BRIDGESTONE「GREEN DRIVE GD-2」ファーストインプレッション

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2017年に発売したBRIDGESTONEのチェーンルブ「GREEN DRIVE」を(今更)使ってみました。

目次

購入まで

6月中旬頃、行きつけのショップであるサイクルキューブに在庫されていたものを購入しました。

店長と話しているうちにチェーンルブの話になり、「案外それ(GREEN DRIVE)、使った人には評判良いんですよね。売れないんですけど」という話を聞いて、なんとなく興味が湧いて購入してみることに。

私が買った個体も数年前に入荷したもののようです。まぁチェーンルブはフタがしまっていればそうそう劣化しないので大丈夫でしょう。価格も1800円ほどと高くはなかったので、買って試してみることにしました。

BRIDGESTONE「GREEN DRIVE」

BRIDGESTONE「GREEN DRIVE」のファーストインプレッションです。

6月中旬から約1ヶ月半、500km程度使用しています。今のところは晴天時の走行のみで、雨天走行でのテストは出来ていません。

パッケージ

よくあるプラ製容器ですが、柔らかめの容器です。買ったときから凹んでいました。

裏面の注意書き。「固体潤滑剤が底に沈みますので、良く振ってからお使いください」とのこと。

気になる分類は、「第四類第3石油類」。

この分類であれば、引火点から見て飛行機への持ち込みには問題なさそう。飛行機輪行の際も持っていけるはずですが、その際にはメーカーにSDSを請求して印刷する必要はあります。

追記(2025/8/19)

ブリヂストンサイクルにSDSを請求したのですが、発行を拒否されました。「一般消費者向けに販売されている製品に関しては消費者へのSDS提供義務はない」とのことです。

残念ながら本製品は飛行機での遠征には持ち込めないと考えたほうが良さそうです。

シリーズ

「GREEN DRIVE」というのはシリーズ名のようで、このチェーンルブの正式名称は「GREEN DRIVE GD-2 High Performance Chain Lube」だそうです。

GREEN DRIVEシリーズには、他に以下のケミカルがあります。

ウォーターレスクリーナーの「GD-MC1」。ワコーズで言うところの「フォーミングマルチクリーナー」。

フレームコーティング剤の「GD-FC1」。

いずれも、地球環境や機材の保護に配慮したケミカルとして設計されているようです。

特性

GD-2はよくあるウェットルブだと思っていたのですが、実は色々とこだわって作られているようです。

こちらの記事に書いてある特徴を要約すると、以下の通り。

  • 高性能合成オイル(エステル系/水置換性&浸透性あり)をベースとしており高い潤滑効果を持つ
  • 「フラーレン+ポーラスシリカ」という2種類の固体潤滑剤を配合
  • 厚い油膜を金属面に形成・吸着して雨天でも剥がれにくい
  • 生分解性ベースオイル&揮発性溶剤不使用で、環境や人体にやさしい処方

中でも面白いのは「固体潤滑剤を配合」という点。固体潤滑剤を使ったチェーンルブと言えば「GOKISO」が有名ですが、実はこのGD-2も固体潤滑剤を使っているとのこと。

BRIDGESTONEの特設サイトでは以下のように解説されています。

サッカーボール状のナノ物質「フラーレン」がベアリングのような働きで優れた潤滑性を発揮。
さらに、油膜が薄くなった時の境界潤滑でも、2つの固体潤滑剤の「フラーレン」、「ポーラスシリカ」が流体潤滑に近い状態を作り上げ、最適な潤滑性の維持に貢献します。

(中略)

その厚い油膜は200キロにおよぶレースやロングライド、雨天を含む走行など、どんな環境変化を受けても油膜を維持し、優れた潤滑性が持続します。

200kmと具体的な距離が示されていますが、これは「雨天下の200kmでも行けるぞ」と書いてあるように読めます。となれば、ドライ条件ではもっと持つはずです。これはブルベにも良さそう。

特徴がパッケージにも書かれています。

施工

普通のウェットルブなので、綺麗に拭いたチェーンに塗布するだけ。

ただし、注意書きにあるように「良く振ってから」塗布する必要があります。固体潤滑剤を撹拌するためですね。

面倒な手順なく重ね塗りできるのは有り難い。

実走

実走の感想です。

「めちゃくちゃ漕ぎ出しが軽い」という感じではないですが、足当たりはクッション性があり、スムーズ。感触的には、ワコーズ「チェーンルブリキッド パワー」に良く似ています。

駆動音も静かになり、好みの性質のウェットルブでした。

持続距離

現在まで500kmほど使っていますが、油膜切れの感触や音はありません。

使用後の状態がこちら。ウェットルブなので相応に黒くはなります。

チェーンのリンク部を触ってみると、まだ油膜が残っています。あと200kmくらいは行けそうにも見えますが、果たして。

全然雨が降る日がなく、ウェット条件のテストは出来ていませんが、確かにこれなら「雨でも200km」は持ちそうです。なかなか雨で200kmしっかり潤滑するチェーンルブって無いのですが。

まとめ

なんとなく買ってみたチェーンルブなのですが、意外にもかなり良かったです。レビュー記事なども全然見かけないのですが、もっと使われても良いチェーンルブ。

しかしこのチェーンルブ、パッケージと名前でかなり損している気がしますね……。私が最初にこのパッケージを見て最初に受けた印象は、以下でした。

「環境に優しいチェーンルブです!
(性能がその分だけ犠牲になっています)」

使ってみると別にそんなことはありませんでした。ただ、パッケージに草を生やしてまで環境への配慮を押し出されると、他の性能がイマイチなんじゃないかと思えてくるのも事実。エコを謳ってるものって大抵代償が性能に現れますからね。もっと性能だけをアピールしたパッケージにしたほうが良かったんじゃないかと思います。


今年の後半のブルベは、ライド中の携行分も含めてこれで行こうと思っています。しばらく使い込んで詳しくレビューします。

追記(2025/8/19)

ブリヂストンサイクル宛にSDSを請求しましたが、「一般消費者にはSDS提供の義務はない」との回答をいただきました。

空港の保安検査で指摘を受けた場合、SDSが無いチェーンオイルはその場で没収されることが普通。残念ながらこのチェーンオイルを持っての飛行機遠征はできないと考えたほうが良さそうです。

9月の北海道遠征にはこのチェーンオイルを持参する予定でしたが、これでは駄目ですね。他のものにしようと思います。

著者情報

年齢: 40歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。
# これまでに著者が乗ってきたスポーツ自転車の履歴はこちらの記事にまとめています。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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