Castelli「Perfetto RoS 3」&「Tutto Nano」購入

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カステリのジャケット「Perfetto RoS 3」とビブタイツ「Tutto Nano」を買いました。

目次

購入まで

まずは購入までの流れを書いていきます。

カステリがGOREと決別?

すっかり「11月といえばブラックフライデー」という流れが世界的に定着しました。

そんな時期に見たこちらのツイート。今やすっかりカステリのアンバサダーとなったmorouさんによるRoS 3ジャケットのインプレでした。

気になったのは「GOREと決別してAirCoreになった」という部分。「あれ、GOREとカステリって相当仲が良かったはずじゃ?」という認識だったからです。以前購入した「Perfetto RoS LIGHTジャージ」はGORE-TEX INFINIUMを使っていましたし、ほとんどの上位製品にはGORE製のメンブレンを採用していたはず。

そのカステリがGOREを捨ててフラグシップ製品に「Polartec」というブランドの「AirCore」という生地を採用したということのようで。これは穏やかではありません。

PFAS(フッ素化合物)規制

近年、世界的にPFAS(フッ素化合物)規制が進んでいますが、これに大きく影響を受けたのがレインウェア業界です。

レインウェアに使われる「防水透湿メンブレン」はePTFEというフッ素化合物から作られていることが多く、こうしたメンブレンを製造しているメーカーは方向転換を迫られました。

一番割りを食っているのが、他ならぬGORE社。GORE-TEXはePTFE製だったので槍玉に挙げられることになり、PFASフリーへの転換を進めています。

カステリがGOREからPolartecに乗り換えたのも、この規制と大きく関係はあるはずです。

Polartec AirCoreについて

カステリがPolartec AirCoreを採用した製品を発売したのは今年9月から。

正確にはカステリとPolartecが共同開発した素材のようです。そのため、今のところAirCoreを使っているブランドはカステリのみとなっています。

正確には、カステリの兄弟ブランドであるSportfulも一部製品でAirCoreを使用しています。カステリから少し送れて製品がリリースされました。
2026年秋まではMVCグループ(カステリやSportfulが所属する)のみが独占使用の権利を持つようです。

そのAirCoreを採用した最初の製品が、今回購入した「Perfetto RoS 3」です。前のモデルはGORE-TEX INFINIUMを採用していました。

Polartec AirCoreの特徴を簡単にまとめると以下のような生地であるようです。

Polartec AirCoreの特徴
  • PFASフリーの3層構造。
  • 「通気性」を持つ生地であり、蒸れにくさを最重要視している。「透湿性」も高い水準。
  • 防風性は持つが、ある程度の通気性で換気を促し、オーバーヒートしにくい。
  • 耐水圧は5000mmと、GORE-TEXよりは低い。
  • 非常にしなやかでよく伸びる。

一言で表すと「防水性よりも、蒸れにくさ・しなやかさを重視した生地」と言ったところでしょうか。GORE-TEXは防水性こそ高いものの、ほとんど伸びずにパツパツです。その逆を行くことを狙ったわけですね。

PFAS規制に加えて、カステリなりの独自路線(蒸れにくさ・しなやかさを重視)が影響し、GORE→Polartecへの移行が行われたものと思われます。

クーポンにつられて購入

AirCoreが気になってきた所で、morouさんのサイトに行くと、カステリ公式通販の2割引クーポンコードが。ブラックフライデーセールと組み合わせるとかなり安く買うことが出来そうです。

はい、そのまま注文ボタンを押してしまいました。

dhbの冬用ビブタイツがくたびれてきたこともあり、「TUTTO NANO」という冬用ビブタイツも一緒に注文しました。

Castelli「Perfetto RoS 3」&「TUTTO NANO」

カステリの「Perfetto ROS 3」ジャケットと、「TUTTO NANO」ビブタイツのファーストインプレッションです。

主な用途はロングライド。5~15℃前後の冬の気温で使う想定です。

サイズ

いずれもXLサイズを購入しました。

「性別・身長・体重・年齢」を入力するとオススメのサイズを表示してくれる機能がいつの間にか実装されていて、それに従いました。前は「2着買って合わなかった方を返品」とかしていたので、これは助かる機能です。

2024年に実装されたようですね。前の注文時にはやっぱりなかった様子。

実際に着てみても、サイズは問題ありませんでした。

スペック(防水・透湿)

Perfetto RoS 3ジャケットは、「防水・透湿ウェア」に分類されるので、そちらのスペックを書いておきます。ちなみに「RoS」は「Rain or Shine」の略らしい。

