OSTRICH x CATEYE「ENDURANCE TOP TUBE BAG」購入

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OSTRICHとCATEYEがコラボレーションしたトップチューブバッグを購入しました。実店舗では販売されず、キャットアイダイレクトAmazonでの限定販売となっています。

目次

購入まで

まずは購入までの流れを書いていきます。

バイクランド幕張で目撃

2025年12月。海浜幕張公園で開催された、バイクランド幕張へ行きました。

そこにCATEYEのブースがあったので見学。展示の中心は発表されたばかりのNetworkシリーズでしたが……気になる一角が。

それがこちら。オーストリッチとのコラボレーションで、トップチューブバッグとサドルバッグを発売予定であるとのこと。

プロトタイプも展示されていました。この時点で「良いな」と思ったのは、とにかく細いということ。

トップチューブバッグは、とにかく膝に当たりやすい。しかし、後端(サドル側)の幅が細ければ膝に当たりにくくなります。そのためにはトップチューブの幅(4-50mm)よりも細い必要があるわけですが、市場にあるほとんどのトップチューブバッグは幅が50mmより太いのです。

以前、こんな記事を書きました。私の場合、「実測で後端の幅が40mm以下」であることが膝に擦らない条件です。

ブースの方にお話を聞くと、このOSTRICHとCATEYEのコラボバッグの幅はなんと30mm。市場にあるどのモデルより細い。その上、ボルトオン(ストラップを使わずボルトでバッグを固定する方式)対応とのこと。個人的にはまさに求めていたスペック。しかも、OSTRICHが作るならば品質的には間違いがないはず。

この時点では「2026年発売予定」ということしか決まっておらず、その日を首を長くして待ちました。

2026年7月、発売

2026年6月、CATEYEの公式アカウントから以下の発信がありました。

おお、ついにあのトップチューブバッグが出る!

早速、お世話になっているサイクルキューブさんで注文しよう……と思ったのですが。よくよく読むとこの商品、「通販限定」と書かれています。

正直「えっ?」と思いました。CATEYEは近年、通販には新製品をほとんど出さず、実店舗限定販売としていたからです。今回も当然「実店舗限定」だと思いきや、真逆の「通販限定」。

一体どういうことなんだろうと思いつつ、Amazonから注文を行いました。

OSTRICH x CATEYE「ENDURANCE TOP TUBE BAG」

OSTRICH x CATEYE「ENDURANCE TOP TUBE BAG」のファーストインプレッションです。

比較対象は、今まで愛用してきたボルトオン式のトップチューブバッグ、XLAB「STEALTH POCKET 200 XP」です。

容量

公称容量は360mlです。サイズから見ると容量は小さめに思えますが、それは幅の小ささの影響が大きそうです。

ジェルや、バー状の補給食であれば3~5本くらいは入りそうです。幅が小さいので、ブロック状のものは収納が難しいかもしれません。

重量

トップチューブに取り付けるストラップ込で、実測74g。

パッケージ内容

パッケージ内容は、バッグ、ヘッドチューブに取り付けるストラップ、ワッシャー2枚。以上。

トップチューブに取り付けるためのバンドは付いていないし、ボルトオンするためのボルトも付属していません。そういった物は自分で用意する必要があるようでした。

穴が……ない!?

さて、普段はここから「各部詳細」となりますが、ここからは「穴」の話です。

私はこのトップチューブバッグを、「ボルトオン」で運用するために購入しました。

ボルトオンというのは、上の写真のようにトップチューブにアイレット(ネジ穴)が用意されたフレームにのみに使用できる方式です。文字通り、ボルトでバッグをそのまま固定します。ストラップと違って底部の布がフレームにしっかり固定されるので、バッグが左右にズレてしまうことが無くなり、安定するのが利点です。

ボルトで固定するためには、ボルトが通る穴が2箇所必要です。通常、購入時点でバッグ底部に穴が開けられており、気が利くメーカーであれば穴が広がったりしないようにプラパーツ等で養生されている場合もあります。

さて、OSTRICHとCATEYEはどんな風に穴を開けたのかと思ってバッグの底を見ると……

穴が……ない!!

