【レビュー】CYCPLUS「AS2 ULTRA」

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評価:4.5

CYCPLUSの電動ポンプ。ラインナップ中で最小・最軽量モデルであり、重量は公称87gです。

目次

購入動機

こちらはCYCPLUSからのレビュー依頼を受けた提供品です。詳しい経緯は↓の記事に書いています。

ファーストインプレッションから約1年間使用した感想をレビューとしてまとめておきます。

製品概要

実測重量は89g(仏式対応口金含む/ホース・シリコンケース除く)。対応する最大気圧は120PSI(8.3気圧)。

バッテリーサイズは400mAh/7.4V。400mAh/3.7Vのバッテリーが2本、直列に内蔵されています。

液晶画面には空気圧が表示可能で、単位はBARとPSIから選択可能です。

使用感

レビュー用として提供いただいてから約1年、ブルベや日常のライドでツールケースに入れて持ち運んでいます。パンク修理はもちろん、出先での空気圧調整にも使用しました。

比較対象は、同ブランドの兄貴分である「AS2 PRO」です。

私の手元にあるのは初期バージョンなのでブランドロゴが白。途中から黄色に変更されています。

本製品の位置づけ

左から、AS2 ULTRA / AS2 / AS2 PRO / AS2 PRO MAX

CYCPLUSの小型電動ポンプ「AS2」シリーズには4種類のラインナップがあります。特徴を比較した表を以下に示します。

スクロールできます
AS2 UltraAS2AS2 PROAS2 PRO MAX
発売時期2025/62023/32024/32024/3
重量87g97g120g205g
大きさ縦: 65.0mm
横: 47.5mm
厚: 28.0mm
縦: 65.0mm
横: 46.5mm
厚: 28.0mm
縦: 70.0mm
横: 49.0mm
厚: 28.0mm
縦: 81.0mm
横: 60.0mm
厚: 32.0mm
空気圧指定機能
(液晶画面)
×
最大気圧120PSI
(8.3bar)
100PSI
(6.9bar)
120PSI
(8.3bar)
120PSI
(8.3bar)
バッテリー容量2.96Wh
400mAh/7.4V
2.22Wh
300mAh/7.4V
3.11Wh
420mAh/7.4V
6.66Wh
600mAh/11.1V
充填速度
(700x25C)
120PSI / 140秒100PSI / 150秒120PSI / 120秒120PSI / 75秒
充填回数
(700x25C)
80PSI
3回
80PSI
2回
80PSI
4-5回
120PSI
4回
延長ホース付属別売付属付属
充電時間25分20分30分60分
充電端子Type-CType-CType-CType-C
定価119ドル69ドル109ドル129ドル

今回レビューするのは、一番左の「AS2 ULTRA」。液晶画面付きながら、ラインナップ中で最軽量の公称87gを誇ります。サイズだけであれば「AS2」の方が少し小さいですが、こちらには液晶画面がありません。

ツール缶やサドルバッグに入れても嵩張らないサイズにもかかわらず、空気圧を指定して充填することが可能になっています。ただしバッテリーは少なめで、「AS2 PRO」に比べると空気を充填可能な本数は減ります。

パッケージ

本体サイズが小さいので箱も小さめ。私の手元に来たのは初期バージョンなのでロゴが白いですが、途中からパッケージの箱もロゴが黄色に変更されています。

パッケージ内容
  • 説明書(7ヵ国語)
  • 本体(シリコンケース取付済)
  • Type-Cケーブル
  • 延長ホース
  • 延長ホース用仏式アダプタ
  • ボール用ノズル
  • 防水バッグ

AS2 PROやPRO MAXと入っているものはほぼ同じです。ノズルピンが今作から内蔵となっているため付属品からは外れています。前作までは米式バルブに使う時のみノズルピンを追加する方式でした。

重量

実測重量は89.0gと、公称+2g。ほぼ公称通りと言って良いでしょう。

自転車用電動ポンプとしては、発売後1年経過した現在も世界最軽量と思われます

シリコンケースを付けた状態で106g、延長ホースを付けた状態で127.5gでした。AS2 PROはシリコンケース+延長ホースで162gだったので、セット合計で35g軽量化したことになります。

