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BRM920 霧立400 走行編③ PC2:秩父別~通過2:霧立亭(187km)

本ブルベのメインイベントである「霧立亭」までの区間です。しかし、雲行きは既に怪しさを増していました。
PC2:秩父別~通過2:霧立亭(187km)
順調にPC2まで到着しました。
PC2、到着
11:34、PC2:セイコーマート秩父別店(122km地点)に到着。
前のPCでは昨年比2分遅れでしたが、PC2では23分先行。この区間で昨年の自分を30分ほど巻いたことになります。これは「今年は頑張った」というより「昨年は随分苦しんだ」という方が正しいはず。昨年はサドル高の調整を複数回行い、芝生でストレッチを数回。そこで30分近いロスが発生していたということでしょう。

セコマといえば100円パスタ。今は159円ですが、それでも十分安くて美味い。65km先で蕎麦を食べることは決定しているので、そこでちょうど空腹になる程度の補給を取りました。野菜ジュースも摂取して、栄養バランスも考慮。
巡回に来ていたヤリキレナイ皮さん・スペースパンダ虫さんと少し会話をして出発。
宗谷岬600 リバース区間
昨年同様、ここから先は宗谷岬600のリバース区間です。
PC2を出てからしばらくは上りが続きますが、この区間で再びラナさんに追いつきました。坂で追いつくのは以外でしたが、ちょっと調子を落としていたようで。同じエリアにT.Kさんもいたのでしばしパックで走行。ラナさんは会話をしているうちに復活したようで、離れていく背中を見送りました。

一面の蕎麦畑の中を走る区間。地面を横切る「低温ひび割れ」が出てきました。この辺りは日本最低気温を記録したほど冷え込む場所で、アスファルトが縮み上がって段差が生じます。これの対策として今回はラテックスチューブを投入しました。
結果は正解で、かなり衝撃を和らげてくれました。空気抜けが早いラテックスチューブですが、路面の悪い場所を走るのであれば未だに良い選択肢なのだなと実感。電動ポンプとセットになることで、今再び輝きを取り戻すプロダクトかもしれません。
幌加内町の中心地で休憩
166km地点、幌加内町の中心地を通過。
「幌加内交流プラザ」なる施設があり、そこでいったんトイレ休憩を取りました。ここにも「幌加内そば 雪月花」という有名な店があるのですが、霧立亭まで蕎麦を食べることは出来ません。いい香りに後ろ髪を引かれつつも、さっさとリスタートしました。
霧立亭まであと20km。これまでは良い具合に晴れていましたが、にわかに空が曇り始め、空気が湿気を帯びてきました。降り出すまではあと4-5時間はあるはずですが、肌感が「降る」と告げています。
次のチェックポイントである霧立亭は、引き返すなら最後の場所。その先は公共交通機関がないからです。いわば「Point of No Return」。単なる雨ならば装備と技術で乗り切れますが、冠水や落雷となると対処ができません。
ここで唐突に漫画「銀河鉄道999」の話。この作品の終着駅は機械の体をくれる「大アンドロメダ」ですが、その前の駅は「臨時停車駅 最後の晩餐」。機械の体になるかどうかを最後に判断するために設けられた駅。終着駅を前に、機械の体になることを拒否した人たちはこの星に留まることになる……という場所です。
鉄郎はここで「本当に機械の体になるべきか」を思い悩みます。機械の体になるために旅を続けてきた鉄郎が、「本当にそれでよいのか?」と悩む、作中屈指の名シーンです。
幌加内町から霧立亭までの20kmの心境はまさにこの時の鉄郎と同じで、「続けるべきか、退くべきか」をずっと考え続けていました。
(つづく)