目を疑いました。あるはずのものがない。

しかし、工業製品と言えど人の作ったもの。ミスはあるはず。つまりこれは穴を開け忘れた不良品なのではないか……と思ったのですが。説明書を見ると、その説は否定されました。

「バック底にカッターで切り目を入れます。」

つまりこれは……穴が開いていないのは「仕様」であるということ。それは百歩譲って良いとしても、バッグの底にカッターで切り目を入れる方式なんて聞いたことがありません。ちゃんとした工具で綺麗に穴を開けないと、穴周りの生地が後からほつれてきてしまう懸念があります。

「ボルトオン対応」という場合、出荷時点であらかじめ穴が開けてあるのが普通。ただ、「ストラップで運用する人にはボルトオン用の穴は不要だから、穴あけの下準備だけはしておくので自分で穴を開けてくれ」というメーカーもあります。

APIDURA製品ページより引用

APIDURAやTailfinはこのタイプで、バッグの底部が「生地-プラ板-生地」の三重構造になっており、プラ部に後から自分で穴を開ける構造になっています。布側には既に穴が開いているので、生地がほつれる心配はありません。

さて、そこに来て今回のトップチューブバッグ。何のガイドも無く、底が多重構造になっているわけでもありません。底は防水生地のターポリン1枚。そこをカッターで横に切れと。ちょっと私にはやる勇気がありません。ターポリンのような補強生地だと、普通のカッターでは刃が逃げてまっすぐ切れない可能性もあります。

返品も考えましたが、同封された紙には「製造工程における欠陥のみを保証対象とし、初期不良のみ交換させて頂きます」と書かれています。「仕様である」と言われれば、返品は受け付けられない可能性が高そうです。かといって、「カッターで切り目を入れる」のは嫌です。綺麗に切れるイメージが湧かないし、後からほつれてくる懸念がありますから。

そうなると、「工具を使って綺麗に丸い穴を開ける」しかありません。

自分で綺麗に穴を開けよう

方針は決まりました。

やることとしては「バッグ底部にボルトが通る穴を2箇所開ける」というだけなんですが、これを詳細にブレイクダウンしていくと、実はかなり面倒な作業です

ボルトオン穴の要件定義

「バッグ底部にボルトが通る穴を2箇所開ける」をブレイクダウンすると以下のようになります。

「バッグ底部にボルトが通る穴を2箇所開ける」作業の詳細
  • 穴の大きさは5-6mm(M5のネジが通過する太さ)。
  • 2つの穴の間隔は64mm(ボトルケージの規格)。
  • 左右中心に正確に2つの穴を開ける。
  • 穴の前後位置はフレームと合わせる。

「2つの穴を決められた間隔で開ける」というのは結構大変です。

仮に、バインダー用の穴を開ける「2穴パンチ」で、ボトルケージ用の64mm間隔のものがあれば割と簡単に「2つの穴を決められた間隔で開ける」ということはクリアできるでしょう。しかし、世にあるバインダー用のパンチは「80mm間隔」か「60mm間隔」しかありません。

つまり、64mm間隔の穴を開けるには、「一つずつ穴を開けて、それを綺麗に並べる」しかないということです。

そしてもう一つ厄介なのが、「既に構造物になった状態の底の部分に穴を開けなければならない」という点。1枚の平らな生地の状態なら穴を開けるのは簡単なのですが、こういったバッグの底部分に穴を開けるのは大変です。

バインダーに穴を開けるための2穴パンチや、上記のような形状の穴あけパンチでは、この部分に穴を開けることが出来ません。挟めませんから。

新潟精機 製品ページより引用

そうなると、こういったレザークラフト用の穴あけパンチを使うしか方法がありません。

「バッグ底部にボルトが通る穴を2箇所開ける」面倒さがお分かり頂けたでしょうか? 平らな生地の状態でメーカー側が穴を開けてくれていれば、後からこんな苦労をせずとも済むのですが……。

