FUKAYA CYCLE FAIR 2025 参加レポート

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名古屋で開催された「FUKAYA CYCLE FAIR 2025」に参加してきました。日本最大級の自転車問屋であるフカヤ(旧・深谷産業)の開催する展示会です。

目次

FUKAYA CYCLE FAIR 2025

まずはイベントの説明から。

イベントについて

「FUKAYA CYCLE FAIR」は、日本最大級の自転車問屋であるフカヤが取り扱うブランドの展示会です。

その歴史は古く、2016年で50回目。サイクルモードよりずっと古くから行われています。

このイベントの対象は「小売店」。つまり自転車屋です。自転車屋の人たちが来て、新製品を確認し、自分の店で取り扱うかどうかを決めるイベントです。一般ユーザーは入ることが出来ません。

このイベントは2日間を通して行われますが、今年は1日目がユーザー向けの日になっていました。事前に応募し、当選した100人が入場出来るというものです。この試みは今年が初めてだそうです。

フカヤの取り扱いブランドには普段から愛用している所が多かったこともあり、告知からすぐに応募。当選しました。

開催場所

フカヤは名古屋の会社です。今回のイベントも名古屋での開催でした。

会場は、名古屋市中小企業振興会館でした。通称・吹上ホールと呼ばれている場所だそうです。

参加ブランド

以下のブランドがブースを出していました。

参加ブランド

■国内ブランド
GHISALLO / DAVOS / RIDEOASIS / RxL / iRC Tire / 井村屋 / KABUTO / OSTRICH / CATEYE / グリコ / SHIMANO / Sugino / Soyo TYRE / NITTO / 日邦電機 / Panaracer / Pearlizumi / Vesrah / Hozan / Honjo / 前田クラッカー / Maruni / MKS / MINOURA

■国外ブランド
ASTRAL / AMBROSIO / VeloToze / Wolftooth / Airsmith / ECLIPSE / XON / ACEPAC / OTSO CYCLES / QUOC / GOODYEAR / SCUVVERS / SUPACAZ / SMITH / SENA / SelleITALIA / Deda / NAROO / Parktool / FIXPLUS / BRYTON / WhiteIndustries / MICHELIN / RITCHEY / ROCKER Parts / RockyMountainBicycles

ブース配置は以下のようになっていました。

会場まで

当日は有給休暇を取って、早朝発の高速バスで名古屋に向かいました。

昼過ぎには名古屋に到着しました。ブルベ仲間のしかさんと合流して会場へ。

会場到着。展示会は15時スタートですが、15:10に入場しました。

ブース紹介

かなりの数のブランドが展示されていたので全てを取り上げることは出来ませんが、私が行った中で興味を惹かれたブランド・商品について紹介していきます。

Deda

DedaのDHバー

ハンドル周りのパーツを多数ラインナップするDeda。今回の展示もハンドルやステムが中心です。

私が今回見たかったのは、VINCIハンドル・ステム。セットで使うことで、ケーブル内装に対応しつつ、エアロ効果を高める形状をしたハンドルセットです。

VINCIハンドル&ステム

VINCIステムを単体で見るのは初めてでしたが、クランプ部はめちゃめちゃ太いですね。そして重量もかなりのもの。その分だけ剛性も高そうです。

OSTRICH

オーストリッチブースの様子

輪行袋やバッグを多数製作しているオーストリッチ。この日は東京でサイクルパーツ合同展示会が行われていましたが、ブースには伊美社長がいらっしゃいました。東京には職人さんが行ったそうです。

来場特典のミニ袋

こちらは来場者特典のミニ袋。私は青い袋を頂きました。電動ポンプでも入れましょうかね。

試作中のリュック

こちらは試作のリュックだそうです。様々なカラーがありますが、このうちどれかを発売するとのこと。

アドポッケ

目を引かれた「アドポッケ」。サドルバッグのストラップ部分に付け加えるバッグです。伊美社長曰く、「この手の大型サドルバッグは中身を取り出すと再パッキングが大変なので、よく使うものはこういったバッグで外に出してあると便利ではないか」と考えたそうです。

新商品というわけではなく結構前からあったと思いますが、現物を見ると良さそうに思えました。

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CATEYE

自転車ライトのトップブランド・CATEYE。今回の展示会では新製品が発表されていました。

まずは、テールライト「nano60」。以下の特徴を備えたライトです。

  • Type-C端子を採用
  • 最大60ルーメンの明るさ
  • ローモード点灯では20時間使える

実はこれまでCATEYEのテールライトではType-C端子採用のモデルは出ていませんでした。待望の初登場ということになります。20時間は持続時間としては短めではあるものの、充電式ライトで「点灯」が20時間続くモデルはほとんどありません(下記リンク参照)。

