この記事は約 8分で読めます。
【レビュー】OGK KABUTO「FLEX-AIR」
評価:4.5
OGK KABUTOのロードバイク用フラグシップモデル(執筆時点)。安全性を犠牲にせず、軽さと空冷性能を突き詰めたヘルメットです。
購入動機
詳しい購入までの経緯はファーストインプレッション記事に書いています。

ブルベではヘルメットを被っている時間も長いので、ヘルメットの重量が首の疲労に影響を与えます。そのため、重量は軽いほうがありがたい。しかし、ただ軽いだけではダメ。安全性もしっかり考慮されている必要があります。
FLEX-AIRの前モデルにあたるFLAIRは、私の目には「軽量に振り切りすぎた」ように見えました。しかし、安全性について考え直された跡が見えたので購入に至りました。
製品概要
実測重量は211g(L/XLサイズ、ノーマルパッド装着時)。サイズ展開は3種類(XS/S, S/M, L/XL)。
カラーは9種類。私は「G-2レッド」カラーを購入しました。このカラーは実店舗限定で、通販では買えません。
「エアフローパッド」と呼ばれる、頭とヘルメットの間に空間を作るギミックが今作から導入されています。
使用感

主な用途は、ブルベ・ロングライド。普段の夜練や週末ライドでも使用しています。
比較対象は、同社の「IZANAGI」・「AERO-R2」。SAFETY LABSの「EROS 2.0」です。
製品の立ち位置
かつて、OGK KABUTOのヘルメットの分類は「空力重視(AERO-Rx)」「軽量性重視(FLAIR)」「冷感重視(ZENARD-EX)」の3つに分かれていました。
2020年に発売されたIZANAGIは、「空力」「軽量」「冷感」の3つを融合したオールラウンドなモデルと位置づけられていました。
2022年には、「空力」カテゴリを受け持つシリーズの最新作としてAERO-R2が発売。

そして2023年に発売された「FLEX-AIR」。名前は「FLAIR」をモジッているように見えることから、一見すると「軽量」カテゴリの製品に見えます。実際、S/Mサイズで185gとかなり軽量です。しかし、製品説明には以下の内容もあります。
・最先端のCFD解析を活用し、ライディングポジションとホールの角度を最適化。空気の流れに沿ったより自然なエアルート設計により空冷性能向上を実現。
・頭部からヘルメットを浮かせてエアルートを確保するフローティング構造と、Y字形状により接触面積を減らし通気性向上に貢献する「エアフローパッド」を搭載。
その結果として、「同等クラスのヘルメットに比べて最大8%空冷効果が高いことを社内風洞実験で実証」という記載があります。「冷感」カテゴリも受け持っている製品であることは明らかです。
ただ、「風洞実験」というワードを出しておきながら、空力性能についての言及はありません。そちらはAERO-R2に任せるということなのでしょう。整理すると、以下のような担当分類になると思います。
| カテゴリ | 担当 |
|---|---|
| 空力 | AERO-R2 |
| 軽量 | FLEX-AIR |
| 冷感 |
「いつまで経ってもIZANAGIの後継モデルが出ないなぁ」と考えていましたが、FLEX-AIRは「FLAIRの後継」に見えつつ、実は「IZANAGIの後継」でもあるのかもしれません。あるいは、かつての「REDIMOS」「ZENARD」のポジションであるとも言えそうです。
重量

公称215gで、実測211g。軽い個体が来ました。L/XLサイズとしてはかなりの軽さだと思います。
それまで使っていたIZANAGIのLサイズが240gだったので、約30gの軽量化となっています。
軽量なだけではなく、重量の前後バランスも良いように感じます。首が疲れにくい。恐らく後頭部側が少し重めなのではないかと思います。

前モデルのFLAIRはL/XLサイズでも185gだったので、約30g重くなっていることになります。それだけ安全性能を強化したということなのでしょう。それについては後述します。
外観

昨今のトレンドを取り入れた丸みのある形状。これは軽量化を狙う意味もあるようで、製品説明には以下の記載があります。
「軽量はすなわち”究極”の球である」というコンセプトから「軽量」を追求するために球体をベースとした外観デザインを設計。



いろいろな方向から。

前モデルのFLAIRと同様、アウターシェルに肉抜き加工が施されています。肉抜き量はFLAIRよりも減らしたとのことで、ここでも安全性重視の姿勢が見えます。

IZANAGIと比較。FLEX-AIRの方が丸い形状であることが分かります。
フィット感
OGKらしい、アジア人向けの丸い帽体です。
フィット感は、それまで使っていたIZANAGIに良く似ています。ただ、IZANAGIのLサイズ(59-60cm)に比べてFLEX-AIRのL/XLサイズ(59-61cm)と1cmだけ大きくなっているので、若干FLEX-AIRの方が余裕を感じます。

