【アンケート結果】ロードバイク用チューブのブランド&素材

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目次

さて、ここからは「素材」に着目した集計です。

上位はほぼブチルチューブ。唯一、Vittoriaのラテックスだけが10位以内に入りました。ポリウレタンや、TPEのチューブがどうであったかを確認してみます。

素材ごとの集計

素材(ブチル・ラテックス・ポリウレタン・TPE)ごとの票数を集計すると、以下のような結果となりました。

 

順位 素材 票数
1 ブチル 1586票
(85.6%)
2 ラテックス 173票
(9.3%)
3 ポリウレタン 63票
(3.4%)
4 TPE 0票
(0.0%)

圧倒的にブチルが優勢。そして、TPEは0票でした。一時期話題になったFOSSのチューブですが、ほとんど使っている人はいないようで……。

ここからは、こだわりの少数派である「ラテックス」「ポリウレタン」チューブに対する意見を紹介します。

ラテックスチューブに関する意見

ラテックスチューブ。

Vittoriaのラテックスチューブの段で簡単に書きましたが、以下のような特徴があります。

○ 乗り心地が良い
○ 転がり抵抗が小さい
○ パンクしにくい?
× 空気圧が低下しやすい
× リムブレーキのカーボンホイールには使えない
ブチルゴムよりラテックスのほうがしなやかで伸びやすいためか、乗り心地・転がり抵抗に良い影響があるとされています。「よく伸びるので突き刺しパンクにも強い」という言説もありますが、これについては私は使ったことがないので分かりません。
短所としては、空気圧の低下が早いこと。ブチルチューブの場合は1日で0.2気圧前後しか低下しませんが、ラテックスの場合は1~2気圧低下するとされています。桁が一つ違いますね。
また、熱に弱く、リムブレーキのカーボンホイールには使ってはいけないとされています。制動部がチューブから遠いディスクブレーキの場合は問題ありません。

まずは愛用者の声を見ていきます。
ラテックス愛用者の意見

くろみつさん(再掲)

なんかラテックスで満足しているからチューブレスに手を出そうと思わないのよね。

・2年間パンク無し
・カーボンホイール持ってないから熱は気にしない
・1000ブルベのときはエアー継ぎ足した
・毎回ライド前には空気詰めが必須だけど苦にならない
・重ブチルからの変更で明らかに軽く乗り心地が良くなったけど、軽量ブチルとチューブレスは経験なし(´ω`)


sorunekuさん(再掲)

ラテックスの中では実売価格が安く、他のラテックスよりも空気抜けの速さが遅い気がする。振動の角が取れるので日帰りライドには良さそう。


お・かわさん

普段使いのロードにVittoriaのラテックスを使ってますが、週1で空気入れてます。
ラテックスはほんと空気抜けますね。


なおさん

疲労低減により1日あたり18分ぐらいは余計に確保できる計算でおります。

転がり抵抗つまりヒステリシスロス。 路面インピーダンスだ。荒れた路面下ってみたらわかるよ。カンカンの硬いタイヤとしなやかなタイヤどっちが惰性で速いか。


Jimmyさん(再掲)

Vittoriaのラテックスとルビノプロの組み合わせで2年半、3万km 以上パンクしていない。金属の5mmくらいの針がタイヤとチューブに挟まっていた事あり、刺さりにくいのかも。

一晩で1気圧位抜け、CO2ボンベだと半日でペチャンコになるので使っちゃだめです。ブチルより圧倒的に抜けやすい。

 

意外と票数の割には「ラテックス最高!」と絶賛している方は少なく、くろみつさん・なおさんのお二人だけでした。

それでも、あえて使う方はラテックスのしなやかさに由来する、乗り心地や転がり抵抗の低さに惚れ込んでいるようです。ただ、愛用している方も空気抜けの速さは気になっているようで。

 

