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クロスバイク用の手組ホイールが完成
サイクルキューブさんに頼んでいた、クロスバイク用のホイールが組み上がったということなので受け取ってきました。
購入まで
まずは購入までの話を書いていきます。
16年モノのキシエリ
これまでクロスバイクで使っていたホイールは、キシリウムエリート(2010年モデル)でした。なんと16年ものです。

このホイールは、初めて私がキャノボを達成した時に履いていたものと同一個体。その後はカンパのユーラスをメインで使うようになり、使わなくなったキシエリはクロスバイクへとスライドになったのでした。
通常、クロスバイクのリヤエンド幅は135mm。ロードバイクのリヤエンド幅は130mmであり、ホイールに互換性はありません。しかし、私が乗っていたESCAPE RXはリヤエンド幅がロードと同じ130mmであり、ロード用ホイールをそのまま使うことが出来ました。

2015年、Flecheで「ロード以外縛り」の大阪→東京をやったときも履いていたのは同じ個体のキシエリ。ここから更に10年も使われることになります。クロスバイクに乗る距離は年間1000km前後だと思いますが、それでも10000kmを追加で走り抜いたということに。
さすがにそろそろキシエリは寿命
思い出のたくさん詰まったキシエリ。振れを取ってもらったり、ハブをグリスアップしてもらったりして何とか延命してきました。
しかし、さすがに前輪のブレーキトラックが摩擦で凹んできてしまいました。ショップでも確認してもらいましたが、「そろそろ変えたほうが良い」との診断。

じゃあホイールを探すか……と考えていた所、突如としてフレームが寿命を迎えてしまいました。ホイールより先にフレームが逝くとは思っていませんでした。

色々悩みましたが、フレームは同じモデルの最新版に変更することに。
しかしホイールはキシエリのままでした。中々良いホイールが見つからなかったのです。
新品のリムブレーキのアルミホイールが無い
今回欲しいのは、「ミドルグレードで5-6万のリムブレーキ用アルミホイール」。重量は1600g以下で、そこそこ走ってくれればOK。でも、検索しても条件に合うものが全然出てきません。
中古であれば色々出てきますが、ホイールは命をあずけるもの。出来れば安心して乗りたい。ということで新品であることはマスト。
ちょっと前であれば、ゾンダやレーシング3あたりのホイールが5-6万で購入できたはずですが、2026年現在は「2万円以下の(アルミだけど)鉄下駄ホイール」か、「10万円以上の高級アルミホイール」に2極化しています。恐らく、数年前が最後の「ミドルグレードホイールの在庫処分」の時期だったのでしょう。
リムブレーキ用のゾンダも今や定価は10万円を超えました。実売価格は8万5000円前後。しかし、ゾンダに8万5000円はちょっと出せない。
色々探してみましたが、納得の行く「新品」「リムブレーキ」「アルミリム」のホイールは見つかりませんでした。
よろしい、ならば「手組」だ
条件に合う完組ホイールはありませんでした。でも、ホイールには「手組」があります。
幸い、今現在でも台湾のKINLINは品質の高いリムブレーキ用のアルミリムを作り続けてくれています。昨今のディスクブレーキ用カーボンホイールほどのワイドリムではありませんが、内幅19mmのアルミリムもあるのです。
そこで、サイクルキューブさんに手組ホイールをお願いすることにしました。

サイクルキューブさんはホイール組も得意にしているショップであり、これまでに何本もホイールを組んでもらっています。今、私がロードバイクのメインホイールとして使っているReserveもサイクルキューブさんに組んでもらいました。
仕様について色々と相談し、8月頭に部品構成を決定。そこから部品を取り寄せてもらい、ついに先ごろ「ホイールが組み上がった」との報告を頂きました。
サイクルキューブ「リムブレーキ手組ホイール」
サイクルキューブ「リムブレーキ用手組ホイール」のファーストインプレッションです。
主な用途は、通勤や近所の買い物など。街乗りクロスバイク用です。
部品構成
部品構成の紹介です。最初にサマリ表を示し、その後に各部を写真と共に紹介していきます。
| 部位 | パーツ |
|---|---|
| 前輪リム | TNI「AL22W (20H)」 |
| 後輪リム | TNI「AL22W (オフセット/24H)」 |
| 前輪ハブ | BITEX「RAF12」 |
| 後輪ハブ | BITEX「RAR13 (HGフリーボディ)」 |
| スポーク | SAPIM「CX-SPRINT (ブラック)」 |
| ニップル | DT-SWISS「アルミニップル」 |
リム
今回選んだのは、TNIのAL22Wリム。製造は世界のKINLINです。
リムハイト22mmとローハイトですが、内幅は19mmと現代的なスペック。リムブレーキ用の完組アルミホイールの多くは内幅17mmで終わってしまったので、内幅19mmのアルミリムというだけでかなり貴重です。
昨今のロード用タイヤは28-30Cあたりを頑張って開発しているはず。そして、28-30Cのタイヤに適した内幅は19-21mm。最近の28Cタイヤを良い感じの断面形状で使うためには、最低でも19mm以上の内幅が必要。そんな理由からこのリムを選びました。


普通はオフセットリムのほうが重くなるのですが、なぜかオフセットリムである後輪のほうが軽い。公称重量は445gなので、平均すると軽い個体が来ました。
ハブ
現在、リムブレーキ用のハブというのも中々手に入りづらくなってきています。そんな中、サイクルキューブさんからご提案いただいたのは、これまた台湾の「BITEX」というメーカーのハブでした。
BITEXは主にOEM的なことをやっているようですが、自社ブランドのハブも色々と出しています。


