EQUALブレーキのフィーリング調整ボルトを触ってみる

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EQUALブレーキを購入して4年ほど。そういえば触ったことがなかった「フィーリング調整ボルト」を触ってみました。

あまりネット上でもこの機能について触れている記事がなかったので、記録を残しておきます。

目次

まえがき

フィーリング調整ボルトを触るまでの経緯を書いていきます。

EQUALブレーキの違和感

私が今メインで乗っているロードバイクは2台。リムブレーキのQUARKと、ディスクブレーキのGE-110です。

QUARKGE-110
ブレーキシステムリムブレーキディスクブレーキ
レバーSHIMANO「ST-9001」SHIMANO「ST-9001」
ブレーキパーツSHIMANO「BR-9000」GROWTAC「EQUAL」

GE-110は、メカニカルディスクブレーキである、「EQUALブレーキ」を使用しています。

昨年末あたりにようやくポジションを完全に一致させることが出来、ポジションに関しては違和感が無くなりました。ただ一点、違和感があったのがブレーキのフィーリングです

EQUALブレーキは握り込むと効くんですが、特にフロント側の初期制動力があまり高くないように感じていたのです。効き始めの制動力の大きさはリムブレーキであるQUARKのほうが高いと感じられるほど。

昨年はGE-110で600kmまでのブルベを走りましたが、終盤に手の疲れを感じることがありました。これは、初期制動力が物足りなくて握力を使っている可能性が高そう。

レバーは同じST-9001。それで差が出るならブレーキの特性の差なのかな?と思ったのですが……。

ショップで相談

こういう時はショップで相談です。頼りになる店長のいる、「CYCLECUBE」に伺いました。

(前章の理由を説明)
……というわけで、EQUALブレーキの初期制動力を上げたいんですけど、それって出来たりします?

出来ますよ。
(ローラー台に付いたEQUALブレーキ付きの試乗車を指しながら)
ここのフィーリング調整ボルトを引き出してやると、握り始めの制動力が高くなります。
まずはボルトが一番奥に入っている状態でレバーを引いてみてください。

はい。いつもの試乗車の感触ですね。

(フィーリング調整ボルトを引き出してパッド調整を行う)
もう一度握ってみてください。

!!
確かにさっきよりも握り始めからキッチリ効く感じに変わりましたね。。

あっさり解決。

ブレーキの件は四年間なんとなくモヤモヤしていたのですが、ものの数分で解決してしましました。

この時はクロスバイクで店に行ったのでその場では確かめられませんでしたが、帰宅してすぐにフィーリング調整ボルトを引き出し。結果として、ブレーキの感触がQUARK(BR-9000)のそれに限りなく近づいたのでした。

フィーリング調整ボルトの調整

ここからは、写真を交えて「フィーリング調整ボルト」の調整について書いていきます。

調整方法

調整の手順を箇条書きにすると以下の通り。

フィーリング調整ボルトの調整
  1. 外側パッド調整ネジを反時計回りに回し、ローターとパッドのクリアランスを大きくする。
  2. フィーリング調整ボルトを反時計回りに回す。スイングアームが連動して反時計回り方向に動く。
  3. 外側パッド調整ネジを時計回りに回し、ローターにパッドを近づける。

これだけです。

調整の様子を図示するとこんな感じ。

以下に、調整のBefore-Afterをアニメーションで示します。

フィーリング調整ボルトの引き出し量と、スイングアームの角度が(微妙に)変わっているのがお分かり頂けるでしょうか。

ちなみに、納車から現在までフィーリング調整ボルトがほぼ一番奥に入った状態で使用していました。制動力的に言えば一番弱い状態であったということです。

フィーリング調整ボルトの機序

私は単に「ワイヤーをあらかじめ引いた状態にしておくことで、より強い制動力が出るのかな」と思ったのですが、説明書を読むとそういうわけではないようです。

EQUALブレーキ コンセプト資料より引用

……ということで、「フィーリング調整ボルトを引き出すと、ブレーキパッドにピストンが当たる時のカム角度が変わることで制動力の差が出る」ということのようです。私も良く理解できていません。

「じゃあ、一番フィーリング調整ボルトを引き出した状態にすれば制動力最強じゃん」と思ってしまうのですが、それはそれで危険のようです。

上の図で言う「デンジャーゾーン」に入ってしまいやすくなるため、フィーリング調整ボルトの引き出し量は、フィーリングゲージが0.9~2.7程度の範囲に収まるようにすることが推奨されています。

また、フィーリングゲージを上にすればするほど、パッドが減った際にデンジャーゾーンに入りやすくなるため、こまめなパッド調整が必要となります

実走の感想

調整後、実走。

握り始めから強い制動力が発揮され、欲しかったフィーリングになりました。

割と私はカックンブレーキ気味のほうが好みなのかもしれません。握り始めからガッツリ効くようになり、満足しています。

まとめ

「EQUALブレーキのフィーリング調整ボルトを、使用開始から4年も経って初めて触った」様子をお伝えしました。

もっと早くやっていれば良かったです。特に私のように体重が重い場合には、この調整を入れることでだいぶ手の負担は軽減されそう。反面、パッドの調整頻度は少し上げなければならないのですが、私は割と細かく調整するほうなので平気なはず。

最後に。EQUALブレーキユーザーで「自分も調整ボルトを触ってみよう」という方は、まず上記の公式サイトから「取扱説明書」の「5-2 ブレーキフィーリングの調整」の章を読んでから作業してください。ブレーキ周りの調整なので、手違いの無いように手順を守りましょう。

著者情報

年齢: 40歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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