以下の数字は、AirCoreのスペック値です。

耐水圧5000mm
透湿性25,000 g/m²/24h 以上
通気性0.4 – 1.0 CFM

比較として、代表的な防水透湿メンブレンである「GORE-TEX(ePTFE版)」と「eVent」との比較表も載せておきます。

Polartec AirCoreGORE-TEXeVent
耐水圧約5,000 mm約45,000 mm約30,000 mm
透湿性25,000 g/m²/24h13,500 g/m²/24h 15,000–25,000 g/m²/24h
通気性0.4–1.0 CFMなし0.1-0.5 CFM

なお、GORE-TEXそのものは耐水圧や透湿性の数値を明示していません。GORE-TEXを使用したウェアを計測した値を掲載しています。

重量

Perfetto RoS 3ジャケットは、257g。公称重量は244gです。

TUTTO NANOビブタイツは295g。公称重量は348gのはずですが、手元の個体はずいぶん軽いですね。

各部詳細

製品の詳細部分を見ていきます。

Perfetto ROS 3

全体像はこんな感じ。後ろ側の裾が随分長いですが……

これはバックポケットの下に防水布が追加されていて、雨天ライドで後輪が跳ね上げる水をブロックする役目があります。レーパンのパッドが濡れるの、イヤですからね。「ウェア側の泥除け」といったところでしょうか。

バックポケットの下部には水抜き穴も付いています。水抜き穴の周囲には反射材が付いているのがランドヌール的には好感。

生地自体に通気性がありますが、更に通気性が必要なときのために脇腹にベンチレーションが付いています。ポケットに見えますが、物は入りません。

ダブルジッパー、そしてジッパーはYKK製です。

普通、防水ウェアは縫い目をカバーするためにシームテープが貼られています。生地は防水でも、縫い目には穴が空くのでそのままだと浸水してしまうわけですね。ウェア内部にシームテープが無いな……と思ったら外側に貼られていました。そしてシームテープが反射材を兼ねているという演出がなかなか憎い。

袖口に誇らしげに貼られたPolartec AirCoreのロゴも反射材になっています。

モルドバ製らしいです。モルドバってどこ?と思って調べてみると……

ウクライナとルーマニアの間にある国なんですね。ここでしか製造できない秘密とかがあるのかもしれません。

TUTTO NANO

全景を前後から。カステリ製品のアイデンティティとも言えるサソリマークがありません。かつて購入したカステリのビブタイツには必ず直径4cmほどのカステリロゴ(反射材を兼ねている)が貼られていましたが、洗濯するうちに剥がれちゃうんですよね。

その代わりなのか、足首部分にぐるっと反射材が配置されるようになりました。これ、かなり良いですね。足首部分ってペダリングで上下するのでかなり目立つはずで、そのためにブルベでは反射アンクルバンドを付けてます。ただ、最初からレーパンにこういった反射材が付いているならわざわざアンクルバンドを付ける必要がないかもしれません。今後流行ってほしいデザインです。

お尻部分には「NANO FLEX」ロゴ。撥水性と伸縮性を兼ね備えたカステリオリジナルの生地のことです。完全防水ではありませんが、ある程度の小雨ならば弾いてくれます。

製品名の「Tutto Nano」の「Tutto」は英語で言うと「All」。「全てNano Flexで出来ている」ということを意味しているようです。

兄弟ブランドのSportfulは「NO RAIN」という似たような生地を使ってたはずですが、両者の生地の関連性を知りたいですね。

裏起毛になっています。

パッドは「KISS Air2」を採用。以前買った別のレーパンでも使われていて、割と私との相性は良かったです。ただ、乾燥機の熱でパッド内部の接着が剥がれてしまうケースがあったので、乾燥機にかけないで使うことにしています。

こちらはイタリア製。

実走レポート

12月の様々なライドで「Perfetto RoS 3」と「TUTTO NANO」を使用しました。

Perfetto RoS 3

届いてすぐに夜練で試し、その後「レインボーライド」で使用しました。インナーはODLOの長袖、その上にRoS 3ジャケットを着て、morethanのベストを羽織りました。通気性の高さを鑑みると、体幹だけは防風素材のもので守ったほうが良いという判断からです。

念のため、サドルバッグにはGORE-TEXのジャケットも忍ばせてあります。

レインボーライドは朝7時前後にお台場に集合。となると、家を5時半くらいには出ないとなりません。気象庁の記録によれば、この日の東京の朝の気温は2.6℃(朝5:50)でした。

