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Garmin「eTrex Touch」ファーストインプレッション
Garminから発売されたトレッキング用GPSの最新作、「eTrex Touch」を購入しました。ロングライドにおけるサイクルコンピュータとしての用途での購入です。
購入まで
購入までの流れを書いていきます。
購入経緯
概ね以下の記事に書いた通りになります。

要約すると、「ずっと愛用していたeTrex 30系の後継機種っぽいものが出たので飛びついた」ということです。発売前に予約していたので、発売日(10月16日)には配達されました。
マウントが入手できない
eTrexはトレッキングをメイン用途として作られています。
リュックのベルトなどに取り付けることを想定しているためか、Edgeシリーズとは別のマウント方式を採用しています。今回購入したeTrex Touchは、新しい「Spine Mount 2」という方式を採用。自転車に搭載するには専用のマウントが必要になります。
eTrex Touchが発売される前からそのマウントを注文していましたが、マウントのみ発売が遅延。eTrex Touchが販売されて約1ヶ月してからようやくマウントが発送され始めました。
自転車用のマウントがなければテストが出来ないので、他の手段を考えることに。
ゆるふわーくすさんのアダプタを入手
こんな時に頼りになるのが、3Dプリンタで様々なアダプタを作成している「ゆるふわーくす」さんです。
主宰のてつやんさんもeTrex Touchを購入しており、早速アダプタを作成。
eTrex Touch用キャットアイアタッチメント完成しました。
— てつやん (@tetsu_yan) October 21, 2025
形状確認のため写真の物は白色ですが、ゆるふわーくすからの頒布時は通常の黒色となります。
頒布にあたりテストで2週間で100km程度走れる方を何人か募集します。
興味のある方はリプかDMにてご連絡下さい。
よろしくお願いします。 https://t.co/nr1bdhFLlS pic.twitter.com/jhm3yrcTpG
テスターを募集されてたので、即座に手を挙げました。これでようやく、サイクリングにおけるeTrex Touchの性能を試すことが出来ます。
Garmin「eTrex Touch」

発売日である10月16日に受領し、主に室内で色々なテストを実施。自転車用マウントが用意できてからは、100kmの一気乗りを含む合計200kmほど走行テストを行いました。現段階でのファーストインプレッションを書いていきます。
本製品「eTrex Touch」はトレッキング用GPSと位置づけられていますが、マリンスポーツや自転車といった様々なアウトドアアクティビティに「広く浅く」対応しています。本記事では、主に「自転車ロングライド」観点で各種機能を確認していきます。
比較対象は、Garminの自転車用サイコン最新世代である「Edge850」、本製品の前モデルにあたる「eTrex 32x」です。
競合製品とのスペック比較
eTrex Touchのスペックを示しつつ、競合製品と比較していきます。
| 項目 | eTrex Touch | eTrex 32x | Edge 850 |
|---|---|---|---|
| ディスプレイ | 3.0インチ カラーTFT | 2.2インチ カラーTFT | 2.7インチ カラーTFT |
| 解像度 | 240×400 ピクセル | 240×320 ピクセル | 420×600 ピクセル |
| 操作方式 | タッチスクリーン + 電源ボタン | ジョイスティック + 5ボタン | タッチスクリーン + 7ボタン |
| 衛星対応 | GPS / GLONASS / Galileo / QZSS マルチGNSS・マルチバンド | GPS + GLONASS+みちびき | GPS / GLONASS / Galileo / QZSS マルチGNSS・マルチバンド |
| 内蔵センサー | 3軸電子コンパス 気圧高度計 | 3軸電子コンパス 気圧高度計 | 3軸電子コンパス 気圧高度計 |
| 内蔵メモリ / ストレージ | 32GB 内蔵メモリ | 8GB 内蔵メモリ microSDスロット対応 | 64GB 内蔵メモリ |
| 電源 | 内蔵リチウムイオン充電池 2120mAh | 単3乾電池 ×2 | 内蔵リチウムイオン充電池 1490mAh |
| インターフェース | USB-C | miniUSB | USB-C |
| ランタイム | 130時間 650時間(Expedition) | 25時間 | 12時間(通常) 36時間(バッテリー節約) |
| 防水性能 | IP67 | IPX7 | IPX7 |
| サイズ | 66.0 × 105.4 × 24.6 mm | 54.0 × 103.0 × 33.0 mm | 54.6 x 92.2 x 16.8 mm |
| 重量 | 150 g | 141.7 g(電池込み) | 113 g |
| 地図機能 | 地図表示 ルート案内 交差点案内対応 | ベースマップ + microSD追加可能 | 地図表示 ルート案内 交差点案内対応 |
| ナビ機能 | ルート表示 ウェイポイント トラック記録 ターンバイターンナビ コース逸脱警告など | ルート表示 ウェイポイント トラック記録 | ルート表示 ウェイポイント トラック記録 ターンバイターンナビ コース逸脱警告など |
| 接続性 | ANT+ / Bluetooth / WiFi | ANT+ | ANT+ / Bluetooth / WiFi |
| 対応センサー | スピード / ケイデンス / 心拍 / 気温 / | スピード / ケイデンス / 心拍 / 気温 / | スピード / ケイデンス / 心拍 / パワー / レーダー / アクションカメラ |
機能的にはeTrex 32xを踏襲。