アジャスターは本家BOA。細かいノッチで調整可能です。

あごひもは消臭機能(MOFF)に加えて撥水機能が付いています。ニオイが出にくいのが有難い。バックルは、IZANAGIと同じく小さいタイプ。AERO-R2のバックルは大きくて重かったので、私はこちらのほうが好きですね。

後頭部側のアジャスターは上下4箇所から選択可能。
冷却性能
前述の通り、FLEX-AIRで重視されている性能が「冷却性能」です。
ZENARDやIZANAGIでは、頭頂部のパッドを少し浮かせて頭部とヘルメット本体の間に空間を設ける「セミフローティング構造」を採用していましたが、FLEX-AIRではそれを更に推し進めた「フローティング構造」を採用しています。

その要が、こちらのY字の「エアフローパッド」。被る前は「存在が気になりそう」と思っていましたが、いざ被ってみると全然気にならなかったです。
そして、このフローティング構造は頭部冷却に明確な効果を感じます。走行している最中に頭の上に空気の流れを感じるというだけではなく、夏場でもアイウェアが結露したり曇ったりすることが(ほぼ)起こりません。

先日購入したKarmor「FIANZA」の空冷性能は悪くない気はするんですが、アイウェアはかなり結露してしまい、コンビニに立ち寄るたびにティッシュでアイウェアを拭いていました。額部分に熱がこもってしまっているようです。
FLEX-AIRでは、夏場でもよほど強度を上げない限りアイウェアの結露は起こりません。やはり、頭部の熱を効率良く逃がす&冷却してくれているということなのでしょう。
空力性能
私の用途はブルベ・ロングライドなので、シリアスに空力性能を必要とするような使い方ではありません。もちろん走行時間が長いので、空力性能が良いに越したことはないのですが。
製品説明に空力に関するアピールはありませんが、自社風洞を持つOGKが空力性能を全く無視した製品を作るとも思えません。スポンサードしている国内チームの選手も使うものですから、ある程度は空力性能も高いはず。

実際、2024年の全日本選手権では、FLEX-AIRの製品イメージ写真も務めている小林海選手がFLEX-AIRを被って勝利しています。
安全性能

JCF規格に適合しています。日本国内の公認レースで使用可能。

私個人としては、前頭部と側頭部の肉厚を重視しています。そこが薄いと、転倒した時にヘルメットより先に肌が着地してしまうから。FLEX-AIRは十分な厚みを確保しているように見えます。

私は前作のFLAIRを買わなかったんですが、その理由が「前傾姿勢での視界を確保するために額の部分を切り上げるデザインを採用」していたから。表向きは視界の確保とされていますが、本音は恐らく軽量化が目的だったのでしょう。しかし、この部分を削ってしまうと前転した際に鼻が最初に着地します。本来であればヘルメットが潰れてダメージを減らしてくれるはずなのですが、それが出来ない。
FLEX-AIRはその辺りの反省が見られたので購入に至りました。
見た目
購入こそしましたが、FLEX-AIRのG-2レッドカラーは実はあんまり気に入っていません。

2色の赤の塗り分けというのが好みと違います。朱色っぽい赤を入れるなら、そこは黒にしてほしかった。

OGK史上、一番お気に入りだったのはIZANAGIのこのカラーです。グラデーションのレッドが非常に綺麗なので。このカラーをFLEX-AIRでも出してほしかったですが、発売から3年経って出ないので今後も出なそうです。残念。
破損保証
今回は破損保証に対応したサイクルキューブさんで購入したので、1年間の保証が付帯します。
1年以内に事故で破損した場合に、次のヘルメットを半額で買える制度です。利用はしたくないですが、いざという時の備えとしてありがたい。安くないものですし。
あと1か月で購入から1年。それまで何もありませんように。
その他

思う所あって、現在はヘルメットにオレンジ色の反射テープを貼っています。
7枚貼っていますが、重量は+7g増の218gに収まっています。元が軽いからこそ、被視認性を上げても実用上問題ない重量で済むのはありがたいところ。
まとめ
軽くて涼しいヘルメット。

購入まで2年迷ったんですが、さっさと買わなかったことを後悔しました。アイウェアが結露しにくく、ブルベのような長時間ライドでも首が疲れない。快適なヘルメットです。それでいて、軽量性に寄りすぎず安全性も確保されているバランスを評価します。
不満点は、カラーリングのバリエーションくらい。丸頭の人であれば、いま一番総合的な性能が高いヘルメットではないでしょうか。
評価
対象モデル: OGK KABUTO「FLEX-AIR」
年式: 2025年
定価: 29700円→31900円
購入価格: 29700円
公称重量: 215g (L/XL)
実測重量: 211g (L/XL)
価格への満足度
4-5万の海外ブランドに比べると、実売3万未満でこのクオリティは素晴らしい。
総合評価
軽量・空冷の性能は極めて高く、空力も弱点になるほどではなく。カラーバリエーション以外に文句はありません。
著者情報
年齢: 41歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。
# これまでに著者が乗ってきたスポーツ自転車の履歴はこちらの記事にまとめています。