用意したもの

ということで、「バッグ底部にボルトが通る穴を2箇所開ける」ために道具を調達しました。

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まずは穴あけパンチ。6mmサイズにしました。

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次に、穴あけパンチを叩くためのトンカチ。

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最後に、床や机に穴を開けないためのカッターマット。これを下に敷いて穴あけパンチを使います。

穴あけ実作業

いよいよ穴あけの実作業です。

まずは、バッグをフレームの穴の位置に合わせて、大まかな位置を決めます。

ただ、このバッグ、何故か底が湾曲しています。製品写真も湾曲しているので、個体差ではないでしょう。

ボルトオンで取り付ける際には底が平らになるはずなので、しっかり平らに伸ばした状態で64mmの穴間隔で位置をプロットし直す必要があります。

穴の位置を決めたら、フレームにまた合わせて穴の位置が間違っていないことを確認します。

2つの穴のそれぞれ中央に画鋲で穴を開けます。これは、穴あけパンチで穴を開けるべき場所をバッグ上部から確認するためのガイドです。頭が出っ張っている画鋲だと床に置けないので、後から頭が平らな画鋲に変えています。

穴を開ける際のイメージ図。実際にバッグに穴あけパンチを入れている様子を写真で撮っても何をしているかわからなかったので、平らな布に穴を開けてる様子を撮影。

そして、画鋲をガイドに穴あけパンチをトンカチで叩きます。やり直しが効かないので緊張の瞬間です。

穴の中心と左右位置がズレないように慎重に2箇所の穴を開けました。

中から見た穴の様子。

ようやくこれで取り付けの準備が整いました。

取り付け

バッグをボルトオン方式でフレームに取り付けます。

まずは穴を開けるために外していた部品を再取り付け。

下は、バッグ底の補強パーツ。上は、「中敷き」と呼ばれているパーツです。

補強パーツを入れた状態で、ワッシャー+ボルトでフレームに固定。その後、中敷きを入れます。中敷きは裏がマジックテープになっていてズレないようになってます。内部が黄色いのは、中の物を探しやすくする工夫。プロト版では中がピンクだったのですが、個人的にはピンクのままが良かったですね。機能的な意味ではなく、単純に色の好みで。

長い道のりでしたが、取り付け完了です。穴の位置も悪くなかったようで、綺麗に付きました。

ただ、前述の通り底面が少し湾曲した状態で良い感じの形になるように縫製されているようで、ボルトオン状態でバッグを取り付けると逆に生地にシワが寄ります。上の写真の「OSTRICH×CATEYE」ロゴの右下に寄っているシワがそれです。

細さにこだわっただけあって、トップチューブから全くはみ出しません。

クロージャーは、マグネット+突起で固定するYKKの「マグネット付きフック」。開ける時はワンタッチ、手を離すと勝手に閉じてマグネットで固定されます。

バッグ後端には、被視認性を高めるための黒い反射材が縫い付けられています。

実走

実際に取り付けた状態で走ってみました。

バッグの幅は一番太い所で40mmありますが、後端(サドル側)は30mmまで絞られています。後端のバッグの高さも低いため、シッティングでもダンシングでも膝が当たりにくい。ここは設計の狙い通りでしょう。

マグネット付きフックですが、開く際に少しコツは要ります。上に引っ張ると開きますが、それなりに力が必要。少し押し下げてから上に開くと、あまり力を入れなくても開きます。

