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【レビュー】Vittoria「Competition Latex 25-28C」
評価:4.5
Vittoriaのラテックスチューブ。ロード用のラテックスチューブとしては最も入手性が良い製品です。
購入動機
これまでに二度購入しています。
1度目: 2021年
「ラテックスチューブの転がり抵抗が低い」ことは知識として知っていましたが、実際に試したことはありませんでした。
なおさんの真似をしてラテックスチューブを試してみることにした。 pic.twitter.com/mDG22elOQ8
— ばる (@barubaru24) July 18, 2021
この時に試した構成は以下でした。
- フレーム: QUARK(リムブレーキ)
- ホイール: Fulcrum Racing3 C17 (内幅17mm)
- タイヤ: Panaracer RaceC 28C
この時に感じたのは、「あまりにも柔らかくてパンクしているよう」「特にサイドが腰砕けに感じる」というもの。その上、空気圧は24時間で1気圧以上落ちてしまう。
最終的には峠の下りでスローパンク。熱の影響だったと考えています。空気圧低下の問題もあり、私の用途(ブルベ)では使えないなと思って使用を断念しました。
2度目: 2025年
そして今年。再びラテックスチューブを試してみようと思い立ちました。

一番大きな理由は「携帯電動ポンプの登場」です。
空気圧管理のできる電動ポンプの登場により、24時間で落ちた分の空気圧(5→6気圧)を追加充填する労力がほぼゼロになりました。取り付ける手間と、待ち時間はありますが、手動の携帯ポンプで入れることを考えれば無に等しい。

「電動ポンプの延長ホースの付け外しが面倒」という問題も、クリックバルブの登場によって解決。運用上の問題はほぼ無くなりました。
前回のテストから4年が経ち、世はすっかりディスクブレーキ時代に。私も今回はディスクブレーキでテストをすることにしました。構成は以下です。
- フレーム: GE-110(ディスクブレーキ)
- ホイール: SHIMANO WH-R8170 (内幅21mm)
- タイヤ: MAXXIS HIGH ROAD 28C
ブレーキシステムはディスクとなり、ホイールは内幅が17→21mmに拡大。タイヤは少し固めのものに変わりました。
製品概要
実測重量は84.3g。チューブ素材は、言わずもがなラテックス。対応するタイヤ幅は25-28Cと範囲が狭め。
バルブは金属製ですが、外側のネジ切りがされていません。バルブコアは外せます。バルブ長のラインナップは48mmのみ。
Vittoriaのラテックスチューブのラインナップは以下の通り。
- 19-23C用
- 25-28C用
- 30-38C用
使用感

ディスクロードに取り付けて、2ヶ月で約1200kmほど使用しました。合わせたタイヤは、BRIDGESTONE「R1X 28C」と、MAXXIS「HIGH ROAD 28C」です。
用途は、夜練・ブルベ。北海道での400kmブルベと、東北方面を走る600kmブルベで使用しました。
質感
ラテックス=天然ゴムということで、ゴムの質感を持ちます。よく伸びます。
固着防止のためか、表面にはタルクと思われる粉が付いています。触ると手が粉だらけに。
重量

公称85gで、実測84g。ほぼ公称通り。
TPUチューブと比べると重いですが、ブチルチューブであれば軽量な部類(R’AIRや、マキシスのウルトラライトと同カテゴリ)の重量です。
取り付け
ブチルチューブと同様に取り付けるだけ。柔らかいので、噛み込みに注意は必要です。

36mmハイトの前輪への取り付けには困りませんでしたが、50mmハイトの後輪への取り付けには困りました。本製品は48mmバルブしかなく、50mmハイトのホイールではバルブの長さが足りません。
そこで、こうしたエクステンダーを購入して何とか取り付けました。
また、バルブステムにネジが切られていないので、バルブナットで固定ができません。そうなると、空気を入れる際にバルブ根本が押し込まれてパンクの原因になることが考えられます。出来ればネジが切られていたほうが良いと思うんですが、SOYO以外のラテックスチューブのバルブにネジが切られていないのは何故なんでしょうね。
カタカタ音がするのも嫌なので、MageneのTPUチューブに付いてきたシールでバルブを半固定しています。

合わせたタイヤは、マキシスのオールラウンドタイヤ「HIGH ROAD」の28C。やや固めのタイヤという印象ですが、これがラテックスでどうなるか。
走行性能
HIGH ROAD 28Cに、前:5.5気圧、後:6.0気圧で走行。400kmと600kmのブルベでも使用しています。