大きさ

同じシリーズの他の機種とサイズを比べてみました。

左から、ULTRA / 無印 / PRO / PRO MAX。ULTRAが無印よりも1mm厚いのですが、その他の寸法は同じ。大きさも、ULTRAは世界最小クラスです。

ダイソーで売っているB8サイズのパケ(防水袋)に入れ、ツール缶に格納して持ち運んでいます。

後述しますが、防水性は全くないので、むき出しのままツール缶に入れていると浸水して壊れます。必ず防水対策は取りましょう。

使い方

使用方法は以下の通り。

使い方
  1. 口金またはホースをバルブに接続する。
  2. ◯(電源)ボタンを長押しして電源を入れる。
  3. +ボタンと-ボタンで目標気圧を設定する(最大120PSIまで)。
  4. 電源ボタンを短く押すと充填開始。
  5. 目標気圧に達すると、電源が自動的に切れる。

液晶にはリアルタイムの空気圧が表示され、指定した気圧に達するとピタッと停止します。一度空気圧を設定してボタンを押したら、後は待つだけ。

デフォルトの空気圧表示はPSIですが、+ボタンと-ボタンを同時押しするとBAR(気圧)表示に切り替えられます。PSI表示の場合は1PSI単位、BAR表示の場合は0.1BAR単位で設定可能です。
この空気圧の単位設定は再起動しても保存されます。

充填能力

内幅17mmのリムに取り付けた25Cタイヤに対し、0PSIの状態から88PSI(6気圧)まで上げるのにどれだけ時間が掛るかを計測しました。

機種6気圧までの充填時間
AS2110秒
AS2 PRO67秒
AS2 PRO MAX64秒
AS2 Ultra86秒

6気圧まで上げる速度は、AS2 < AS2 Ultra < AS2 PRO ≦ AS2 PRO MAXという結果に。

概ねサイズ比例という形ですが、AS2よりもAS2 Ultraの方が強力なモーターを積んでいるようで速いです。ただ、兄貴分のAS2 PROよりは3割ほど多く時間が掛かる結果になりました。分解していないので正確な点は不明ですが、AS2 PROと比べると、ULTRAはモーターやピストンのサイズが一回り小さくなっているのかもしれません。

AS2シリーズについて、50cm離れた場所の騒音をセンサーで測定。時間変化をグラフにしました。

数値データにすると、以下の表のようになります。

製品名平均[dB]最大[dB]
AS271.276
AS2 PRO77.380
AS2 PRO MAX74.277
AS2 Ultra77.880

機械的な「音の大きさ」では、ULTRAとPROは同程度ということになります。

ただ、感覚的にはULTRAの方が大きいように感じられました。PROは低音成分多めで高音成分が少ないのに対し、ULTRAは高温成分が強いことで耳障りに感じられたのかもしれません。

屋外で使う分にはどちらでも大して変わらないと思いますが、屋内ではULTRAは少々うるさく感じられることに注意が必要です。

動画も撮影してみました。音量注意

電動ポンプで空気を入れると、かなりの高音となります。その辺りについての注意事項はこちらの記事に詳しく書きました。

こうした状態を確かめるため、毎回電動ポンプ使用後の熱を計測することにしています。

以前購入した非接触タイプの温度計で、充填後の表面温度を測定しました。これまでと同様に25Cタイヤに88PSIまで入れています。

1回目の終了後の状態で、表面温度は52℃でした。これは従来のCYCPLUSの電動ポンプでは高めの数値です。参考までに、AS2 PROは88PSIまで入れて39℃です。

冷却期間をおかず、88PSIまで2回目の充填を終えた段階で76℃でした。これはちょっと素手では掴めません。

88PSIに達するまでの時間は、PROに比べてULTRAが3割ほど長いことは直前に書いた通り。電動ポンプの表面温度は動作時間が長いほど高温になることが多いので、やはり3割長い動作時間が効いているようです。

熱を持つと充填性能も落ちやすい(なので1回目よりも2回目のほうが遅い)のでなるべく低温で動作してほしいところ。しかし、サイズが小さくなると色々と性能を落とさざるを得ない分だけ動作時間が長くなる→温度が上がりやすくなるという状態になります。ここはコンパクトさとのトレードオフですね。