防水性については検証出来ていませんが、フタ部分は生地が二重になるので、ある程度は耐えてくれるはず。

この製品の成り立ちと設計

CATEYEのサイトを見ると、今回のOSTRICH×CATEYEコラボについての記事があります。

今回のコラボレーションは、キャットアイ社内の自転車愛好家たちが「自分たちが欲しいバッグを作りたい」という思いを持ったことから始まりました。
日々ライドを楽しむ社員だからこそ感じる「こんな機能があれば便利」「こんな形状なら使いやすい」というアイデアを形にするため、日本を代表するサイクルバッグメーカーであるオーストリッチへ協力を依頼。企画段階から両社で意見を交わし、細部の仕様まで何度も検討と試作を重ねながら、理想の製品づくりに取り組んできました。

断定はできませんが、「CATEYE内の社内ベンチャー」的な動きだったように見えます。ミリ単位で寸法を指定したと書かれているので設計はCATEYE、製作がOSTRICHという感じだったのでしょう。

試みとしては面白いと思うのですが、市販製品として見ると、いつものCATEYE製品に比べて仕様の詰めが甘いように感じます。送料込で約9000円という値段には釣り合っていません。

R250の、ボルトオン/バンド取り付け両対応バッグ。穴は開けられており、バンドは付属する

問題はやはり製造より前。設計段階や、それ以前の市場調査段階にあるのではないかと思います。普通の製品であれば競合製品の調査をする段階で、「ボルトオンを名乗る製品はあらかじめ穴が開けてある」「ボルトオンとバンド取り付け両対応にするなら、バンドは付属する」 のが普通であることは把握できるはずです。

しかし現実には「ボルトオンを名乗るのに穴は開いていない」「バンド取り付けに対応するのにバンドは付属しない」という状態です。つまり、買ってきた状態のままでは取り付けられず、ユーザー側が一手間かける必要があるということ。既存のトップチューブバッグを使ってきたユーザーの感覚からすると、「なぜこの仕様に?」と疑問を感じる部分が残りました。

作った側の意識までは分かりませんが、買う側としてはCATEYEの品質を期待しています。CATEYEといえば、ライト自体の品質もさることながら、フレックスタイトに代表されるマウントの品質にも定評がある会社です。当然、バッグの取り付け方法にも洗練を期待していましたが、実際には「ご自身でカッターを使って切ってください」という丸投げ方式でした。元からいい加減な会社だったらここまでガッカリすることも無かったと思いますが、普段のCATEYEの設計品質の高さを知っているゆえに本製品にはガッカリした部分が大きかったです。

通販限定だったため購入前に実物を確認できなかったのも残念でした。実物を見ていれば、底に穴が開いていないことには気づけたはずです。

なお、「底に穴が開いていない」「ユーザーが自分で穴を開ける」「バンドが付属しない」という話は、元々製品ページには記載がありませんでした。その点を指摘した所、CATEYE側にご対応を頂き、製品ページに説明を追加して頂きました。これで、ユーザー側としては判断の材料ができたことになります。

まとめ

OSTRICH x CATEYE「ENDURANCE TOP TUBE BAG」のファーストインプレッションでした。

長々と文句を書きましたが、最大の不満は「ボルトオン対応を謳いながら、最初からボルト用の穴が開いていない」こと。トップチューブバッグとしては中々良い製品だと思います。容量は小さいものの、細くて膝には当たりにくいですし、開けたフタが勝手に閉まるなど使い勝手も良いです。

本製品は1ロット限りの製品のような気もしますが、仮にマイナーチェンジが行われるのであれば、底面の穴を是非最初から開けておいて欲しいです。「防水性が下がる」という指摘はあるでしょうが、底部から浸水するような雨の中では、今回のような完全防水ではないトップチューブバッグは既に縫い目などから浸水している可能性が高いです。それよりは、あらかじめ穴が開けておく優先度のほうが高いのではないかと思います。

縫製前に穴を開ける手間はそこまで大きくないはずですが、今回の記事に書いたように縫製後に穴を開けるのはかなり大変です。是非ともご一考願いたいところです。

著者情報

年齢: 42歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。
# これまでに著者が乗ってきたスポーツ自転車の履歴はこちらの記事にまとめています。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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