筐体が黒いので側方視認性が気になるところですが、実際にはスモーク筐体なので側方にも光が漏れる設計になっています。

価格も手頃ですし、ヒット商品になる予感がしますね。

VOLT800 NEO ヘッドユニット

もう一つの新製品が、「VOLT800 NEO」の頭だけバージョン。

VOLT800 NEOはCATEYEのカートリッジバッテリーは全て互換性があります。旧来のVOLT800・VOLT400を持っている人ならば、手持ちのカートリッジバッテリーを活用し、この「頭だけ」を買えばVOLT800 NEOにバージョンアップ出来ることになります。

ブースのスタッフの人たちと話が弾んでしまい、最初の1時間はほぼCATEYEブースで過ごしてしまいました。

GHISALLO

私が乗っている「GE-110」のブランド、GHISALLO。フカヤのプライベートブランドです。

今回はGE-110の設計者であるフカヤ・牧さんがブースにいらっしゃいました。

GA-30

GHISALLO製品の展示は、アルミディスクロードの「GA-30」のみ。

Di2搭載車で297000円

105Di2搭載で297000円という価格は、シマノの問屋をやっているフカヤならではの価格設定ですね。

今は完成車が高くなりすぎてしまい、スポーツ自転車に入ってくる事自体が難しい。その入口になる一台として、このGA-30は企画されたそうで。レースにもロングライドにも使え、その人の将来の選択肢を限定しないフレームになっているようです。

私がロードバイク最初の1台として選んだのも、似たコンセプトの「GC-3」だったことを思い出します。

DAVOS

DAVOS。こちらもGHISALO同様にフカヤのプライベートブランドです。GHISALLOはロード・シクロクロス系で、DAVOSはグラベル・ツーリング系という区分けになっているイメージ。

ネオランドナーver2 アジサイブルー

現在、注目を集めているのが、こちらの「ネオランドナー バージョン2」。名前の通り、ランドナーを現代解釈した一台。こちらも牧さんの設計だそうです。フレームセットで132000円という格安の設定ですが、立ち姿に野暮ったさがなく、かっこいい。

こちらもネオランドナーver2で、カラーは「ユウヤケピンク」。カラー名からは色味が想像できなかったので実物を見てみたいと思っていました。オレンジよりのサーモンピンクといった印象です。アイレットも数多く、ブルベよりもスピード域がさらに低いツーリングに使うには良さそうに思えました。

ネオランドナーver2(斜め後ろから)

ネオランドナーver2のトップチューブは縦に潰しの入ったものが使われていますが、牧さん曰く「そうすることによって、この角度から見た時のシートステーとの太さが同じくらいに見えるから」。性能的な意味というよりは、設計者の好みだそうです。でもそういう見た目は愛着に直結するので大事ですね。

こちらはグラベル向けのキャリア。「パイプを一本も使わない」がコンセプトで、全て板で構成されています。穴の間隔もボトルケージと一致させていて、拡張能力がかなり高そうでした。

PEARL IZUMI

パールイズミブースの様子

自転車ウェアの国内ブランド「パールイズミ」も出展していました。

まだ今年の冬は終わっていませんが、早くも次の冬モデルが展示されていました。

まず目を引いたのが、「プレミアムサミットシューズカバー」。着用したままBOAダイヤルが調整できるシューズカバーです。過去にスペシャライズドが似たようなシューズカバーを出していましたが、現在は廃版。結構あとから調整したくなる機会は多いので、発売されたら買います。

新旧ウインドブレークジャケット

こちらはウインドブレークジャケット。上の黒いほうが現行版で、下の青い方がニューバージョン。「持ってみてください」と言われたので手に取ると、青いほうが明らかに軽い。より暖かく、より軽くなったそうです。これは良さそう。

プリントジャージ。少し前のプロチームのジャージをイメージして、存在しない架空のロゴを入れてそれっぽくしたものとのことですが、訪れた方の反応が良かったようです。えんじ色のモデル、ちょっと欲しい。

せっかくなのでパッドについても聞いてきました。私は1000kmを超えるブルベでは基本的に全てレーパンはパールイズミで揃えます。PBPには毎回3着ずつレーパンを持っていきますが、過去3回/9着のレーパンは全てパールイズミです。座骨幅、クッションの具合など、やっぱり日本人にはこのパッドが合うと感じるからです。

baru

様々な種類の幅のパッドを用意するメーカーもありますが、パールは同一パッドでは一つの幅しか用意していませんよね。何故でしょうか?

パールイズミ担当者

男女でパッドの幅は変えていますが、それぞれの幅は1パターンです。
弊社は海外はターゲットにしておらず、日本のユーザーをターゲットにしています。日本人ならば今の幅でほぼ全てカバーできるはずなので、1パターンにしています。

baru

日本人でもそれなりに差がある気はするんですが…

パールイズミ担当者

うちの社員に協力を募って実際の尻で型を取ったんですよ。
歯医者で使うようなピンクの材料(アルジネートというらしい)を大量に買ってきて座ってもらい、座骨幅などの計測を行いました。その結果、男女で1パターンずつ作れば問題はないと分かったんです。

なんと。

ウォシュレットの祖である日本のTOTOでは洗浄水の角度や位置を決めるために社員の中から協力者を募り、肛門の位置を計測する試みを行ったという逸話がありますが、パールイズミも似たようなことを行っていたとは。