自転車が主たる用途ではないため、対応するセンサーはスピードや心拍など最小限で、パワーメーターやリアビューレーダーと言った専門的なセンサーには対応していません。
インターフェース面では、長く続いた「mini USB」をようやく卒業し、USB Type-Cへ。バッテリーも電池式ではなく充電式となり、2120mAhの大容量バッテリーを積んでいます。
ランタイムは驚異の130時間。ただし、どのような条件で130時間動作するかについて詳しく説明されていません。
eTrex 32xは物理ボタンが5個とジョイスティックが付いていましたが、eTrex Touchはタッチスクリーン方式に転換。物理ボタンも1つだけありますが、電源ボタンのみとなっています。

筐体サイズもかなり大きいです。左右に置いたのは、eTrex 32xと、Edge 840 Solar。明らかにeTrex Touchが「かなり大きい」ということがお分かりになるかと思います。ハンドルにライトを付けている方は、干渉を考慮する必要があるでしょう。

本体サイズは大きいですが、ベゼルもかなり大きいため、画面は思ったほど大きくありません。

同程度の大きさを持つiGPSPORT「BiNavi」と比較しても、画面の表示部が小さいですね。せっかくならばベゼルを小さくして大画面を確保して欲しかったところですが。
パッケージ

電子デバイスのパッケージ簡素化が進む昨今ですが、eTrex Touchの箱は「いつものGarmin」といった感じの段ボール箱。

パッケージ内容は以下の通り。
- 本体
- Type-C to Type-Cケーブル
- マニュアル
- 保証書
簡素です。
本来は手に持って使う製品であるため、自転車用マウントも別売りです。
重量

公称150gで、実測150g。ピタリ賞です。
大きめのバッテリーを積んでいる&筐体の耐久性を重視しているためか、この手のガジェットとしてはかなりの重量級。
本体仕様

本体の仕様を見ていきます。
画面

有機ELではなく、普通のTFT液晶です。バックライトを切っても画面は表示されるので、昼間はバックライトOFFでの運用が可能。野外でも見やすい液晶だと思います。
画面の表示自体は綺麗なのですが、文字のフォントが全体的に小さめで、可読性は低いです。あと、地図には謎のマリモが発生しています。
ボタン配置

物理ボタンはただ一つ。画面上部の電源ボタンのみです。
長押しで電源ON/OFFを行えるほか、ダブルクリックでスクリーンショットを取得できます。
操作は基本的に全てタッチパネルで行います。「ちょっと割り切り過ぎではないか?」と買う前に思いましたが、買った後もやっぱり同じことを思いました。
充電端子

分厚いパッキンに覆われた奥にType-C端子があります。トップチューブバッグなどから充電ケーブルを伸ばせば、動作させながら充電を行うことも可能です。
裏面

マウント形式は新しい「Spine Mount 2」というもの。まだ対応する自転車用マウントが出回っていません。
「きっとこのマウントを外せば平らだろう」と思って、こちらの貼り付けるタイプのGarminマウントを用意していたのですが。

