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PBPルート上での「氷」入手方法
次回2027年のPBPまであと2年。この記事では、ルート上で「氷」を入手する方法について考えてみます。
まえがき
少し長くなりますが、本記事の執筆理由を説明します。
PBPは「寒い」ことが多い
PBP(パリ・ブレスト・パリ)は、4年に1度、8月の後半にフランスで開催されます。時期的に言うと「晩夏」ではあるのですが、日本からフランスに行くと大抵「寒さ」に悩まされます。
こちらは、日本を同緯度のままヨーロッパまで移動させてみた図です。

PBPは文字通り「パリ」と「ブレスト」間を往復するイベントです。2つの都市(北緯48度)は日本最北端の宗谷岬(北緯45度)よりも遥か北にあることが分かります。
暖流や偏西風の影響でフランス北部地域はそこまで寒くなることはありません。ただ、夜間や明け方は放射冷却で急激に冷え込みます。8月の夏の時期でも、明け方に1桁気温になることは珍しくはないのです。

こちらは2019年のPBPで、サドルバッグ裏に気温センサーを付けて計測した気温変化のグラフです。最高気温は28℃とそれなりに暑いのですが、最低気温は6℃でした。8月20日という夏の日付でこれです。手持ちの防寒具を、レインウェア含めて全部着込んで何とか乗り切れる寒さ。
東南アジアの常夏の国から来た参加者たちは大抵ここで心が折られます。彼らの国では防寒具が売ってないらしいので……。
猛暑だった2023年PBP
私は2015年・2019年のPBPに参加したことで「警戒すべきは寒さ! 暑さは大したことがない!」と思い込んでいました。そんな理由から2023年のPBPにも長袖ジャージを大量に持ち込んだのですが……。

パリの気温は連日30℃超え。日本ほどの湿度はないものの、夜になっても大して気温は下がらず。天気予報を見ても、PBP開催期間中の気温は連日30℃を超える予報となっていました。
仕方なく、現地で半袖ジャージを調達。シングルボトルで走るつもりだったものの、これはダブルボトルじゃないとまずそうだったのでボトルも追加調達しました。

そしてこちらが2023年大会期間中の実測気温です。異常値を除くと、最高気温は33℃。連日40℃に迫る今年の日本ほどではないですが、昼間ずっと走り続けるにはかなりキツい高温でした。

最低気温も12℃といつもより高く、寒さに悩まされることはなかったのですが、とにかく暑さに悩まされました。
なお、毎回寒さで大量にリタイヤするインドからの参加者が「今年のPBPは俺達の年だ!」と高温で喜んでいたそうです。水を得た魚状態。
氷がない!
さて、日本で真夏のライドをする場合、心強いのが「コンビニで買えるロックアイス」です。

ドリンクボトルに入れる。ストッキングに氷を入れてジャージの背中に入れる。これがなければ日本の夏ライドは乗り切れません。
……だがしかし。フランスにはコンビニがありません。気軽に氷を調達することは出来ません。
記憶の限りではチェックポイントの食堂でも、お湯は手に入っても氷は手に入らなかったはずです。

そしてもう一つ気づいたのが、「フランスで出てくる飲み物には氷が入っていない」ということ。日本で夏の時期の飲食店では、氷の入った水が出てくるのが普通。ソフトドリンクを頼めば、氷が必ず入ってきます。冬場でも入ってくるでしょう(主にカサ増しのため?)。
しかし、フランスでは「氷の入った飲み物」というのは基本的に出てきません。調べてみると、ヨーロッパ全体で「冷やすなら冷蔵庫で十分」「氷が入ると味が薄まる」という価値観がメジャーのようで。飲み物に氷をいれるのはアメリカ的な価値観とみなされるようです。日本はアメリカ寄りということですね。
そんな、「ソフトドリンクに氷を入れない」「氷の入手性が低い」フランスでもしも猛暑に見舞われてしまい、氷が欲しくなった時にどうすればよいか?を考えていくのが本記事の目的です。
フランスでの「氷」入手方法
PBP中に氷が欲しくなった場合、どこに行けば手に入るのか? 確度の高い順に紹介していきます。
世界的ファストフード店
ソフトドリンクに氷を入れないフランスにおいて、ほぼ必ず氷を入れてくれる場所があります。それは、「世界チェーンのファストフード店」です。

具体例をあげると「マクドナルド」「ケンタッキー」「バーガーキング」など。主に、アメリカ発のファストフード店では、いかにフランスと言えどもソフトドリンクには氷が入っています。
前述の通り、飲み物に氷を入れるのはアメリカ的な価値観。その価値観のもと、世界的に展開しているチェーン店であればソフトドリンクにも氷を入れるマニュアルになっているということでしょう。
PBPのルート上にも、こういったチェーン店が点在しています。2023年PBPでは猛暑の最中に立ち寄ったマクドナルドで氷入りのファンタオレンジを飲んで体を内部から冷却。ずいぶんと救われた記憶があります。
バー(酒場)
ソフトドリンクには氷を入れないフランスですが、「酒をロックで飲む」という文化はあります。このため、バー(酒場)には氷が用意されている可能性は高いです。

バーでソフトドリンクを頼んでも氷は当然入ってきませんが、交渉すれば多少の氷を分けてもらえる可能性はあります。
大型スーパーマーケット
前述の通り、「酒をロックで飲む」という文化はフランスにもあります。そのためのロックアイスが大きめのスーパーマーケットでは販売されているようでした(実際に見た記憶はない)。

こちらはCarrefourで販売されている「L’APERI GLACON」という食前酒用のロックアイスです。冷凍食品が有名なスーパー・Picardでも「Glaçons alimentaires」というロックアイスが売られているようです。

PBPのルート沿いで大手スーパーはほとんど見かけませんが、数百m脇道に逸れれば割と存在しています。氷が必要な時は、GoogleMap等で近くのスーパーマーケットを検索してみるのも手です。
氷の自販機
ChatGPT先生から教えてもらったのですが、フランスには「屋外に置かれた氷の自販機」なるものが存在するとのこと。

その名も「ICE MARKET」。夏の間は24時間営業で、特に会員登録もなく使うことが出来ます。決済はクレジットカード。
設置されているのは、大型スーパーマーケットや、酒屋の前。例えば、スタート地点であるランブイエには「La Vignery Rambouillet」という酒屋にこの自販機が設置されています。
ただ、このICE MARKET。最低販売単位が「5kg」です。一人ではどう考えても使い切れない量ですね……参加者同士でシェアできればよいですが、中々使い所が難しそうです。
まとめ
「フランスで氷を入手するには?」というマニアックなテーマをお送りしました。
100年以上の歴史を誇るPBPでも2023年ほどの猛暑は異例だった様子。果たして、今後の大会で氷が必要なほど暑くなるかは分かりません。しかし、日本は毎年のように史上最高気温を更新しているわけで、フランスでも猛暑の機会は今後増える可能性があります。
「猛暑のPBP」に当たってしまった時、この記事の内容を思い出して頂ければ幸いです。
著者情報
年齢: 41歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。
# これまでに著者が乗ってきたスポーツ自転車の履歴はこちらの記事にまとめています。