もちろんTOTOのケースとは異なり、パールは着衣状態での計測でしょうが、こういう地道かつ確実なアプローチは素晴らしい。そりゃパールのパッドが日本人の尻に合うわけですね。

GOODYEAR

ロードバイク用レーシングタイヤも展開するGOODYEAR。

私もブルベ用のクロモリフレームに取り付けて使用しています。1年半ほど前にレビューを頼まれて頂いたものですが、まだ使えています。そろそろ10000kmを迎えるはずですが、かなりの長持ち具合。担当者の方曰く、「F1Rはそんなに耐久性高くないはずなので、上手く乗られていますね」とのことでした。

この日、展示されていたのは全てチューブレスコンプリート(いわゆるチューブレスレディ)のモデル。試してみた差はあるのですが、なかなか良いお値段なので未だに試せていません……。

来場者特典ということで、グッドイヤー印の毛布を頂いてしまいました。

Eclipse

独自構造のTPUチューブを販売する「Eclipse」。

EclipseのバルブはTPUチューブとしては珍しい金属製。しかし、ネジ切りはされていませんでした。

つい最近、ネジ切りされるようにアップデート。バルブナットが使えるようになり、電動ポンプも使いやすくなりました。

ROCKER

オートバイのパーツデザイナーが2022年に独立して作った新進気鋭のブランド「ROCKER」。

会場で注目を集めていたのが、車載時や保管時にハンドルの向きを変えて収納しやすくできるステム、ROCHEAD。

こんな可動機構を付けて強度は大丈夫なのかな?と思ったのですが。ブースの担当者の方はこのステムで富士見パノラマのダウンヒルコースを走って全然問題なかったそうです。500g前後の重量があるのでロードには向かなそうですが、MTBには良さそう。特にMTBのハンドル幅は凄いですからね……。

MINOURA

ローラー台やディスプレイスタンドを販売する、「ミノウラ」。

ブルベ経験者だというスタッフが色々と説明をしてくださいました。

写真の真ん中に写っているのは「ボトルミュール」。ダウンチューブのボトルケージに取り付け可能な、かなり長めのボトルケージ台座。

ヘッドチューブの手前にボトルが左右に増設できるアイテムなんですが、「これって膝に当たりません?」と素朴な疑問を口にすると、「大丈夫です。私これで1900kmを走りましたから」と、担当者の方。

なるほど、この製品の紹介で「ブルベで実際にテスト済み」と書かれていたのが気になっていましたが、目の前にいる方がそのテスターだったようです。

こちらは2月発売予定のディスプレイスタンド。BB部分とダウンチューブの2点固定。小さいながら安定感は抜群でした。フレームを傾けずに固定できるっぽいのでちょっと欲しくなりました。

日邦電機

様々な電動ポンプを扱う日邦電機。自転車業界では「ELXEED」というブランドを展開しています。昨秋、小型の電動ポンプ「BL01」が大きな話題となりました。

当サイトでもレビュー済みです。

やはり話の中心はこちらのBL01。私が「筐体は同じだけど性能が低すぎる偽物」を買ってしまった話をすると、「ぜんぜん違うでしょう?」と言う担当者の方。やはりその件は把握済みだったようです。日邦電機は工場と緊密にやり取りをして独自仕様のブラッシュアップを重ねたそうで、ガワが同じ他社とは中身が別物。そこは私も酷い目にあって実感しました。

「作動音が大きすぎる」という点は日邦側でも把握しているようで、静音化をしたいようです。同時に、熱を持ちやすいのでもう少しそのあたりも改善してもらえるよう要望しました。

ちょっと驚いたのが、歴史上で一番最初の自転車用電動ポンプ「UOMI」の輸入に日邦電機が関わっていたという話。お話を聞かせてくれた方は実際にUOMIの工場とやり取りをしていたそうで。ほんとそんな黎明期から日邦電機は電動ポンプの可能性を追いかけていたんですね。今後の展開にも期待です。

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KABUTO

ヘルメットのトップブランド「KABUTO」。

今回の注目製品は、先日発表されたばかりの「FULRE」。エアロヘルメット然とした形状ですが、空力性能はAERO-R2のほうが良いそうです。レース向けと言うよりはホビー向けということのようで、スタイリッシュさのほうが意識されてるようでしたね。

試着しようと思ったのですが、実はこのヘルメットは「S」「M」の2サイズ展開。私はKABUTOでは普段Lサイズなので、被ることが出来ませんでした……。ぜひLサイズの展開もお願いしたいところです。

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まとめ

フカヤの展示会レポートでした。

今回の展示会は15-19時の4時間。「時間が余りそうだなぁ」と思っていたのですが、とんでもなかったです。全然時間が足りませんでした。入場者が100人と少ないこともあって各ブースの方が熱心に説明してくださることもあり、気づけばかなり時間が過ぎていました。内容の濃い話も出来て、実に充実した時間だったと思います。

またこのような機会があればぜひ参加したいと思いました。

著者情報

年齢: 40歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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