BRM921 霧立400 走行編④ 通過2:霧立亭~増毛(295km)

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本ブルベのラストコンビニ・増毛までの区間です。

目次

通過2:霧立亭~PC3:古丹別(236km)

ようやく本日のメインイベント、「霧立亭」に到着しました。

通過チェック2、到着

15:42、通過チェック2: 霧立亭(187km地点)に到着。

こちらは通過チェックなので写真さえあればOK。しかし、ここで食事を取らないのではわざわざこのブルベに出た意味の半分が失われます。もちろん、新そばを頂いていきます。

店内に入ると、参加者だらけ。巡回中のデカ長さん・チコリンさんもいます。

驚いたのは、alphasudさんの机に置かれた、たらいのような皿。これが噂の「ちぶおそば」か……。

麺の量は5人前。ゆで前150g/1人前らしいので、5玉で750g。おそらく、ゆで後の重量は軽く1kgを越えるでしょう。既にalphasudさんは8割方平らげていましたが、さっきまで凹んでいたはずの彼のお腹が分かるくらいに膨らんでいて驚きました。

……ていうか、alphasudさん、前のPCでセコマのカツ丼食べてませんでしたっけ?

私はそこまで空腹というわけでもなかったので、天ざる中盛り(1.5玉)。

この後は寒くなることはわかっていましたが、せっかくならばコシのある新そばを味わいたいということでざるそばです。美味しかった! こちらで天ぷらを頼むのは初めてですが、色々盛りだくさんで良かったです。

相席になった方は九州から遠征で来られたとのこと。初の北海道ブルベらしいですが、堪能されていたようです。

そして、ここでデカ長さんに気になっていたことを聞いてみました。

この後の霧立峠ってどんな峠なんですか? 結構キツい?

いやいや、緩いです。
霧立亭の標高がそれなりにあるので、割とすぐに峠。
で、日本海までかなり長いダウンヒルが続きます。

確認してみると、霧立亭の標高が220m。峠の標高が380m。峠の長さは8kmなので、平均斜度は2%。食後でも苦しい峠とはならなそうです。ちぶおそばを食べた人は除いて。

食後に店の前の自販機で水をボトルに補給し、再スタートです。

霧立峠まで

リスタートして霧立峠方面へ。

登り始めてすぐに、参加者っぽい出で立ちの方が路肩に停止中。何かあったのかな?と思ったら、「すいません、霧立亭ってどこですか?」と声を掛けられました。あー、なるほど。恐らくこの方は「盲腸を見逃したんだな」と一人で納得しました。

「一度戻って左折すれば霧立亭がありますよ!」と回答すると、彼は来た道を戻っていきました。


ブルベでは、チェックポイントまで行ったあとに、同じ道を戻ってから分岐するようなコースが引かれる場合があります。この、往復で同じ道を通る区間を、「盲腸」と私は呼んでいます。

こういったルートの場合、GPSのルート軌跡だけを見ていると、チェックポイントに行かないまま分岐で曲がってしまうというミスが起こり得ます。

ではこれを防ぐにはどうすれば良いか? 事前に、盲腸になっているチェックポイントでルートを分割しておけばよいのです。こうすれば、手前の分岐で曲がってしまうことが避けられます。今回は、「スタート~霧立亭」と「霧立亭~ゴール」の2ルートに分割しています。

一番確実なのは全チェックポイントでルートを分割しておくことですが、切り替えの手間が増えるため私は盲腸部分が無ければルートを分割しないこともあります。

事前のルート予習時に「盲腸」を見つけたら、そこでルートを分割しておきましょう。現地で迷うリスクを減らせます。


さて、霧立峠のクライム開始。事前情報通りに確かに緩い峠です。今回履いてきた30Cのチューブレスタイヤは登りでは重さを感じるのですが、これくらいの斜度であれば傾斜面として登っていけます。

体の方もようやく腰の痛みが収まり、ロングライドの走り方を思い出してきたようです。180kmあたりから調子が出てくることが多いのですが、いつもながらエンジンの掛かりが遅いですね。

霧立峠の登り風景。この白線位置を示す矢印を見ると「北海道を走っているなー」という気分になります。夜になると光るのも何か良い。

ダラダラ登って霧立峠に到着。標高387mしかないんですね。PBPの最高標高地点の峠(Roc’h Trevezel)も標高384mでちょうど同じくらい。斜度の感じも良く似ていました。