いざマウントを外してみると、平らではありませんでした。これでは貼り付けるタイプのマウントは付きません。
そうなると、頼れるのは「ゆるふわーくす」さんのみ。


ゆるふわーくすさんのプロトタイプ版マウントを取り付けます。

この状態で自転車に取り付けます。
技適番号

Garminだから当然のように技適は取得済み。
通信機能のある製品を日本で使う場合、技適の取得は必須となります。
Amazonや海外通販で手に入るサイコンには技適を取得していないものもあり、日本で使用すると違法となる場合があります。注意しましょう。
セットアップ
初期セットアップの模様について書いていきます。

まずは言語設定から。「日本語」を選択。


次はデフォルトアクティビティのプロファイル選択。eTrex 32xには「アクティビティプロファイル」という概念はありませんでしたが、eTrex Touchでは新規導入されていました。Garminだと、Edgeやスマートウォッチには搭載済みの概念で、「行う活動の種別ごとに設定を持つことが出来る」というもの。
私は基本的に自転車でしか使わないので、「ロードバイク」プロファイルを選択しました。


eTrex Touchを使いこなすには、Garmin Connectではなく「Garmin Explore」アプリをインストールする必要があります。指示に従ってアプリをインストールし、接続を確立。
これで初期設定は終了です。
操作方法
eTrex Touchは、既存の機種とは随分違う操作性となっています。
「ホーム画面」と「アプリ画面」が存在しており、これを切り替えながら使っていくことになります。
ホーム画面
起動するとまず表示されるのが「ホーム画面」です。


データ項目や地図などの「アプリ」を配置し、自分好みのページを作ることが出来ます。こうした、複数アプリの情報を1画面に表示する仕組みを「ウィジェット」と呼びます。
eTrex 32xには「Page Sequence」なる概念があり、そこに「Map」や「Trip Computer」というページを配置することが出来ました。それに近い画面ということになります。
画面左下の「■」が6個集まっているボタンをタップすると、「アプリ画面」に移ります。
アプリ画面

こちらがアプリ画面です。地図・コンパス・高度計と言った各種アプリをここから起動することが出来ます。eTrex 32xのメニュー画面に近い画面です。



各アプリの表示はこんな感じ。色々と表示はリッチになっていますが、基本的には旧eTrex 32xと機能的に大きな差はありません。



「すごいな~」と思ったのは天気予報アプリ。スマートフォンと接続することで天気情報を取得し、地図上にレイヤーを重ねて表示できます。これは従来のeTrexには無かった機能。スマホアプリの「Windy」みたいなことがサイコン上で行えるというのはアツい。Edgeシリーズの最新作(x50系)にもこの機能は搭載されている模様です。
アクティビティの記録
画面下部に表示される「アクティビティ開始」ボタンをタップすると以下の画面に移ります。

開始ボタンをタップすると、アクティビティの記録が開始されます。

画面下の時間が経過していきます。時間の部分をタップすると、記録を停止するメニュー画面に移動します。

停止ボタンを押すと、ライドの記録がファイルに保存されます。
ナビゲーション
従来のeTrexでは、「マップ上にルート軌跡だけを表示する」機能は存在していました。eTrex Touchも同様の機能を踏襲しています。
ルートの転送(アプリから)
Edgeシリーズと同様に、Garmin Connectアプリからルートデータを転送することが可能です。


ルートを選んで、転送ボタン(画面右下の時計の形のボタン)をタップ。そこから「eTrex Touch」を選ぶと、ルートが転送されます。

転送されたルートは、上のようにルート一覧から確認可能です。
ルートの転送(PC接続)
Ride with GPSのようなルート作成サイトでFITファイルやGPXファイルを作成し、USB接続で指定フォルダに配置することでもルート転送が可能です。
指定フォルダは「\Internal Storage\GARMIN\New Files」。ここに、拡張子が「fit」「gpx」のファイルを置くと、次回起動時にルートデータが読み込まれます。
ナビゲーション開始



ルートを選び、「ナビゲーション」をタップすると、マップ上に軌跡が表示されます。
重要なのは「バーチャルパートナーは出てこない」ということです。Edgeシリーズで我々を悩ませてきた憎き存在は、eTrexの世界には存在しません。
交差点での通知
恐らくEdgeシリーズは、ルートデータを読み込んだ後に、地図データと照合して通過する交差点名を抽出、そこに近づいた時に通知を出す仕掛けが入っています。
一方、eTrex Touchでは、地図データからの交差点名の抽出処理は、デフォルトでは動きません。

