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Garmin「Forerunner 265S」ファーストインプレッション
Garminのスマートウォッチ「Forerunner 265S」を購入しました。約2年間使い続けた「Forerunner 255S Music」の後継機種です。
購入まで
まずは購入までの経緯から。
2年前に初購入
2022年8月、私は初のスマートウォッチ「Forerunner 255S」を購入しました。

「ライフログを取ってみたい」という漠然とした動機からの購入。
この機種を選んだのは、「必要な機能が揃っている中で最も軽量だった」こと。「255」という機種もあり、「255S」はその小型版という位置づけです。寝ている間も含めて24時間付けるものなので、できるだけ軽いものが良いと考えたのでした。
それまで腕時計を付ける習慣がなかったため、スマートウォッチも2ヶ月と持たずに使わなくなるんじゃないか……と考えていました。
使ってみると便利だった
しかし、意外にも使い始めると便利でした。
睡眠の様子が可視化され、体調が数値化される(ボディバッテリー)という機能は興味深く、睡眠に気を使うようになりました。また、体調が悪化すると心拍数が上がるので、体調不良のサインを見逃しにくくなりました。

あっという間に着用から4ヶ月が経過。その時点での感想をまとめたのがこちらの記事です。
スマートウォッチ関連の記事はこの後にはほとんど書いていませんが、着用は継続。気づけば2年ほどが経っていました。

2023年PBPにも着用して参加。平時は腕時計型の心拍計として使用。仮眠所では音を鳴らさずに振動で起きるためのアラーム機能が活躍。完走に役立ちました。
バッテリーが劣化?
さて、使い始めてから2年も経つとバッテリーの減りが目に見えて早くなってきました。
本来この機種はスマートウォッチモードで12日間も使えるはずなのですが、ある日には1日でバッテリーが100→50%に。と思えば、翌日は1日で10%しか減らないこともあったのですが、どうやっても12日持つような状態ではなくなりました。
さすがにこれだけの期間、連続で使用するとバッテリーも劣化するのでしょう。スマートフォンと同じです。
2年使って元は取れたと思いますし、買い替えることにしました。
次はどの機種にするか
我々自転車乗りはデータの多くをGarmin Connectに握られているので、次も必然的にメーカーはGarminに決定。モデルをどれにするか?から話が始まります。
それまで使っていた「255S」にはコレと言った不満はなし。そして大きい&重い腕時計は好きじゃないこともあり、素直に後継機種である「265S」を買うことにしました。発売日は2023年3月で、最新機種というわけではありません。ただ、「2x5S」系列では最後に出た機種ということになります。
製品サイクル的にはそろそろ275Sが出てきてもおかしくないですが、Garminの製品はソフトウェアが安定するまでしばらくかかるので、発売から少し経っている機種のほうが安心ではあります。
ということで、楽天のお買い物マラソンの時期を狙って購入。結構ポイントが大量に付きました。
Garmin「Forerunner 265s」

10/26に着弾。
今回購入した「265S」は、それまで使っていた「255S」の直接の後継機種になります。機能的にも似通った部分が多いので、「追加された機能」「変更された部分」を中心にファーストインプレッションを書いていきます。
パッケージ

箱のサイズは255Sの半分くらいになりました。輸送コストの削減が理由でしょうか。

パッケージ内容はいたってシンプル。本体・説明書・充電転送ケーブルのみ。255Sに付属していたGarminステッカーは付属しませんでした。

個人的にちょっと困ったのはケーブルのアダプタに指す側がType-C端子になっていたこと。前はType-A端子だったのですが。Type-C出力のアダプタはノートPC用の一口タイプしか持っていませんでした。
仕方ないので、Type-Cの出力端子を持つ電源アダプタを追加購入。
重量
実測39g。公称39gなので公称通り。軽いです。
各部詳細

前機種の255Sは「MIP(半透過メモリインピクセル)」という方式の液晶を採用していましたが、265Sは「AMOLED(有機EL)」を採用しています。加えて、タッチパネルにも対応となっています。255Sは物理ボタンのみでの操作でした。


