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【レビュー】CYCLAMI「TPUチューブ(18-32C/コア交換可/60mmバルブ)」
評価:2.5
中国・CYCLAMIのTPUチューブ。
根本まで金属のバルブで、バルブコアが交換可能なモデルのレビューです。
購入動機
先日、「Guee」TPUチューブがパンクしてしまいました。恐らく、カッターの刃のようなものを踏んでしまったようで、タイヤもチューブもザックリ切れ込みが入っていました。
Gueeの在庫枯渇
ここで困ったのは、「GueeのTPUチューブは現在、国内在庫が枯渇している」という点です。
一応、楽天からショップに注文は可能ですが、納期は未定。4月ごろからこの状態で、復活する兆しもありません。
代替のチューブをどうするか
Guee「Aerolite」は、TPUチューブの中でトップクラスのしなやかさを持ちます。話題となったピレリのSmartube RSともいい勝負をするほど。「乗り心地が硬い」と言われるTPUチューブの中でも、明らかに判別できるほどの乗り心地の良さを持ちます。
これにすっかり慣れてしまった私にとっては、「乗り心地の悪いTPUチューブに戻る」という選択肢はありません。
しかし、ここで困ったことがもう一つ。私は「ポンプ周りをクリックバルブ専用にしてしまった」という点です。Guee「Aerolite」はバルブコアを外すことが出来たため、クリックバルブ化することが出来ました。でも、TPUチューブには「バルブコアが外せる」という製品がほとんどないのです。大半のTPUチューブでは、内側にネジを切れない樹脂バルブを採用しています。一部のTPUチューブは金属バルブを採用しているものの、その数は多くありません。

こちらのグラフは、私が以前作成した「TPUチューブの乗り心地マップ」です。右上ほど「しなやか」で、左下ほど「硬い・跳ねやすい」乗り心地だとお考え下さい。
最強格の「Smartube RS」はバルブコアが外れません。それに次ぐGuee「Aerolite」が私の求める選択肢ですが、今は日本で手に入らないことは述べた通り。

こちらは、「バルブコアが外せる(=クリックバルブ対応出来る)」チューブに色を付けたものです。緑色は「金属バルブ」、黄色は「樹脂バルブ」です。なぜか樹脂バルブでもコアが外せるチューブは存在するものの、バルブコアを何度も外しているうちに摩耗しそうなので私の選択肢には入りません。
……となると、この中では一番右上にいる金属バルブはPanaracer「Purple Lite」です。
Purple Liteも乗り心地は悪くないですし、値段も安くて入手性も良い。ただ、Gueeの代打を務めるには「少し乗り味が硬い」というのが私の評価でした。
CYCLAMIから「バルブコア交換可」バージョンが
出来ればPurple Liteよりも、しなやかでクリックバルブが使えるTPUチューブが欲しい。どこかにそんなものがないものか……
そんな時に見つけたのが、こちらの製品でした。CYCLAMIからいつの間にか出ていた「バルブコアが外れる」TPUチューブです。従来もCYCLAMIは金属バルブのTPUチューブを販売していたものの、そちらは「バルブコアが外れない」タイプでした。どうやら、2025年末ごろからひっそりと、「バルブコアが外れる」バージョンが売り出されていたようです。

CYCLAMIのグリーンカラーのTPUチューブは、このグラフでもかなり右上の位置にあります。

こちらの記事のレビューにも書きましたが、実走における乗り心地も上々でした。
もし、この乗り心地のままで、バルブコアが交換可能になったのであれば、私が求めている条件にピッタリとマッチします。

しかも、Amazonの製品ページには「クリックバルブに変えられます!」というアピールまで。私のようなユーザーを狙い撃ちにしてますね。
このチューブはなぜか1本売りではなく2本売り。とりあえずは2本セットを2組、買ってみたのでした。
一つ気にかかったのは、重量が30→38gと増加していること。一体何があったのか……それは後々明らかになります。
製品概要
実測重量は38g(60mmバルブ)。バルブ長は、45/60/80mmがあります。
素材はTPU(チューブ)、真鍮(バルブ)です。対応するタイヤ幅は、700×18-32Cまで。
- 説明書
- アルコールパッド(パンク修理時のチューブ拭き用)
- 修理用パッチ
- タイヤレバー
使用感

ディスクブレーキのロードバイクに取り付けて、週末の100kmライドに使用。タイヤは、「AGXERO 28C」と合わせました。
重量

実測重量は、公称通りの38g。
TPUチューブの重量としてはボリュームゾーンですが、かつてのCYCLAMIのチューブよりは8gの重量化です。もっとも、30gのチューブは樹脂バルブにアルミの筒を被せただけのものだったので、フル真鍮バルブの本製品よりはバルブの分だけ軽いのだろうと思っていました。
付属品

相変わらずCYCLAMIの付属品は手厚く、タイヤレバーと修理用のパッチも付いてきます。
以前は、バルブナット代わりの固定シールが付属しましたが、本製品にはバルブナットが付属するので付いてこなくなりました。
バルブ

ネジの切られた金属バルブ。少し黒みがかっていて、材料は恐らく真鍮です。バルブの太さも一般的で、約5.8mmでした。

この通り、バルブコアはしっかり外せます。
取り付け
バルブコアをクリックバルブに付け替えてタイヤにインストール。今回パンクしたのは前輪側だけだったので、前輪側だけを交換します。
バルブはすんなりバルブホールを通ってくれました。樹脂バルブだと通らないものも多いもので……。
走行性能

