【レビュー】Fizi:k「ボトルケージ」

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評価:4.5

Fizikの、カーボン強化ナイロン製ボトルケージ。トライアスロン等でのサドル後方に取り付ける用途で開発された珍しい出自のボトルケージです。

目次

購入動機

ダウンチューブ下に付ける、いわゆる「第三のボトルケージ」。

Fogliaのボトルケージの欠点

この位置には、ずっと下記のボトルケージを使ってきました。

保持力やボトルの上下位置に関しては全く文句はないのですが、このボトルケージには一つ弱点があります。「定期的に折れる」ことです。

具体的には写真の部分が折れます。おおよそ一年ほどでこうなります。

通常の使用方法(左の写真・上向き使用)ではAの部位に力が掛かります。Bの部位は支えているだけ。

一方、第3のボトルケージ(右の写真・下向き使用)では、Bの部位に集中的に力がかかります。結果、根本がその力に耐えきれなくなり、最終的には折れます。

一般的なボトルケージは上向きの使用は想定していますが、下向きの使用方法は想定していません。折れるのは当然の結果ではあります。

下向き使用に適したボトルケージ

2024年秋。またしてもFogliaのボトルケージが折れました。

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そのことをTwitterに書いた所、フォロワーのponさんから「ダウンチューブ下に付けるならこれが良いですよ」とオススメ頂いたのが、今回レビューするフィジークのボトルケージです。

2023年秋に発売されたこちらのボトルケージ。以下のような経緯で開発がスタートしたそうです。

もともと、フィジークはこのボトルケージを同社のTT/トライアスロン向けサドルである”TRANSIRO AERIS”シリーズに付属のAERIS LINKを介して取り付けることを想定し開発をスタートさせたという。

このボトルケージは、非常に珍しい「サドル後方に取り付けるために開発された」ボトルケージなのです。

Fizik公式サイトより引用

こちらがサドル後方に取り付けた様子。ボトルケージが下向きについている事が分かりますね。この状態で破損しないような設計が行われているということです。また、この位置は振動が非常に大きい場所でもあります。それでもボトルが飛んでいかない高い保持力が求められます。

「下向き使用の考慮」と「高い保持力」。これらは、ダウンチューブ下の第三のボトルケージに適した特性です。

カーボン強化ナイロンを使いながら、価格は税込2000円と今どき良心的な価格。これはちょっと試してみようと思い、早速購入しました。

製品概要

実測重量は29.8g。カーボン強化ナイロン製。

カラーは1色のみの展開です。

使用感

ダウンチューブ下の「第三のボトルケージ」用途でのみ使用しています。

重量

実測重量は29.8gです。公称重量は29gなので、ほぼ公称通り。カーボン強化ナイロン製で軽量です。

これまで使っていたFogliaのボトルケージは36gなので、6gの軽量化。

上下位置

第三のボトルケージとして使用する場合、大事になるのが「上下位置」です。

ある程度ボトルが下に付かないと、ボトルと前輪が接触してしまうことが理由です。

Fizikのボトルケージは上下の調整幅が大きめに設定されています。Fogliaのボトルケージほど下がりませんが、実用上問題ないくらいまでボトルを下げることは出来ました。

保持力

保持力はかなり高いです。荒れた道を走っても、全くガタつく音すらしません。すっぽ抜けることはまずないはず。

ブルベにも投入して荒れた道も走りましたが、ノートラブルでした。

通常のボトルケージはこのアーム部分が左右に分かれていることが多いものですが、Fizikのボトルケージは左右アームがつながっています。素材自体も固めなので、ガッチリとボトルをホールドしてくれます。

ただ、あまりにも保持力が高いため、抜くときに物凄く力を要します。めったに抜き差しをしない第三のボトルケージならばそれで良いのですが、ドリンク用のボトルケージには向かないと思います。抜き差しの際に腕力をかなり使いますので。

パッケージでも、サドル後方への取り付けと、固定力の高さをアピールされています。

見た目

シックな見た目で、取り付けるフレームを選ばない見た目だと思います。

その他

フレーム形状とボトルケージの位置によっては、チェーンをインナーに入れた際に接触するかもしれません。ご注意。

まとめ

ダウンチューブ下への取り付けに適したボトルケージ。

保持力が高すぎてドリンク用のボトルケージには不向きだと思いますが、ダウンチューブ下には非常に適した特性を持っていました。Fogliaのボトルケージと比べると1cmくらいボトルが上に来てしまいますが、そこ以外の性能は非常に優れていると感じました。

まだ使い始めて1ヶ月ほどなのですが、数年折れずに使えることを期待します。

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評価

対象モデル:  Fizi:k「ボトルケージ」
年式: 2023年
定価: 2000円
購入価格: 1870円
公称重量: 29g
実測重量: 29.8g

価格への満足度

10/10

今どきこの値段でこのクオリティは凄い。

総合評価

9/10

下向き取り付けを考慮されたボトルケージ。ダウンチューブ下用途に向く。

著者情報

年齢: 40歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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