【レビュー】ERGON「BT OrthoCell Pad Set」

この記事は約 4分で読めます。

評価:3.5

Ergonのバーテープの下に入れる衝撃吸収用パッド。

目次

購入動機

ブルベを走るにあたって、指のしびれを少しでも防ぐためにこうした振動を減らすパッドを入れ始めました。

実際には指のしびれは振動によるものだけではなく鎖骨による神経の圧迫などがあり、パッドを入れるだけですべての痺れが解決するわけではありません。

ただ、しびれの原因の1つを減らすというのは意味があることだと思っているので入れています。

バーテープの下に入れる製品たち

この手の「バーテープの下に入れて衝撃吸収する」製品は既存の製品がいくつかあります。

有名な所では、Fizik「BAR GEL」。

私も愛用しており、ブルベ用のクロモリロードに入れています。かなり効果があると感じます。

created by Rinker
ギザプロダクツ(GIZA PRODUCTS)
¥1,295 (2025/03/18 18:50:11時点 Amazon調べ-詳細)

似たようなもので昔からあるのが、ギザ「ゲルパッド」。こちらは使ったことがありません。

INFINITO用のパッドを探す

2022年頃、INFINITO CVのブレーキを組み替えた際にCADEXのハンドルを導入しました。

このハンドル、非常に軽い上に剛性もあったのですが、カーボンにしては突き上げがキツかったのです。

Fizik「BAR GEL」に特に不満はなかったのですが、せっかくなら別のものを試してみようと思い、違う製品を探してみることにしました。

そこで導入してみたのがCYCLOVATION「XTRA CUSH」でした。

これは「バーテープの下に巻く薄いバーテープ」的な製品なのですが……導入してみたら、バーテープの握りがものすごく太くなってしまいました

先述のFizik「BAR GEL」はハンドルの上面のみに乗せる製品でしたが、「XTRA CUSH」はバーテープと同様にハンドルに巻く製品です。つまり、ハンドルの上面も下面も側面も太くなるわけですね。

衝撃の吸収に大事なのはハンドルの上面と側面くらいまでで、下面は全く関係ありません。なぜ買う前に気づかなかったのか……。

BT OrthoCellの存在を知る

そんなある日、サイスポを読んでいたら新製品欄にErgon「BT OrthoCell」の情報が掲載されていました。

Fizik「BAR GEL」と形状はあまり変わりませんが、随分軽そうな素材で出来ています。BAR GELは性能的には良かったですが、上ハンドルに付ける分だけで50g程度とそれなりの重さがありました。

ハンドルが重くなると自転車の操作感に影響があります。特にディスクロードの場合はハンドル周りを少しでも軽くしたい。

ということで、BT Orthocellを買ってみたのでした。

製品概要

実測重量は21g(上ハンドル用・下ハンドル用合計)。

上ハンドル用と下ハンドル用のセット。

素材は、オルソセル ハイエンド フォーム。厚さは2.5mmです。

使用感

最初はINFINITO CVに、同じ個体をGE-110に引き継いで使用しています。これを取り付けた状態で、4本のブルベ(300km×2本、200km×2本)

使用しているのは上ハンドル部分のみで、下ハンドル部分は使用していません。

質感・厚み

素材は「オルソセル ハイエンド フォーム」とされていますが、シリコンに似た触り心地です。ただ、シリコンよりは密度感がなく、軽いです。

厚みはこのくらい。公称2.5mmです。Fizik「BAR GEL」は3mm程度なので少し薄め。

重量

公称重量は50gとなっていますが、そこまで重くはありません。

上ハンドル用が12g、下ハンドル用が9gです。

Fizik「BAR GEL」が上ハンドル用だけで50gだったことを考えると、1/4の軽さということになります。

取り付け

このようにバーテープの下に入れて巻いていきます。ブラケットポジションから、上ハンドルを握るポジションまでをカバー可能。

握り心地

上ハンドル側は少し厚くなりますが、握りはそれほど太くなりません。自然な範囲です。

ただ、バーテープに体重を掛けると若干底付きする感覚はあります。BAR GELは底付きをしないので、そこが厚みと密度感の差でしょうか。

参考までに、Fizik「Bar GEL」の方がハンドル上側が6mmほど高くなります。

効果

このパーツを使っての走行は最長で300kmまで。

特にこの手のアイテムを使わなくても、この距離ではあまりしびれが出ることもないのですが、手のひらに伝わる衝撃は緩和された感触はありました。

ただ、前述の通り体重をかけると底付きする感覚はあり、衝撃吸収効果で言えばFizik「BAR GEL」のほうが上だと思います。

その他

INFINITO CVで3000kmほど使いましたが、これといった損傷はなし。耐久性はありそうです。

価格は定価5200円+税。BAR GELが2500円くらいなので、かなり高価ではあります。

まとめ

BAR GELに比べると軽量ですが、衝撃吸収効果も少し下がる印象。

厚みもそれほどないので、「あと少しだけハンドルの突き上げを減らしたい」という用途に向きそうです。

逆に、「突き上げを出来るだけ減らしたい」ならばFizik「BAR GEL」をオススメします。ちょっと重さはありますが、その密度感が高い衝撃吸収性能を生んでいるのでしょう。

評価

対象モデル:  ERGON「BT OrthoCell Pad Set」
年式: 2022年
定価: 5720円
購入価格: 4053円
公称重量: 50g
実測重量: 21g

価格への満足度

4/10

再利用は可能だが、ちょっと高すぎる。

総合評価

7/10

軽く厚みもそれほどでもないが、効果はある。若干底付きあり。

著者情報

年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

記事のシェアはこちらから
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

目次