オプションである「ルート探索」をONにすればEdgeのようなナビゲーションをしてくれそうではありますが、70kmのコースで計算に10分近く掛かりました。全く実用的ではありません。

ただ、eTrex Touchは、ルートデータに含まれるキューシート情報(画像の左側の一覧)は読み込んでくれるようです。あらかじめ計算済みの情報は読み込んでくれるということでしょう。Garminの世界では、このキューシートの曲がるポイントのことを「コースポイント」と呼んでいます。
そしてキューの場所に差し掛かると……

なんと、全画面表示でこんなメッセージが出ます。邪魔過ぎる。
到着すると更に「到着しました」というメッセージが出ます。画面の一部に出てくれるならともかく、地図が完全に隠れてしまい、OKを押すまで閉じられません。ちゃんとテストしたんですかね、コレ?
元々eTrex 32xは「地図上にルート軌跡を表示するだけ」の機能しかありませんでしたが、別にそれで困っていたわけでもないので、私はキュー情報なしで運用しようかなと思っています。たまに交差点を通り過ぎちゃいますが。

また、ナビゲーション中のコースから逸脱した場合にも、同様に全画面で表示が出ます。もっと小さく表示して欲しい。
山と谷の表示
eTrex 32xには、読み込んだルートにおける「山」と「谷」を表示する機能がありました。

この画面で言うと、「⛰️↑」が「坂の頂上」を表し、「⛰️↓」が「坂の一番下」を表します。どういう条件で表示されるのかは分かりませんが、高低差が50mくらいあれば表示されていたように思います。「この先はこれくらいアップダウンが連続しているんだな」と視覚的に判断することができて、かなり便利な機能でした。
しかし、eTrex Touchにはこれに相当する表示が見当たりません。

eTrex Touchの製品写真を見ると、それっぽい表示(山のアイコン)が出ているように見えますが、これが出てくる条件が分かりません。高低差が数百メートル以上あれば表示されるのかもしれませんが、それでは実用性に欠けていますね。もっと小さな高低差でも表示されるようにしてほしいですし、山だけではなく谷も表示してほしいものです。
ウェイポイントの表示
Garminのデバイスには、マップ上にウェイポイントを表示する機能があります。いわゆる「目印」で、立ち寄りたい場所をあらかじめ登録しておく使い方をします。
ブルベであれば、ウェイポイントとして「スタート」「チェックポイント」「ゴール」を設定することが多いです。宿泊予定があれば、「ホテル」も登録します。

ウェイポイントのファイルを作成する方法は↑の記事を参照してください。
作成したファイルを「\Internal Storage\GARMIN\GPX」に置くと、ウェイポイントのデータが読み込まれます。

読み込んだウェイポイントは、🏴アイコンで地図上に表示されます。eTrex 32xではウェイポイントのアイコンを選ぶことが出来ましたが、eTrex Touchではその設定をしても無視されます。すべて🏴アイコンです。
🏴アイコンが大きすぎて地図が見えなくなってしまうので、出来れば他の小さいアイコンも選べるように改良してほしいですね。
謎のマリモ
eTrex Touchの地図には謎の「緑の丸」が大量に表示されます。

こんな感じ。私は「マリモ」と呼んでいます。ちょっと気持ち悪い。
どうやらこれは地図に内蔵された「都市」を表すアイコンのようで、市区町村が多い都心部だと密度が高く、山に行くとほとんど表示されません。私は都市部を走ることが多いので、マリモを大量に目にします。

このマリモ、ナビをさせていると大変邪魔です。ルート軌跡よりも上に表示され、ルートを覆い隠してしまうのです。
出来れば非表示にしたいのですが、マリモを非表示にする方法が分かりません。今後のアップデートで、消せるようになることを願います。
自転車への取り付け
公式の自転車用マウントの発売が遅れたため、なんとか自転車に取り付けようと色々と試行錯誤を実施しました。
ゆるふわーくすさんのアダプタ

前述の通り、ゆるふわーくすさんのプロトタイプ版アダプタを入手。これを使って、マウント方式をCATEYE式に変更しました。
今回はステムにeTrex Touchを取り付けたいと考え、まずはレックマウントのこちらの製品を入手。
早速取り付けて走ってみましたが……