極寒のダウンヒル

さて、峠を越えるとトンネルを皮切りに長いダウンヒル開始。

下りはじめの所で、SHMZジャージの3人組が防寒装備に着替えていましたが、私は防寒装備はまだ早いと思ってそのまま追い抜き。しかし、そのことを後悔することになります。

斜度は1%ほど、時折登り返しもあるものの、本当にずーーーーっと下り坂。たかだか400mの峠のはずなのに、こんなにダウンヒルが長いのは初めてのことです。

Roc’h Trevezelですらダウンヒルの長さは20kmくらい。一方、霧立峠は42kmもあります。平均斜度は0.8%。緩いですが、下りは下り。日没を迎える9月の北海道で40kmも下り続ければ……手足は冷え切ります。足の指は寒さで完全にしびれていました。SHMZジャージの3人組は地元の方だと言っていましたが、その行動に習うべきでしたね。

そんな環境で脇から鹿が出てきたのでかなりビビりました。幸いにも道路の中央までは出てこなかったので接触などはありませんでしたが、肝を冷やした瞬間です。熊も怖いですが、夜間のダウンヒルの鹿も相当怖い。

冷え切った状態で、PCになだれ込みました。カイロを買わなきゃ。

PC3:古丹別~増毛(295km)

霧立峠を下りきり、日本海側を走る区間に入ります。

PC3、到着

18:27、PC3: セイコーマート古丹別店(236km地点)に到着。

あまりにも寒いので使い捨てカイロを買おうと思うも、何故かありそうな場所に置いていませんでした。店の方に聞いてみると、「今の時期はないです。10月からですね。」というツレない答え。例え寒冷地たる北海道であろうとも、冬物の商品が並ぶのは10月以降であるということみたいで。肉まんは売ってるのに……。

仕方ないので、ホットの缶コーヒーを2本と軍手を購入。1本は飲み、1本はバックポケットに入れて暖を取る作戦です。つい半月前まではバックポケットにクーリッシュを入れていた気がするんですが、真逆のことをしてますね。

店の外では例によってalphasudさんと会話。

いやー、寒かったですね。
Garmin読みで9℃ですよ。

ええっ!?
明け方なら分かりますが、まだ18時半ですよ。そんなバカな……

私はこの日、EdgeではなくeTrexで走っていました。eTrexにはデフォルトで温度表示機能がありません(追加センサーを取り付ければ温度表示は可能)。

仮にこの9℃が本当だとして、ダウンヒルをずっと続けていたら身体が冷え切るのも当たり前です。

さすがにもう防寒着を温存するのも悪手だと思われたので、レインジャケットを着込み、ネックウォーマーを装着。一桁気温シフトに移行しました。

日本海は暖かかった

ホットコーヒーを飲んで少し身体も温まった所でリスタート。

古丹別からは標高差80mほどの丘を越え、下りきると日本海です。寒いときには登りは有り難いもので、体を温めるために気持ち強度高めで登りました。

下り終わって日本海に到達すると……あれ、何だか空気が生ぬるい。海沿いは海水の保温効果で1日の寒暖差が少ないとはいいますが、丘一つ越えただけでこんなに違うものかと驚きました。この気温ならレインジャケットは不要だったかもとは思いましたが、これから気温は落ちるはずなのでそのまま着ておくことに。

さて、ここからはオロロンラインを南下。北上する向きでは何度も走ってますが、南下するのは初めてのことです。いつもと風景が逆だなーと思いながら快走。この区間は追い風でした。

印象的だったのは月の明るさ。投光器に照らされているのかと思ったら、山から出てきた月でした。こんなに月が明るいことがあるのか、と驚き。周囲が暗いからかもしれませんが。

留萌で小休止

鬼鹿・小平のコンビニはスルーし、280km地点のローソン留萌栄町店でトイレ休憩。ここにもカイロはなし。

気温も落ちてきたので、ハンバーガーとホットレモネードで暖を取って再スタートしました。

ブリーフィングで聞いた話によると、この先15kmほどの所にある増毛市街地のセブンイレブンが本コースのラストコンビニであるとのこと。残り100kmに備えるため、そちらで大量に補給食を買い込むことにしました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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