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【レビュー】REC-MOUNTS「Type19 両持ちナロータイプ」
評価:4.5
REC-MOUNTSのサイコンマウント。GoPro用マウントが付属し、サイコンの下にライトを吊り下げ可能になっています。
購入動機
GE-110のハンドル用のサイコンマウントとして購入しました。
悩ましいマウント選び
2024年初めにGE-110が納車となりました。パーツ類は基本的にINFINITO CVからの載せ替えです。
ただ、困ってしまったのが「ハンドル周りのレイアウト」でした。

こんな記事を過去に書きましたが、これはGE-110のジオメトリにおけるスタックが高すぎて、普通の角度(-6~7°)のステムではポジションが出なかったからです。
結果として-12°というかなりマニアックな角度のステムを導入してハンドルを下げましたが、これで困ったのがハンドル周りのレイアウトです。

載せ替え前のINFINITO CVでは、Bontrager「Blendrシステム」というものを使ってサイコンをマウントしていました。これは、Bontragerのステムからサイコンマウントを伸ばせるというもの。もちろんこのシステムはBontragerのステムでしか使えないシステム。そしてFSAのステムにはそういったシステムは用意されていません。

ブルベにおいては前照灯を最低2灯以上付けることが求められます。ハンドルの上は場所の取り合いになります。
こうしたアウトフロントマウントでサイコンを取り付けると、ハンドルクランプ部の幅が結構太く、ライトと干渉してしまう場合があります。
そこで、ハンドルクランプ部が細く、ライトと干渉しないマウントを探すことにしました。
ハンドルクランプ部が狭いマウント探し
ハンドルクランプ部を狭くすると、片手持ちでは破損の危険性があります。必然、両手持ちのマウントということになります。
両手持ちマウントを探してみたものの、選択肢は少なめ。中華マウントは信頼性の観点から除外すると、ほとんど候補は残りませんでした。
最初に候補に上がったのがTOPEAK「UTF MULTI-MOUNT PRO」。
ただ、検索しても口コミがほとんど見つからず、品質や使い勝手がどの程度のものか判断できず。TOPEAKだから下手なものは出さないでしょうが、評判がわからない状態で買うには高価です。
Type19という選択肢
そこでTOPEAKの次に候補に上がったのが、今回レビューするREC-MOUNTS「Type19」です。両手持ちでアームがナロー。今回の要件には合致しています。
ただ、個人的にはあまりブランドに対して良いイメージを持っていませんでした。過去に使った製品の品質がイマイチで、サイコンが段差で脱落した経験があったからです。また、このマウントの検討をしていたのはこの騒動の直後であり、会社としてのモノづくりに対する姿勢にも疑問を感じていました。
Type19マウントはREC-MOUNTSでも一番売れている製品のようで、私の周囲にも愛用者は多数存在していました。彼らに評判を聞いてみると、「ほかは分からないけど、Type19は良品」「Type19でトラブルは一度もない」という声が多数。悪い話は特にありませんでした。
よく売れる品ということでモデルチェンジも重ねられているようで、現在は第三世代とのこと。長く使われる中で品質も向上してきた製品ということのようです。
Ride-on Bagの件は引っかかっていましたが、とりあえずType19を買って試してみることにしました。
製品概要
実測重量は74g(ライト下部のGoProマウント込)。マウント素材は6061アルミ。
サイコン下部に吊り下げるライト等の耐荷重は265gまでとされています。
使用感

普段の週末ライドと、300km以下のブルベで使用しています。400km以上のカテゴリでは電池の持ちの関係からeTrexを使う必要があり、こちらのマウントに切り替えるためです。
重量

GoProマウント(GP-K400A)を取り付けた状態で74gでした。
この手のマウントとしては重めではありますが、安心感のある重さです。アルミで妙に軽いと破断が心配なので。
取り付け


2本のアームを2.5mmボルトで固定します。アームのクランプ幅は狭く、ライトと干渉しません。

幅広のステムに対応するために「M5スペーサーキット」という2mmのスペーサーが2個付属します。私のステムは太いので、このスペーサーを入れました。


ライト下部には、取り外し可能なGoProマウント。ここにライトを吊り下げることも出来ますが、現在はハンドルにライトを2個付けているので、ここにライトは付けていません。


アームには穴が開いており、サイコンの設置位置を前後3パターンから選べるようになっています。
また、この穴には専用のベルを付けることも可能。現在はCATEYEライトのバンドに共付け可能なOH-2400ベルを使っているため、専用ベルは使っていません。

アームの角度を変えなくてもサイコンの角度を独立して変えられるようになっています。私の設置角度はこんな感じ。顔に正対するような角度にして、画面を見やすいようにしています。空気抵抗は大きくなりますが、画面の見やすさを優先。
安定性
Garmin「Edge530/840」や、COROS「DURA」を付けた状態で使用しました。サイコン下部にVOLT800 NEO(重量170g程度)を吊り下げての使用実績もあります。

導入直後のブルベでは、段差を越えた際にライトの重みでサイコン画面の角度が変わってしまうという問題が起こりましたが、これはサイコン左右のボルトの締め込みが足りなかったため。しっかりと締めた後は、走行中に角度が変わることは一度もありませんでした。
ハンドル側のクランプ部も細い割に強力で、走行中にズレたことはありません。
耐荷重
私が購入したAmazonの製品ページには耐荷重が書かれていませんでしたが、本記事を書くにあたって公式サイトを見た所、耐荷重の記載を発見しました。

フォントがかなり小さくて見逃しそうになりましたが、サイコン下部の耐荷重は265gまでということのようです。上側のサイコンの重量については特に制限を見つけることは出来ませんでした。
サイコン下部のGoProアダプタの重量が12gなので、それを差し引くと吊り下げられる重量は250g程度までということになります。
最重量級のライトであるVOLT1700が256g。微妙に耐荷重を超える程度なので、大抵のライトの吊り下げには対応していると言えそうです。ただし、それは吊り下げるライトが1個の場合。
REC-MOUNTSにはこうした「2個のライトやカメラを吊り下げられるアダプタ」が用意されていますが、このアダプタだけで重量が20g程度あります。2個のライトを吊り下げると、大抵の場合は耐荷重を超えてしまう可能性が高いです。

本格的なライトの中でGvolt70はかなり軽い(99g)ので、これなら2個並べても何とかなりそうではあります。試したことはないですが。
その他

こちらのプラスネジ、長期間使っていると緩みます。精密ドライバーでないと締められないので、出先で緩むと対応が難しいかもしれません。
先日緩んでサイコンにガタが出たので、ロックタイトを塗って締め直しました。
まとめ
使い勝手・品質ともに良いマウントでした。使用開始から1年、大きな問題は起きていません。
同ブランドの他の製品については不明ですが、少なくともType19マウントについては多くのブラッシュアップが重ねられてきただけあって信頼性の高い製品になっているようです。耐荷重を守って、ボルト類をしっかり締めていればそうそう問題は起こらないでしょう。
評価
対象モデル: REC-MOUNTS「Type19 両持ちナロータイプ」
年式: 2023年
定価: 不明
購入価格: 5590円
公称重量: 57g+12g
実測重量: 74g
価格への満足度
マウントの中ではなかなか高価。
総合評価
多くの人に使われてブラッシュアップされている。使い勝手も良かった。
著者情報
年齢: 40歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。