RoS 3ジャケットの推奨温度は「4-14℃」なので、ちょっと下に外れた気温。この日は風はなかったですが、走っていると走行風があります。GORE-TEXのジャケットと比べると少し冷気が抜けてくる感じがありますが、これが「通気性」でしょうか。ただ、追加でジャケットを着るほどの寒さは感じませんでした。

日が出てくると気温はぐんぐん上がり、お昼には15℃に達しました。この気温だと多少は汗をかきましたが、インナーは「びっしょり」にはならず「しっとり」程度に留まっています。通気性と透湿性がしっかり仕事をしてくれたようです。結局、家を出てから帰宅するまで、ウェアを脱ぐ・着るを一度もすることはありませんでした。

その後、別のライドでも使っていますが、「蒸れている」感じは一度としてありません。長い距離を走ると、昼間はかなり暖かくなったり、坂で強度が上がって汗をかくもの。それでも蒸れる感じがないのが素晴らしい。生地の効果は狙い通りに出ていると思います。

一方、このウェアは「ある程度、動き続けている(運動強度が一定以上)」であることを想定しているようにも思えます。夜間の低強度は、寒さのほうが勝つ気がしました。ブルベ的なナイトライドでは、体幹をしっかり断熱・防風するウェアを足したほうが良いと思います。もしくはインサレーションが追加されているAlpha150ジャケットにするか、ですね。

対応気温の多彩さもさることながら、良いと感じたのは「動きやすい」「空気抵抗が少ない」こと。

この時期によく着るGORE-TEXのジャケットは伸縮性が無く、体の動きに制限が掛かります。それがないのが心地よい。また、伸縮性が無いということは、余った生地の部分が風を受けやすいということでもあります。RoS 3ジャケットはかなり身体にフィットするので空気抵抗も少なく感じられました。

また、別の日には予報にない雨にも降られました。表地の一部には水が染み込んでいるようですが、AirCoreは「表地」「防水メンブレン」「裏地」の3層構造。水は防水メンブレンで止まります。

よって、ジャケットの中は全く浸水せず。通り雨程度ならば気にせず走り続けることが出来そうです。何時間も雨に降られるケースではどうなるかは分かりませんが。

TUTTO NANO

こちらはしばらく本格的なライドには投入していませんでした。理由は「尻が滑る」から。

カステリやSportfulのレーパンは、表面に撥水加工した生地を使っています。なので、新品時はかなりサドルの上で尻が滑る感覚があるのです。ペダリングが少しズレてしまうので痛みが出やすくなるため、しばらく短い距離で使用&何度か洗濯をして尻部分のグリップが出てから本格使用を始めることにしています。今回は、2回ほど洗濯したら良い感じに尻がグリップするようになりました。

こちらは割と「普通の冬用ビブタイツ」といった感じで、使用感に特別な点は今のところ感じられていません。足首の反射材が嬉しいことくらいでしょうか。関東の冬であればちょうど良い防風性・断熱性も持っていて、活躍してくれそうです。

特別な点はないものの、これといった不満点もないので、個人的には満足な買い物でした。

まとめ

久々に購入したカステリのウェアのファーストインプレッションでした。

私は基本「重ね着派」です。複数枚のウェアを脱いだり着たりすることで調整できる&ウェア1枚あたりは安価なものでもそれなりに戦えるのが強みですが、服の着脱はなかなか面倒で疎かになりがち。「次の信号に引っかかったらウェアを脱ごう」と思うとなかなか引っかからなかったり。そしてそのままインナーは汗だくになり、汗冷えが……というのは割とよくある展開です。

その点、今回導入したPerfetto RoS 3はウェア側で勝手に色々と調整をしてくれる感じがあり、快適でした。そしてこの時期は重ね着をすると「動きにくい」ことになりがちですが、そういったこともなく。お値段は確かにそれなりに高いのですが、「最新の生地を使ったウェアは凄いな」と素直に感心しました。

Perfetto RoS 3は、真冬(5℃以下)ではちょっと辛いですが、初冬くらいであれば冬用インナーと組み合わせるだけで十分に走れそう。1日の間での気温差の大きい、春や秋のブルベで使ったらどうなるのか楽しみです。また、「本格的な雨の中で使ったらどうなるのか」も今後テストしていきたいと思っています。

著者情報

年齢: 41歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。
# これまでに著者が乗ってきたスポーツ自転車の履歴はこちらの記事にまとめています。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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