さて、個人的定番コースである「横須賀往復」のルートを走ってみたのですが……びっくりするほど乗り心地が悪い。
跳ねる感じはないのですが、ちょっとした段差の衝撃がハンドルにガツガツ来る。空気圧もいつも通り、タイヤも同じ。それなのにこの差は一体。
帰宅して早々、前輪に入っていたCYCLAMIのチューブを外して、PanaracerのPurple Liteに入れ替えました。それくらい我慢のならない乗り心地だったのです。
旧チューブとの違い
在りし日の「CYCLAMIのチューブは乗り心地が良い」という感触は幻だったのか?

そこで、以前行った、こちらの実験プロトコルに従って、今回の新チューブと旧チューブの差を比較してみることにしました。
| 旧チューブ | 新チューブ | |
|---|---|---|
| バルブ材料 | 樹脂バルブ + アルミ筒 | 金属バルブ (真鍮) |
| 重量 | 30.1g | 38.0g |
| 扁平幅 | 33.4mm | 29.4mm |
| 肉厚 | 0.177mm | 0.182mm |
| 伸び (800gのオモリ) | 3.0mm | 1.5mm |
うーん、別物と言って良いくらい、各部のスペックが変わっています。同じなのは肉厚くらいでしょうか。
変なのは、扁平幅(机の上に潰した状態で置いたときの幅)が、旧→新で4mmも細くなっているのに、重量は8gも増えている点です。恐らく、このうち5g程度はバルブの重量によるものでしょうが、それを差し引いても「厚みは変わらず、幅は4mmも細くなったのに、3gも重くなっている」ことになります。
これはつまり、素材自体の密度が変わっているということ。緑色で見た目は同じ材料に見えましたが、恐らく配合は全くの別物です。
そして、新チューブの伸び具合(1.5mm)は、旧チューブ(3.0mm)の半分。これはかなり「伸びにくい」チューブであると言えます。

冒頭で示した「乗り心地マップ」に追加プロットしてみると、この通り。かなり左下(硬め)の位置に来ていることが分かります。実走の乗り心地が悪いのにも納得。
空気の抜け
CYCLAMIの旧チューブは、空気抜けの早さが弱点でした。24時間で0.4bar程度と、他社のTPUに比べても2倍の速度の低下がありました。原因は確定していませんが、おそらくバルブの根本の接着が不十分だったのではないかと思っています。


空気を入れて24時間放置した所、5.55bar→5.39barと、0.16barの低下に留まりました。
仏式に比べて空気の抜けにくいクリックバルブを使ってはいるものの、なかなか優秀な数値。空気抜けの早さについては克服されています。
寿命
結局、100km乗っただけで乗り心地に嫌気が差して外してしまったので、どれだけ使えるのかは未知数です。
価格
2本セットで2980円が通常価格。1本辺り1490円と、Purple Liteに比べると若干安いくらいの価格帯。タイヤレバーやパッチが付いての値段なので、なかなか安価であると言えます。
私が購入した時は、セール価格の2533円(1本辺り1267円)で買えました。
余談
以前、クリックバルブの本家本元・Clik社の出したTPUチューブの記事を書きました。

この記事の中で指摘しているのですが、Clik社のTPUチューブとCYCLAMIの最近のTPUチューブはかなり似ています。付属する修理パッチとアルコールパッドもほぼ同じ。
恐らく、同じ工場で作られているか、CYCLAMIが製造を担当しているのでしょう。古くから金属バルブを採用したTPUチューブを出していたメーカーとして声がかかったのかもしれません。
Amazonの製品説明で、わざわざ「クリックバルブへの交換可能であること」を公言しているのも、そういった裏事情があるなら納得できます。
まとめ
同じ会社、同じ色のチューブだったので、同じ乗り心地を期待していたのですが、全くの別物でした。固くて衝撃がガツガツ来る、皆がイメージするTPUチューブの乗り味になってしまっています。
バルブコアは着脱可能になりましたし、空気の抜けやすさも改善されていますが、チューブそのものの性質まで変えなくても良かったのではないかと。もしかしたら、空気の抜けやすさを改善するために素材を変更した影響で乗り心地が固くなったのかもしれませんが。

2組(4本)を買ってしまったのですが、ちょっとこれは普段遣いするにはキツい。さりとて使わないのも勿体ない。
ということで、ツール缶に入れる予備チューブにすることにしました。パンク修理後の乗り心地は悪くなりますが、そこは我慢することにします。
なお、いつの間にか1本売りも始まっていました。
評価
対象モデル: CYCLAMI「TPUチューブ(18-32C/コア交換可/60mmバルブ)」
年式: 2025年
定価: 1490円
購入価格: 1267円
公称重量: 38g
実測重量: 38g
価格への満足度
品質や付属品から考えると安い。
総合評価
バルブコア着脱が可能になるなど品質は改善されたが、乗り心地が許容できないほどに悪化している。
著者情報
年齢: 41歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。
# これまでに著者が乗ってきたスポーツ自転車の履歴はこちらの記事にまとめています。