まず、乗り心地はやはり良いです。段差でも自転車が跳ねにくくなり、振動や突き上げも減ります。場合によっては、「チューブレスよりも良いのではないか?」と思えることも。チューブレスの場合、どうしてもサイドウォールが固めになるので、「サイドが柔軟なクリンチャー+柔軟なチューブ」のクリンチャーシステムの方が乗り心地の面で勝ることもあるはずです。長距離を走るブルベにおいて、この乗り心地の良さは疲労の低減に効果ありと感じました。
そして、「跳ねない」「路面追従性が高い」ということは、「実地での転がり抵抗が低い」ということにも繋がります。跳ねている間は一切路面にパワーが伝わらないわけですし、乗り心地が悪い=上下方向に動くということは、乗り手の体重を上下に動かすためのパワーロスが発生します。これが少ないラテックスチューブは効率が良いということです。
ちょっと意外だったのは、リムブレーキ時代に感じたラテックスチューブの「腰砕け感」がディスクブレーキにおいてはほとんど無かったことです。これはブレーキシステムの差ではなく、取り付けるホイールの差だと思っています。
ディスクブレーキ化によって、リムの外幅・内幅の制限はかなり緩くなりました。より太いリム・タイヤが履けるようになったわけです。これによりホイールの剛性がアップし、内幅の増大によってサイドウォールの角度が少し変わった結果、このように感じたのではないかと推測しています。
結果として、「疲れにくい」「転がり抵抗が低い」というメリットは残り、「腰砕け感があって気持ち悪い」というデメリットは消失した形です。
最近のTPUチューブに比べると、ラテックスチューブは重量の面では劣ります。ヒルクライムレースであれば最新のTPUチューブのほうが勝るのではないかと思いますが、私のようなロングライドメインの使い方であれば、乗り心地が良く転がり抵抗も低いラテックスチューブには価値があります。
空気圧低下
乗り味の面での問題はほぼ無くなりましたが、依然として「ラテックスチューブの空気圧低下が早い」という弱点は残ります。これはラテックスという素材のガスバリア性が低いためです。
600kmブルベでも、1日目が終わった段階で前後タイヤの空気圧はスタート時に比べて約1気圧落ちていました。

しかし、電動ポンプ+クリックバルブにより、前後輪を適性空気圧に上げるまでに要した時間は約2分。信号2つ分まで抑えることが出来ました。1日あたりこれくらいのロスであれば許容は出来ます。
耐パンク性・耐久性
ディスクブレーキで1200km使用しましたが、パンクはありませんでした。
リムブレーキの時は400kmほど使った所でパンク(峠の下りでスローパンク)してしまいましたが、恐らくブレーキ熱の影響があったのでしょう。ディスクブレーキであればチューブにはブレーキ熱が加わらないので、取付時にミスをしなければ長持ちしそうです。
価格
Amazonで2本セットを3780円で購入しました。1本あたり1890円。
TPUチューブであれば2000円を切るのは一番安い価格帯。それで乗り心地と走行性能を両立できるのならば、選ぶ理由になります。
なお、国内定価は2750円で、これだとちょっと躊躇するかもしれません。
ラテックスチューブの柔軟性
まだ実験途中で記事化はしていないのですが、こんな実験をしています。
昨今、「伸び縮みしやすいTPUチューブ」が出てきてますか、なんとかその伸縮性を定量評価できないか?と考えて、こんな実験をしてみることにしました。
— ばる (@barubaru24) November 26, 2025
TPUチューブにオモリをぶら下げて、伸び具合を計測してみる実験。 pic.twitter.com/GEdoSlm6vG
実験の目的は「TPUチューブの乗り心地を数値化する」ことですが、参考としてラテックスチューブやブチルチューブも計測対象に加えました。
大体の傾向で言うと、やはりTPUチューブは伸びにくく、ブチルチューブのだいたい半分程度。しかし、ラテックスチューブはブチルチューブの約3倍の伸びを記録しました。一つだけ次元が違いますね。TPUチューブと比べると5-6倍の差があるということになります。
乗り心地は静的な伸びだけでは決まらないはずですが、やはり素材の柔軟性で言うとラテックスは頭一つ抜けてますね。
まとめ
空気圧低下は早いものの、乗り心地の良さと走行性能に優れたチューブ。
一度は滅びかけたと思われたラテックスチューブですが、電動ポンプとクリックバルブによって、再び輝きを放つ段階に来ていると思います。「そのひと手間が面倒くさい」という人には向きませんが、走行時のフィーリングを求める方であれば運用上の問題は現在ほぼ解消されてメリットだけを享受できる状態にあると言ってよいでしょう。
評価
対象モデル: Vittoria「Competition Latex 25-28C」
年式: 2025年
定価: 2750円
購入価格: 1890円
公称重量: 85g
実測重量: 84g
価格への満足度
今の時代、相対的に安い気がする。
総合評価
ディスクブレーキと、電動ポンプ運用でロングライドでもメリットのある製品に。
著者情報
年齢: 41歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。
# これまでに著者が乗ってきたスポーツ自転車の履歴はこちらの記事にまとめています。