シリコンバンドの固定が甘く、サイコンの画面がボヨンボヨン揺れてしまい、全然使い物になりませんでした。
ステムに取り付ける方法は他にないので、他の方法を探すことに。

TNIのカーボンステイを使って、ハンドルの前側に取り付けることにしました。
こちらで50kmほどテストを実施。走行時の画面の揺れについても問題はありませんでしたが、サイコンの下にライトが吊るせなくなってしまったのが気になりました。
公式のバイクマウント

そうこうしているうちに、遅れていたバイクマウントがようやく到着。こちらはステムにも取り付けが可能です。

こちらもかなりの高足下駄になりましたが、シリコンバンドよりは固定力がしっかりしています。走行時も画面は揺れなかったので、しばらくはこれでテストをしてみることにしました。
実走
実際にeTrex Touchを使用して、100kmほどのロングライドを走ってみました。
現在開催されている「ライドアラウンド in 東京多摩」というロゲイニングイベントがあるのですが、こちらのイベントは東京の多摩地区に配置された約500箇所のチェックポイントを巡り、各チェックポイントに設定されたポイントの合計を競う内容となっています。イベント期間は約3ヶ月で、その間は自由にチェックポイントを巡ることが出来ます。
今回は、500箇所のチェックポイント情報をウェイポイントとしてeTrex Touchに登録してあります。
画面の見やすさ
画面は常に表示、バックライトは「昼: 10%」「夜: 20%」に手動で切り替えを行いました。

昼間は画面が見やすいです。液晶自体も大きいこともあると思いますが、なかなか快適。
一方で、夜間は見づらい。バックライトは最低20%、出来れば30%以上にしないとキツいです。白と黒のコントラストが弱く、本来黒いはずの部分が灰色に見えるというか。これはハード的な問題なので後天的に直せないのが辛い所。


あと、辛いのが「データ項目」画面における、データ項目のフォントの小ささ。とにかく表示されるデータのフォントが小さい。マップ画面に表示されるデータ項目のフォントはそれなりに大きいのに、「データ項目」画面のフォントは本当に小さくて読めない。老眼の始まってない私でも読めないので、老眼が始まっている人には使い物にならないでしょう。
すべての画面で、データ項目のフォントサイズをマップ画面並にしてほしいですね。

あと、画面右上に「現在時刻」が常に表示されていますが、これも輪をかけてフォントが小さいです。表示されているのに全然読めない。かといって、せっかく表示されている現在時刻をデータ項目として表示させるのも領域がもったいない。
現在時刻を常に表示させるならば、もっと大きなフォントで堂々と表示させてほしいです。
操作性・レスポンス
色々とモッサリしていたeTrex 30系に比べると、サクサク動いてくれます。ヌルヌルというレベルには達していませんが、もたつくことはありません。
ただ、やはり「物理ボタンがない」「タッチパネルでしか操作ができない」という点がストレスに感じられました。

自分でも意識していなかったのですが、「走行中にEdge840等のページを切り替えたい」と思った時、私は前方を見ながら物理ボタンでページ送りをしていました。画面を注視したら危険ですし、物理ボタンであれば操作したクリック感が指先に伝わります。「操作が完了しました」というフィードバックが「感触」として存在するわけですね。

一方、物理ボタンを持たないeTrex Touchでは、画面をスワイプすることでしかページ送りをすることが出来ません。操作が完了したフィードバックは無く、結果を確認するためには画面を見続ける必要があります。これは自転車では危険です。

タッチ感度は悪くありません。設定画面で「タッチ感度: グローブ」を選択しておけば、グローブをした状態でもちゃんと操作は出来ます。
ただ、やはり「すべての操作をタッチパネルで行う」というのはサイクルコンピューターという用途においては、まだまだ使いにくいと感じますね。

一時期はタッチパネルしか無かったカーナビも、最近は物理ボタン付きに回帰してきています。自転車用途も考慮するならば、是非とも物理ボタンの復活を検討してほしいものです。その場合、名前は「Touch」ではなくなりそうですが。
もしくは、物理ボタンを備えたリモコンや、Di2のリモートボタンで操作できるようにするという手もあります。
今回はまだ試せていませんが、雨が降った時の操作性がどうなるかも気になるところです。
通信衛星の設定
eTrex Touchでは、通信する衛星の設定を切り替えることが出来ます。

