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サイクルモード東京2026 参加レポート
できる限り多くのブースを回りましたが、その中で気になった・面白かったブースを紹介します。
ブース紹介 (ビッグサイト会場)
まずは展示のメイン会場であるビッグサイト東7ホールから。
Clik

入口近くに大きなブースを構えるダイアテック。その中で私が真っ先に確認したのが「Clik」。クリックバルブの総本家と言えるブランドです。

目的は、日本未発売のクリックバルブ用エアゲージ。アナログとデジタルが展示されていました。クリックバルブ用の空気圧計を3Dプリンタで何とか作ろうとしていた私からすると、喉から手が出るほど欲しいもの。

アナログ版エアゲージ。こちらはクリック感が無かったです。SKSやSchwalbeのクリックバルブ用エアゲージと同じく、径だけを合わせた感じ。ちょっとこれは私の求めていたものではありません。

しかし、デジタル版エアゲージはしっかりとクリック感がありました。しかも小さい! こんなにコンパクトだとは思いませんでした。

実際に計測をしてみた様子。
まだ発売日は未定のようですが、早い所発売してほしいものです。即買います。
PIRELLI

カワシマサイクルのブースの中で大きく展示されていたタイヤブランド「PIRELLI」。


……のブース内にあったMTBの写真を撮っていたら、「それ僕のバイクなんです」と登場したのはシクロクロス日本代表監督にしてPIRELLIアンバサダーの竹之内悠さんでした。全日本チャンプを連覇していた時代を見ていたので若干恐れ多いかなぁと思いつつも、せっかくなのでPIRELLIのタイヤとチューブについてお話を聞きました。

やはり話題の中心となったのは、現在もっとも柔軟であるTPUチューブ「SmarTUBE RS」。竹之内さんは初代SmarTUBE、2代目SmarTUBE EVO、3代目SmarTUBE RSとすべてを使ってきたそうですが、「EVOからRSでは明らかに別物と言える変化があった」とのこと。実はEVOからリムブレーキ不可(=耐熱性を下げて柔軟性を上げている)となっていたのですが、EVOの感触は初代に近かったそうです。EVOは使ったことがないので、非常に参考になるお話でした。
Chusport

サイクルモードには毎回、中国や台湾のブランドがいくつか出展しているんですが、今年「おっ」と思ったのがChusport。台湾のTPUチューブブランドです。台北ショーで見かけて気になっていたブランドですが、なんでサイクルモードに?と思っていました。


今回も展示されていたさまざまなTPUチューブ。そしてどれもこれも「金属バルブ」という点が凄い。TPUチューブで金属バルブを使うのは技術的に難しく、世界的にもあまり例がありません。あと、米式バルブのTPUチューブもサンプル展示。これも世界的にほぼ他に見かけない製品です。
ブースに日本人の方がいたので話を聞くと、日本の大手代理店・フタバの方でした。そういえばChusportってフタバ扱いでバーテープだけは既に販売されているんですよね。今後、TPUチューブの方も扱うかもしれないので、この場でお話をされていたようでした。

そしてChusportでは今回、TPUチューブのモニターキャンペーンをやっていたらしく、「後で感想を送って下さい」ということでチューブを2本頂きました。たぶん、どこよりも詳しくテストしてレポートさせて頂きます!
Panaracer

日本のタイヤブランドでは恐らく唯一の出展だったPanaracer。いつもだとiRCがすぐ近くにいるのですが……


ブースにはAGXEROの開発に関わった方がいらっしゃったので、先週末の300kmブルベで使ってかなり感触が良かったことを伝えました。トレッドの小キズも付きにくくなりましたし、乗り心地も良い。値段も安くて個人的には今一押しのタイヤです。

ピンクのグラベルキングの展示も。ロードタイヤでこの色だったら妻が確実に買うんですが……。
CYCPLUS

中国「CYCPLUS」。代理店のNCDとは別に、CYCPLUS単体でもブースを出していました。今回はサイクルスポーツのWeb連載の取材に対応してくださった担当者の方がブースにいらっしゃるとのことでご挨拶に伺いました。

担当のCさんにご挨拶。こちらの電動ポンプのレビュー依頼時から連絡はしているので、2年越しでようやくお会いできました。


そして今回、個人的に注目だったのはこちらのサイクルコンピューター「M5」。CYCPLUSはこれまで簡易的なGPSサイコンしか販売していなかったのですが、ついにマップ付きの本格的なGPSサイコンに参入するようです。サイズ感と画面の感じはCOOSPO「CS600」に似ているでしょうか。ただ、地図の縮尺は最大4kmの広範囲まで確認可能。地図の操作はサクサクとは行きませんでしたが、なかなか良さそうなサイコンです。
まだ正式発売日は決まっていないようでしたが、今後の展開に期待しています。
iGPSPORT

