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BRM921 霧立400 準備編
ランドヌール札幌主催のブルベ「霧立400」に参加しました。
ランドヌール札幌の主催するブルベに参加するのは、2018年の「クローバー1200」以来となります。

参加動機
今年はあまりブルベに参加出来ていません。
PBP燃え尽き症候群
年始の「箱根200」と2月の「三浦200」に参加し、その後は4月に「西上州300」に参加。以後、「川越~直江津」や「東京~糸魚川」といったファストランイベントには参加したものの、ブルベには出ておらず。
昨年のPBP完走の達成感が自分でも意外なほど大きかったようで、ブルベ参加のモチベーションが下がっていたというのはあります。実際、PBPを完走してそのままブルベを引退してしまう方も多いですし。PBPはブルべの正規キャリアパスとしては「ラスボス」なわけで、それを一区切りとするのは良くわかります。
私はまだ引退するつもりはないものの、積極的に走る理由もあまりないので、「参加したいと思うコースだけ参加すればいいや」と考えていました。
夏の計画が頓挫する
今年は8月に夏休みを10日ほど取れたのですが、体調の悪い日が多く、ほぼ療養期間となってしまいました。症状から見ると恐らくマイコプラズマ感染症。咳がひどく、心肺機能は結構ダメージを受けました。
夏休みはブルベにエントリーこそしていなかったものの、久々に長めのツーリングをするつもりで予定を立てていたのですが……その計画も病気により頓挫。
そんなこんなで、「久々に長い距離のブルベを走りたい!」というモチベーションが湧いてきた……というわけです。
どうせなら北海道のブルベを走りたい
ということで、9月に走れるブルベ探し。
しかし、長期予報では「9月後半まで30℃以上の暑さが続く」と言われており、その状況で長距離ブルベはちょっとやりたくないのも事実。走るなら「北」が良い。
北海道のブルベは本州のブルベとはかなり趣が異なります。信号はほとんどなく、峠の斜度もなだらか。道も路肩が広く、走りやすいです。反面、路面は雪の影響であまり良くないことが多いので、耐振動対策は必要。補給可能な施設やトイレも少ないので、そちら方面の準備もしなければなりません。しかし、それらを補って余りある魅力があります。
9月に開催される北海道のブルベを探してみると、後半の三連休にR札幌主催の「霧立400」を発見。スタートは札幌市、キツい峠もなく、療養中に落ちた体力でも何とか完走出来そうなコースです。

「宗谷岬600」でも食事した「霧立亭」をメインとしたコースというのも魅力を感じました。ここのそば、美味しいんですよね。
妻はその三連休は別の予定があるということだったので、今回は久々にソロ遠征ブルベをすることにしました。
コース
霧立400は、札幌を北方面にスタートし、反時計回りで400kmを走るコースになっています。
スタートは、札幌市北西部の「前田森林公園」。
北東方向へ走り出し、宗谷岬600のスタート地点である滝川町の横を抜けて北上。宗谷岬600とは逆回りのルートで幌加内の「霧立亭」に到着。そこからは霧立峠を越えて日本海側へ。海沿いの道を抜け、増毛のトンネル地帯を抜けて再び前田森林公園へと帰って来る400kmです。
ルートは半分くらいが宗谷岬600と同じ(ただし逆回り)で、それなりに土地勘はあります。ただ、色々と噂を聞く増毛(ましけ)のトンネル地帯はちょっと身構えていました。以前、知人がここで日本縦断ブルベ中に事故に遭いましたので。反射装備はいつもより多めに持参。
スタートは6:00。遠征ブルベということもあり、なるべくスタート地点から近いJR手稲駅近くのホテルを手配しました。
準備
400kmブルベを走るのは、1年半ぶり。療養で低下した体力など不安材料も多かったので、それなりにしっかりと計画を立てました。
今回も新規導入アイテムが色々あります。
練習
最後に200km以上を走ったのが5月の「東京~糸魚川(250km)」だったこともあり、直前に200kmくらいを自主的に走って体を慣らしておく予定でした。
しかし、霧立400の10日前から再度体調を崩し、療養。病院に行くと「溶連菌感染症」との診断。こちらは抗生物質を飲んでいれば一週間くらいで治りますし、咳も出ないので心肺機能もそれほど低下しません。
ただ、ロングライドをしばらくしないままで400kmのライドに突入するのは不安もありました。
ウェアの検討

Epic Ride Weatherの予報によれば、気温は8~19℃。渡航日の東京は35℃を超えていたので、まるで別世界です。
PBPの際のフランスの明け方の気温が大体5-8℃なので、それを想定した装備を準備すれば良さそう。ということで、PBPの時とほぼ同様のウェアを用意しました。