今回ご提案いただいたのは、RAF12・RAR13というハブ。細身ですが、入っているベアリングの径は大きく耐久性はありそう。面ラチェット全盛の現在ですが、爪式であり、珍しい6爪(普通は3爪)のフリーボディを採用しています。そして重量も中々軽い。
スポーク・ニップル
スポークはいつもであれば何も考えずに「CX-RAY」なんですが、今回は「CX-SPRINT」にしました。幅はCX-RAYとほぼ同じですが、より厚みがある耐久性と剛性重視のスポークです。駐輪場などで横の自転車から嫌な形で押されることもあるだろうと考えて、少し丈夫なスポークを選びたかったことが選定理由。


それでも10本で57gなのでそこまで重くはないですね。
スポークパターンは、「前輪・ラジアル20本」「後輪・左右クロス24本」というオーソドックスなものでお願いしました。
リムテープ
リムテープは、Panaracerのチューブレステープでお願いしました。ニップルホールレスだったキシエリではここを考えなくてよかったんですが、今現在欲しいスペックを備えたホールレスのリムは見つけることが出来ませんでした。
重量

リムテープを付けない状態での実測重量は、前輪657g+後輪786g=1443gでした。軽い!! リムテープを貼った状態では実測していませんが、+20g程度のはず。前後で1500gを切っています。
それまで使っていたキシリウムエリートが1550g。こちらはホールレスリムでリムテープを貼らなくて良いので、重量差にすると今回のホイールのほうが90g程度軽いことになります。キシエリはリムハイトが同じく22mmですが、内幅は15mm。内幅が4mm増えたのに、重量は90gも軽くなったというのは不思議です。BITEXのハブがだいぶ軽いというのが影響大きそうですね。
全体像

ということで、最終的に出来上がった見た目がこんな感じ。TNIのサイトではTNIのデカールが貼られていますが、あのデカールは付属品であって、あらかじめ貼られているわけではないそうです。ちょっと好みではないので、貼らずにそのままで行くことに。


代わりに、サイクルキューブさんの手組みホイール用のミニデカールを貼ってもらいました。開店直後に作ったものの、色々あって使ってなかったデカールだそうです。
実走

早速、クロスバイクに取り付けて走ってみました。タイヤとチューブはキシエリからそのまま移植しています。
加速
まず漕ぎ出し。ペダルを踏んだ時の遊びが少なく、すぐにホイールに伝達される感じがあります。フリーボディの爪の数が通常の倍の6個あるので、噛み合う角度が小さいのでしょう。また、リム重量もアルミにしては軽いので踏み出しの軽さは良好です。
一方、巡航からの加速のようなシーンではイメージよりほんの少しだけ反応が遅れる……というか溜めがある感じ。ステンレススポークとしては高い剛性と反応性を誇るはずのCX-SPRINTにしたので反応性も上がると見ていたんですが、そうはなりませんでした。
上位モデルのキシリウムSLはアルミスポークだったので、キシエリもそうだと思ってたんですが、調べてみたらどうやらこれはステンレススポーク。となると、スポーク素材由来ではなさそう。

当時のキシエリの指定スポークテンションをみるとかなり高めなので、完組ならではの攻めた設計で反応性を出していたということでしょうか。
巡航
適度な溜めがあって踏みやすく、30km/h前後での巡航が気持ちよく出来ました。そもそもそんな飛ばす用途では使わないので十分な性能です。
乗り心地
これまでのソリッドだったキシエリに比べると突き上げもマイルド。タイヤ幅に見合う内幅のリムなので、しっかりとタイヤが性能を出せているのもあるかもしれません。
ブレーキ
一番良くなったのがここ。振れもなく、ブレーキトラックが平滑なのでかなりフィーリングが良くなりました。
重さ
100g軽くなったので、車体を持ち上げた時は少しだけ軽く感じます。
価格
今回は、ホイール組み工賃込で67000円ほどとかなり安く仕上げて頂きました。
今どき、リムブレーキ用で1500gを切る完組ホイールを買おうと思ったらこの値段では手に入りません。
なお、サイクルキューブさんにパーツの在庫が色々あったのでこの値段で仕上がっていますが、リムやニップルが値上がっているそうで。今からパーツを集めると+5000円くらいはするはず。
まとめ
クロスバイク用に組んでもらった手組ホイールのファーストインプレッションでした。

大抵手組みホイールは計画値(各部品の公称値を積み上げたもの)より重くなるんですが、今回は計画値1450gに対して、実測値1443gとほぼピタリ。性能的にも満足の行く仕上がりで、今回の選択としては正解でした。
その一方で、これまで使っていたキシエリも良いホイールだったことを改めて実感しています。ステンレススポークを使ってこの反応性を出すには、リム-スポーク-ハブと専用設計された完組であることが必要なのだろうなと。なんだかんだでメンテをしていれば16年も壊れずに使えたわけで、耐久性の意味でも優秀でした。
現在、「ちょっと良いリムブレーキの完組アルミホイール」の入手性は悪くなっています。そんな時には「手組」です。
パーツを専用設計している完組ホイールには全方面の性能で勝ることは難しいですが、手組ホイールは比較的低価格で自分好みの方向性に調整可能です。完組が手に入りにくい現在だからこそ光る選択肢です。
サイクルキューブさんでは、今回の私のホイールを雛形としてリムブレーキ用の手頃なホイールのパッケージを作る可能性があるそうです。私と同じように、「リムブレーキ用のホイールが欲しいけど手に入らない」という方は相談してみてはいかがでしょうか。
著者情報
年齢: 42歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。
# これまでに著者が乗ってきたスポーツ自転車の履歴はこちらの記事にまとめています。


