【レビュー】ELITE「FLY TEX 950ml」

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評価:4.5

ELITEのドリンクボトル。市場にある中では最大級の容量(950ml)を誇ります。

目次

購入動機

2023年のPBP用ボトルとして購入しました。

水分の入手が難しいPBP

PBPでは約80kmごとに主催者が用意したチェックポイント(PC)が置かれ、そこでは食料や飲み物を入手することが可能です。

一方で、その80km区間の大半は無人の荒野を走ることになります。自動販売機などはもちろんありません。途中に点在する街にも商店があるとは限りません。

信号もないので、大体80kmを走るのに必要な時間は4時間。4時間を乗り切るだけの飲み物を持って走行する必要があります

実際には、地元の方が好意で出してくれる「私設エイド」と呼ばれるものが存在し、そこで飲み物を入手することは可能です。ただ、これもコンスタントに存在するわけではありませんし、特に夜間は私設エイドを出す人も少なくなります。

そうなると、運悪く私設エイドに出会えなかった場合でも足りるだけの飲み物を自ら持参する必要があるわけです。

大容量のボトルを持つ

そこで登場するのが、今回レビューするような「大容量のドリンクボトル」です。

「ダブルボトルにすれば良いのでは?」と思われるかもしれませんが、私はシートチューブ側にツール缶を入れることが多いので、ダウンチューブ側のボトル1本でなんとかしなければならない事情がありました。

通常の自転車用ドリンクボトルの容量は小さいサイズで620ml、大きなサイズで710mlであることが多いものです。その点、今回取り上げるボトルは容量950ml。大きいサイズよりも+240ml入ります。

PBPが開催されるフランスは夏でも28℃くらいまでしか行かないことが多く、1時間あたり250mlくらい飲めれば何とか足りることが過去の経験から分かっていました。

250ml×4時間=1000mlということで、何とか950mlボトルが1本あればチェックポイント間は乗り切れそうです。

FLY TEX 950mlを購入

過去2回のPBPは以下のボトルを使っていました。

しかし、度重なる使用でこちらのボトルもかなりボロボロになっていました。買い直そうとするも、どうやら国内代理店はこのボトルを輸入しなくなってしまったようです。本国のラインナップには残っているんですが。

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そこで目をつけたのが、ELITE「FLY TEX 950ml」。2023年1月に発売されたばかりの新製品です。

これまで使っていたZefal「MAGNUM」の1000mlよりは50ml少なくなっていますが、MAGNUMボトルも中身の容量を実際に計測(計量カップで水を入れて確認)と950mlしか入りませんでした。つまり、容量は同等です。

重量も、MAGNUMよりも30g軽い80g。これだけ軽いとボトルが柔らかすぎないか少し不安でしたが、購入してみることにしました。

製品概要

実測重量は69g。ポリプロピレン製。実測容量は950mlで公称通りでした。

カラーは、ブラック・クリアの2色展開。

食洗機は使用可能とされていますが、温度上限が40℃なので注意が必要です。

保冷機構は備わっていません。

使用感

2023年のPBPで使用しました。比較対象は、Zefal「MAGNUM」です。

容量

計量カップで水を入れて実測した所、容量は950mlでした。

重量

公称81gで、実測69gと軽量です。

左がMAGNUMボトル

乗り換え前のMAGNUMが110gだったので、41gの軽量化となりました。この容量で69gは相当軽いと思います。

握りやすさ

本製品の兄弟モデルである「FLY」ボトルもかつて使っていました。

このボトルは非常に柔らかく、ボトルケージに差していると凹んだままの形になってしまうほど。

非TEXのFLYボトル

段差で抜けかけたことも多く、正直良いボトルとは思えませんでした。

FLY TEXボトルの表面

FLY TEXボトルは、無印FLYボトルよりも多少硬くなっている印象。

製品説明では明言されていませんが、こちらのヘアライン加工のようなものが「TEX」を指しているものと思われます。この加工が滑り止めの役目も果たしているようで、ボトルケージ内での安定性も向上しました。

PBPの走行中も脱落はなし。

バルブ

バルブは無印FLYボトルと同じ。流量が多く、やわらかめなボトルと相まって、少し握るだけで大量の水が飲めます。

PBPでの運用

「950mlのボトルがあれば足りる」と思ってフランスに行ったわけですが……フランスはまさかの猛暑でした

スタート前日になっても暑さが収まる様子はなし。これでは1時間あたり250mlでは足りないことは明白。

2023年PBPの装備

仕方ないので、現地のサイクルショップで容量620mlのドリンクボトルを追加購入。シートチューブに入れていたツール缶の中身はジップロックに移し替えてバックポケットに入れることにしました。

結局、PBP期間中の4日間は毎日30℃以上まで上昇。ほぼ快晴の天候が続き、昼間の走行は950+620=1570mlでも水分は足りず。道中は私設エイドのお世話になりました。

また、ブラックカラーを持っていってしまったので、日光でボトル内の水はお湯になっていました。次に買うならクリアカラーを買います。

それでも大容量ボトルは非常に役立ちました。掛け水をするにも水の入れ物は必要ですからね。

関連製品

本製品に、飲み口カバーの付いた「FLY TEX MTB」もあります。カバー以外はFLY TEXと同じものです。

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まとめ

軽量で大容量なボトル。無補給区間が長く続くライドのためになるべく水分を多く持ち歩く用途に向くと思います。保温機能はないので、真夏の使用には向きません。

直射日光の条件下では熱くなるので、クリアカラーのほうが良さそうです。ホワイトカラーがバリエーションにはありませんが、次に出すなら出して欲しいカラーではあります。

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評価

対象モデル:  ELITE「FLY TEX 950ml」
年式: 2023年
定価: 1600円
購入価格: 1600円
公称重量: 81g
実測重量: 69g

価格への満足度

8/10

特別な機能はないが、安価。

総合評価

9/10

軽量・大容量なボトル。無補給区間の多いライドに向く。

著者情報

年齢: 40歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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