こちらが通信する衛星の設定画面。「航空写真」というタイトルになっていますが、これは誤訳だと思います。こんな中華サイコンみたいな誤訳が残っているとは、天下のGarmin様とは思えず残念。
「自動選択」「マルチGNSSマルチバンド」「GPS Only」から選択可能。マニュアルによると、各選択肢の意味は以下です。

「マルチGNSSマルチバンド」がもっともバッテリー消費が大きく、「GPS Only」がバッテリー消費が小さいということです。「自動選択」はその中間と言ったところでしょうか。
私はバッテリーを少しでも温存したかったので「GPS Only」で走ってみたのですが、速度の数値が全く安定しませんでした。実際に走っている速度は28km/hくらいなのに、23km/hと表示されたり32km/hと表示されたり。ほぼ等速で巡航しているのに、こんなに値が暴れるのには驚きました。eTrex 32xでも「GPS Only」の設定で走りますが、値は安定しています。
試しにeTrex Touchの設定を「自動選択」に変えてみた所、速度の数値が安定するようになりました。
マップの表示
マップの表示内容は「いつものGarmin」と言った感じですが、一つバグを見つけました。

この画面上部に表示されるデータ項目を「ダッシュボード」と呼びますが、時折ダッシュボードが消えてしまうことがあります。地図を全画面にするボタンを押した時がそれに当たりますが、全画面表示から戻るためのボタンが存在しません。
「メニューを出す」→「メニューを閉じる」という操作を行い、画面の再描画が走ると再び表示されますが、これは「ダッシュボードありの画面に戻る」というボタンの実装漏れに見えます。
データの保存

アクティビティを終了すると、走行データが保存されます。Garmin Connectとの連携設定を行っていれば、自動的に走行ログがアップロードされます。
eTrex 32xではPCと繋いでデータを取り出す必要があったので、それに比べると便利になりましたね。
システムの安定性
今のところ、操作が重くなったりフリーズしたことはありません。
バッテリーの持ち具合
今回、約100kmライドを以下の条件でテストしました。
- 衛星: 自動選択
- 画面表示: 常にon
- バックライト: 昼は10%、日没後20%
- 接続センサー: スマホ
- 画面: マップ
バッテリー100%の状態から、どれだけバッテリーを消費したのか?

結果としては、約7時間半の使用で、100%→90%まで減りました。10%の減少です。
このペースで使った場合、約75時間使用可能ということになります。PBP(90時間)は完走できませんが、かなり長いですね。
今回は「昼間の5時間半をバックライト10%」「夜間の2時間をバックライト20%」に設定して走行しました。途中経過を眺めた限りだと、バックライト10%の状態では「1時間に約1.25%」、バックライト20%の状態では「1時間に約1.4%」くらいの割合でバッテリーが減少していました。
仮に、ずっと「バックライトが10%」ならば80時間、「バックライトが20%」ならば70時間ほどは使える計算になります。
改善を要望したい点
eTrex Touchについて、個人的に感じた「改善してほしい」点を挙げていきます。
「航空写真」という誤訳

「通信する衛星についての設定」なのに、日本語訳が「航空写真」という謎のワードになっています。Satelliteという英語を誤訳したのでしょう。
マニュアルと合わせて「衛星設定」のようなメニュー名に変えてほしいです。
バックライトの設定を昼間と夜間で切り替えたい
iGPSPORTのサイコンは、バックライトの明るさを昼間と夜間で別々に設定できます。日没と日の出のタイミングで明るさを自動で切り替えてくれるわけですね。

この設定がGarminにもあればいいな、と思っています。
バッテリーを節約するために、昼間は極力バックライトを暗くしたい。夜間は少しバックライトを明るめにしたい。これを現在は手動で切り替えていますが、出来れば自動的にやってほしい。
Garminには「周囲の明るさでバックライトを自動調整する」という機能もありますが、この機能を適用した場合のバックライトは明るすぎることが多く、バッテリーの消耗が激しいので私は使っていません。
「推定使用可能時間」を見られるようにして欲しい
同じGarminのEdge840には、「あと何時間使えるか?」を表示する機能があります。

