「AURUM」試乗会に参加

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5/24に川崎・サイクルキューブで開かれた「AURUM」のロードバイク試乗会に参加しました。

目次

イベント概要

今回はこちらの試乗会に参加しました。

AURUM(オーラム/アウルム)は、2020年創業のスペインブランドで、創業者はあのアルベルト・コンタドールとイヴァン・バッソです。2010年頃からロードバイクを始めた私からすると、当時の最強選手たち。

今年になって、日本の自転車専門商社「コザキトレイディング」がAURUMの輸入を開始。武蔵小杉「サイクルキューブ」がこのAURUMの取扱店舗となったことで、今回の試乗会が実現したようです。

コザキは自転車パーツの輸入・輸出部分のみをこれまで主に担当していました。特定のブランドを小売店向けに卸す代理店業務は今年始めたばかりとのこと。

代理店としての取り扱いブランドは以下のとおりです。

・AURUM
・FARSPORTS
・OPEN CYCLE

各ブランドのホームページは現在準備中とのことでした。

AURUMは相場から言っても高価格。私が買える金額ではないのですが、あのコンタドールがプロデュースしたブランドと聞いて非常に興味を持っていました。

2017年のジャパンカップにて

私はコンタドールファンで、2017年の引退直後にコンタドールがジャパンカップで来日した際には大雨の中を宇都宮まで会いに行ったことがあります。一緒に写真も取っていただき、良い思い出となりました。

そんな彼がどんなバイクを作ったのか確かめられる良い機会ということで、今回の試乗会にも伺いました。

試乗レポート

AURUMの試乗レポートです。今回試乗したのはトップグレードの「MAGMA」54サイズ。5kmほど試乗しました。

試乗対象モデル

今回の試乗可能モデルは5本。

  • MAGMA(ロード・トップグレード)
    – 54サイズ
    – 51サイズ
  • ESSENTIA(ロード・セカンドグレード)
    – 51サイズ
    – 48サイズ
  • MANTO(グラベルロード)
    – 51サイズ

私の身長的に適しているのは54サイズ。今回のラインナップではMAGMAのみでした。

MAGMAは昨年5月にリニューアルされて「V2」となっており、今回試乗したのはそのV2になります。

フレームセット+一体型ハンドル+シートポストで970000円(税込)。かなりの高級モデルです。

各部詳細

金色のロゴがダウンチューブに大きく入ります。「AURUM」とは「金(きん)」の意味なので、コーポレートカラーということなのでしょう。

AURUMロゴ入りのステム一体型ハンドル。購入時にサイズは選択可能らしいです。重量は320gとのこと。

シートポストは専用品。クランプは臼式のものを採用。

今となっては珍しい、「ドロップしていないシートステー」。最近のロードバイクでドロップしていないシートステーを採用しているのって、ORBEA「ORCA」とGIANT「TCR」くらいしか思いつきません。他はほとんどドロップドシートステー。

MAGMAのファーストモデルからこのデザインでしたが、エアロ性能を重視したV2になってもその点は継続。ここはコンタドールとバッソのこだわりなんじゃないでしょうか。私も2010年代にロードバイク界隈に入った人間なので、ドロップしていない方が見た目的には好きです。

細かい部分にもAURUMのロゴが入っており、こだわりが感じられます。

BBはT47。セラミックスピード製のものらしいです。

ホイールは、コザキがAURUMと共に取扱を開始したFARSPORTS「Xtreme SL4」が付いていました。こちらは先日記事を書いた「Xtreme R4」の前進とも言えるモデルで、コザキのオリジナル仕様として試作したものだそうです。内幅21mmで現在のトレンドより狭かったことから、内幅24mmのR4を発売することにしたそうです。

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タイヤはCORSA N.EXT TLRの28Cに、MageneのTPUチューブが入っていました。なぜTLRタイヤにチューブを入れていたのかは不明です。空気圧は前後5.5気圧に設定。

走行の感想

5-6kmほど試乗させて頂きました。サイクルキューブは多摩川沿いにある店で、基本的には周囲は平坦な土地。ヒルクライム性能を試すことは出来ませんが、とりあえず平坦での走りを試すことにしました。

一言で言うとクセがなく、どんなシチュエーションにも向きそうです。元々MAGMAのコンセプトは「一台でどんな地形もこなす(未舗装路は除く)」のようなので、その狙い通りになっているように感じました。なお、前作のMAGMA V1に乗った知人は「後ろ三角のバネ感が凄すぎてクセを感じた」と言ってましたが、V2はそういった感触はありませんでした。

乗り味は「少し懐かしい」印象を受けました。ジオメトリを見ても最近のレースバイクほどシート角・ヘッド角が立っているわけではなく、前乗りを強制される感覚はありません。フォークオフセットも2種類あり、トレール値は60mm前後とロードバイクにしてはやや緩やかなハンドリングになる設定となっています。コンタドールやバッソが親しんだ時代のバイクに安定感をプラスしたような性格になっている気がしました。

乗り心地も良かったです。私は様々なTPUチューブを試しましたが、中でもMageneのTPUはトップクラスに「硬い」と感じたチューブ。それを履いて5.5気圧の状態でも不快な振動や路面のギャップで跳ねる感じは少なく、長距離でも疲労が溜まりにくそうでした。

V1では30mmまでの許容タイヤサイズだったMAGMAですが、V2では35mmまで拡大。ちょっとしたグラベルロード並のタイヤを履けるようにもなっています。カリカリのレーシングロードというよりは、ややエンデュランスロード寄りの性格を持ったフレームに感じられました。

惜しむらくは、ヒルクライムでのテストが出来なかったこと。コンタドールもバッソもクライマー系のオールラウンダーなので、そこでの味付けは気になるところ。しかし、多摩川沿いではテストが難しかったです。

まとめ

AURUM試乗会のレポートでした。

コンタドール&バッソという往年の名選手のこだわりを感じられるフレームで、今回試乗できて良かったです。残念ながらちょっと私には手の届かない値段ではありましたが、いつか所有してみたいフレームの一つにAURUMが加わりました。

また、今回の試乗会では代理店のコザキの方が常駐されていて、色々とお話を聞けたのが良かったです。特に、現在レビュー記事を執筆中のFARSPORTSについては気になっていたことを質問できる貴重な機会となりました。

なお、AURUMの試乗会は今後も色々なショップで行われるようです。

今のところ、告知を行いそうな場所はInstagramのAURUM BIKES JAPANのアカウントなので、こちらをチェックしてみてください。

著者情報

年齢: 40歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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