では、反対に「ラテックスに不満・使うのをやめた」方の意見も紹介しておきます。

ラテックスを使わない方の意見

えすぷさん

ラテックスはキシリで下り終えたところでバーストしてから使ってない。


カズマさん

ラテックスは空気抜けが早すぎるので決戦用チューブラー含めて全部ブチルです。


ぐっしーさん

ラテックスも検討したが空気抜けが激しいとのことでロングには不向きと判断。


すなさとさん

ラテックスは確実に乗り心地は良いのですが、空気抜けが早すぎるのとカーボンホイールで使えない。
→ 結局安定のブチルです。


まっかなザリガニさん

ラテックスはエア抜けが気になるのと交換が少しめんどくさい気がしたのでやはりブチルに落ち着きました。


ばーみんスカルはぁとさん

IRCとスペシャ(両方ブチル)とSOYO(ラテックス)
いまはチューブレスがメインだけど過去に使ってた。

 

「一度使ってみたものの、空気抜けの速さに辟易してブチルに戻った」という人が多かったです。

前回のアンケートではレース派の人からも広く意見をいただけましたが、今回はロングライド派の方がほとんどだったように感じます。ロングライドではそれこそ丸一日走っている人も多いので、1日で1~2気圧抜けてしまうのは無視できませんからね。出先で毎日携帯ポンプを使うのも大変ですし。

また、「ブチルに戻らずチューブレスに行った」という方も見られました。

チューブがしなやかになることによる効果がラテックスの最大のメリットであるわけですが、それならいっそチューブがないほうがより効果的であるはず。タイヤとリムの相性が悪くなければ、チューブレスはブチルチューブ並に空気圧低下は小さいものです。走りの質にこだわる方がチューブレスに移行するのも納得であると言えます。

業界全体としてチューブレスが推されている昨今、ラテックスチューブは少しずつ勢力を減らしているのかもしれません。

 

ポリウレタンチューブに関する意見

ポリウレタンチューブ。

まだまだシェアは3%程度と少ないですが、tubolito・Revoloopを嚆矢として、大手メーカーであるSCHWALBEも参入。

cyclowired
ピレリ P ZERO RACE TUB SL 最新コンパウンドとTPUチューブ採用のプロスペックチューブラータイヤ - 新製品... バイクエクスチェンジとトレック・セガフレードをサポートするピレリ。チューブレスとクリンチャーに採用してきた最新コンパウンドを採用したプロスペックのチューブラータ...

さらに、PIRELLIは、ポリウレタンチューブを内蔵したチューブラータイヤを出すと先日発表がありました。

今ホットなポリウレタンチューブの特徴は以下です。

○ とても軽い
○ パンクしにくい?
△ リムブレーキのカーボンホイールには使えないものもある
× バルブが樹脂製で不具合が多い
× 一度膨らんだら縮まない
× 高価
材料である熱可塑性ポリウレタンは、ブチルゴムに比べると薄く作ることが出来ます。
ブチルの場合、50g台のもっとも軽量なチューブでも厚さは0.45mmが下限です。これに対し、ポリウレタンチューブはノーマルモデルで0.3mm、軽量モデルは0.15mmと信じがたい薄さ。ただ、これだけ薄いと熱には弱くなるようで、リムブレーキのカーボンリムに使うことを推奨されていない製品も多いです。
ここまで薄くても空気圧低下は小さく、私が使った限りではブチルチューブとさほど変わりません。1日で0.2~0.3気圧落ちる程度。
短所としては、バルブ周りの弱さ。他のチューブは金属バルブですが、ポリウレタンチューブはすべからく樹脂バルブです。樹脂であることに起因するトラブルは結構多く耳にします。現行のポリウレタンチューブはどれも樹脂バルブなのですが、これが「軽くするために樹脂バルブを使っている」のか、「構造上、樹脂バルブしか使えない」のか、理由は不明。
また、ポリウレタンチューブはゴムと違って、一度膨らむとほとんど縮むことがありません。一応パンク修理はパッチで行うことが可能ですが、その後でタイヤに戻すのがかなり大変です。チューブが伸び切ってしまって、その部分が組み付けの際にタイヤとリムの間に挟まってパンク……なんてこともありえます。
値段は、実売で3-4000円程度。ブチルチューブは高くても1500円、ラテックスチューブでも2000円と考えると、倍近い値段で躊躇する人も多いようです。