ただ、255Sと265Sでは物理ボタンの数は変わらず。操作方法もほぼ同じです。

付属するバンドはシリコン素材ですが、私はこれで皮膚トラブルを起こした関係でステンレスバンドに交換しています。袖口に引っかかりやすくはなるのですが、皮膚トラブルは完全に無くなりましたので265Sでも継続使用します。
裏面の光学心拍センサー部分は特に変更はなさそうです。

なお、他のブログでは良く充電端子の保護カバーを推奨している場合が多いですが、私は付けていません。結露で逆に悪影響がある可能性を考慮したことが理由です。海中での使用も考慮されたモデルですし、逆に余計なものは付けないほうが良いと思います。
255Sからの変更点(ハードウェア面)
前機種「255S」と変更点について書いていきます。
まずはハードウェア面における変更点を以下にリストアップします。違いがある部分のみ抜き出しました。
255S | 265S | |
---|---|---|
サイズ | 41 x 41 x 12.4mm | 41.7 x 41.7 x 12.9mm |
ディスプレイタイプ | 半透過メモリインピクセル | AMOLED |
タッチパネル | 非対応 | 対応 |
ディスプレイサイズ | 1.1インチ(27.5mm) | 1.1インチ(28.1mm) |
解像度 | 218 x 218px | 360 x 360px |
稼働時間 (スマートウォッチモード) | 12日間 | 15日間 |
内蔵メモリ | 4GB | 8GB |
環境光センサー | 非対応 | 対応 |
サイズは少しだけ大きくなっていますが、全体的にハードウェア機能が強化されています。
稼働時間
稼働時間も12日→15日と増え、スマートウォッチモードで使うならば2週間に一度の充電で良いことになります。
実際、ここ数日で1日に減るバッテリーは6-7%で、バッテリー劣化前の状態であれば2週間程度は充電無しで使えそうであることが確かめられました。
液晶の方式変更

一番大きな変更点は、液晶がMIP→AMOLEDになり、解像度が上がったことでしょう。255Sに比べて画面表示はより精細になり綺麗になっています。ただ、これも良いことばかりではありません。
255Sを使っていた際、私はバッテリー節約のために「画面表示:on / バックライト:off」という設定で使用していました。明るい室内ならこれで十分文字は読めますし、バッテリーの消費もバックライトを切ればかなり遅くなります。バックライトが欲しければ「LIGHT」ボタンを押せば一時的に点灯も出来るので、これで不満はありませんでした。
しかし、265Sに採用されているAMOLED(有機EL)は自発光素子で構成されています。バックライトが存在せず、液晶そのものが光るイメージ。
つまり、「画面表示:on / バックライト:off」という状態は設定できず、画面表示がonの時には必ずバックライトもonになります(正確にはバックライトではありませんが……)。画面表示をoffにしたらバックライトもoffになります。
バックライトを使う場合と比べれば有機ELの方が消費電力は控えめらしいのですが、「画面表示をさせながらバックライトをオフにする」という状態が設定できないのは少々不便ですね。画面の明るさも4段階しか選べず、最低の明るさでも結構明るい=画面を表示した時の電力消費が大きくなります。スマホみたいに99段階から選べたら良いんですが。
仕方ないので、普段は画面表示をオフにしておき、時計を見る動作をすると画面が自動点灯する「ジェスチャー: オン」に設定して使用しています。
タッチパネル
タッチパネル対応であることは購入後に気づきました。物理ボタンで特に困っていなかったので。
タッチパネルの操作感は良好ですが、結局物理ボタンで操作していることが多いです。
255Sからの変更点(ソフトウェア面)
次に、ソフトウェア的な機能面の変更点を示します。
255S | 265S | |
---|---|---|
トレーニングレディネス | 非対応 | 対応 |
HRM-Proランニングペースと距離 | 非対応 | 対応 |
ショートカット機能 | 非対応 | 対応 |
機能面ではそれほどの変更はありません。
トレーニングレディネス

自転車用途の機能で言うと、255Sにはなかった「トレーニングレディネス」が追加されました。イマイチどんな機能なのか分かってませんが、この数値が高いとキツめのトレーニングをしても大丈夫ということのようで。ボディバッテリーと何が違うんだろう?
ショートカット機能
地味に嬉しいのがショートカット機能です。
この機能に気づいたのは、記事を書くにあたってスクリーンショットを撮影しようとした時。255Sでは「LIGHTボタン+バックボタンを同時に長押し」で撮影できたんですが、265Sでは撮影できなくなってました。
調べてみると、265Sでスクリーンショットを撮影する際にはショートカット機能を使うようでした。


