GE-110のハンドル交換&1年点検

この記事は約 10分で読めます。

思う所あって、GE-110のハンドル周りを組み替えました。また、そろそろ納車から1年(正確には10ヶ月)ということで、組み替えついでに点検をしてもらいました。

極めて個人的な組み換えの記録ですが、色々と発見があったので記事化して残しておきます。

目次

ハンドル交換の動機

今年参加したブルベは全てGE-110で走りました。その結果、ハンドル周りに不満が出てきたので組み換えを決意しました。

ハンドル幅42cmは広すぎた

C-C 42cmのERNOVA TEAM

今年1月にGE-110が納車されてから先日までは、3T「ERNOVA TEAM」のC-C42cmのモデルを使っていました。私は普段のハンドル幅はC-C40cmなのですが、今回は実験的に2cm広い幅のハンドルを付けてみたのです。

42cm幅を選んだ理由

理由は、昨年PBP前後から悩んでいた指先のしびれ。

指先のしびれと言うと、「手のひらや手首の圧迫が原因」と思われる人が多いでしょう。しかし、原因となる部位はそこだけではありません。首が原因だったり、肘が原因のこともあります。

私の場合は「鎖骨の下の神経の圧迫」によって痺れが生じていました。整形外科の先生によれば、ロードバイクの肩をすぼめるポジションが良くないとのことでした。

ならば「少し広い幅のハンドルにすれば、肩のすぼめ具合も小さくなって手のしびれが改善されるのでは?」と思っての変更だったのですが……正直、40cm幅のQUARKに乗っても42cm幅のGE-110に乗っても、手のしびれ具合は変わらず。

その後、整形外科のリハビリで理学療法士さんからストレッチのやり方を学び、ライド姿勢に関するアドバイスを頂いたことで現在は痺れは解消されています。そんなわけで、42cm幅のハンドルにこだわる理由も無くなりました。

ハンドルの振りが重い気がする

GE-110が納車されてから、ずっと気になっていたことがありました。

それは、「立ちこぎで自転車を左右に振った時に上手くリズムが取れない」感じがあること。何と言うか、「ハンドルを左に振って次に右に振ろうとする時に抵抗を感じる」というか。特に斜度のあるヒルクライムで立ちこぎをする時に上手くリズムが取れずにストレスを感じていました。少なくとも、GE-110納車前の試乗ではこういう感覚は全く無かったはずです。

WH-R8170のテンションを見てもらうも……

最初は「前輪のスポークテンションが緩いのかな?」と思ってショップでチェックしてもらいましたが、特にスポークテンションは問題なし。

-12°のROVAL「ALPINIST STEM」

次に、「じゃあステムが柔らかいのか?」と思ってステムを交換してみるも、これはあまり印象が変わらず。

……となると、残る可能性は「ハンドル幅」でしょうか?

短い棒を振り回す場合と、長い棒を振り回す場合では、長い棒を振り回すほうが力は要る気がします。腕が動く距離も、ハンドル幅が大きい方が少しは多くなるはず。

幸い、我が家には以前使っていたERGONOVA(ERNOVAの改名前のモデル、形状は一緒)の40cmハンドルがあります。これまでより幅が2cm縮んだハンドルを入れてみて、感触の変化を確かめてみることにしました。

ERGONのバーテープ下パッドが微妙

もう一つ、ハンドル周りで不満に感じていたのが、バーテープ下に巻く衝撃吸収用パッドです。

私の手のひらの痺れは鎖骨下の神経由来でしたが、一応手のひら・手首の神経も痛めないようにこうしたパッドをバーテープ下に入れています。

他製品に比べて、「巻いた時にあまり太くならない」という点に着目してERGON「BT オルソセル」を導入してみたのですが、体重をかけた時に底突きする感覚がありました。確かに太くはならないのですが、衝撃吸収能力という点では今ひとつかな、と。

私はQUARKにも同じく3T「ERGONOVA(40cm)」ハンドルを使っており、そちらにはFizik「BAR GEL」を入れています。こちらはかなり厚みと弾力があり、底突き感がありません。