バックライトや通信衛星の設定によって、残り使用時間のシミュレートが出来るので非常に便利でした。
この機能がeTrex Touchにも欲しいです。
コントロール画面のアイコン不具合
画面を上から下にスワイプすると、コントロール画面が表示されます。その中の「ポイント登録」のアイコンがおかしいです。

昼間は旗のアイコンが出ていますが、夜になると何故かBluetoothのアイコンになります。正しいアイコンに修正してほしいです。
「デバイスのロック」を物理ボタンで行いたい
雨が降った際などに、タッチパネルの操作を無効化する「デバイスのロック」という機能がステータスバーに存在します。
しかし、デバイスのロックを行うには、コントロール画面を開き、その中から「デバイスのロック」メニューをタップする必要があります。雨で画面が濡れている状況ではそのようなタッチパネル操作は行いにくいため、出来れば物理ボタンで操作を行いたい所。
eTrex Touchに物理ボタンは電源ボタンただ一つ。電源ボタンのシングルクリックは「バックライトの点灯」という機能が割り当てられています。これを、「デバイスのロック」に割り当てられるようなオプションが欲しいです。バックライトは常に点灯しているので、個人的には物理ボタンに割り振るのは勿体ないと感じています。
ホーム画面: データ項目ページのフォントを大きくして欲しい

本文中にも書きましたが、ホーム画面の「データ項目」ページにおける、各データ項目のフォントが小さすぎます。これだけ余白がたっぷりあるのだから、もっとフォントサイズを大きくして欲しいです。

また、データ項目は必ず「1行に2項目」で配置する必要がありますが、「1行に1項目で大きくデータを表示する」選択肢も欲しいところです。Edgeではそういう配置も選べますので。
ホーム画面: カスタムページの分割数の選択肢を増やして欲しい
ホーム画面にカスタムページを追加する際、まずは「分割数選択」をすることになります。

これの最低分割数が「3個」というのが不満です。2個のケースや、「分割しない」という選択肢も欲しいです。
具体的に言えば、ホーム画面に「地図」アプリや「高度計」アプリをそのまま表示させたいのです。
私は走行中はほぼ常に「地図」アプリの画面を表示していますが、この画面に辿り着くには以下の手順を必要とします。
- ホーム画面を左右にスワイプし、ウィジェット中に地図アプリが含まれるページに移る
- 地図アプリのサムネイルをタップし、地図アプリに移動する
ここで2段階の作業が必要になるのが煩わしい。

eTrex 32xではホーム画面のループに直接「マップ」や「高度計」が表示出来ていました。一方、eTrex Touchはウィジェットの中の「地図」アプリのサムネイルをタップするという追加動作が必要になっています。
画面の分割とか必要ない人もいるので、是非とも「アプリをそのままカスタムページに表示」出来るようにして欲しいです。
ホーム画面: 天気アプリをカスタムページに表示したい
カスタムページのウィジェットには自分の好きなアプリを配置できるようになっていますが、すべてのアプリを配置できるわけではありません。
具体的に配置可能なアプリは現在の所は以下のとおりです。
- 高度計
- 校正気圧
- コンパス
- ジオキャッシュ
- 釣りと狩り
- 地図
- フォト
- スカイビュー
- 航空写真 (衛星との通信のこと)
- ストップウォッチ
個人的には「天気」アプリをホーム画面に表示したいのですが、現在は選択肢の中にありません。
ぜひ、天気アプリをホーム画面に追加できるようにして欲しいです。
ホーム画面: ボトムバーを非表示にしたい

正式な用語ではありませんが、ホーム画面の一番下の領域を仮に「ボトムバー」と呼ぶことにします。
この領域、常に表示されている必要はない気がします。出来れば、その分だけデータ項目を追加で1列表示するなどが出来たほうが有用でしょう。
ここを非表示に出来るような選択肢が欲しいですね。
ステータスバーの改良依頼
eTrex Touchの画面の一番上には「ステータスバー」と呼ばれる領域があります。

ここに電池のアイコンが表示されており、バッテリー残量が表現されています。ここに、出来れば残量を数値で表示して欲しいです。デジタルに残量を知りたい。

具体的には、こちらのBiNaviのステータスバーのように電池アイコンの上に残量が数字でオーバーレイされていれば理想です。データ項目でのバッテリー残量表示もステータスバーと同様に電池のアイコンが表示されるだけなので、こちらもパーセンテージを数字でオーバーレイしてほしいです。

