Hutchinson「BLACKBIRD CL 28C」購入

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Hutchinsonが今年リリースしたロード用タイヤ「BLACKBIRD」のクリンチャー版を購入しました。

目次

購入まで

まずは購入までの経緯から。

霧立400でのチューブレス投入

先日参加した霧立400。私としては初めてブルベにフックレスリム&チューブレスタイヤを投入しました。

詳しくは上の記事に書いたのですが、「私がブルベを走る上ではチューブレスよりもクリンチャーのほうが良さそうだ」という感触を得ました。

こうして、クリンチャーへの回帰を進めることに。

次のクリンチャータイヤ

さて、次のクリンチャータイヤをどうするか。

しばらく使っていなかったアルテグラホイール(WH-R8170)にはAGILEST FAST 28Cを取り付けていました。この状態で一度ブルベには参加したのですが、タイヤの接地面が傷だらけに。サイスポ・シクロワイヤードのインプレでも同じことが書かれていましたが、やはり接地面はちょっと弱いようです。

パンクなどは無かったのですが、ちょっとブルベ用途には気になる特性ということで他のタイヤを探すことにしました。

最初の候補に上がったのは、グッドイヤーでした。ちょうど買い替えキャンペーンを実施中。

そのリストの中に入っていた「Eagle F1R」はかつてレビュー依頼を受けて感触も良かったので自分でも買ってみようと思っていたのです。2本11000円は相当安い。

9/25頃にショップに注文依頼したのですが、どうもこのキャンペーンはショップ受付が9/20締切だったようで(どこにも書いてない……)。ということで、グッドイヤーへの買い替えは諦めました。

次に頭に浮かんだのはハッチンソンでした。

こちらのタイヤ、霧立400ではチューブレス版を使いましたが、もちろんクリンチャー版もあります。チューブレスというシステムは私の用途には不向きと感じましたが、このBLACKBIRDというタイヤの印象は非常に良かったのです。

北海道の路面でも接地面にはほとんど傷が入らず、転がりも軽い。そして乗り心地も良い(これは空気圧の影響も強そうですが)。

BLACKBIRDのチューブレス版とクリンチャー版ではケーシングの構造が少し違いそうですが、トレッド部分は共通とのこと。値段も実売で7900円ほどと、昨今のタイヤにしては割安です。それでも2本買うとそれなりの値段とはなりますが、今の世の中しかたない。

ということで、28Cクリンチャー版を2本購入しました。

Hutchinson「BLACKBIRD CL 28C」

Hutchinson「BLACKBIRD CL 28C」のファーストインプレッションです。

パッケージ

フランス感アピールの強いパッケージです。そういえばPBPルート上にもハッチンソンの工場があったような。

重量

クリンチャー28Cの公称重量は245gです。なお、チューブレス版で使っていた30Cは実測で310gほどでした。

2個体計測して、240g/245g。正確と言って良い範囲でしょう。

ケーシング幅の計測は忘れました。新ETRTO対応ではあるはずですが。

タイヤ裏側の見た目はこんな感じ。

組付け

WH-8170にタイヤを取り付けていきます。

チューブは軽量化を重視してREVOLOOPです。個人的には、性能・値段・品質のバランスが最も良いTPUチューブ。

AGILEST系列ほどではないですが、表面には離型剤が多めに付いています。取り付けの時に指に付きますが、ベタベタはしません。

取り付け完了。素手で最後まで取り付けは無理でしたが、タイヤレバーでそこまで苦労せずにはまりました。チューブレス版はRACING LABの下に「TUBELESS READY」の文字が入りますが、クリンチャー版には入りません。

なお、離型剤を剥がすために、ぬるま湯に付けた雑巾で表面を拭き取っています。この方法は何故かiRCの技術者の方にお聞きしました。

せっかくなので、組付け後の総重量(ローター・スプロケ込)を、それまで使っていたホイールの総重量と比較しました。

Cog’s「DR40HL-DB Aero-SP」
Hutchinson「Blackbird TLR 30C」
※シーラント50mlずつ
前輪: 1147g
後輪: 1477g
————-
合計: 2624g
SHIMANO「WH-R8170-C36/C50」
Hutchinson「Blackbird CL 28C」
Revoloop「RACE」
前輪: 1111g
後輪: 1442g
————-
合計: 2553g

71gほど軽くなりました。もう少し軽くなるかと思っていましたが、Cog’sのホイールは軽かったので思ったほどは軽くならなかったですね。

太さ

内幅21mmのリムに取り付け、6気圧入れて実測で30.2mmでした。ちょっと太め。

耐パンクベルト

公式サイトによると、チューブレス版は耐パンク補強が「ポリアミド」、クリンチャー版は「アラミド」と違う手段が採用されています。

チューブレス版ではケーシングを耐パンク層に直接接着する「スイフトイージーケーシング」という方式を採用していますが、クリンチャー版は通常の構造になっているようです。

クリンチャー版の耐パンク層の強さはこれから使って確認したいと思います。

実走

夜練で少し乗った感想です。空気圧は、前5.5気圧・後6.0気圧。

感触はチューブレス版とよく似ています。チューブレスに比べると空気圧が1.5気圧ほど上&タイヤ幅も小さいので乗り心地の点では劣りますが、全体的な印象は「同じ製品」。それでも、TPUチューブにしては乗り心地が良いと感じられました。

30Cチューブレスと比べると重量が軽くなり、漕ぎ出し・加速・登りが早くなった感触はあります。感触があるだけでタイムを見るとほぼ同じなんですが……。そこはチューブレスの体感と性能が一致しにくい部分なのでしょう。

ブラックバードでデビューするテクノロジーがもう1つあります。ハッチンソンが開発した中で最速かつもっとも効率的なトレッドコンパウンド「マッハ トレッド 3.0」です。このまったく新しいコンパウンドは驚異的に低い転がり抵抗と高い反発力を持ち、路面と接触した際のエネルギーリターンが25%向上します。

「マッハ トレッド 3.0」は、以前の 11ストームコンパウンドよりも10%硬く、道路上の破⽚がタイヤを引き裂く力に抵抗する能力が向上し、4,000km を超える寿命を持っています。この硬さに相反する性能であるグリップ力は、前世代と同等の⾼レベルを維持しています。

また、「マッハトレッド」の耐久性は「4000km持つ」と標榜されており、持ちの良さも楽しみ。チューブレス版も2000kmほど使いましたが、まだまだ全然使えそうなので信憑性はありそうです。

設計は最新の幅広のリムがベースで、トレッド⾯は前世代のタイヤより15%広くなっています。

これは最近のタイヤの特徴な気がしますね。ワイドリムへの取り付けが前提となっており、旧ETRTO時代のタイヤよりもトレッド部分が横に広いタイヤが増えていると思います。

まとめ

Hutchinson「Blackbird CL 28C」の購入報告でした。

あまり話題になっていないタイヤですが、隠れた良タイヤだと思っています。各社クリンチャーでも定価10000円超えが当たり前になった今、定価8800円なのもありがたい。

耐摩耗性・耐パンク性にも期待できそうなので、今後のブルベはしばらくこれで走って見る予定です。

著者情報

年齢: 40歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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