けないように注意しましょう。

空気を入れた際には、2気圧程度の低い状態で「カン!カン!」とビードがフックにハマる音がします。普通はもう少し高圧でビードが上がるのですが、この感じだとTLR版もビードは上がりやすそうですね。

特筆すべきは、あの忌まわしい白いカスが全く出なかったこと。

白いカスというのは、タイヤの離型剤のことです。無印AGILESTはこの離型剤が多いのか、タイヤを組み付けると床が白いカスだらけになるという困った特徴がありました。それだけであれば掃除をすれば良いのですが、Panaracerの離型剤は路面のゴミを拾いやすかったのです。ちょっとネバネバしてます。

私は組み付けた後に、ぬるま湯を含ませたタオルでトレッド面を拭き取る習慣があったのでこうしたパンクは起きませんでしたが、そういった習慣がない方の場合は使い始めた時が一番ゴミを拾いやすい状態だったということになります。無印AGILESTはリリース直後に「すごくパンクする」という話を多く見かけましたが、この離型剤の多さ・性質による所は大きかったのではないでしょうか。

AGXEROはこのベトベトする離型剤の気配が全くありません。試しに今回は「ぬるま湯での拭き取り」なしで乗ってみましたが、路上のゴミを拾うことはありませんでした。

この離型剤の仕様変更だけでも、パンクの発生率は大幅に下がりそうですね。

太さ

内幅23mmのReserveホイールに取り付けて、実測30mmでした。

これは箱に書いてある表の値とピッタリ一致。成型の精度の高さが伺えます。

実走での感想

前5.5気圧/後6.0気圧で乗っています。

前述の通り、路面のゴミを拾う感じがありません。おろしたての無印AGILESTは走っていてもタイヤがペタペタと路面に張り付くような感覚があったんですが、そういった感覚はAGXEROには全くなし。

次に感じたのは乗り心地の良さ。無印AGILESTやAGILEST FASTよりも段差で跳ねにくく、微振動も減っている感じがあります。乗り心地の良いGueeのTPUチューブを使っていることを差し引いても、かなりの乗り心地の良さだと感じました。

漕ぎ出しは無印AGILESTよりもやや重く感じました。無印AGILESTは28Cでも210gとかなり軽かったので、そのあたりの重量差が出ているのかもしれません。ただ、無印AGILESTよりもタイヤが路面に食いつく感じはありますね。ペタペタと張り付く感じではなく、グリップする感じと言いますか。

転がりについては、無印AGILEST以上、AGILEST FAST以下という印象。AGILEST FASTは打倒GP5000のために「転がり抵抗軽減」を至上命題としただけのことはあって、転がりの軽さではFASTの方が上だと思います。でもAGXEROも転がりが重い感じは全く無く、ここ最近使ったタイヤ(BRIDGESTONE「R1X」、MAXXIS「HIGH ROAD」、GOODYEAR「F1R」)との比較では軽快な部類に思えます。

CyclingNewsが行ったテストにおいて、AGILEST FASTはクリンチャータイヤとしては並み居る強豪を押しのけて転がり抵抗の低さでトップにランクインしていました。この記事ではGP5000 CLとの直接対決はありませんが、TLRであるGP5000S TRの転がり抵抗に肉薄(0.1W差)しています。
また、Bicycle Rolling Resistanceのサイトを見ると、GP5000S TRとGP5000 CLには2.0Wの転がり抵抗差があるようなので、FAST CL vs GP5000 CLであれば、FAST CLの方が良い値になっていると推測できます。

今回の最も大きな変更トピックである「トレッドパターン」の変化ですが、正直私には良く分かりませんでした。選手ほど攻めたコーナーリングもしないですし、元々の無印AGILESTにもそこまでコーナーの不満はありませんでした。今回も特段「不安感はないな」という感想でした。

ウェットグリップはまだ分かりません。雨の中は走れていないので。

耐久性

まだ60kmしか乗っていない段階で耐久性を語るのも変ではあるのですが、「トレッドの小キズ」について触れておきたいと思います。

AGILEST FASTの小キズ

これまで割と愛用してきたAGILEST FAST。走行性能は大変気に入っていたんですが、このトレッド面の小キズが心理的に宜しくないなーと思っていました。この一発でパンクには至らなかったとしても、そこから何か入り込むことも考えられますし。

その点、AGXEROはこういった小キズは今のところ無し。表面の耐久性が上がっているのだとしたら嬉しいですね。個人的には、トレッド面にまでヒゲがあるのはちょっと気になりました。性能に影響する部分ではないでしょうが。

におい

白いカスは出なくなったんですが、変わりに強くなったものがありました。「におい」です。ゴム臭い。

普通は組み付けて走って1-2日も経てばゴム臭さは消えるんですが、組み付けて5日経った現在も、外から自室に戻ってくるとゴム臭さを感じます。なかなかしぶといです。

まとめ

パナレーサー「AGXERO」のファーストインプレッションでした。

尖った特徴はないですが、無印AGILESTの弱点を順当に対策してきたタイヤに思えました。正直、白いカスが出なくなったという一点だけでも価値があります。あれはかなり組み付け時に厄介だったので……。性能面では無印AGILESTには不満がなかったので、個人的にはより好みなタイヤになったと言えます。

乗り心地も良いですし、転がりも悪くない。耐パンク性は今のところ不明ですが、表面の傷つきにくさを見る限り期待は出来そうです。次のブルベはこれで走ってみる予定。

タイヤの値上げが続く中、この値段でこの性能であれば今後しばらくの定番となり得る気がしました。

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著者情報

年齢: 41歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。
# これまでに著者が乗ってきたスポーツ自転車の履歴はこちらの記事にまとめています。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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