まずは愛用者の声を見ていきます。
ポリウレタンチューブ愛用者の意見

ぐっしーさん

Revoloop (ポリウレタン)を使用。
軽量ブチルを使っていけどチューブによって、走行性能が変わるという情報から軽量ポリへ。
0時から走って夜に気圧計で計測後、0.2bar減ったくらいなので優秀。なお値段は高いかな。


shinohiさん

最近はtubolitoメインですね。スペアとして携行するにも軽くて省スペースなのは利点だと思います。


ワカオさん

tubolitoはヒルクライム決戦のみパナレーサーGILLARと組み合わせて使用。


りゅうてんさん

WolfPackは約25gと軽く、ブチルと比べると前後で約100gの軽量化!(しかもリム周り)
ホイールのグレードを1つ上げるくらい踏み出しが軽くなります(*´ω`*)


紙の男さん

レボループ→新フレーム/ホイール導入時に軽量化の為に。


きくちさん

レボループ 乗り心地は堅いけど登坂楽、平坦でも出足軽い。

 

やはり軽量性を理由に挙げる方が多いですね。GillarやSupersonic等の軽いタイヤと合わせれば、200g以下の組み合わせを作ることも容易にできる軽量性は、ヒルクライム好きには無視できない要素だと思います。

また、「収納サイズが小さい」のも良いところ。薄いので当然折りたたんだ際のサイズも小さく、予備チューブとしての携行性能は高いと言えます。

 

では、反対に「ポリウレタンチューブに不満・使うのをやめた」方の意見も紹介しておきます。

ポリウレタンチューブを使わない方の意見

マジノさん

今後はポリウレタンを使ってみたいが値段がネック。


マカロンさん

TPUチューブでTubolitoを3回使ったけれど、いずれもバルブ・継ぎ目部分からのエア漏れでスローパンクしたためリピートはやめた。
流石にこんだけ続いたら運悪く不良品に当たっただけとも考えられないので。


ティキットさん

ポリウレタンは価格とトラブルが多いイメージが懸念的。試したいが怖い。

 

ラテックスに比べると、「興味はあるが、不安」という方(=まだ使ったことがない)が多かったです。

私自身は、tubolitoとRevoloopを使用。tubolitoはリムブレーキで、Revoloopはディスクブレーキで使用しています。

tubolitoは500km程度でパンクしてしまい、修理はしたもののタイヤに戻せずにその後は使っていません。Revoloopは1500kmほど使用してノートラブル。バルブ周りの作りも堅牢なようで、他のユーザーからもあまり悪い話は聞きませんね。

シュワルベのリリースしたポリウレタンチューブ「AEROTHAN」は日本では取り扱いがありませんが、ギークな方が使用した感想を書いてくれています。

ブチルチューブの場合は金型で整形するため、継ぎ目をなくすことが可能です。これに対して、ポリウレタンチューブは金型を使った成形ができず、輪っかの状態にするために継ぎ目が生じます。この継ぎ目が熱に弱いのではないか?というご指摘ですね。

まだまだ使用者が少ないポリウレタンチューブですが、軽さに起因する漕ぎ出しの軽快感は他に代えがたいものがあります。今ひとつチューブレスが信頼できない人(私もその一人)には向くでしょう。

個人的には、ノーマル厚のRevoloopがトラブルが少なく好印象です。

 

世界初のポリウレタンチューブ

余談ではありますが、「元祖ポリウレタンチューブ」を出していたのは、実はパナレーサーです。

こちらの写真は、1987年のカタログ。パナレーサー「TX-α」というのが初代のポリウレタンチューブ。

こちらのサイトに、1986年に本製品がリリースされた時のパンフレットが残っています。「世界初のポリウレタンチューブ」だそうです。今流行りのポリウレタンチューブが30年も前に日本で開発されていたとは驚きですね。

なお、TX-αのバルブは金属バルブです。樹脂バルブではありません。となると、やはり現在のポリウレタンチューブのバルブが樹脂なのは、軽量性のためなのですかね? もっとも、当時と現在では分かっていることも違うでしょうし、現在ならではの技術的理由があるのかもしれませんが。

 

次ページ: 結果全体&まとめ

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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