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ダイソー「自転車ハンドル延長ブラケット」を購入
ダイソーにて、自転車用マウントの販売が開始されました。早速、1本購入してどんなものか試してみました。
購入まで
Twitterにて、MKさんの下記のツイートがRTされてきました。
ランドヌールがよくつけてるやつダイソーにある pic.twitter.com/nNxalyYIaM
— MK (@__mk) March 15, 2025
たしかにブルベ界隈ではハンドルの上にサイコンやライトをたくさん付けるためにこの手のマウント(エクステンダー)が多用されます。
今回、ダイソーからは大小2つ(大: 550円/小: 330円)のマウントが販売となったようです。

ブルベ界隈でよく見かけるのは、KCNCのその名もズバリ「ブルベマウント」でしょうか。現行製品では長さも安定感もトップクラスで、ブルベでの実用に耐える製品です。こちらの価格は定価4400円。一桁安い価格で近い性能が手に入るなら欲しい人は多いでしょう。

早速、近所のダイソーに行ってみると、小さい方(330円)のみ販売されていました。大きい方(550円)は取り扱いなし。「まずは小さい方で品質を見てみよう」ということで、一つ購入しました。
なお、売り場には220円のボトルケージや、110円のバーエンドプラグ、1100円のライト(300ルーメン)なども売られていました。スポーツ自転車にも使えそうな用品が少しずつ充実しているようです。
ダイソー「自転車ハンドル延長ブラケット」
ダイソー「自転車ハンドル延長ブラケット」のファーストインプレッションです。

パッケージ
いつものダイソーらしい簡素なパッケージです。

裏面には注意書きなど。
- 適用ハンドルバー径: 24mm、31mm
- 延長ブラケット長さ: 100mm
気になるのが「適用ハンドルバー径: 24mm、31mm」という点。これは自転車乗り的には見慣れない数値です。
ロードバイクの場合、一番一般的なハンドルバー径は「31.8mm(1-1/4インチ)」です。アヘッドステムの場合は大体これのはず。スレッドステムの場合は「25.4mm(1インチ)」がメジャー。「24mm、31mm」はどちらにも当てはまりません。
恐らく「31mm」という表記は「31.8mm」の省略形だろう……と、考えていました。

使い方の図。スマホとライトでしょうか? 重量的にちょっと耐えきれない気がしますが……。一応写真を見ると、スポーツ自転車のアヘッドステム用に作られているようには見えます。
内容物

内容物は以下の通り。
- バー部分
- アーム部分
- 調整用シム(2種類)
- 六角レンチ(3mm)
シムは2種類付いていますが、どちらもゴムではなくプラ製っぽいです。どのハンドルバー径にどのシムを使うかは特に記載がありません。
重量

重量は43g。この手のものとしては重くも軽くもありません。

TNIのこちらのマウントは36gです。
質感

組み立ててみた形状がこちら。
アーム部分はそうでもないのですが、バー部分はかなり薄いことが触って分かります。プラ製のキャップを外して肉厚を計測したら0.8mmでした。

固定は3mmの六角ボルト。ボルトの側面の肉厚はかなり薄くて不安です。

バー部分の直径は22.2mm。この手の製品ではかなり細め。中央の製品は25.4mm、一番左の製品は27.8mmです。
これだけバー部分が細いと、取り付ける側のマウントも種類を選びそうです。CATEYEのフレックスタイトなら問題なくクランプ出来るはずですが。
取り付け
自転車に取り付ける前に、とりあえず単体のハンドル(31.8mm径)に付けてみたのですが……

シム無しの状態では、ボルトを完全に締めても2mmほど余ってしまって全く固定できません。
では、薄い方のシムを1枚入れてみたらどうか?

今度はボルトが届きません。

指で押さえつければこれだけボルトがネジ穴に近づきはしますが、2mmほど足りません。シムがゴム製なら何とかなりそうですが、プラ製だから凹まない。シムの方向を色々変えても駄目。
……もしかしてこれ、本当に「31mm径」用に設計されたんでしょうか? そんな径のハンドルは聞いたことがないので、発注側が「.8」を略してしまったものをそのまま作ってしまったのか。
付属のシムではなく薄いゴムを挟めば固定はできそうですが、購入した状態で使えないのは困りものです。仮に固定できたとしても、走行時の振動に耐えられるんでしょうか。
ちなみにもう一つのシムは恐らく「24mm」径のハンドル用ですが、そんなハンドルはほぼ存在しません。一般的なのは以下のハンドル径です。
直径 | 用途 |
---|---|
22.2mm | ママチャリやBMXなど |
25.4mm | スレッドステムのロードバイクなど |
26.0mm | スレッドステムのロードバイクなど |
31.8mm | アヘッドステムのロードバイクなど |
35.0mm | Dedaの一部製品 |
この製品がターゲットにしている24mmも31mmも、全く該当していないことが分かります。一体どこを狙って作ったんでしょうか?
類似製品
Amazonを彷徨っていたら、本製品の類似製品を発見しました。
こちらは長いバージョンもあり、そちらはダイソーの550円モデルと恐らく同様なのでしょう。

付属品の写真を見ても同等品と見て間違いないと思います。
この製品にも前提のハンドルバー径の記載はありますが、「シムを追加または減らすことによって、通常の22.2mm、25.4mm、31.8mmにフィット」だそうです。ただ、シムをどのように使った時にどの径に対応するのかは記載がありません。
これが仮にダイソーの製品と同一とするならば、ダイソーのものも31.8mmに対応しているはず。ただ、Amazonのレビューを見ても「31.8mmのハンドルに付けられない」というコメントも見られます。
このことから推察できるのは、「シムの精度が悪すぎて、31.8mm用に設計しているけど個体差が大きすぎるのではないか」ということ。もしかしたら個体によっては31.8mmのハンドルに付けられる場合もあるし、そうでない場合もある。私の手元の個体は「そうでない」個体だったということ。
いくら安いとは言え、「付かない」のではダメです。
まとめ
乗車以前に「付かない」という結果に終わりました。
恐らく「31mm」という径は間違いで、「31.8mm」をターゲットに作ったのでしょうが、精度が悪すぎて31.8mmのハンドルにはつかない可能性が高いです。というか、これ実際の自転車に付けて試してない気がします。
運良く「付く」個体が手元に来たとしても、これで走行するのは不安です。明らかに弱そうですし。このマウントが折れてもせいぜい330円の損害ですが、その上に付けるのは数万円のサイコンや数千円のライトのはず。それらが壊れたらマウント以上の損害です。マウントを軽視するべきではありません。
良さそうだったら長い方も買ってみようと思っていましたが、どうやら買うことは無さそうです。
この価格では難しいかもしれませんが、ダイソーにはもう少し精度を高くブラッシュアップしてほしいですね。
著者情報
年齢: 40歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。