ERGON「BT オルソセル」に少し不足を感じていたのも確かなので、この機会にGE-110にもFizik「BAR GEL」を導入することにしました。

腰の痛み

今年参加した400kmブルベ600kmブルベでは、いずれも途中で腰が痛くなってブルベ中にポジション変更を余儀なくされています

確かに今年は乗り込み量が少なく、姿勢を支える筋肉も不足している感はあります。それにしても100kmそこそこで腰痛が出るのは早すぎる。何かポジションに問題があるのではないかと考えていました。

「腰が痛くなる=ハンドルとサドルの落差が大きすぎる」ということ。出先でハンドルを下げるのは難しかったので、仕方なくサドルを5mm近く下げました。ちょっと膝が詰まる感じ(=ペダルに対してサドルが低すぎる)はありましたが、腰痛に関しては出なくなり、2つのブルベを最後まで走ることが出来ました。

しかし、GE-110はQUARKのポジションをそっくりそのまま再現しており、クランク軸-サドル-レバーの位置関係はミリ単位で一致させたはずです。つまり、ハンドルとサドルの落差はGE-110とQUARKで共通。QUARKでは1200km走っても腰痛が出ることがないのに、なぜ腰痛が出たのか?

QUARKの上ハンドル部分の厚み

何となく上ハンドル部分の厚みを測ってみて驚きました。QUARKの方が、GE-110に比べて6mmも厚かったのです。

前述の通り、QUARKとGE-110は同じハンドルを採用しており、バーテープも同じものを使っています。違いは「バーテープの下のパッド」のみ。それでこんなに差が出るものなのか。

私はブルベでは上ハンドルのポジションでいる時間が長めです。郊外では信号前後でしかブラケットを握っておらず、8割以上の時間は上ハンドルに手を乗せています。ハンドルの高さ自体はGE-110とQUARKで一致しているので、「GE-110の上ハンドルはQUARKよりも6mm低い」ということになります。1-2mmなら吸収できる範囲だと思いますが、さすがに6mmも違うと腰痛が出るのも納得です。

もしかしたら使い始めた当初のERGON「BT オルソセル」はもう少し厚みがあったのかもしれません。ただ、バーテープの圧力に負けて薄くなってしまった可能性があります。GE-110の納車2ヶ月以内に参加した200km/300kmブルベでは腰痛は出ていなかったのはこれが理由ではないかと考えています。

一方、シリコン製のFizik「BAR GEL」は長いこと使っても薄くなることはありませんでした。QUARKのBAR GELは2018年に入れたものですが、6年経った今も弾力を保っています。

「ステム下にスペーサーを6mm入れてハンドルを上げる」案も考えましたが、そうすると今度はブラケットの位置が高くなりすぎます。ブラケットと上ハンドルの位置の両方を最適な状態にするためには、QUARKと同じくFizik「BAR GEL」を使うしか方法がありませんでした。

組み換え内容

組み換え作業はサイクルキューブさんにお願いしました。依頼内容は以下の通り。

  • ハンドル交換(42→40cm)
  • バーテープ下パッド交換(BT オルソセル→BAR GEL)
  • ブレーキ・シフトのインナーケーブル交換(日泉)
  • ブラケットカバー交換(純正→FAR&NEAR)
  • ハブのグリスアップ
  • その他、全体的な簡易点検

基本はハンドル周りの組み換え作業でしたが、せっかくなので気になっていたリヤハブのグリスアップと、全体的な簡易点検もお願いしました。

ハンドル交換

42→40cmハンドルに交換。形状は全く一緒で、幅だけが狭くなっています。

42cmハンドルは真っ黒のマットカラー、40cmハンドルは赤と白の入ったグロスカラー。ちょっとだけハンドルから見える風景が変わりました。

レバーを握ってみると、「これこれ!」という感じ。しっくり来る。やはり私には40cm幅が合っているようです。

バーテープ下パッド交換

ERGON「BT オルソセル」から、Fizik「BAR GEL」に交換しました。

パッドセットには下ハンドル用のパッドも付属していますが、私は上ハンドル部分のみ使っています。

やっぱり、BTオルソセルを入れていた時に比べると少し太くなってますね。厚みも計測してみましたが、QUARKと一致していました。

余った下ハンドル用のパッド。これだけで40gあります。上ハンドル用は多分80gくらいあるはず。大体バーテープ1台分が80gなのでパッド無しの場合に比べて倍の重さになってしまいますが、ブルベではそれだけの価値はあると見ての導入です。

