Edge840/540でバーチャルパートナーを消す設定が追加

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長きに渡ってEdgeユーザーを苦しめてきた(?)バーチャルパートナーを消す設定がついに追加されました。今のところ、対象はEdge840/540/1050のみです。

目次

バーチャルパートナーとの戦いの歴史

当サイトでは、長年に渡ってバーチャルパートナーとの戦いを繰り広げてきました。

バーチャルパートナーとは

バーチャルパートナーとは、GarminのEdgeシリーズに搭載された「ユーザーが設定した速度やペースに従って走る仮想の”パートナー”と競い合うための機能」のことです。EdgeX20世代から導入されました。

設定画面で「時速15km/h」のように設定してルートナビを開始すると、バーチャルパートナーが起動します。

地図上にもバーチャルパートナーが表示されます。青矢印が自分の位置、灰色矢印がバーチャルパートナーです。なんでバーチャルパートナーの方が矢印が大きくて目立っているのか……?

機能の改悪→消す方法がない!

実装当初のバーチャルパートナー機能は「指定した速度でひたすらルート上を動き続ける」という機能で、なかなか有用な機能でした。15km/hで動くように設定しておけば、ブルベにおける仮想足切りラインとして活用が出来たわけです。

しかし、ある時、機能が改悪されます。「トンネル等でGPSの電波を見失ったあと、電波が復帰した段階でユーザーのすぐ背後に出現する」という仕様に変えられたのです。「ジョジョの奇妙な冒険」の第四部でハイウェイスターという敵スタンドが出てきますが、まさにアレの動きそのもの。

例えばバーチャルパートナーを「15km/h」に設定してスタートしたとしましょう。時速20km/hで4時間走行すると、バーチャルパートナーは20km後方にいることになります。しかし、ここでトンネルに入って電波をロストして復帰すると、20kmの距離を飛び越えてバーチャルパートナーがすぐ背後に出現します。トンネルの多い日本ではロストは割と頻繁に起こるもので、ペースメーカーとしての意味が全く無くなってしまったわけです。

困ったことに、バーチャルパートナー機能はOFFにする方法がありませんでした。ルートナビを開始すると、強制的に出現します。

更に、指定したルートを自分より先にバーチャルパートナーが完走してしまうと、「お前の負けです!」みたいな屈辱的なBGMが流れる仕掛けがあり、これが何ともイラっとさせてくれます。テレポートしてくる相手に勝てるわけ無いだろ。

進む改悪と対策の連鎖

このウザったいバーチャルパートナーを何とか消せないか? 色々と対策を取ってきました。

EdgeX30時代は「バーチャルパートナースピードを0.0km/hに設定する」という技が使えました。これにより、バーチャルパートナーはスタート地点から動かなくなります。地図上には表示され続けますが、動きません。バーチャルパートナー敗れたり!

しかし、EdgeX40世代になってからはバーチャルパートナーの速度を「km/h」で指定できなくなり、「エフォート」という謎の尺度で指定するようになりました。「0%に設定すれば止まるだろ!」と思って設定しようとするも、最低値は10%。0%に設定できない。さらに、エフォートの値はライドごとに100%にリセットされます。設定が保存されないのです。

これによりバーチャルパートナーをスタート地点にとどめておくことができなくなりました。

仕方ないのでルートナビを起動させず、「ルート軌跡だけを地図上に表示する」機能を使ってバーチャルパートナーを擬似的に出さないようにするなどの対策を取ってきました。

2025年8月、ついに奴を消せるように!

2025年6月、朗報が舞い込みます。

なんと、次のアップデートでEdgeX40世代に「バーチャルパートナーをOFFにする設定が追加される」ことになったのです!! Garminの公式フォーラムで数年前から要望するなどの草の根活動がついに実を結びました。

残念ながら実装されるのはEdgeX40世代のみで、X30世代には適用されない模様。まぁあちらは0km/hに設定すれば良いので別にOK。どうやっても消せなかったX40世代で消せるようになったのは素晴らしい。

Garmin公式サイトより引用

6月にβテストが行われ、一般ユーザーには8月22日からファームウェアv28.20の配信が開始されたようです。本記事の執筆段階ではEdge840/540(と恐らく1050)のみへの配信で、Edge1040には配信されていません。

バーチャルパートナーをOFFにする手順

さて、バーチャルパートナーをOFFにする方法が割と面倒な手順になっているので、詳しく書いていきます。

設定手順

バーチャルパートナーをOFFにする設定画面ですが、実は普通には出てきません。「ルートナビをしている最中のみ」出てくるメニューの中にあります

STEP
ルートナビを起動する

「コース検索」から、何でも良いのでコースを選択し、「ライド」を開始して下さい。

STEP
画面を下にスワイプし、コントロールメニューを出す

ルートナビが有効な状態で、画面を下方向にスワイプすると「コントロールメニュー」が表示されます。

STEP
「バーチャルパートナー」を選択

コントロールメニューで、今度は画面を左にスワイプします。

このメニューの中から「バーチャルパートナー」をタップします。

STEP
「有効」をOFFに設定

設定項目の中の「有効」をOFFにします。

以上の手順でバーチャルパートナーが出現しなくなります。

効果の確認

実際にナビを起動して実走してみましたが、見事にバーチャルパートナーが出現しなくなりました。これでイライラすることもなくなります。

まとめ

Edge540/840で、バーチャルパートナーを消す方法の解説でした。恐らくEdge1050にも入っていると思われますが、操作方法が違う可能性があります。読者の方から、1050でも同じ手順でOFFに出来たという情報を頂きました。

長い戦いでした。2020年頃、Edge530使用途中にバーチャルパートナーがテレポート仕様に改悪。時速0km/hにすることで足止めする方法で何とか対処したものの、EdgeX40世代ではさらに厄介な仕様に変化。もはや打つ手なしと思えましたが、ついに公式が動いてくれました。

それにしても「ルートナビを起動中のコントロールメニューからしかOFFに出来ない」とは、最後の最後までしぶとい存在でしたね、バーチャルパートナー。もう会うこともないでしょう。

つい先日、Edge850が発表されましたが、個人的にはがっかりスペックでした。ランタイム12時間って一体どこを見て作ったんでしょうか。

Edge840には「バーチャルパートナーが消せない」「画面表示が暗い」という大きな不満が2つありましたが、そのうちの1つは解消されました。しばらく私はEdge840で頑張ろうと思っています。

著者情報

年齢: 41歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。
# これまでに著者が乗ってきたスポーツ自転車の履歴はこちらの記事にまとめています。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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