中国「iGPSPORT」。飛ぶ鳥を落とす勢いでシェアの拡大を続けるサイクルコンピューターブランド。最近はサイコンだけではなく、ライトやレーダーにも参入しています。ワールドチームであるFDJへの製品供給も始まり、勢いがあるブランドです。

今回のサイクルモードで発表になった新製品「BSC500」を見ていると、「baruさん!」と話しかけられました。昨年もご対応頂いたiGPSPORTの営業さんでした。顔を覚えておられるとは、さすがです。
そういえばbaruさん、BSC500は届きましたか?
baruえ? 今回は特にレビュー依頼を頂いていませんけど……
あー、それなら連絡が漏れていましたね……。
であれば、今回も是非テスト頂いてレビューをお願いしたいのですが。
まさかの展開。

そしてまさかの現物渡し。そんなわけで、新製品のBSC500のテストをしていくことになりました。スピーカー内蔵で、大音量の電子ベルと、ナビゲーション時の音声案内に対応した新機種。これからじっくり使ってレビュー記事を書いていきます。
SMITH

アメリカのヘルメットブランド「SMITH」。蜂の巣のような形状の衝撃吸収剤「コロイド」が有名です。

今回「おっ」と思ったのは、こちら。Universal Fit対応の新製品が出てきたとのこと。SMITHの帽体ってかなり縦長で、典型的なアジア人の丸頭を持つ私は全く被れなかったのです。

Universal FitのLサイズを試してみましたが、こちらは問題なく被ることが出来ました。SMITHのヘルメットはちょっと重くはあるのですが、今後は選択肢に加わってきそうです。
ABUS

ドイツ「ABUS」。強力な鍵のブランドとして有名ですが、近年はヘルメットでも頭角を現しています。
……が、こちらもSMITHと同じく典型的な欧米人向けの帽体で、これまでかぶれるヘルメットがほとんどありませんでした。

そんなABUSのヘルメットにも「ラウンドフィット」というアジアンフィット相当の帽体が導入されました。GAMECHANGER 2.0のみではあるようですが、嬉しい変化です。SMITHといい、最近は欧米ブランドでもアジアンフィットを出してくれるブランドが増えているのは良いですね。
uvex

ドイツ「uvex」。こちらも帽体は欧米人向けで、昨年は一つも被れるモデルがありませんでした。

例によってuvexもアジアンフィットモデルをこのたび投入。アジアンフィット参入、流行ってるんでしょうか?

試しに被ってみましたが、ちゃんと被れました。i-voluteというモデルのみアジアンフィット対応のようでしたが、今後はもっとラインナップを増やしていって欲しいですね。
Nepest

中国「Nepest」。旧知のすくみずさんがブースでスタッフをしているということで、色々と説明をしてもらいました。

神殿のようなホイール配置。

今回のサイクルモードで公開となった新作「RELI」。テーマは「エアロと巡航」ということで、NOVAやMAUIよりはややロングライド向けの特性を持つ模様。スポークも、5mm幅の太めのものになっています。展示を見た翌日、試乗会場でこのホイールにも乗りました。感想は後述。
Particle

中国「PARTICLE」。1000gを切る超軽量ホイールセットで最近話題を呼んでいるブランドです。


世界最軽量のUCI認証ホイールらしい、「RCX27 Hyperlight」。重量なんと835g。後輪だけ持っても、普通のホイールの前輪より軽いという。感覚がバグりますね。ブースにいた方曰く「このホイールはヒルクライム特化。ハイトが低いので、他の用途にはちょっと使いにくいかも」とのこと。もう少しハイトのあるホイールの方がオールマイティでオススメだそうです。

こちらはグラベルにも使えるホイールですが、900g台という重量。こちらも手で持ってみましたが、軽くて驚きました。
ENVE

ポガチャルの活躍で、今やトップブランドのENVE。私がロードを始めた頃は「EDGE」という駆け出しのガレージブランドだったのですが、隔世の感があります。

今回もカットモデルを大量に展示。スポーク保持部分の肉厚が1.6mmとは凄いですね。こんな薄いとは知りませんでした。

SES 4.5 PROのカットモデル。「フックレスで整形し、ビード部の下を少し削ったもの」とのことですが……見た目は完全にフックドですね。でもENVE的にはフックレスの仲間らしいです。製法的には普通のフックドとは違うんですが、何かモヤモヤが残ります。
NCD (DURO HAUS / ALTALIST)