反射ベストも2023年のPBPでもらったものを持参。2023年のPBPベストの生地はそれ以前のモノよりも目が細かくなっており、防寒性能が上がっていました。本州のライドでは冬以外は着たくないほどの防寒性能ですが、今回くらい寒くなる予報であれば最適な装備です。
機材の検討
札幌への移動は飛行機。これまでQUARK号(クロモリ・リムブレーキ)では何度も飛行機輪行をしているので、ある程度手順は確立しています。

ただ、今回は今年組んだ「GE-110」で試したい装備があったので、「初のディスクブレーキ飛行機輪行」に挑戦することに。
リムブレーキとディスクブレーキでは勝手が変わるのですが、時代の流れ的に今後はディスクブレーキの飛行機輪行は避けられないでしょうから、良い機会と思ってやってみることにしました。
新規導入アイテム
今回のブルベに初投入するアイテムの紹介です。
フックレスリム(ホイール)

今年6月から導入した、フックレスリムのホイール。
「4気圧ほどでも腰砕けなく、乗り心地は良い」「フックがない分だけ軽量にできる」など色々とメリットが喧伝されるフックレスシステム。しかし、実際ブルベの現場でどうなのか?
今回の400kmブルベは、フックレスリム導入後の初ブルベということもあり、その使用感を是非確かめたいと思っていました。
チューブレスタイヤ
フックレスリムは基本的にチューブレスタイヤ専用です。
そして、私はチューブレスタイヤでブルベに参加したことがありません。理由は、パンクしたときに確実に修理できる方法が見つけられていなかったからです。

今回使用するタイヤは、Hutchinson「BLACKBIRD 30C」。最新のチューブレスレディタイヤです。
フックレスリムは28C以上の太さを推奨していることもあり、今回は30Cというちょっと太めのタイヤを採用。
合わせるシーラントはimezi。こちらのシーラントはパンク時の修理能力はそれほどではないものの、組付け時のビード~リム間のシール能力が高いのが特徴です。そして、「なかなか乾かない(=タイヤの中で液体の状態を保つ)」という特性があります。
「液体である」ということはタイヤの中でダマにならないということであり、ウェスがあれば拭き取れるということ。シーラントを拭き取りさえすれば、そこにチューブを入れれば復帰は可能です。シーラントがタイヤ内部で固まったまま残っていると、そこがコブのようになり不快な振動が発生したりしますが、imeziのシーラントであればそういったこともなさそう。
ツール缶にペーパーウェスと修理用のTPUチューブを用意。シーラントで塞がらなかった場合は即座にタイヤ内部をウェスで拭き取り、チューブを入れる運用を想定することにしました。
一応これでパンク時の復帰手段が確保できたことになるので、ついにブルベにチューブレスシステムを投入することに。

北海道の路面は「低温ひび割れ」など路面状態があまり良くないので、乗り心地の良いチューブレスシステムへの期待もありました。
ゆるふわーくす「フレックスタイト用スペーサー」

今回のブルベはフロントバッグを使用するつもりだったので、こちらのアイテムを実戦投入することにしました。

こちらのパーツは、ライトの高さを15mmだけ底上げするもの。これにより、フロントバッグで遮られる光が減り、路面をしっかり確認できるようになるわけです。
普段の夜練でも確認はしていましたが、やはり完全に真っ暗な場所を走るオーバーナイトブルベでこそ生きるアイテム。現場で確認をしなくてはなりません。
TNI「軽量カーボンステイ」
普段、GE-110にはRECMOUNTのType-19マウントを取り付けて、そこにEdge530 or Edge840を取り付けています。

300km以下のブルベであればEdgeシリーズでも良いのですが、それ以上のカテゴリを走る場合にはシステム安定性を重視してeTrexを私は使います。
RECMOUNTのeTrex用マウントの構造を見てみたのですが、少々不安な構造だったこともあって別の手段を探すことにしました。
そこで思い出したのが、妻が使っているこちらの両手持ちマウント。
2つのアームで円柱状のカーボンパイプを保持するタイプのマウントで、妻はここにeTrexの純正マウントを取り付けて使っていました。PBPでも問題なく使えていたので実績はお墨付き。

私はこれを持っていなかったので、自分でも導入してみることにしました。

CYCPLUS「AS2 PRO」
今回は、電動携帯ポンプを初めてブルベに持ち込みました。

目的は2つ。
- 飛行機輪行後、スタート前に空気圧を適正値に設定する。
- パンク発生時に、素早く復帰する。
今回はチューブレスタイヤでの参加です。フックレス×チューブレスはスイートスポット代わりと狭めだと感じていて、正確な気圧管理が求められます。AS2 PROの空気圧計は正確かつ、労力なく空気を入れられるので、スタート直前に空気を入れようと思っていました。
もう一つは、パンク発生時。やはり手動での携帯ポンプによるポンピングはかなり体力を使います。パンクは起こってほしくないですが、その時に素早く・体力を消費せずに復活するために今回は持参することにしました。


輪行袋と一緒に、R250の特大ツールケースに入れ、シートチューブのボトルケージに格納します。