ブレーキ・シフトのインナーケーブル交換

納車から10ヶ月で5000km程度乗っていたので、インナーケーブルを交換しておきます。

ブレーキケーブルはまだ利用可能なはずですが、今回はハンドル交換時にインナーケーブルを抜く必要があるので再利用が難しいことから、セットで交換することにしました。

created by Rinker
ニッセンケーブルカブシキガイシャ(Nissen Cable Co.,Ltd)
¥2,490 (2024/12/05 10:25:58時点 Amazon調べ-詳細)

私はブレーキ用もシフト用も、日泉ケーブルのSP31を使っています。これが一番引きが軽い気がするので。

ブラケットカバー交換

今、GE-110に付けているレバー(ST-9001)は、INFINITO CVの頃から使っているものです。2台合計で10000kmは使っているので、さすがにブラケットカバーが傷んできていました。

……が、しかし。なんとシマノが昨年、ST-9001用の純正ブラケットカバーを廃版にしてしまいました。まだまだレバーは使えるのに、ブラケットカバーが手に入らない。おのれシマノ。

仕方ないので、サードパーティーによる互換ブラケットカバーを付けることにしました。FAR&NEARというブランドのものです。一応、あと2個ストックしていますが、いつまで持つことやら。

こちらがFAR&NEARのブラケットカバー。かなり黒いです。純正も黒ですが、グレー寄りの黒だったので、結構ハンドル周りの印象が変わりますね。握り心地は、可もなく不可もなくといったところです。

ハブのグリスアップ

WH-R8170の後輪をEQUALハブで組み替えてそろそろ一年。その間、特にメンテもせずに雨の中も走っていたので、グリスアップも必要だろうと思い、依頼しました。

ただ、「まだまだグリスは残っていた」とのこと。一応、再グリスアップはしてもらいました。

これくらいメンテ間隔が開いても性能を維持できるハブは良いですね。スターラチェット系のハブだとそうも行かないので……。

全体的な簡易点検

GE-110の納車からそろそろ1年(正確には10ヶ月)。この機会に他の不具合が起きていないかも確認してもらうことにしました。

結果、特に問題なし。良かったです。

しかし、納車から1年近く経つ&飛行機輪行もしているのに、随分フレームが綺麗なままです。納車前に「ガラスの鎧」の施工をお願いしたのですが、こんなに効果が持つとは思っていませんでした。拭き取るだけで汚れも取れますし、これは今後も行いたいコーティングです。

実走確認

さて、実際に走ってみての確認です。

ハンドルの振りの重さ

「立ちこぎで自転車を左右に振った時に上手くリズムが取れない」件ですが、これは今回のハンドル交換で随分解消されました。

ハンドル重量的にはパッドの分だけ50gほど重くなっているはずですが、左右に振りやすくなりました。立ちこぎでもリズムが取りやすい。

あまりにも感触が違うので、サイクルキューブさんに「前輪のテンションって上げました?」と聞いてみましたが、「上げてません」とのお答え。つまり、差分はハンドル幅のみです。

そう感じられたのが、「重量物(STI)の位置が回転中心に近づいたから」なのか「長い棒を短い棒に持ち替えたから」なのかは良く分かりません。ただ、感触の差は明らかにあり、私には40cmのハンドルが合っているようです。

たった2cmの幅の差で結構な感触の差が出るものだなー、と驚きました。

腰の痛み

これについてはまだ長距離を走っていないので分かりませんが、上ハンドルのポジションはQUARKと寸分違わず揃えることが出来ました。6mmの違いはデカい……。サドルも、下げていた5mmを元に戻しました。

そして、やはりFizik「BAR GEL」は強く押しても底突き感が無くて良いですね。ロードハンドルとしては邪道でしょうが、ブルベくらいの長距離になるとこういったものが必要になると考えています。

まとめ

GE-110で約一年ブルベを走り、その中で感じた問題点を解消すべく行ったパーツ組み換えでした。なかなか満足の行く結果となりました。

ハンドル幅の影響がここまであることに気づけたのは今回の収穫でした。更に38cm幅まで縮めたらどうなるのか……というのは気になる点ではありますが、それはさすがに手のしびれが再発しそうなのでやめておきます。

細かい調整をしてまた来年のブルベに備えたいと思います。今度こそは腰痛が出ないと良いのですが。

著者情報

年齢: 40歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

記事のシェアはこちらから
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

目次