メニューからショートカット機能を選ぶと、物理ボタンの長押しに任意の機能を割り当てられます。私は、「START+DOWN」にスクリーンショットの機能を割り当てることにしました。

撮影が終わると、このように画面に表示されます。この記事内のスクリーンショットは、こちらの機能で取得したものです。
音楽再生機能
265Sには音楽再生機能があります。
255Sには音楽再生に対応しない「無印255S」と、音楽再生に対応した「255S Music」がありました。265Sはこの区分けをなくし、音楽再生対応のみに1本化。製品名は「265S」となっています(Musicは付かない)。
Prime MusicやSpotifyからストリーミングで音楽を受信することも出来ますし、本体にMP3ファイルを転送して聞くことも可能です。本体ストレージ容量が8GBもあるので、1000曲くらいは入れられるはず。ただ、機能的には500曲までしか認識しないようですが。

Garmin Expressと接続することで、曲ファイルを転送することが出来ます。


転送後に「マイミュージック」から音楽を再生することが出来ます。
ウォッチ本体から音楽を鳴らすことは出来ず、Bluetoothイヤホンは必須となります。MP3プレイヤーの代用とするには十分でしょう。
画面保護フィルム
265Sを買って一番苦労したのが画面保護フィルムでした。
255Sを使っていた時にはガラスフィルムを使っていましたが、何度かこれに救われたことがあります。結構腕時計って色んなところにぶつけるんですよね。ガラスフィルムが無ければ画面を傷つけていたであろうシーンが何度かありました。サイコンにはフィルムを付けない派なんですが、スマートウォッチにはフィルムを付けたほうが良いと思っています。
そこで265Sでもフィルムを貼ろうと思ったのですが……これが苦労の連続でした。
PDA工房「9H高硬度ガラスフィルム」
最初に買ったのは、PDA工房フィルム。ノートPCやタブレット用のフィルムでもお世話になっている定番メーカーです。
画面の見え方に不満があった場合に備えて、「9H高硬度」と「クリスタルな透明感」の2モデルを同時購入しました。

しかし届いたフィルムを貼ろうとしてビックリ。

いや、君ちょっと小さくない……?
画面の中央部しか保護しない大きさのフィルムで、注文したサイズを間違えたのかと思いました。しかし、パッケージを確認しても、ちゃんと「265S用」と書かれています。
この段になってようやく気づいたのですが、265Sの液晶って曲面になってるんですよね。中心部分は平らですが、外周部分は斜面状に少し下がっているのです。PDA工房のフィルムはその平らな部分だけを保護するだけのものでした。
255Sはディスプレイ全体が平らだったので、ここは完全に盲点でした。
画面の中央だけを保護するのでは足りないので、別の手段を探すことに。
Maxku「PETフィルム」
きっと先人たちも似たような苦労をしているはず……と思って検索してみると、こうした曲面のディスプレイの場合は「TPU(熱可塑性ポリウレタン)」か、「PET(ポリエチレンテレフタラート)」製のフィルムを選ぶと良いようです。これらの素材はある程度変形するので、画面が曲面でも密着してくれるとのこと。

今回購入したのはMAXKUというブランドのPETフィルム。TPUフィルムを買ったとばかり思ってましたが、PETフィルムでした。

貼った直後はこんな感じで気泡が入りまくり。ただ、製品説明には「1日もあれば気泡は自然と抜ける」そうで。



半信半疑でしたが、確かに徐々に気泡が抜けていき、一晩経つと綺麗に密着しました。

貼った後の透過率やタッチパネル操作にも難なし。PETボトルと同じ素材ということで強度的にはガラスフィルムには劣りそうですが、少しコレで運用してみます。
まとめ
Forerunner 255Sユーザーによる、Forerunner 265Sのファーストインプレッションでした。
全体的な使用感は255Sとあまり変化がなくすんなり移行はできましたが、「バックライト消灯で画面表示が出来ない」のは盲点でした。画面表示は綺麗になりましたが、この点だけは前の機種のほうがお気に入りです。
まだ使い始めて5日ほど。これからどんどん活躍してもらおうと思っています。
著者情報
年齢: 40歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。