使用回数

前述の条件と同じく、25Cタイヤに88PSI(6気圧)まで入れるテストを複数回実施しました。

結果としては「2回は88PSIまで入った」「3回目は26PSIほどでエラー(E10: バッテリー残量不足)」となりました。AS2 PROは同条件で3回完了出来る(4回目は起動せず)ので、使用可能回数が1回分少ないことになります。28Cタイヤだと、2回がギリギリかもしれません。

1ライドでパンク3回までは経験があるので、出来れば3回使えるとありがたいですが……まぁ、いざとなったらモバイルバッテリーで充電すればOKではあります。後述しますが、充電は相当速いです。

充電

AS2 ULTRAの公称充電時間は25分です。

実測してみた所、1350秒=22分30秒で満充電となりました。電流が2.5Aとかなり大きいですが、C値の観点から言うと少し電流を流し過ぎな気がします。

防水性

電動ポンプは、基本的に防水ではありません。そして、多くのツールケースは防水に見えて防水ではありません。このため、雨が降っても濡れない状態で持ち運ぶ必要があります。

本製品には防水ケースが付属するので、それに入れて持ち運ぶのが良いでしょう。

前述の通り、B8サイズのパケ(ビニールケース)にはいい感じに格納できます。

クリックバルブとの組み合わせ

電動ポンプは高温になるという問題があるため、基本的には延長ホースを使用して使うことが推奨されます。

ただ、本製品に付属する延長ホースは「ねじ込み式」。バルブコアが外れるタイプの仏式バルブの場合、延長ホースの口金を外す際にバルブコアが一緒に回ってしまい、コアが緩んで空気が全部抜けてしまう……ということも起こり得ます。

そこで便利なのが、クリックバルブとの組み合わせ。クリックバルブは「押し込む」「引き抜く」だけなので、バルブコアが外れる心配がありません。また、本製品には空気圧計も付いているので、簡易的な空気圧計としても使えます(クリックバルブは、接続時にエアルートが開くので空気圧測定が可能)。

私はすべてのロードバイクをクリックバルブ化したので、延長ホースにはクリックバルブの口金を付けて持ち運んでいます。

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自然放電

実のところ、電動ポンプを持ち歩くようになってからほとんどパンクの経験がないのですが、今年3月についに出番が来ました。

最後に充電したのはパンクの2ヶ月ほど前ですが、バッテリー残量は満タン(ゲージ3本)のまま。ちゃんと空気を入れることが出来ました。

適当なブランドの電動ポンプの場合、しばらく使わずにいると自然放電が進んでしまって「いざ」という時に使えない話は聞きます。少なくとも、私の手元のAS2 ULTRAはそういったことはありませんでした。

運用的には、2-3か月に一度は残量確認をするようにすれば安心だと思います。

プロチームとの関係

Amazonより引用

CYCPLUSは、2026年からバーレーン・ヴィクトリアスへの機材供給を始めました。このため、広告にもバーレーン・ヴィクトリアスの選手たちが登場しています。

まとめ

非常に軽量・小型な電動ポンプ。

CYCPLUSらしく基本性能は上々。それでいて携帯性はかなり上がっており、どこに行くにも持ち歩くことが可能になっています。

左: AS2 PRO、右: AS2 ULTRA

ただ、充填スピードの低下・充填可能な本数の減少・使用後の温度の上昇など、小型にしたことによるデメリットが少し気になりました。使える回数が2回 or 3回というのは結構大きな差です。そこを考えると、30g重くても3回使えて充填時間も早いPROの方が個人的には好きですね。現在、持ち歩いているのは「PRO」だったりします。

もちろん、大きさ・重量が最優先という方も多いはず。そういう方には「ULTRA」が向くでしょう。

評価

対象モデル:  CYCPLUS「AS2 ULTRA」
年式: 2025年
定価: 17999円
購入価格: (レビュー提供品)
公称重量: 87g
実測重量: 90g

価格への満足度

(提供品のため対象外)

総合評価

9/10

世界最小・最軽量。ただ、性能バランスはPROの方が上か。

著者情報

年齢: 41歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。
# これまでに著者が乗ってきたスポーツ自転車の履歴はこちらの記事にまとめています。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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