タイヤブースターを(ついに)導入

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チューブレスタイヤのビードを上げるためのアイテム「タイヤブースター」を購入しました。

目次

購入まで

チューブレスタイヤの運用で苦労することが多いのが「ビード上げ」です。

ビード上げとは、「タイヤのビードが、リムの壁面に密着した状態になっていること」を指します。中にチューブが入っているクリンチャータイヤではチューブの力でビードを上げることが出来ますが、チューブレスタイヤでは空気の力だけでビードを上げる必要があります。

フロアポンプで何とかなっていた時代

私が初めてチューブレスタイヤを導入したのは2012年頃。この頃は「チューブレスレディ(以降、TLR)」タイヤではなく「チューブレス(以降、TL)」タイヤの方が主流でした。TLタイヤは、シーラントが無くても運用可能なシステムです。

嵌め合いのキツいことが多いTLタイヤでしたが、割とその分だけ気密性は良かったようで、フロアポンプでもビード上げは何とかなっていました。まだまだリムの内幅が細かった(15mmが主流)ことも良かったのでしょう。

新しもの好きとして手を出しはしましたが、出先でパンクした時にチューブを入れた後にビードを嵌めることが出来ず。当時のピュアTLタイヤはそれだけ硬かったのです。たまたま近くに来ていた知人の車に乗せてもらって帰ることが出来ましたが、これ以降しばらくTL/TLRタイヤを使うことはありませんでした。

CO2ボンベで乗り切ってきた4年間

そんな私が再びTL/TLRタイヤに手を出したのは2020年のこと。実に8年も離れていたことになります。

当時、購入したばかりの「Racing Zero Carbon DB」の乗り心地があまりにも悪く、チューブレス化で何とか乗り心地を改善しようとしたのでした。

チューブレスタイヤのシーンはすっかり様変わりしており、シーラント前提のTLRタイヤが主流になっていました。恐ろしく硬かったピュアTLタイヤとは異なり、TLRタイヤはそれなりに柔軟性があって取り付けもしやすくなりました。

しかし、この取り付けやすさの影響なのか、ビード上げには苦労するようになりました。リムの内幅が広がった影響もあるのでしょう(Racing Zero Carbon DBは内幅19mm)。フロアポンプでビードを上げることが中々できなくなりました。どんなに勢いよくフロアポンプで空気を送り込んでも、空気が漏れる量のほうが多かったのです。

そうした時にビード上げをするために必要なアイテムが本記事で取り上げる「タイヤブースター」です。容器の中に空気を圧縮し、その空気を開放することで一気にタイヤ内に空気を送り込むアイテム。

ただ、このアイテムは当時の価格で6-7000円ほど。味見程度にテスト導入したTLRタイヤのために買うのはちょっと高い。

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ということで、私が使っていたのはCO2ボンベです。

CO2ボンベならば、1本200円ほど。前後のタイヤに使って400円程度。今後の人生において、ビード上げを行う機会が30回未満であればこちらのほうが安上がりです。

案外、ビード上げを行う機会は多く……

そんなこんなで、再びチューブレスに手を出してから4年。

予想よりもビード上げを行う機会は多く、恐らく30回はビード上げをすでに行いました。中にはフロアポンプでビードが上がったものもありましたが、CO2ボンベでビード上げを失敗したこともあります。

それに加えて、最近はホイールのインプレを頼まれる機会も増えてきました。最近のホイールはTLRタイヤを前提に設計されているものも多いと聞くので、試さないわけにも行きません。

そして先日、ついに手持ちのCO2ボンベの在庫が尽きました。

ついに観念してタイヤブースターを購入。

Amazonにおける炊いたブースターの価格推移

4年前は6480円だったタイヤブースター。迷っている間に値段は大きく上がって9000円に。さっさと買っておけばよかったですね。

なお、これよりも安い類似製品(主に中華ブランド)は存在しますが、高圧を閉じ込める機器ということもあり、信頼性を重視してシュワルベ製を選択しました。

なお、集合住宅で置き場所と音の問題があるので、コンプレッサーという選択肢はありませんでした。

Schwalbe「タイヤブースター」

シュワルベ「タイヤブースター」のファーストインプレッションです。

大きさ

思ったよりも大きかったです。

大きめのサイコンであるeTrexと比べてもこのサイズ。置き場所が悩ましいです。

構造

空気を保持するタンクに、空気を放出するためのホースが付いた構造になっています。

タンク上部にはおなじみの仏式バルブが付いており、ここから空気を充填します。「最大11気圧まで入れて良い」と書かれています。

こちらはホースの先端。TLタイヤのバルブに接続します。

その状態でコックを「OPEN」に倒すと、タンク内の空気が一気にタイヤ内に流れ込みます。これでビードが上がるというわけです。

ビード上げ実践

実際に、TLRタイヤのビード上げをやってみました。

まずはフロアポンプで、タンク内に空気を充填。8気圧まで入れてみました。最近の太いロードタイヤよりも割と空気圧はすぐに上がります。

ホース先端をバルブに繋いで、コックを倒すとタンク内の空気が一気にタイヤに流れ込みます。

TLRタイヤのビードが一発で上がりました。簡単。

このリムとタイヤの組み合わせはフロアポンプでは上がらなかった組み合わせでしたが、あっけなく上がりました。

CO2ボンベのようにタンク部分が凍るくらい温度が下がるのかと予想していましたが、大して温度は下がりません。ある程度厚みがあって断熱されているからでしょうか。

まとめ

タイヤブースターのファーストインプレッションでした。

「これを買ったらチューブレスに魂を売ったことになる」と考えて導入を躊躇していましたが、そんなことをしている間に価格が1.5倍に上がっていました。実際、チューブレスタイヤを運用する上では便利ですし、さっさと買っておけばよかったですね。

今後も使用の中心はクリンチャータイヤになると思いますが、これでチューブレスタイヤの取り付け障壁が一つ減りました。

著者情報

年齢: 40歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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