Chipolo「ONE Point」を導入

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Androidの「探す」に対応したスマートタグ、Chipolo「ONE Point」を導入しました。

目次

まえがき

まずはChipolo「ONE Point」についての説明から。

Androidユーザーにとってのスマートタグ

数年前から「AirTag」に代表されるスマートタグが使われるようになりました。

財布やバッグなど無くして困るものに付けておくと、無くした際に位置を特定しやすくしてくれるタグ(荷札)です。

その探索方法は、スマートタグとの距離に応じて2パターンがあります。

①スマートタグが近くにある場合Bluetoothで探す
②スマートタグが近くにない場合端末同士を繋いだネットワークで探索
(メッシュネットワーク)

しかし……の機能が利用できるのは、iPhone(iPad/Macbook含む)ユーザーに限られていました。Androidにはそれに相当する機能が提供されていなかったのです。

Androidでも利用できるスマートタグは存在していましたが、使えるのは①の機能のみ。家の中で紛失したり、無くした場所の当たりがついていれば探索は可能でしたが、出先のどこかで紛失した場合には、事実上スマートタグはあまり役に立ちませんでした。

AirTagを内蔵したロードバイク用の防犯装置「SCOUT」にも興味がありましたが、Androidユーザーである私は指をくわえて見ているしかありませんでした。

ついにAndroidの「探す」対応のタグが発売

2024年4月、Androidの開発元であるGoogleは「デバイスを探す」機能のパワーアップを発表しました。

これまでも電源がONになっているAndroid機器を探す機能はありましたが、そのネットワークに「電源オフのAndroid機器」に加えて、「Bluetooth対応のスマートタグ」も参加できるようになったということです。

また、5月からは、鍵や財布などの日用品に付けた、新「デバイスを探す」対応のBluetoothタグ(忘れ物防止タグ)を探せるようになる。互換性のある製品として、ChipoloとPebblebeeのBluetoothトラッカータグの名が上げられており、そうした製品をキーホルダーや財布など日用品につけておくことで、もしどこに置いたかわからなくなっても、見つけるのに役立つという。

Androidの「デバイスを探す」対応のスマートタグの第一弾として挙げられている製品の中に聞き覚えのある製品がありました。「Chipolo」です。

Chipolo「ONE」は使用経験あり

2023年のPBPの直前にChipolo「ONE」を購入し、サドルの裏に仕込んでいました。

目的は、「駐輪場で自分の自転車を探し出す」こと。

約7000人が出走するPBP。15分毎に300人ずつスタートする方式を取っているものの、ラッシュタイムには駐輪場に1000台前後の自転車が並びます。

どうなるかと言うと、自分の自転車をどこに置いたのか分からなくなります。それを探すために15分ほどロスした経験があったので、Chipoloをサドル裏に仕込んでいたのでした。

2023年当時はAndroidの「デバイスを探す」には対応していなかったので、Bluetoothでスマートフォンとタグを直接通信して探す方法しか取ることは出来ません。

ただ、Chipoloはスマートフォンの専用アプリから命令を送信することで、大音量を鳴らす機能が付いています。2023年のPBPでも数回駐輪場内で自分の自転車を見失いましたが、音を鳴らすことですぐに見つかりました。

Chipolo ONE Pointをプレゼントに要望

すでに持っているChipoloがファームウェアのアップデートで「デバイスを探す」に対応すればいいな……と思っていたのですが、そうはなりませんでした。

「Chipolo ONE Point」というAndroid「デバイスを探す」対応版のスマートタグを新たに買う必要があるようです。

発売は2024年8月。ちょうどその月は私の誕生日だったので、妻にこちらのタグをプレゼントとして要望しました。

つい先日、プレゼントとしてChipolo ONE Pointを2つ頂きました。

Chipolo「ONE Point」

Chipolo「ONE Point」のファーストインプレッションです。

製品名

「Chipolo」はブランド名、「ONE」は本体形状(円板形状)、「Point」は”デバイスを探す”機能に対応していることを指すようです。

製品ラインナップを整理すると以下のようになります。

製品名形状検出手段
Chipolo ONE円板専用アプリからの検出に対応
Chipolo CARDカード
Chipolo ONE Spot円板Apple「探す」での検出に対応
Chipolo CARD Spotカード
Chipolo ONE Point円板Android「デバイスを探す」での検出に対応
Chipolo CARD Pointカード
Chipoloのバリエーション

重量

8gと非常に軽量です。

バリエーション

2024年8月現在、Chipolo「ONE Point」のカラーはホワイトの1種類のみ。旧Chipolo「ONE」は6色展開だったので、残りの色の展開も待たれる所です。