日本でCYCPLUSやALTALISTの代理店を務めるNCD。CYCPLUSのスマートバイクの体験コーナーが設置されていました。

今回注目なのは、同社が扱い始めた新ブランド「DURO HAUS」。某フロントバッグのOEM製造を手掛けるメーカーが独自に販売するTPU製の軽量バッグシリーズです。
NCDの知り合いのスタッフさんにお話を聞きましたが、このクオリティでこの価格(いずれもかなり安めの値段設定)に抑えるのは苦労したようでした。

早速私もサドルバッグを買ってみました。容量2Lで実測重量127gと強烈に軽い。それでいて、バッグ先端は絞られていて太ももに擦りにくく、バッグ自体も揺れにくい。非常に良く出来ています。
knog

オーストラリアのアクセサリーブランド「knog」。今回も、「防犯タグ・SCOUTに感知されないかチャレンジ」が人気を集めていました(今年は私は挑戦せず)。

レビューを依頼頂いて、それから気に入って常用している「COBBER REFLEX」。最近、別の大きさのバージョンも出たようで、各種サイズが展示されていました。

ブースには本国の営業担当の方もいらっしゃっていたので少しお話をさせていただきました。写真に写っているのはCOBBERのライト設定を変える画面ですが、「このページも使ってもらえたかい?」と聞かれて「Yes」と回答。むしろ一般公開される前からテストのために使わせていただきました。なお、彼の友人もPBPに出ているようで、PBPの話で少し盛り上がりました。
シュアラスター

ケミカルブランド「シュアラスター」。今回は気になっていた製品についてお話を聞くために来ました。

それがこちらのチェーンオイル(右側)。Cyclowiredの記事で「1000km持つ」と書いてあって気になったのです。こちらの展示にも「1000kmクラスの耐久性」の記載がありますね。
スタッフの方に話を聞いてみると、「僕らがこのチェーンオイルで走って、ドライ条件下なら1000kmは走れることを確認しています」とのこと。時折雨が降るような条件だと600kmくらいの持ちであるとのことでした。
気になるので、GWのライドで使ってみようと思っています。
YONEX

すっかり国産カーボンフレームブランドとして定着したYONEX。

今回は風洞実験施設を模した展示が注目を集めていました。
前サイクルスポーツ編集長で、現在はYONEXに勤務する中島さんがブースにいらっしゃったので、最新作のTRACEについて説明を頂きました。1か月ほど前に試乗しましたが、剛性一辺倒ではなく走りが気持ちいいフレームでしたね。

こちらは形状の検討段階で作るらしいミニフレーム。
Bianchi

恐らく久しぶりのサイクルモード出展となったBianchi。今回は試乗も行っており、積極的です。


目を引いたのは、こちらの奇抜なカラーのフレーム。OFFICINA(ガレージ)という昨年から始まったサービスの一環だそうで、受注生産の特別な塗装だそうです。値段が書いていないのがちょっと怖い。
以前やっていたカラーオーダーサービス「タボロッツァ」も是非復活してほしいものです。
Canyon

新型ENDURACEを発表したばかりの、ドイツ「Canyon」。その話題の一台がブース中心に置かれていました。ほんと、造形を見るとAEROADとあまり変わらないですね。トップチューブバッグ用のダボ穴も、フレームストレージもありません。

差異と言えば、恐らく衝撃吸収のためのエラストマーが内蔵された「VCLS Aeroコンフォートシートポスト」と、シートステー形状くらいでしょうか。エンデュランスと言いつつ、これはかなりのレースフレームに見えました。
OG-EVKIN

中国「OG-EVKIN」。台北ショーで見かけた展示とほぼ同じ配置。独特なフォーク形状を持つ「KYLIN」フレームが目立つ位置に展示されていました。

Aliexpressブランドのイメージが強いOG-EVKINですが、国内にも正規代理店が存在しているようで。Amazonで販売されている製品は、こちらの正規代理店を通したもののようです。

私が気になったのはこちら。Cougarステム。フルカーボンのステムで、角度が10度というのが個人的に欲しかったものだったので、詳しく話を聞きました。フェイスプレートもカーボンというのはちょっと心配(グリップが弱い可能性がある)ですが、気になるステムです。
東京サンエス

ニッチなパーツまで幅広く取り扱う代理店「東京サンエス」。今回注目を集めていたのはサンエスの自社ブランドのチタンバイク。こちら、「リムブレーキなのにスルーアクスル」を採用したフレームです。


スルーアクスル。リヤは恐らくUDHを採用しているものと思われます。リムブレーキですが、最新の規格を採用。


そして削り出しと思われる、ゴツいブレーキ。ディスクブレーキ化に伴い、リム外幅もタイヤ幅も大きくなりましたが、それに対応したブレーキとなっているようですね。かなり太いタイヤが履けそう。

果たして今の時代にリムブレーキを出して売れるのか謎ではありますが。このチャレンジ精神は素晴らしいですね。
海橋ジャパン

初めて名前を目にした「海橋ジャパン」。チタンを中心としたパーツやフレームを扱う商社のようです。調達先は中国か台湾?