私はどうしてもバッテリー残量を数値で知りたかったので、自分でカスタムデータ項目をプログラミングして追加しました。本当はバッテリー残量の画像の上に重ねたかったですが、そこまでは実現できていません。
また、ステータスバーには現在時刻が表示されますが、そのフォントがとにかく小さい。小さすぎます。夜間は全然見えません。せっかく表示しているのですから、もっと大きくはっきりと表示してほしいものです。


なお、地図アプリを全画面表示にしたときだけ、何故かステータスバーの時刻フォントが一回り大きくなります。常にこの大きさで表示して欲しいです。余白がこれだけあるんですから。
ナビゲーション時、「山」と「谷」を表示して欲しい

本文中にも書きましたが、eTrex 32xに存在していた「山」と「谷」を表示する機能が欲しいです。
通知を全画面で出さないで欲しい


警告の通知をいちいち全画面で出した上に、「OK」ボタンをタップしないといけない仕様をなんとかして欲しいです。
もっと通知を小さく表示するようにしてほしいですね。
マップ表示内容の改善

まずはこのマリモを消せるようにして欲しいです。

ウェイポイントのアイコンも、旗以外を選べるようにして欲しいです。

ダッシュボードが消えてしまうバグについても対応してほしいです。具体的には、マップの全画面表示からダッシュボードありの画面に戻るためのボタンの追加実装ですね。
電源OFFで充電中の表示不具合
電源をOFFにして充電していると、画面に「現在のバッテリー残量」がパーセンテージで表示されます。しかし、時間が経ってもこのパーセンテージが一向に増えません。
画面をスワイプすると再描画が走り、パーセンテージが更新されます。恐らく、定期的に行われるべき画面の再描画が行われていないのでしょう。修正をお願いしたいです。
リモートの物理ボタン、またはDi2スイッチへの対応
やっぱり手へのフィードバックがないタッチパネルのみの操作は自転車には辛い。かといって、後からハードを改造することも出来ない。
そんな課題を解決するための最後の手段は「リモートスイッチ」です。
Edgeシリーズの周辺機器に、「Edgeリモート」というアイテムがあります。

Edgeシリーズを3m離れた場所から操作できるリモコンで、ハンドルの操作しやすい場所に取り付けることも出来ます。仮に、eTrex Touchに対応したモデルが出れば、擬似的に「物理ボタンで操作が出来る」ことになります。
また、ShimanoのDi2には「リモートボタン」というものがあり、Edgeシリーズであれば通信で接続することでページ送りをすることも可能です。
是非とも、物理ボタンでeTrex Touchを操作できるリモコンという選択肢が欲しいものです。
パワーメーターへの対応
これは無理を承知で。パワーメーターとの接続に対応して欲しいです。
eTrex 32xもパワーメーターとは接続できませんでしたし、個人的には優先度はあまり高くありません。
まとめ
Garmin「eTrex Touch」のファーストインプレッションでした。

正直、現段階では全く実用レベルに達していません。購入後に400kmブルベに参加しましたが、eTrex Touchの導入は見送らざるを得ませんでした。これでブルベを走れる気がしなかったからです。
ただ、名機「eTrex 30」も最初から現在の完成度ではなかったはず。複数回のアップデートを重ねて、現在の名機の地位に辿り着いています。eTrex Touchは発売からわずか一ヶ月ということで、完成度が低いのは当然。ある程度、それを承知して購入したわけですしね。自腹βテスターです。
実用度を上げるためには、現場からのフィードバックが必要なはず。ということで、本記事では相当細かい要望をたくさん上げました。この後、この記事をそのままGarminのサポート窓口宛に送ろうと考えています。全部が対応されるとは思っていませんが、半分くらい対応して頂ければ御の字。1年後、2年後により実用的な状態になってもらえるよう、今後ともフィードバックは出していきたいです。
とはいえ、「70-80時間は動作する」というのはあまりにも魅力的。インターフェースはイマイチですが、ハードとしての性能は高いことが伺えるので、今後のソフトウェアの改善次第では名機になる可能性は高いと思っています。
著者情報
年齢: 41歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。
# これまでに著者が乗ってきたスポーツ自転車の履歴はこちらの記事にまとめています。