カード形状で財布にも入れやすいChipolo「CARD Point」も同時発売されました。こちらもホワイトのみ。

内部構造

Chipoloシリーズは簡単に分解可能になっており、電池交換も可能。電池は、自転車乗りにはおなじみのCR2032です。

一度の電池交換で1年持つ長寿命設計。ただ、旧Chipolo「ONE」は2年持つとされていたので、電池寿命が半分になっています。メッシュネットワークからの検出に対応すると、その分だけ電力を消費するのでしょう。

電池ホルダーの下には、技適マーク入り。日本での使用も問題ありません。

一応IPX5の防水規格ですが、普通に水は入りそうな構造。水が入っても問題ない作りということでしょうか。

ペアリング

Chipolo「ONE Point」は本体中央部を押すとクリック感があり、そのボタンを長押しすることによって起動する仕組みになっています。

付近にあるAndroidスマホに、デバイスを発見した通知が表示されます。「接続」ボタンを押すと接続されます。

デバイスを探す

デバイスを探す

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接続したデバイスを表示するには、Android用のアプリ「デバイスを探す」をインストールする必要があります。

デバイス一覧が表示されました。下の2つ「GE-110」「OLTRE XR4」が今回追加したChipolo「ONE Point」です。自転車に取り付けるので、フレーム名をタグに割り振りました。

アプリ上の操作

Chipolo「ONE Point」は、「デバイスを探す」アプリ上からのみ認識可能で、「Chipolo」アプリからは認識できません。

「デバイスを探す」アプリ上で、目的のスマートタグをクリックしてみます。

上半分に所在地の地図が、下半分にメニューが表示されます。

「音を鳴らす」を選択すると、Chipoloから音を鳴らすことができます。旧版のChipolo「ONE」では鳴らす音を7種類から選択できましたが、「ONE Point」では選ぶことが出来ないようです。

デバイスが近くにある(Bluetoothで直接接続できている)場合は「付近を探す」というメニューが表示されます。

近くにあるほど、アメーバみたいなマークが大きく表示される仕組みになっているようです。今回は自転車に付けるので見失いようがありませんが、財布などの小さいものにスマートタグを入れていた場合は、場所まで特定できるので便利ですね。

一応、2つ壁を隔てた靴箱の中にChipolo「ONE Point」を入れてみましたが、ちゃんと接続されました。

自転車への取り付け

今回も前と同じくサドル裏に両面テープで装着しています。脱落防止のために紐でサドルレールに縛っています。

仮に自転車ごと盗難された場合にはすぐ見つかってしまう場所ではあるので何とかしたい所ではあるのですが、現状他に良い取り付け場所もないので。

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AirTagは自転車にすっきり取り付けるためのアイテムが沢山販売されていますが、いまいちマイナーなChipoloはこの手のアイテムがまだありません。AirTagより一回り大きいので、ケースを流用することも不可能。

Chipoloも「デバイスを探す」に対応したことで、各社からも自転車用の取付ケースが出てきてくれれば良いのですが。

まとめ

Chipolo「ONE Point」の紹介でした。

これまで使っていた旧Chipolo「ONE」では飛行機輪行で自転車を預けた後に、ちゃんと目的の空港に届いているかの確認を行うことは出来ませんでした。昨年のPBPではiPhone勢がAirTagを自転車に仕込んで位置確認をしていたのを羨ましく見ていましたが、今後はAndroidでもそういったことが可能になります。

実のところ、盗難対策としてはあまり期待しておらず、従来よりちょっと強力な忘れ物タグ(上記の飛行機輪行時の荷物確認など)としての動きに期待しています。


現状私がテスト出来ているのは、タグとスマートフォンが近くにある場合(ローカル検出)のみで、Androidネットワークを介した場合(クラウド検出)はテストできていません。テストするにはChipoloのタグを屋外のどこかに置いてこなければならないので、なかなかテストが難しく。

そもそも、クラウド検出のためのAndroid版の「デバイスを探す」ネットワークは今年5月に開始されたばかり。2021年にサービスが始まったiPhone用のAirTagとでは3年の差があります。現状、Androidでのクラウド検出をテストした記事は見つかりませんので、どのくらいの精度で検出できるのかも不明です。今後のネットワークの発展を待ちたいと思います。

しかし、どうせやるならばAirTagの「Find My」ネットワークに相乗り出来るようにしてくれれば便利だったのに……というのは誰もが思っていることだと思うのですが、結局Android版は別のネットワークを作ることを選びました。色々としがらみがあるんでしょうね。

著者情報

年齢: 40歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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