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サドル高の測定ツールセットを購入
Aliexpressで見つけたサドル高の測定ツールセットを購入してみました。
購入まで
何の気なしにAliexpressを眺めていた所、サジェストされたのが今回取り上げるツールです。
Aliexpressでたまたま発見
RISKという工具メーカーの「RL-257(サドル用)」と「RL-258(BB用)」のセットです。

初見の感想は「なんだか良さそう」でした。
2台の自転車のポジションを揃えたい
私は今、ブルベ向きに2台の自転車を使っています。QUARK(スチール)と、GE-110(カーボン)です。

QUARKの方はPBPまで完走しているので、完璧に「ずっと走り続けていられる」ポジションが出ています。これが私の中での正解。

一方、GE-110はまだ完璧とは言えません。昨年参加した400kmブルベでは腰痛が出て、600kmブルベでは足裏の痛みが出てしまいました。できる限りQUARKに近づける努力はしたものの、まだ微妙に違いがあるようです。出来ればミリ単位で揃えたい。
曖昧なBBとサドルの基準位置
ポジションを合わせる時は、「サドル高(BB~サドル上面)」「サドル先端からハンドルの前部分までの長さ」などを基準にすると思いますが、案外サドル高って計測しにくいのです。
- BB中心から計測したくても、イマイチ中心の場所が定まらない
- サドルは縁に行くほど下がる形状をしているので、どこが「サドル上」なのか分からない
- サドルの前後位置のどこを基準とすれば良いのか分からない
このように、BB側もサドル側も、計測位置が中々一点に定まらないんですよね。「大体で良い」ならそこまで気にしなくても良いんですが、ブルベくらいの距離になると1mmのズレが徐々に影響し、痛みにつながったりします。そうならないよう、ミリ単位で揃えたい。

こういった大規模な装置を使えば正確にポジションを測定できますが、この装置は約15万円。ショップでもないと元が取れません。ここまでの精度では無くて良いので、家でもう少し精度の高い測定がしたい。
そこで、今回見つけたツールの出番というわけです。このツールを使えば、BB側もサドル側も、計測位置が一点に定まりそう。
「RISK」という縁起の悪いブランド名に若干不安は感じたものの、セットで1100円とやたら安い値段だったので買ってみることにしました。
RISK「RL-257/258」

RISK「RL-257」「RL-258」のファーストインプレッションです。家でポジションを計測する目的で使用します。
重量
家で使うものなので重量は関係ないのですが、一応計測。


RL-257は13.5g、RL-258は9.6gでした。
見た目

いかにも「3Dプリンタで作りました」という質感です。この水色はブランドカラーのようで、他の道具もだいたいこの色で作成されています(→公式サイト)。
使い方(サドル高の測定)
サドルとBBにそれぞれツールを取り付けてサドル高を計測します。
RL257(サドル側)
サドルの先端から後方に向けてRL-257を移動させます。

このツールの内幅は80mmになっていて、ちょうどサドルの幅が80mmの箇所で止まるようになっています。
幅80mmの場所をサドル位置の基準とする方法は、GIANTのフィッティングメソッドでも採用しています。ちなみに、Selle Italiaの「idmatch」では幅70mmの場所を基準としています。このあたりは諸説あるということでしょう。

サドルの座面と一致する高さには突起が造形されていて、ここまでをメジャーで計測することになります。
RL258(BB側)


RL258の上面にはスリットが設けられています。ここに、金属メジャーの先端を引っ掛けて使用する設計です。なお、スリット中央の金属は磁石になっていて、メジャーの先端が付くようになっています。

裏面は単純な円錐形状。私はシマノのクランクしか使っていませんが、スラムやカンパのクランクでも問題なくフィットしそうです。


左クランクキャップの窪みに、RL-258をセットします。GE-110にはシマノのパワーメーターを付けているんですが、このクランクのキャップは少し特殊な形状です。ただ、カバーを外せば、問題なくRL258をセットすることが出来ました。
サドル高の計測


RL258の先端にメジャーの先端を引っ掛け、RL257の突起までの高さを測ります。これまで不確かだった、「クランク中心」「サドルの座面の高さ」「計測すべき前後位置」が全て一意に定まるわけです。

なお、サドル側のRL257は、サドルに対して水平になる位置で計測しないと基準点がズレます。左右どちらかに傾かないように注意しましょう。
使い方(サドル~ハンドル距離の測定)
ポジションを出す際には、サドルからハンドルまでの距離も重要な値となります。RL257は、その値の測定にも対応しています。

RL257の上部にはメジャーを引っ掛ける穴が開いており、サドルの幅80mm地点を基準として、ハンドルまでの距離を測定できる仕組み。こちらも基準位置が定まるのが嬉しいですね。ハンドル側の基準位置は相変わらず曖昧なままなのですが、とりあえずステムのフェイスプレートの先端までを計測することにしました。
効果
さっそく、QUARKとGE-110のサドル高を測定して揃えてみることに。


QUARKとGE-110は、全く同じハンドル・サドル・ペダルを使用しており、サドルの前後位置についても、サドル先端から糸に付けた5円玉を垂らしてBB中心からの引き量を正確に合わせています。つまり、このツールで計測可能な「サドル高」「サドル~ハンドル距離」が一致していれば、ポジションは正確に再現できることになります(ハンドル高は除く)。
まずはサドル高。こちらはミリ単位でQUARKとGE-110は一致していました。年末に結構頑張って合わせたのですが、その調整は正しかったようです。
次にサドル~ハンドル距離。こちらはQUARKの方が2mmほど長かったです。ステム長は10mm刻みなので、2mmの前後位置の調整は不可能。現状が調整の限界ということになります。
RL257、RL258を使うことで、「現状はほぼポジションを再現できている」ということが分かりました。
まだ少しGE-110のポジションには違和感があるのですが、あとはサドルとハンドルの「角度」かもしれません。こちらはこのツールでは調整できないので、そこは別の手段で追々調整していこうと思っています。
まとめ
RISK「RL257」「RL258」の紹介でした。
2点間を測定したい時、測定場所が一意に定まることがこれほどありがたいことだとは思いませんでした。ショップなどにある大規模な測定装置を使えば、これまでもサドル高を正確に計測することは出来ました。しかし、これほどシンプルな道具2つを用意するだけで、家でも再現性の高い計測ができるようになるとは。
仕組みはシンプル、見た目は簡素ですが、目的に対しては必要十分。今後、ポジションを別のフレームに移し替える時などには、これまでよりも精度良く作業を行えそうです。良い買い物でした。
著者情報
年齢: 40歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。