チタンフォークにチタンステム、そしてチタンスポークでしょうか。なんとなく台北ショーで見たようなものもありそうな気がします。
ざっと検索してみた限り、国内でこちらのフレームを直接買えるところはなさそう。今回は代理店やOEM先探しの出展だったのかもしれません。

目を引いたのが、チタン製の茶器。そういうのもあるんだ。
grumpy

広島のショップ「grumpy」。今回は物販兼展示といった形で出展。


恐らくスタッフの方の実車。eTrexにExposureのライトというのが渋いですね。

カラフルなハンドメイドバッグ。

チタンスポークを採用したショップオリジナルホイール。
そして閉会間際に、ようやくgrumpy店員の御三方にご挨拶することが出来ました。池田さんとは、ロングライドギアの話を色々と出来て楽しかったです。広島に行く際には是非grumpyに立ち寄りたいですね。
ステージイベント
サイクルモードにはいくつかのイベントステージが用意されており、そこで講演などを聞くことが出来ます。私は3つのイベントを聴講しました。
アクションステージ: BOTY授賞式

「その1年を象徴するスポーツバイクを選ぶ」アワード、日本バイシクルオブザイヤー。その授賞式が初めて行われました。プレゼンターは以下の5名。
- バイシクルクラブ編集長 山口さん
- 輪郭 吉本さん
- 輪郭 安井さん
- 自転車ジャーナリスト 難波さん
- 自転車ジャーナリスト 橋本さん


本賞の大賞を受賞したのは、Factor ONE。審査員全員が投票し、ほとんど満場一致での選出だったようです。安井さん曰く、「見た目は奇抜だが、乗り味が破綻しておらず、良い意味で普通」。この試乗車は日本に1台しかないようですが、チャンスが有れば乗ってみたいですね。

25万円以下の自転車を対象とした特別賞は、BRIDGESTONE「RE6」とコーダブルーム「FARNA SL1」の2台が受賞。翌日、私はFARNA SL1に試乗しました。


授賞式後は、ノミネートバイクを近くで見ることが出来ました。AETHOS2の塗装が凄く綺麗だったのと、Factor ONEのフォークのワイドスタンスっぷりが印象に残りました。
アクションステージ: ロードレース観戦講座

BOTY授賞式の30分後に開催された、シマノレーシングによる「ロードレース観戦講座」。ロードレースの観戦について、知っておくと楽しく見られる知識を教えてくれるというもの。

プレゼンターは、シマノレーシングの野寺監督、入部コーチ、風間選手。全員、非常に話が上手く、今後の観戦の参考となる講座でした。

今回この講座を聞きに来たのは、もう一つ目的がありました。風間選手が昨年11月にチャレンジしていた、大阪東京キャノンボールの話をお聞きしたかったのです。現役のプロ選手がチャレンジした例はほとんどありませんからね。残念ながらGPSサイコンのトラブルで1時間オーバーとなりましたが、非常に界隈を盛り上げてくれました。
講座終了後にお話するチャンスがあったのですが、是非キャノボはリベンジしたいそうです。楽しみにしております!
アスリートワークショップ: Beyond the SPEC

謎の会議室で開催されたアスリートワークショップ「Beyond the spec」。自転車機材について、メディア側の人間と強豪レーサーが語るというテーマのイベントです。
- サイクルスポーツ編集長 江里口さん
- LOVE CYCLIST 清水さん
- 輪郭 吉本さん
- 富士ヒルチャンプ 石井さん
大手メディアとしてバランスの取れた見方をする江里口さん、スタイリッシュさを重視する清水さん、実は最近一番Bromptonに乗ってるらしい吉本さん、そして性能重視かと思いきやパーツ同士の組み合わせも重視している石井さんと、それぞれの立場からの機材選びのこだわりが聞けて面白かったです。

一番興味深かったのは、石井さんの実車ですね。ヒルクライマーの自転車というと、バーテープを巻いていなかったり、フロントシングルだったり、キワモノカーボンサドルを使ったりと、かなり極端な軽量化を行っているイメージがあります。


ところが、石井さんの車体にはそういった無理な軽量化は全く見られず、実にナチュラルな印象。この構成で7.4kgだそうです。
今回のイベントのMCをしていた鞍谷さん曰く、「石井くんは富士ヒルをヒルクライムとは考えていない。ロードレースだと思ってる」とのこと。なので、普通のロードレースに出ているような機材構成なわけですね。「Beyond the spec」というタイトルにもっともふさわしい展示車でした。











